「ジェード!ユーク!サフィ!上!!」
「月人!?」
「いつの間に!」
「ああ。ボルツが来たのか」
「なら、もうやることはないな」
ダイヤとボルツが月人の元へいった。
それを見ていた俺に何かが勢いよく飛んできた。
「うぉぉっ!フォス!?」
「ビックリした…衝撃で砕けてないか?」
「だ、大丈夫…少し欠けたけど…ありがとう、サフィ」
「学者さん!いいところに」
「なにかな」
「これ調べてくださいな」
ユークが叩いた謎の物体。
月の物では無いらしいそれはかなり大きい。
「いいか、地道に真面目にやるんだぞ」
「えっ、まじで言ってんの?」
「終わったら教えてね」
「や!ほんと!そんなことしてるヒマないんだって!」
「ごめん、フォス」
「剥がれた白粉塗ったら俺も手伝うから!」
「僕には可及的速やかな問題が…」
俺は目を見開いた。
フォスの後ろで謎の物体からなにかが顔を出していた。
「フォス、危ない!!後ろだ!」
「えっ!?」
半透明の奴がフォスを飲み込んだ。
刃を抜いて斬りかかったが手応えが全くない。
「なんだコイツ!?」
「折れ…違う、融けて…」
「ジェード、サフィ!足が…融けてる!」
ジェードに助けられて、その場を離れた。
欠けることはあるけれど融けたのは初めてだ。
「おいクズ!どこにいるんだ!」
「僕が呼んでるんだ、返事くらいしろ!」
「なっ!」
「ボルツが」
「融けた」
「バカな…!熱か?酸か?」
「僕らを融かして月へ持ち帰る新兵器か…」
「よりによって捕まったのがあのひ弱バカとは」
「こんなの初めて…」
「ぼくらって融けても元に戻ることができるのかしら?」
ボルツが呼びかけてもフォスは応えない。
応えられないほどに融かされてしまったのか…。
「ボルツ!あそこ!」
「ほら、フォスが何か見つけたんじゃない?」
「フォス!?そこにいるの?」
ダイヤが指差したところが薄荷色になった。
呼びかけるとコツコツと叩くような音が響いた。
『キュウウウウウ!!』
声をあげて潮水に落ちていったそれは
あっという間に縮んで手のひらに乗るサイズになった。
「あっけない。しょせん、ナメクジの類か」
「潮水で縮むとは」
「でも、フォスのおかげで急所が分かったわ」
「ちょっとほめてあげてね…」
「誰がほめるか!戻ったら粉にしてやる」
「ジェード!ユークレース!オレンジサファイア!」
「クズのクズ、さっさと回収するぞ!」
四人で潜って探す。
水底にはフォスの欠片が一片も見当たらない。
「そっちはどうだ、ジェード?」
「いや…見つからない」
「殻の中も空っぽで…何処へいったんだフォス…」
陸に上がると驚くことが起きた。
あのナメクジが"フォス"と呼ぶと反応したんだ。
腕を直したダイヤがナメクジになったフォスを
元に戻すために皆のところへ聞きに行った。
「フォスの事と融けたことを書いておかないと…」
「ダイヤ、何処まで行ったんだろう…」
ダイヤが夜になっても戻らない。
大丈夫だと思うけれど、凄く心配だ。
「サフィ!手伝って!」
「ダイヤ、戻ったのか!それで…何を手伝うんだ?」
「フォスを元に戻す方法が分かったの!」
「本当か!?」
殻に付いてる薄荷色の部分。
あれを砕いて集めれば元に戻せるみたいだ。
「夜だが根性だせ!せーの!!」
『よいしょー!!』
「うわー、べっとりがっちりだ」
「こりゃかかるぞ…灯りをもっと!」
削った欠片をルチルの所へ運んでルチルがくっつける。
それを何回も繰り返してフォスは元に戻った。
「きさまかー!!」
「おやめなさい!治したばかり!」
「今よ!さんはい!」
『ごめんなさい』
ナメクジが頭を下げた。
フォスより可愛いと皆は笑った。
「くそっ、おまえなんか~先生にやつざかれてしまえ~」
「あ?いいわけないでしょ!」
「フォス?大丈夫か?」
「フォス、誰と話してるの?」
「え?」