色ボケのガッシュ   作:ぜがるん

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 いろいろ酷いです。


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 身体が、風を切っている。

 ‎町を越え、山を越え、海を越えた。ついに、懐かしい景色が見えてきた。

 ‎キラキラと照り輝くお日様に、見渡す限りの青空が広がっている。ぽつぽつと浮かぶ白い綿菓子のような雲は、浮わついた心を表しているかのようだった。

 

 「ーー大鷲殿、この辺でよいのだ。少し歩きたい」

 

 目的の家の屋根を眺める。

 ‎“前”の時はそのまま突っ込んでいたことを思い出して、苦笑する。

 ‎今回はちゃんと玄関から入るつもりだ。

 

 紺色のマントに身を包んだ金髪の子どもーーガッシュ・ベルは、ふわりと大地に降り立った。

 

 「ありがとう、大鷲殿。ではまた」

 

 お礼の品(ぶり)は途中の海で渡してある。

 ‎「またいつでも呼んでくれ」と、大鷲は大空高く飛んでいった。

 ‎ガッシュは、大鷲が見えなくなるまで手を振り続ける。そして、歩き出した。

 

 

 「ふぅ…」

 

 高鳴る胸を撫でるように息を吐いた。

 ‎ガッシュは、自分が緊張していることに気づいて苦笑した。

 ‎下の階で母上殿に挨拶を済ませ、父上殿から預かった手紙を渡してある。

 顔を見たとき、‎思わず抱きついていまったが、おかしくなかっただろうか。それでも抱き返してくれた母上殿に、懐かしさのあまり涙がこぼれてしまった。

 

 ‎目の前には、一つのドア。

 ‎この先には、清麿がいる。

 ‎ノックなど必要ないだろう。この時期の清麿は、かなり荒れていた。いい返事が貰えないのはわかっている。

 ‎必要なのは、強引さである。

 

 ガッシュは、一息にドアを押した。

 

 「おいッ!誰が開けていいっ…て…?」

 「きよ、まろ…」

 

 会えなくとも、日々進む魔界の技術により、手紙のやり取りは続けていた。写真などは山ほど見た。

 ‎しかし、直接顔を見るのは何年ぶりだろう。最後に見た写真よりも、随分と若い顔がそこにはあった。

 ‎ガッシュは、目から涙が溢れだすのを止めることができなかった。

 

 「…ガッシュ?」

 「ッ!」

 

 ガッシュはそのひと言に、心臓を鷲掴みにされた。

 ‎ごしごしと目を乱暴に擦り、見開いた目で清麿を見た。

 ‎「まさか、清麿も?まさか、自分と同じように?」と、期待せずにはいられなかった。

 そして、第一声。

 

 「おぬし、ゲス麿か…?余の知っている二股麿なんだな…!?」

 「………は!?いきなり何言ってんだクソガキ!!ふざけてんじゃねーぞ!!」

 ‎「…えっ?え…?」

 

 ガッシュは混乱した。 

 ‎そんなのは、いつものことだったではないか。「ハーレム王(笑)」などと、おぬしも散々余をからかっていたではないか。

 ‎あ、もしかして自分の勘違いなのか。

 ‎清麿もと思ったが、間違いなのか。

 ‎いや、確かに清麿は自分の名前を呼んだのだ。

 うつ向きかけた顔を勢いよく上げる。

 ‎ガッシュの前には、頭を抱える清麿がいた。

 

 「は、いや…なんだこれ…水野…?それに、誰だこの綺麗な人…?」

 

 ガッシュの目がキラリと光る。

 ‎(もしかしたら。)

 ‎

 ‎ガッシュは少し錯乱していた。

 

 「そうだ清麿ッッ!思い出せ!!おぬしスズメと結婚した上に、恵と不倫していたではないかっ。忘れたのかっ!?」

 「おまえ、なにを」

 「それにほらっ!リィエンと再会して飲んで、気づいたらヤッちまってたなんて手紙に書いていたではないか!「はっ?」ウォンレイに殺される~なんてふざけていたではないか!このゲロ麿め!それに、シェリーとその友人に頼まれて、断れなくて最初の男になったぜやったぜと言っていたではないか!!「はあ!?」不倫していても反省もせずに、ずっとこんな日々が続けばいいのになとかアホなことを考えていたおぬしはどこに行ったのだ!?このゲス麿めッッ!!」

