無剣の守護戦姫   作:未蕾

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EP.1 デスゲーム

キリトside

 

 

 

 

ローブの男の手によって、《ソードアート・オンライン》はデスゲームへと変貌を遂げた

 

 

 

 

 

 

ゲーム内での死亡は現実世界での死亡とリンクする、それだけでプレーヤーの恐怖を駆り立てるなど容易なことだった

 

 

 

 

ローブが消えたと同時に周りは様々な負の感情で包まれた

 

 

 

 

 

 

『ふざけるな!こっから出せ!』

 

 

 

 

 

『これから人と会う約束があるんだぞ!』

 

 

 

 

 

多方向から飛び交う怒声、絶望にうちひしがれ、膝をつくプレーヤー。はっきり言って地獄絵図そのものだった

 

 

 

 

 

冷静にプレーするなどもはや不可能に近かった

 

 

 

 

 

「奴の言葉が本当ならこれからはリソースの奪い合いになるだろう、俺はこれから次の街を目指す。クライン!お前も着いてこい!」

 

 

 

 

 

これから先、間違いなくフィールドはプレーヤーによって取り合いになる、先手を打つための最も有効なアドバンテージは情報、特にβテスターは誰よりも有用な情報を持っている、彼らならすぐにでも行動に移すだろう

 

 

 

 

 

 

「気持ちはありがてぇけどよ、すまねぇ、俺には一緒にログインした仲間がいるんだ、あいつらを置いていく分けにはいかねぇ。」

 

 

 

 

 

俺は返答に困った、出来ることなら彼ら全員を連れていきたい所だが、生憎俺に3人以上を守れる器量は持ち合わせてない

 

 

 

 

 

とはいえ、彼らを置いていくのも気が引ける

 

 

 

 

 

 

「お前には世話になったからよ、俺達は大丈夫だ!お前に教えて貰ったテクで頑張ってみるぜ!伊達にギルドの頭は張ってねえさ。」

 

 

 

 

 

 

「クライン・・・そうだ、もしもの時はツバルを頼れ、あいつならこの状況をなんとかしてくれるだろうからよ。」

 

 

 

 

 

 

彼はβテスト時代からリーダー気質だった、ボス戦となれば指揮を取り、己のセンスとカリスマ性で個性豊かなテスター達をまとめ、駆使してアインクラッド10階層まで登り詰めることが出来た

 

 

 

 

 

 

「だったらよお、お前もくりゃあ良いじゃねえか。知り合いなら積もる話もあるだろおしよ。」

 

 

 

 

 

「悪い、俺には出来ない理由があるんだ。行くならお前らだけで頼む。」

 

 

 

 

 

 

特にこれといった理由というわけではない、ただ嫌な予感がする。それこそ先手を打たなきゃいけないほどの邪悪なナニかが

 

 

 

 

 

 

確証はあるのかと聞かれればそれまでだけど、自分の第六感は警鐘を鳴らすのだ

 

 

 

 

 

 

 

「そうか!なら深くは聞かねえよ、色々とあんがとな!おめえ!案外可愛い顔してるじゃねえか!」

 

 

 

 

 

 

彼とは一生涯切っても切れないそんな関係が続く、そんな気がした

 

 

 

 

 

 

「おめえもその野武士面の方が100倍似合ってるぜ!」

 

 

 

 

 

未だ止まぬ喧騒とクラインに背を向け、俺は次の町に行くため、走り出した

 

 

キリトside out

 

ミィナside

 

 

 

 

 

 

 

「ミィナ!ボーッとするナ、さっさと行くゾ!」

 

 

 

 

 

 

突然のデスゲーム宣言、未だ頭の整理が追い付かず、ボケーっとしている私に隣から怒鳴られ、現実に引き戻される

 

 

 

 

 

 

「行くって何処に?」

 

 

 

 

 

 

「そリャキー坊のとこだヨ!早く行かないト追い付けなくなるゾ!」

 

 

 

 

 

「ま、待って!せめてもう少し気持ちの整理させて。」

 

 

 

 

 

 

「なニ悠長な事言ってるんダ!これからはただのリソースの奪い合いなんダ、ただでさエミィナにはハンデを負ってるんダ、手遅れになるのモ、時間の問題なんだゾ!」

 

 

 

 

 

 

アル姐は決死の形相でこちらに叫んでくる

 

 

 

 

 

 

「分かった、彼の所まで案内をお願い。」

 

 

 

