BanG Dream!~1人ぼっちな2人~完結 作:レイハントン
後日談です。予告通りリサ回です!
「なんだろうな……」
練習をするRoseliaの面々を見ながらこぼした言葉。
自分でもなにが、『なんだろう』と疑問に思うのかがわかっていない。でも不思議なんだ。いつもと同じ練習風景を見ているはずなのに、いつもとは違う感じがする。
確かに友希那の言うとおりなにかがおかしい。
「……ん~わからん」
おかしさの正体に俺は気づくことは出来ないで居た。
練習が始まる前。
いつも冷たい態度で接してくる友希那が今日は珍しく態度が違った。
続々とスタジオに入っていく中、自分も入ろうと一歩前に進んだ時だ。制服を思いっきり引っ張られた。
「っ?!」
そんな状態で中に入れるわけがなく俺と友希那だけスタジオの外に取り残された。
「な、なんだよ……俺なんかしたか?!」
「今日はしてないわ」
今日“は”ってことはいつもしてるってことじゃんか。おかしいな。そんなことをしている自覚はないんだが。
「あなたにお願いがあるの」
「お願い?」
服を引っ張られたまま話を続ける友希那。正直離してほしい。
「ここ最近の演奏はなにかが違うの。それを見つけてほしい」
そ、そんなこと言われましても……。音楽ど素人にそんなこと頼む人居ます? あっ…ここに居たわ。
「なんで俺に?」
「私は歌うことに集中したいからよ」
んな勝手な……。
自分勝手なお願いに正直断ろうと思っていた。けど、本当に心の底からそんなことを思うだろうか。そう考えると全てを否定出来ない。
「わかった。100%気付けるわけじゃないからな?」
「そこまで期待はしてないわ」
はっきり言うじゃねぇか……。
「どんな些細なことでもいいの。なにかあったら教えて」
それだけ言い残すと友希那はスタジオの中へと入っていった。
最後に見せた表情はどこか必死さを感じた。その必死さはどこから来るものだろう。
早く完璧にしたいから?
1日でも早く目標にたどり着くため?
いや違う……。
たぶんこのバンドのことを心配しているから。
俺はそう信じたい。
演奏が一通り終了し、一息つくメンバー。
「彰兎ー。どんな感じだった?」
真っ先に聞いてきたのはリサだった。
「ん? ……良かったぞ」
「ホントー?」
「……もちろん」
違和感の正体がなんだかわからない以上、今本音を伝えたところでだな。
「そんな感想私達は求めてないわ」
「本当にそう思っているの?」
友希那だけじゃなくて紗夜まで。相変わらず厳しいな……。自分にも仲間にも。
そこまで言うなら本音を言ってやろう。
これもRoseliaのためだ。
「なにかが違う。前の演奏とは似ても似つかない……が本音だ」
俺の言葉に反論してくる者は1人も居なかった。紗夜、燐子、あこは視線を逸らしている。つまりみんな心のどこかではわかっている……ってことになるはず。
「そっかー。じゃあもっと練習が必要だね♪」
「リサ姉の言うとおりっ! あこ、もっともっと頑張ります!」
「私も……」
3人はやる気みたいだが、2人だけいつもとは違うオーラを醸し出している。一体なにを考えているのだろう。
「ねぇ。次はリサの音に注目しながら聴いてもらえるかしら?」
「ん? リサの?」
なぜここに来てリサの音なんだ?
疑問符を浮かべていると何かを思いついたような表情を浮かべた紗夜が口を開いた。
「私も湊さんの意見に賛成です。彰兎、お願い出来る?」
「え、まぁ。次はリサの音に注目するよ」
「ありがとう」
気軽に受けたけど当の本人はいいのか?
なにも反論がないリサに若干気になりふと視線を本人に向けた。
「大丈夫大丈夫。彰兎は自分の仕事をして」
「わかったよ」
リサに何かがある。そう踏んだ友希那と紗夜。
俺にはさっぱりわからない。幼なじみの友希那が様子の変化を見抜けるのはまだわかる。でも…紗夜まで。
なんか緊張してきた……。見抜けなかったらどうする?
「じゃあ始めからいくわよ。……3…2…1───」
そういうことか。
演奏終了後の感想は一言。
“リサの音が変だ”
4つの音は重なってるけど1人だけズレがある。俺の感じた違和感の正体はこれだ。
似ても似つかない理由。リサになにかあったのか?
