田舎に帰るとやけに自分に懐いた褐色ポニテショタがいる 作:SHV(元MHV)
はい、前回ほど間が空かずに更新があってひゃっほいとなる反面私に時間がないというね、なんて罪深い(血涙)
今回は圭くんのTI☆KU☆BIがあって思わず興奮してちょっと前のテンション戻ってきたねやったよたえちゃんな作者です(意味不)。
ではお楽しみくださいm(_ _)m
燦々と降り注ぐ太陽が今日も木々を照らし、林道の小道に陰と陽のコントラストを作り上げている。そう、まるで目の前を歩く圭の日焼け跡のように……。
今日は以前から川へ行く約束をしていたらしい、圭の友達である大輝と出掛ける為、俺はリュックに飲み物など諸々を詰め込んで圭に付き合っている。
圭と相変わらず他愛もない話をしてしばらく歩けば、待ち合わせ場所には既に彼の友人である大輝が待っていた。圭と同じく健康的に焼けた素肌にはじんわりと汗が浮かび、頬から滴となってたれている。
「大輝ー!」
元気よく声をかける圭。それを見た大輝が、圭へと笑顔で返す。
「おい圭おっせーぞ!」
「ごめんごめん!」
なお、遅刻したのは主に俺のせいである。今日出掛けるのは聞いていたというのに、朝のポニテで妙な時間を過ごしてしまったせいで出発するのがやや遅れたのだ。
「あ、圭んとこのにーちゃん、ども」
「おー、久しぶりだなー」
軽く頭を下げてくる大輝は、圭のクラスメイトだ。俺とも以前から圭を通して多少の付き合いがあり、こうして出掛ける際などは一緒に遊ぶことが多い。
すると、不意に大輝が圭をじっと見つめ出した。
圭はそれに対して“なあに?”とでも言わんばかりに疑問符を浮かべている。
──ぺろん──
大輝の指が、突如として圭のタンクトップを前へと引っ張った。当然と言えば当然だが、圭の日焼けした肌の境界線と、圭の乳首が露になる。ちくびが、あらわになる。大事なことだから二回考えた。
「わ、な、なに?」
「……」
俺にはとても出来そうにない大胆な行動は、彼が子供だからか、はたまた付き合いの長い友人であるがゆえか。
「やっぱお前女子みてえ」
「は!?」
ほんの僅かに頬を赤らめながら告げられた友人の言葉に圭が“心外だ”と言わんばかりに反応するが、大輝はそんな圭の様子に取り合わずからかい続ける。
「その頭だと日焼け跡の水着のみてーだよな」
(わかる~)
「うっせー!」
歩き出したふたりの、幼さの残るからかいのやり取りを見守りながら、自分自身感じていたことが他の人間も思っていたことに、どこか安堵を覚える。
「でもなんで今日はポニテ下手くそなんだ?」
グサリ、と心へ矢印が刺さる。はい、犯人は俺です。……ひょっとしてこれは今日一日言われ続けるのだろうか。やはり圭に一度ポニテを直してもらった方がいいのかもしれない。
「今日はそういう日なんだよ!」
「……」
圭の優しさが心の傷に染みる。……まあ、本人がそれでいいと言っている以上俺から無理矢理直させるのも気が咎める話ではあるので、今日一日我慢するしかないか。
第三者から言われるポニテへの文句は、自分自身への反省として受け取ろう。
気持ちを切り替え、俺は歩幅を調整してふたりの間へと割り込む。すると、自分の胸元程度の高さにある大輝の頭がふと目に入り、気がつけば撫でていた。
「でもほんと、去年来た時は圭もお前みたいに短かったのにな!」
わし、と大輝の頭を掴み、わしゃわしゃと撫で回す。無意識ながら何故だか懐かしい感触。そうそう、去年まではこうして圭の頭も──と思ったところで俺は視線に気がついた。
すっと目線を反対側へ向ければ、そこにはこちらを見つめる圭の姿。その眼差しに、羨望とも言えるほどの切ない思いが込み上げているのがわかる。
(めっちゃ見てる! それもめちゃくちゃ羨ましそうに!)
なぜだか俺は焦っていた。まずい、とも。
(そうかそういえば前はよくしてたけど、結んでいるからか無意識にしてなかったな……。あ……っ、しおしおしてる……っ)
わひゃー、とうれしそうに撫で回される去年までの圭を想像して微笑ましくなる反面、目の前で花の笑顔が萎れていく様子を見せる圭に俺は胸が締め付けられる。
俺が結んだポニーテールの、乱雑な縛りから漏れた毛先を弄りながら何か呟く圭の唇はきっと自身が髪を結んでいるせいで撫でられなかったと気がついている。
どうすればいいのか。いっそのこと俺もタンクトップをめくるべきか。いやいやいや血迷っているぞそれは嬉しいが今やることではない。
ぽん、と掌が圭の頭に乗せられた。俺自身の存在感を、ここにいることを示す為に、圭の頭を俺が撫でていることを感じさせるように。
「で、でもお前はポニテ似合ってていい感じだもんな!」
言葉にするとあまりに頼りない俺のナゾのフォローだったが、優しく撫でる圭の頭の感触は心地よいものだった。
「……うんっ」
(お、おお……うれしそう)
ふにゃ、と緩んだ顔から目が離せなくなる。
頬を染め、俺に頭を撫でられることを優しく受け止め甘える圭の表情に、撫でる手が止まらなくなる。
(なんか動物撫でてるみたいだな……)
俺は、まるで甘える猫のように、喉でも鳴らしそうな様子の圭を撫で続けるのだった。──本来の目的をすっかり忘れながら。
そんな俺たちを見て、すっかり待たせてしまっている大輝が呟いた。
「なんだアイツら……」
なお私が最近みなさんに色々声をかけられながらもまともに返事もできていないのは主にこんな風になっているせいです。
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あははははあっははは。