 

 

 

正直言って恐怖しか無い、けど何もせずここで助けを待つのだけは嫌だった

 

 

 

 

確かに私にはハンデがある、お荷物にしかならないかもしれない、けどそれを差し引いてもお釣りがくるほどのアドを私は持っている。ならばそれを活用しない手などない

 

 

 

 

 

「覚悟を決めたナ。」

 

 

 

 

 

私たちは彼を追いかけるため、広場の出口へと駆け出した

 

 

 

ミィナside out

 

クラインside

 

 

 

「おーい!お前ら!」

 

 

 

 

 

 

キリトと別れた後、俺は広場で落ち合う予定だったメンバーを探していた

 

 

 

 

 

「あ、リーダー!」

 

 

 

 

 

「ここにいたか、おめえら!」

 

 

 

 

 

 

探し回ること10分ほどであいつらは見つけることができた

 

 

 

 

 

 

「これからどうするんすかリーダー!」

 

 

 

 

 

「なぁに任せとけ!俺はさっきまでテスターにレクチャーを受けてたんだ、お前ら全員まとめて鍛えてやるよ!」

 

 

 

 

 

「おお!流石リーダー!」

 

 

 

 

 

「女癖以外はしっかりしてるぅ!」

 

 

 

 

 

「最後のは余計だ!」

 

 

 

 

 

 

「「ハハハハ!」」

 

 

 

 

どんな状況でもバカやって笑える、そんなギルドだからこそ俺は頭張ってられんだ

 

 

 

 

 

「ところでよ、おめえら。ツバルっつうプレーヤー知らねえか?」

 

 

 

 

 

「知らねえっす、ナンすか?リーダーの知り合いっすか?」

 

 

 

 

 

「いやな?さっきまで俺にレクチャーしてくれた人がな、困ったときゃそいつに頼れって教えてくれてよ。」

 

 

 

 

 

「ほー、ツバルねぇ・・・」

 

 

 

 

 

「おヤ?おにーさん達、お困りのようだナ。」

 

 

 

 

 

「うぉぉぉ!?」

 

 

 

 

 

突然の後ろから声を掛けられたじろいじまう

 

 

 

 

「そこまで驚かれるとは心外だナ。おネーサン泣いちゃうゾ。」

 

 

 

 

 

ジェスチャーで泣くふりこそしているけど顔は笑っている

 

 

 

 

 

 

「それで、あんた誰?」

 

 

 

 

 

 

「おネーさんか?アルゴってんダ、よろしくナ。で、おにーさん達ツバルってプレーヤー探してるんだロ?」

 

 

 

 

 

「あ、ああ。知ってるのか?」

 

 

 

 

 

 

「そりゃーもちろン、伊達に情報屋やってないサ。」

 

 

 

 

 

「それで?彼は何処にいるんだ?」

 

 

 

 

 

 

「着いてこいヨ、案内するかラ。」

 

 

 

 

 

 

彼女に連れてこられ、広場の中央、つい一時間前までローブの男が立っていた所に数人のプレーヤーが集まっている

 

 

 

 

 

「久しぶりだナ、ツー坊。」

 

 

 

 

 

「お、アルゴか!久しぶりだな!」

 

 

 

 

「えっと・・アルゴさん?彼は・・」

 

 

 

 

仲間の問いにアルゴは愚問だとばかりに呆れた顔で

 

 

 

 

「ン?だから言っただロ?こいつがツー坊サ。」

 

 

 

 

肩に付くか付かないか位に伸ばされた髪、先のキリト程で無いにしろ柔らかめの表情、名前からして男性だと思ってたがこいつぁ・・・・

 

 

 

 

 

「俺はてっきり男性かと思ってたんだが・・・」

 

 

 

 

「お、俺の名はく、クライン!齢24で独身((ぐはぁぁっ!」

 

 

 

 

 

最後まで言い終わる前にツバルに殴られて吹っ飛ばされる

 

 

 

「俺は男だ!」

 

 

 

 

「ニャハハハハハ!!」

 

 

 

 

 

「す、すまねぇ!悪かった!」

 

 

 

 

 

「いいよもう慣れてるし・・・」

 

 

 

 

な、なんかわりぃことしちまったな・・いつか飯でも奢ってやっか!