「リサ。あなた、今日は集中出来てないわね。どうかしたの?」
「なんでもないって。疲れちゃったのかな~。あははは」
本人は大丈夫そうだけど周り。特に友希那と紗夜はリサの異変に気付いていた。しかも音で。
ずっと音楽に関わってきた2人だからこそわかることか。
「リサ姉大丈夫?」
「あんまり……無理しない方が」
「今日は大事をとって休んだ方がいいと思います」
無理してもしゃあないしな。ここで体調崩したら元も子もないし。帰って休むのが1番か。
みんなの意見が揃った。そう思った矢先──
「嘘よ」
ただ一言。
『嘘よ』と言い放った友希那。その場に居る全員が彼女に視線を向けた。
「体調管理もろくに出来ないリサじゃないのは私が1番知ってるわ」
「友希那……」
「始まる前から元気だった人が言っても説得力ないわな」
「だよね。友希那には隠せないか………」
幼なじみってすごい。
ちょっとした変化でも気付いてしまうのだから。昔は俺と紗夜もそんな関係だったって本人から聞いたけど記憶がない俺には確かめようがない。
ほんの些細な変化に気付けるのかな。恋人って言う幼なじみとは違った進んだ関係の俺達でも。
「実はね。今のアタシって本当のアタシなのかな~って思ってさ」
リサの言葉に思わず首を傾げてしまった。
本当の自分なのか。伝えたいことがいまいち伝わってこない。
「前に言われたんだ。バンドなんかしてるよりも、おしゃれして友達と遊んでる方がリサらしい。バンドなんて全然似合わないって」
なんだそりゃ。自分が何をしようが自分の勝手って言ったら言葉は悪いか。
今のやっていることをケチつけられるとなんか腹立つよな。しかも楽しいならなおさらだ。
「あの男が言ったの?」
「う、うん………」
あの男?
これはいろいろ聞かなければいけない案件みたいだな。
「そこまで言ったんだし詳しく聞かせてくれないか?」
「ん~わかった」
「なるほどな。その男がこの前に会った人と」
「うん。みんなに迷惑かけちゃってごめんね?」
「大丈夫だよリサ姉! あこ達がなんとかするからっ! ね! お兄ちゃん!」
「お、おう。急にふるなよ………」
結局前に会った・・・確か名前は~矢野倉? だったか? その矢野倉がリサに似合わないだとかいろいろ言ったわけか。
失礼な奴だな。告白してフられたから仕返してもしてやろうなんて思ったのか? そうだったらちっさい男だ。
告白成功してる俺があんまり言えた義理じゃないか……。告白した記憶ないんだけど。
「じゃあ俺達というより、Roseliaのやることは決まったよな?」
自信満々な表情を浮かべて視線を友希那に向ける。
「そうね。その男に私達の歌を聞かせる」
今回ばかりは意見は一緒らしい。
「やりましょう!」
「あこ、いつも以上に頑張りますっ!」
「私も……頑張ります!」
みんなやる気みたいだな。
俺も自分に出来ることをやるとしますかね。
「(私も今以上に頑張らないと!)」
こうしてRoseliaの練習は再開と同時に厳しさを増していった。
誰かのために頑張るのってこんなにもすごいんだ。休日の練習風景を1人眺めながらふと思った。
持ってきたクーラーボックスに腰をかけてRoseliaの演奏に耳を傾ける。
あれからの練習はRoseliaのレベルを各段に上げたと思う。ミスする回数は減り。演奏中の笑顔の回数が増えた。演奏に余裕が出てきたということだろう。
普段からあまり笑顔を見せない紗夜も時折笑顔だ。友希那はいつにも増してかっこいい。
これを見ても“らしく”ないなんて言えるのだろうか。それは本人次第だけど、俺は言えない。
一通り演奏が終わり、一息ついたみんな。
どうだった? と言わんばかりの表情で俺を見つめてくる。
「今までで1番良かったと思うぞ」
「やったー! りんりん!」
「うん。良かったね…あこちゃん」
「さすがアタシ達~」
素直に喜ぶ3人。
「浮かれてばかりもいられません」
「紗夜の言うとおり。まだまだ上を目指すわよ」
そうは言っても笑みがこぼれている2人。隠せていると思ってるのか?