 

 ガッシュは言い切った。言いたいことはまだあったが、息が続かなかったのだ。

 ‎はぁ、はぁ、と荒げた息を整える。

 

 「いや、そんな…ばかな…」

 

 唖然とした清麿がいた。

 ‎言葉が足りなかったのだ。

 ‎ガッシュは再び武勇伝を語ろうと大きく息を吸ったところで、ふと思い付いた。魔本、読ませてみようと。

 ‎直感だった。魔本は、繋がりである。これを読めば見れば何かが起こると直感した。

 

 「清麿、これを」

 「え…ああ…」

 

 清麿は素直に魔本を受け取った。

 しかし、何も起こる様子はない。

 

 「清麿…」

 

 ガッシュの声には反応せず、清麿は本を開く。

 ‎そして、何かに操られるように唱えた。

 

 「シン・「えっ」ラウザルク」

 

 ドシャアアアアアアアアアアアア

 

 ガッシュの全身が光に包まれる。

 ‎光は段々と大きくなり、部屋の中から漏れだしたところで、一気に弾けた。

 

 「ぬ、ぬぅ…」

 

 ガッシュは眩しさから瞑っていた目を、ゆっくりと開けた。

 ‎目の前、いや目線より少し下に清麿の顔があった。

 ‎懐かしい高さだった。しかしそれは、この部屋ーー清麿の部屋では、あり得えないはずの高さだった。

 

 「ガッシュ…その姿は…」

 「清麿…おぬしやはり…ぬ、いかん。そうであった。…よし、これならいけそうなのだ。マントを身体に合わせて…と、少し行ってくる」

 

 ガッシュは一瞬にして、その場から消えた。

 ガッシュが消えた後、目を閉じて考え込む、清麿の姿が残されていた。

 

 

 

 ナ、ナンダテメェ!

 ‎ケ、ケケー!

 ドシャアアアアアアアアアアアア

 ‎ワー!!ワー!!ヤッター!!

 

 

 

 シュンッ

 

 約五分後、ガッシュは清麿の部屋に帰ってきた。

 ‎ガッシュは、号泣していた。

 ‎顔色は生気が感じられないほどに青ざめ、この世の終わりのような表情をしていた。

 

 「き、清麿…余は…余は…兄上に拒絶されてしまった……」

 ‎「え?えっ?」

 ‎「は…?兄上って……ゼオンのことか…?て、その子は…」

 ‎「も、もうだめなのだ…あぁ…兄上なんでなんで兄上ー兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上ーーーー」

 「ひっ」

 ‎「お、おい…」

 

 清麿は盛大に顔をひきつらせた。大の男がうつ向き、呪詛のように繰り返しているのだ。気味が悪い以外のなんでもない。

 

 「兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上兄上」

 ‎『ぽんっ!』

 ‎「ぐえっ」

 ‎「は…!?おま」

 ‎「あにうえあにうえあにうえあにうえあにうえあにうえあにうえあにうえあにうえあにうえあにうえーーーー」

 

 ガッシュが抱えていた子どもが、どすんと床に落ちた。

 ‎そして術の効果が切れたのか、ガッシュは元にーーいや、更にふた周りほど小さくなっていた。

 ‎そしてあまりのショックでガッシュの心は限界を越え、気を失った。

 

   

 




 

 大人ガッシュ状態では、魔法は使えません。
 ‎武器になるのは…
 ‎身体能力、マント操作、魔力感知
 ‎ゼオンから教わった
 ‎瞬間移動、使い魔、記憶操作、精神干渉
 後ろ二つは滅多に使いません。

 ちなみに、六歳状態では能力は振り出しに
 ‎でも、マントの操作はある程度できます。

 という設定を考えてみたり。
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