 

 

 

 

「で?俺に何か用か?出来るだけ手短に頼みたいのだけど。これからここにいるニュービーを引き連れなきゃいかねえしよ。」

 

 

 

 

確かにキリトの言う通りの人間だな

 

 

 

 

「俺はクラインて言うんだ、俺はさっきまでキリトといたんだが、あいつと別れるときにおめぇの名前を呼んでそいつに頼れって言われてよぉ。」

 

 

 

 

「何!?キリトがいるのか!?それで!奴は今何処に!?」

 

 

 

 

 

「あっと・・・一時間位前に次の街に行くっつってたからそろそろ着いてるとこだと思うぜ?」

 

 

 

 

「なら今すぐ連れ戻そう、あいつが居なかったらこれから先の攻略が難しくなる!」

 

 

 

 

 

「そんなにつえーのか?キリトって。」

 

 

 

 

 

「あぁ、テスト時代じゃテスター最強とまで称された生粋のゲーマーさ、確かコンビ組んでたと思うが・・」

 

 

 

 

 

おいおい、そんなすげー奴から俺はレクチャーされてたのかよ!俺!

 

 

 

 

 

 

「コンビの相手が誰かは知らねえけどよ、俺が見た感じソロだったぜ?連れも居なかった様だしな。」

 

 

 

 

「あっれれー?おっかしーなー、コンビ揃って上の実力持ってるから少しは楽になると思ったんだけど・・・アルゴ、何か知らね?」

 

 

 

 

「さあナ。」

 

 

 

 

 

「まあいいや、ここに居ない人をどうこう言ったって埒があかねえや。とにかく俺達が今やるべきことはニュービーを引き連れて次の街を目指すだけ!」

 

 

 

 

「俺達も参加して良いかい?」

 

 

 

 

 

後ろから黒髪の美青年が声を掛けてくる

 

 

 

 

 

「えっと・・・貴方は?」

 

 

 

 

 

「おっと自己紹介が未だだったね。俺の名前はディアベル、βテスターだ。とりあえず近くにいたテスターを集めてきたけど。」

 

 

 

 

 

 

「それは助かるよ!流石に俺1人で大勢を相手するのは無理があるからな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで?俺達は何をすればいいんだい?」

 

 

 

 

 

 

 

「進む気のあるニュービーの指導を頼む。」

 

 

 

 

 

 

「了解した。」

 

 

 

 

 

 

「おしっ!聞け!ニュービー共!俺達は先に進む!無理強いはしない、けど共にこの ふざけた孤城(アインクラッド)を壊す覚悟があるのなら!俺達に付いてこい!」

 

 

 

 

 

 

ツバルの声に周りの連中が揃って声を上げる

 

 

 

 

 

 

 

「行くぞ!」

 

 

 

 

クラインside out

 

 

 

 

 

 

一時間前

 

 

 

 

 

 

 

キリトside

 

 

 

 

 

 

「待てヨ、キー坊!」

 

 

 

 

 

 

 

次の街を目指すためボアをなぎ倒しながら俺は一人草原を駆け抜けていた、5体目のボアをポリゴンにした後、背後から聞きなれた声が聞こえる

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・誰だ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

振り返って見れば少し小柄な黒髪の少女が二人、左の子に見覚えはないが右の子はどこか見覚えがある

 

 

 

 

 

 

「恩人の名前を忘れるなんテ、おネーサン泣いちゃうゾ。」

 

 

 

 

 

 

 

「お、お前!アルゴか!?」

 

 

 

 

 

 

 

トレードマークこそないが、独特の口調と言い回し、アルゴに違いなかった

 

 

 

 

 

 

「今ごろ気付いたカ、まあいいサ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでアルゴ、お前相棒でも雇ったのか?」

 

 

 

 

 

 

 

ふとアルゴが連れてる子が気になりアルゴに聞いてみた

 

 

 

 

 

 

 

 

「この子の事デ、キー坊に頼みたい事があるんダ。聞いてくれるカ?」

 

 

 

 

 

 

「もちろん!俺に出来ることなら何でも聞くぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「オ、何でもするって言ったナ?途中で撤回は無しだからナ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、アルゴには世話になってきたからな、無理難題じゃなければ聞くよ。」

 

 

 

 

 

 

「それじゃア、折角だガ・・・」

 

 

 

 

 

 

謎の間に少し身構えてしまう、アルゴはたまにとんでもないことを口にする、テストの時も何度振り回されたことか

 

 

 

 

 

 

 

「キー坊にはこの子とコンビを組んで貰うヨ。」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・へ?」

 

 

 

 

 

 