残念なことに隠せていない。
「とりあえず休憩とろう。始まってからぶっ通しで練習したから疲れただろ?」
「えー! もっとドラム叩きたい!」
「ダーメ。休むことも大切だ」
「ぶーぶー」
なんだそのただをこねる子供みたいな顔は。可愛いなおい。
2人目の妹にしたいくらいだ。
「そうね。少し休憩しましょ」
「友希那さんが言うなら……」
さすがにリーダーの言うことは聞くよな。あこは諦めて休憩を取り始めてくれた。他のメンバーも各々休憩し始めたのを確認して、俺は座っていたクーラーボックスから水筒を1つ取り出した。
「飲み物持ってきたら好きなの取っててくれー」
「お兄ちゃんありがとうー!」
そう言いながら突進してくるあこを受け止めた。
「わかったから抱きつくなって」
「ごめんなさーい」
俺から離れるとクーラーボックスの中身を燐子と一緒に見始めた。
2人の後ろで順番待ちをする友希那に視線を移し持っている水筒を差し出した。
「なに?」
「あんたは歌う人だから紅茶」
「そう。ありがとう」
特に文句は言わずに水筒を受け取ってくれた。
毎回こういう風に素直だと助かるんだけどなー。まぁ無理な話か。記憶が消える前の俺よ。お前は友希那にいったいなにをしたのだ。
飲み物をもらいに紗夜もクーラーボックスの元に来たが、リサの姿だけが見えない。彼女に視線を向けるとなにやらスマホをいじっていた。
「アタシ、外の空気吸ってくるね」
スマホをしまい、みんなの返事をもらうことなくリサは1人スタジオを出ていった。
「リサ……?」
「俺が行ってくる」
クーラーボックスから1本飲み物を取り出してスタジオを出て行った。
外に出ると行ってもそう遠くは行かないよな。カフェか外の川を眺めてるか。あとは………。
ん? ちょうどいいところに!
「まりなさん。リサどこに行ったかわかります?」
「リサちゃん? さっき外に出て行くのを見たけど」
「ありがとうございます!」
外に行ったってことしかわからないけど情報は情報だ。まだ遠くには行ってないはず。
Circleを出てカフェを確認するがリサの姿は見当たらない。今度は川の見える方に視線を向けた。
「矢野倉……?」
川に落ちないように設置された手すりの前でリサと矢野倉が話しをしている。
一歩ずつ2人に近づいていくと会話が聞こえてきた。
「明後日ここに来て。アタシ達のライブを見てもらうから」
「ライブねー。僕も暇じゃないんだよ」
「なんとか時間作ってくれるとありがたいんだけどな~」
なんだろう。いつものリサと違うような……。気のせいか?
「だいいち、君達の歌を聴いたところで僕の気持ちは変わらない。じゃあ」
言うだけ言うと、矢野倉はその場から立ち去ろうと歩きだした。
こういう時は声をかけない方がいいのかもしれない。それでも不思議と体が動いていた。
「逃げるのか?」
「はい?」
いきなり声をかけられても驚くことはなかった。男だとわかった瞬間明らかに表情が変わった。俺に敵意を向けてきているのは一巡りでわかる。さっきの言葉が気に障ったんだろうな。
「怖いか? 今のリサを受け入れるのが」
「さっきから意味のわからないことを言うね。別に逃げるわけじゃない」
「じゃあ聴けるはずだ。Roseliaの歌を」
「不気味な人だ。……明後日また来るよ」
今度は挨拶もなくその場を早歩きで離れていった。
不気味か……自分でも不思議だよ。気付いたら体が癖みたいに動いているんだから。
「ありがとう。なんか苦手なんだよね~。矢野倉くんって」
「リサでも苦手とかはあるんだな」
「当たり前だよ。アタシも人間だし」
そりゃそうか。
持っていた飲み物の存在に気が付いた俺はリサの隣に移動した。
「お茶で良かったか?」
「大丈夫だよー。ありがと」
お茶を受け取るとその場でキャップを開けて一口飲んだ。
「生き返る~」
「始まってからあんまり水分補給してなかったからな」
キャップを閉めてそのまま手に持つリサ。
しばらく会話はなかった。お互いただただ流れる川を眺めるだけ。
周りの会話がハッキリと聞こえてくる。
「次のライブいつだっけ?」
「一週間後だよ」
「楽しみ~」
「どんなバンド出るかな?」
「Roseliaの歌聴きたいな~」
ガールズバンドの勢いはすごいな。今考えると俺の周りはみんなバンドやってるような気がする・・・。気のせいではないよな?
