「…分かったわ
もし偽りや間違いがあってうちの人に何かあったら
絶対許さないから」
その女性は
サリアに言われたことに加え男手を連れて来る。
はっきり言って助かることだ。
普通の錬金術では組織を再生できるが、
肉体の組織を繋ぐことは難しく、精度が必要だ。
(細い筋肉繊維や毛細血管を体外から見ずに繋ぐのは至難の技だ)
まぁサリアにもできなくもないのだが再生でなく、
活性化させ高速治癒させることで、組織はより強くなるし、何より
完治は早く、後遺症もサリアがやったなら100%ない。
しかしサリアにリスクがある。
活性化を誘導するため、
みずからのサリア自身の生命力を呼び水にするため
やり過ぎると若すぎる衰弱死である。
だからいつもは緊急の患者にしか使わないのため
普段普通の成人男性一人なら簡単に支えられるが
少しでも負担を減らすためには有り難いことだ。
男達に指示する。
手元ばかり見ているのに男達の動きを全て把握しているかのように。
「じゃあさっそくお願いします。
怪我人に紐をつけているので、
まず赤の人をこちらに集めて行って下さい
紐は脚か腕につけているので。」
術を酷使しながら言う。
途端
少し冷たいと言える声でサリアは言う。
「決して紐を変えたり、とかしないで下さい。
赤紐をつけている人は生死の間際の人ですから」
「分かった従うぜ。サリアちゃん(アリテレス先生)」
ここらへんに住む人はサリアの正しさや優秀さは既知の事実だ。
それだけ地域の人に慕われる存在なのだ。
身分など関係なく…
一方キーリの方では
「うっわーこりゃ骨が折れるぞ。
あーああの3人もく…」
「俺達のことか?」
キーリが独り言を言っていると
それに応えた人がいた
「ケイト、ユリア」
ケイトと呼ばれた方は金髪に灰色の瞳の男性で
ユリアと呼ばれ方は蒼い瞳にまるでお姫様のよ
うに栗色のくせ毛を巻いている女性
2人ともキーリ達と同い年か少し上に見える。
「生憎俺達2人だけどな。
アリシアはまぁ一応身分が身分だからな」
キーリがぼやいていた3人がこの3人のことだ。
ケイト・ハーウェイ。
ユリア・エイレン。
アリシア・ライラック。
ちなみに3人ともキーリ達の2つ年上で20歳。
キーリとサリアにとっては
最も親しい友人であり
気軽に話せるお姉さんお兄さん的存在であり、
そして誰よりも互いを認め合い、
キーリ達にとって唯一の信頼し力を託せる相手だ。
「驚いている暇があればさっさとしますわよ。
キーリ、ケイト。サリアは別行動かしら」
率直な
オブラートに包まれた
最もな言葉。
ユリアの性格を知らなければ、
まるで怒っているかのように見え、表情も無表情だ。
だが
「」
「分かってるって。
ちょうど12号車あるし一人ノルマ4な」
2人ともが普通に受け答える。
彼女は言葉が少ないだけで、全てが真を指すから。
ケイトは指を弾く。
正確には、両方に嵌まった精巧な紋様が入った銀の指輪を、
白いや銀の光が放たれる。
見えない塊が当たったかのように鋼鉄製の列車の扉へぶち当たり、
しかもそれは倒れ込まず不自然に浮き上がり、安全な場所へと落ちる。
これが彼の実力だ。
ケイト・ハーウェイ
キーリやサリアと同じ十二蓬華の一人で二つ名は"白薔薇"。
その証にしている手甲は白薔薇が黒地の上に鮮やかに描かれていて、
ペンダントについた透明ないや少し蒼がかった石が
光る。
あれと思うかもしれないがキーリもサリアもそれぞれの色の石を身につけている。
この石は普通の錬金術師には術法増幅機になるが
彼らにとっては強すぎる力の抑制剤となる。
話は逸れたが、
ケイトには通り名がある
神風と
その名の通り
空気や風-気流を操る錬金術を得意とする。
今のも風を操り、様々な衝撃を緩和したのだ。
次々と開かなくなった扉を打ち壊していく。
自分のノルマが終わると風で自らを僅かに浮かし、
中に入り瓦礫を撤去し
下敷きになった人を助ける勿論全員息があるわけではない。
なるべく動かさないように注意しながら、
息がある人を風で外へ、サリアの元へと送る。
「ちょっとケイト来てくれない?」
「なんだキーリ」
呼んだのはキーリだった。