違う意味で期待はずれなアルゴの答えに拍子抜けて素頓狂な声を出してしまう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんダ?聞けない理由でもあるのカ?」

 

 

 

 

 

 

 

「べ、別にそういう分けじゃないけど・・なんというか、拍子抜けというか・・」

 

 

 

 

 

 

 

「おやおヤ~?キー坊はどんな頼み事をご所望なのかナ~?」

 

 

 

 

 

 

「べ、別にそういうわけじゃなくてだな!でもいいのか?俺で。パーティーとか他に手があるだろ。」

 

 

 

 

 

 

「そりゃ勿論キー坊がボッチだかラ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪かったなボッチで。」

 

 

 

 

 

 

「あァー、俺っちが悪かった、悪かったカラれだから落ち込まないで聴いてくれヨ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・分かった。」

 

 

 

 

 

 

「とりあえず彼女を見て何か違和感を感じないカ?」

 

 

 

 

 

 

アルゴに促され、彼女を眺めてみるも特に変わったら所は見つからな・・・

 

 

 

 

 

 

「あ!武器がない!?」

 

 

 

 

 

 

プログラムで作られたゲームの世界に感情など存在しない、たとえプレイヤーが瀕死だろうと気絶してようがお構い無しに襲いかかるしポップもする

 

 

 

 

 

 

 

だからフィールドに出るプレイヤーは何かしら武器を装備するのだが、目の前の彼女にはそれが見られない、従来のRPGならたまにいるがこの世界はデスゲーム、そんな死にたがりの様な真似をする輩はいるまい

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようやく状況が掴めたようだナ。そうサ、彼女は武器を装備していなイ。否、したくても出来ないんだヨ。」

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ!?」

 

 

 

 

 

 

「実はナ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

アルゴは俺に彼女の身に起こったことを伝えてきた

 

 

 

 

 

 

 

 

「こりゃまた災難な事で・・・・で、何でコンビなんだ?パーティーの方が安全だろ?」

 

 

 

 

 

 

「それはキー坊が一番良く知ってる筈だロ、形だけの仲間ごっこ(パーティー)程脆い物はないっテ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ、そうだったな・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにダ、このスキルにはボーナススキルが有ってナ、ウィンウィンって分けサ。」

 

 

 

 

 

 

確かにゲームバランスが崩れる所の騒ぎじゃないほどのボーナスだけど・・・

 

 

 

 

 

「分かったよ。このまま闘えないプレーヤーを置いてくのも気が引けるしな。」

 

 

 

 

 

 

 

「色々とすまないナ、俺っちも出来るだけの事はサポートするヨ。」

 

 

 

 

 

「そういえば未だ名前を聞いてなかったな、俺はキリト、よろしく。」

 

 

 

 

 

 

 

「私はミィナ、これからたくさん迷惑かけると思うけどよろしく。」

 

 

 

 

 

 

 

「そういえばアルゴ、お前に頼みたい事があるんだけど。」

 

 

 

 

 

 

「なんダ?」

 

 

 

 

 

 

 

「お前の攻略本に載せる情報収集とマップは俺がやっとくからお前は一度始まりの街に戻ってくれるか?」

 

 

 

 

 

“なにが”とは言わなかった、アルゴなら察してくれると思ったから

 

 

 

 

 

 

「分かっタ、ニュービーを頼むって言いたいんだロ?出来るだけ早くそちらに向かうサ。」

 

 

 

 

 

「サンキュ、この礼はいつか精神的に。」

 

 

 

 

 

アルゴは俺達に背を向けて来た道を引き返していく

 

 

 

 

 

 

「さてと、ミィナだっけ?」

 

 

 

 

 

「は、はい!何ですか?キリトさん。」

 

 

 

 

 

まだ緊張が抜けきれてないらしい

 

 

 

 

 

「そこまで気張らなくていいよ。それとゲームなんだ、タメ口でいいよ。」

 

 

 

 

 

 

「はい。」

 

 

 

 

 

 

「とりあえずさ、ここで話すのもあれだし、宿行こっか。」

 

 

 

 

キリトside out

 

ミィナside

 

 

 

 

 

アルゴからの薦めでキリトとコンビを組むことが出来た、その後彼に促されるまま、1つの宿にたどり着き、部屋を取った後、彼に呼ばれて部屋に入った

 

 

 

 

 

「とりあえずこれからの方針を決めよっか。君はこれからどうしたい?」

 

 

 

 

 