「ねぇ彰兎……自分が自分でなくなったら。みんなどう思うかな?」
急になんの話だ?
不思議な質問をするリサはじっと川を眺めている。ふざけているわけではなさそうだ。ここは真面目に答えるとしよう。
「……俺は1度記憶をなくしてるからさ。自分が自分でなくなってる。前の自分がどうとか正直わからない……。でもみんな受け入れてくれた。紗夜もあこも燐子も友希那も。もちろんリサも」
みんなに支えられて今の俺が居るんだ。
「だからリサが変わったとしても俺は支え続ける。Roseliaのこれからもな」
「そっか。彰兎は前と変わったよ? なんか不思議になった」
「不思議に?」
「うまく言葉では表せないんだけどね」
不思議……か。確かに自分の行動は不思議だし、不気味。それは自覚していることだ。他にもいろいろあるけど今は考えるのはよそう。
「さっ練習に戻ろうかな~。彰兎も」
「そうだな」
きっといつかわかる時が来るかな。
前を歩くリサの背中を眺めながら歩いた。
~~~~~~☆
「いよいよだね」
「だな」
いつものスタジオで最終確認をするRoseliaのメンバー。あとは矢野倉が来るのを待つだけだ。
「あこ、き、緊張してきました……」
「私も……」
珍しくあこが緊張してる。燐子はいつも通り……か?
「あこ、燐子。練習通りにやれば問題ないわ」
「湊さんの言うとおり。本番は練習のように。練習は本番のように」
「なんかキメキメだな」
「そ、そう? 恥ずかしいからあまり触れないでよ……」
こっちも珍しく顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。可愛いな……。
ああやってたまに見せる恥ずかしがる所がなんとも。・・・なんて言ってる場合か。
スマホで時間を確認した。もうすぐリサが言っていた矢野倉が来る時間だ。
「みんな、もうすぐだ」
「油断はしないわ」
覚悟は決まったみたいだな。
みんなの表情からは、『ここまで来たらやりきるだけ』という思いが感じられる。ある意味このライブがリサのイメージを決めると言ってもいいくらいだ。
あとは矢野倉がなにをどう感じるか……。
1人考え事をしているとスタジオのドアが開いた。
「遅くなってすまない」
「いや。時間ちょうどだ」
「そうか。なら聴かせてもらおうかな」
矢野倉の態度はどこか強気だ。たぶんリサに対するイメージは変わらない。そう思ってるのかも。
Roseliaのライブを見てその考えが保てるのかが……運命の分かれ目。
矢野倉には用意したパイプイスに座ってもらいライブを見てもらう。
そして──Roseliaのライブが始まった。お客さんは1人。本来ならもっとたくさんの人に聴いてもらいたい。友希那達だってそう思ってるはずだ。
それでもこのライブに踏み切ったのはリサに勝手なイメージを押し付ける矢野倉の考えを改めさせることだろう。
そこで選んだ曲は3つ。
BLACK SHOUT。
LOUDRA。
陽だまりロードナイト。
矢野倉……あんたはなにを感じる?
5分かからない曲を3つ。時間はあっという間だ。
演奏しきった5人の表情からはすがすがしさを感じた。しかし矢野倉の感想を聞いてからじゃないと本当に喜べない。
「な、なるほど……。これが君達のライブね」
「今のを見てまだリサらしくなって言うつもり?」
真っ先に口を開いたのは友希那だった。彼女の言葉に対して矢野倉は黙る。
「変わらない。僕は変わってほしくないんだ! 前の君の方が魅力的で惹かれ───」
まただ。気付いたら体が勝手に動いている。俺は矢野倉の胸ぐらを掴んだ。
「いいか?! 目の前の現実から目を背けるな! 人が変わっても消えるわけじゃない! 思い続ける限り心の中にとどまり続けるんだよ!! 忘れない限り……永遠に」
「……嫌なんだ。今の彼女を認めるのが……」
さっきとは違い、弱々しい言葉を並べてきた。胸ぐらからそっと手を離した。
「例え変わってしまったとしても彼女は今井リサだ」
「……そうかい。悪かったよ」
そう言うと矢野倉はスタジオを出て行った。
しばらくの間誰も言葉を発する人は居なかったが、こういう時こそ1番に言わないといけない。
道に迷ったら示し、導いてあげたいから。
「今日の演奏も最高だった。お疲れ様」
「当たり前よ。どんなライブも完璧にこなすのがRoselia」
いつものトゲのある言い方ではない。それは友希那の表情を見てもわかることだ。
「そうだよな。今日は打ち上げにでも行くか?」
「さんせーい! さすがお兄ちゃん!」
「じゃあファミレスだね~」
「いいと……思います……」
さっきの空気とは一変してテンションが上がるあことリサ。燐子も否定派ではないみたいだ。
「なにを言っているの? 練習よ」
「湊さんの言うとおりです。スタジオを予約した意味がなくなります」
変にストイックな2人はやっぱり賛成してくれない。ここは俺がなんとかしよう。
すーっと紗夜の横まで移動して耳元で囁いた。
「ポテト俺が頼んでやるぞ。大盛り」
「なっ……!」
もはや悪魔の囁きだがこれが一番効果的だ。
「仕方ないですね。たまにはいいと思います」
「紗夜?!」
「そんじゃ片付けて行こうぜ」
「横暴だわ………」
悪いな友希那。でも、紗夜の言うとおりたまにはみんなでワイワイ騒ぐのもいいと思う。目標を達成出来たことだし。
片付けを手伝おうと腕をまくると、リサが近づいてきた。
「さっきはありがと。かっこよかったよ」
「どういたしまして。言いたいことを言えてすっきりしたし、俺もよかった」
「そっか。あっ、髪の毛にゴミ付いてるから、ちょっとしゃがんでくれる?」
言われるがままに少し腰を落とした。
次の瞬間──ほっぺたに何か柔らかい物が一瞬だけ当たった。
「なっ?! リサ?!」
ほっぺたにキスをされた。
今のは完全に油断してた………。
「顔真っ赤! 彰兎照れてんの?!」
顔が赤いのは自分でもわかる。熱いんだもの。
「今井さん! 人の彼氏に何をしてるんですか?!」
「彼氏ー? 紗夜も大胆なこと言うんだね~」
「べ、別に私は……!」
ははは………振り回せれてばっかりだな。
でも。みんな笑顔だしいいか。
ありがとな。リサ。
────────☆
「んあ?」
ここはどこ?
目を覚ますとなにもない一面真っ白な空間に1人立っていた。辺りを見渡すがひと1人居ない。
いったいどうなってるんだ?
わけわからない状況にオレは戸惑っていた時、後ろから足音が聞こえてきた。ゆっくり振り返ると金髪の男がオレを見つめながら歩いてきている。
「アンタは誰だ?」
質問者しても答えが返ってくることはなかった。徐々に近づいてく男はすげぇ気味が悪い。逃げようにも不思議と足が動かず逃げられない。すると金髪の男は手を上げた。横を通り過ぎる直前にハイタッチを交わす。
「あとは任せた。
「はっ?」
いったい誰なんだアンタは。あとは任せたって何を任せた?
全てが謎だ───
目を開けて最初に映ったのは自分の部屋。どうやらアルバムを見ている途中で、机に突っ伏して寝落ちしたらしい。運良くよだれは垂れていなかったみたいで助かった。
アルバムにはオレと幼なじみの女の子2人が仲良く写っている。
「友希那……リサ……元気にしてっかな~」
背もたれに背中を預けてぐっと背伸びをした。
どうせ心配はされてないだろうな。だってオレは……。
「裏切り者だから」
自分の言葉だけがむなしく響いた。
声優の方が引退ということでリサ回にしました。
これで1人ぼっちな2人の物語は終わりです!
ここまで頑張ってくれた市ヶ谷彰兎には感謝ですね(^_^) すでに次回作の主人公が登場してますが、今回もプロットを考えているのでまだまだ先になりそうです!
今後ともよろしくお願いします!
余談ですが、未だに1作目が良かった理由が作者はわかっておりません笑
それではまたいつか(^_^)ノ