 

「・・・・」

 

 

 

 

 

 

広場を出る前にある程度決めていたはずなんだけど、いざ聞かれてみると中々答えられないものなんだなあ

 

 

 

 

「本当なら職人を薦めたいのだけど、武器が使えないとなると鍛冶師は勿論だが商人も難しい、となると宿で一人待っててもらうのが一番安全か。」

 

 

 

 

「それだけはやめて・・・」

 

 

 

 

 

図々しいのは分かってる、けど“ただいま”が確約されていないこの世界で今日死ぬかと知れない人の帰りを待つことだけは嫌だ、もう2度とお姉ちゃんの時の二の舞だけは踏みたくないから

 

 

 

 

 

「分かってる。私なんかが出しゃばっちゃいけないって、闘えない私を連れてったってお荷物以外の何者にも成らないのも承知、けど何も出来ずにただ私の知らない場所でキリトが殺されるのは嫌なの!どんなに使えなくたって身代わり1つには事足りるから!だから!だから!」

 

 

 

 

もう止められることなど出来なかった、どんなに心で止めて!と叫んでもストッパーがかかることはなかった

 

 

 

 

「もう止めてくれ!」

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

 

 

 

「何でそんなに自分の命を軽んじることが出来るんだよ・・・そりゃ俺だって君が知らない場所で死ぬのは怖いさ、けど俺の代わりに死ぬなんてバカな事だけは止めてくれないか。それが約束してくれるなら君の要求を呑むよ、無論君の事は最優先で全力を持って守り抜く。これでいいか?」

 

 

 

 

 

 

「本当にいいの?私を連れてっても。」

 

 

 

 

 

「だからそう言っただろ?」

 

 

 

 

 

 

キリトから軽くデコピンを食らわされる

 

 

 

 

 

「それじゃ最後に確認するぞ?」

 

 

 

 

 

 

「うん。」

 

 

 

 

 

「君はこれから先多くのモンスターを武器無しで対面しなきゃいけない、勿論俺が倒せるものは早めに倒すし、極力対峙するのは避けていくつもりだ、けどそれだって絶対じゃない。そんな時君は怖じ気づかずにしっかり向き合えるか?この世界で生き続けるために一番大切なのは“心の強さ” だ、一度負けちまったら勝てるものも勝てなくなるぞ。一度でも弱味を見せたら相手は容赦なく襲ってくるぞ、お前には一緒に来る覚悟があるか?」

 

 

 

 

 

「勿論!それに全力で守ってくれるんでしょ? 私の騎士(ナイト)様。」

 

 

 

 

 

 

「仰せのままに。」

 

 

 

 

 

 

「これからたくさんの迷惑をかけると思うけど、よろしくお願いします!」

 

 

 

 

 

「さてと、本当なら“森の秘薬”クエストを受ける予定だったんだけど、変更だな。」

 

 

 

 

 

 

「森の秘薬クエスト?」

 

 

 

 

 

「ああ、片手用直剣が手に入るクエストでな?その剣が強化すれば三層まで使えるから人気なんだ、だから早めに受けたかったんだけど予定変更だな・・・」

 

 

 

 

 

「い、いいよ!別に気を使わなくたって!それで死なれても後味悪いし・・・」

 

 

 

 

 

「テスターがやっても下手すれば死ぬ程の難易度だから流石にこの状態でいくのも無謀だし、平均一週間はざらじゃ無いほどのクエストだけど大丈夫か?」

 

 

 

 

「う・・・」

 

 

 

 

「なあに心配すんな!クエストは無くなったり逃げたりしねえよ、まずは基盤を固めてから挑戦しようぜ。そこで、だ。ミィナは隠蔽スキルって取れるか?」

 

 

 

 

 

ウィンドを開き、スロットの画面を選択すると隠蔽スキルと探索スキルの両方がスロットに追加される

 

 

 

 

 

「うん、取れたよ。」

 

 

 

 

 

「まず、この一週間で隠蔽スキルを全力であげて貰う。それが生きるための手段の1つだ。ほとんどのモンスターは隠蔽スキルを発動していればまず気づかれることはない。例外はあるけど迷宮区のモンスターはそれでどうにかなる。まずはそれでモンスターに慣れてもらう。上げ方は簡単、四六時中発動してれば時間に比例して上がっていくんだ。」

 

 

 

 

 

「分かった。」

 

 

 

 

「それじゃ、これから頑張ってこうぜ!」

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