ツバルside
「ぐるぉぉぉ!」
ボスは最期に雄叫びを1つあげ、爆散した
先までボスがいた場所にはフードを被ったプレーヤー二人
空中には勝利を示す『congratulations』の文字
「「よっしゃああああ!!」」
俺たちは勝利を噛みしめ、喜びの雄叫びをあげる
ボスを倒した二人はさして興味なしと言わんばかりに黙々と剣を片付ける
「Congratulations、見事な剣技だったぜ、今回の勝利はお前らのもんだ。」
「どうも。」
エギルに握手を求められ、渋々といった感じで握手を返す黒のフードを被ったプレーヤー
「ありがとう、君達のおかげで誰も死なずに勝つことが出来た。」
「最初の犠牲者どころか、攻略組を壊滅まで追い込もうとした貴方がよくそんな事言えますね。」
「貴方ね、攻略組に参加せず、途中から横入りしてきて美味しいとこだけ持ってった貴方達と違って全員をまとめて率いたのよ!」
「率いてきたリーダーだから壊滅に追いやっていいと?呆れを通り越して嗤えますよ。まさか貴方みたいな能無しが攻略組にいたとは、落ちぶれたものですね。大体参加するか否かは自分で決めること、貴方にどうこう指図される筋合いは有りません。」
「なっ!」
「やめとけ、そんな奴に構ってるとお前まで低脳になるぞ。」
「そうですね、せいぜい2層では頑張ってください。」
俺達に背中を向け、入り口へと歩を進める
「ちょっと待てよ。」
戻ろうとする彼らを止める
「なんですか?」
「俺らの代わりにボスを倒した礼だ、受け取ってくれ。」
俺の手には“アニールブレード”が二本
「どうも。」
「有り難うございます。」
プレーヤーは1本ずつ受けとり、ストレージにしまう
「ちょっと待ってくれないか?」
今度はディアベルが声をかける
「確かに今回は俺が悪かった、だけど君たちには攻略組に参加してもらいたい。そうすれば1日でも早めの解放を臨めるし。」
「嫌だね、たかが46人のパーティーの下に付くほど命を軽く思っちゃいねえよ。それに俺が人の下に付けるのはあいつだけだ。アクディベート位はしといてやるよ。」
黒のフードから威圧と殺気が感じられる、そんな彼らに誰も言葉をかける者はおらずただ入り口へと歩を進める二人を見つめるだけだった
今思えばここが分岐点だったのかも知れない
もしここで彼らを無理矢理にでも引き留めていれば、説得してでも攻略組に参加して貰ってさえいればあんなことにはならなかったのかもしれない
俺達攻略組は1年後この選択を心の底から後悔することになるだろう
だが、この場にいる全員が知るよしもない
彼らが後にVRMMORPGの歴史上後にも先にも類を見ない最大最悪規模の大事件を引き起こすキーマンになることなど・・・・
キリトside
「お疲れさんっ!」
「そちらこそナイスバトルでした。」
二人だけでボスを倒し、部屋の外で待っていた相棒と合流し、先まで一緒に戦っていたアリスと拳をぶつけ合う
「凄かったよ二人とも!即席パーティーとは思えないほどのコンビネーションじゃん!」
「え?ま、まあな・・テストの時も何度か組んだしな?」
「え、ええ。2年ほど前の事でしたが何とか噛み合って良かったです。」
「へぇ~、キリトの相棒ってアリ姐なの?」
あ、こいつちょっと疑ってやがる
「あいつは基本レイドリーダーやってたからな、その時に組んでたのがアリスなんだよ。」
「ふーん、そうなんだ。」
上手く誤魔化せたか?
「とにかく急ぎましょう、変なタイミングで彼らと鉢合わせしたく有りませんし。」
「だね。」
ふー、何とか誤魔化せたみたいだが注意しないとな、俺たちの問題にミィナを巻き込むわけにはいかないから
「ねえキリト。」
「何だ?」
「乗っけてって~、頭ぶつけすぎてクラクラする~。」
「自業自得だろ!」
「ぶー、いいもん!アル姐にキリトの情報流してやる!」
「わー!それだけはやめろぉ!分かった、乗っけてやるからそれだけは勘弁!」
とか言ってはみるけど本当はただの照れ隠し、人との距離感が掴めなくなったあの日以来、こうやって頼られるのは久しぶりで、恥ずかしさで一杯なのだ
「締まらないでね、全く・・」
「め、面目ない。」
「とにかく先へ進みましょう、これから先の話はまた後で。」
「そうだな。ん?アルゴからメールだ。」
『すまなかったナ、キー坊。厄介なお使い押し付けちまっテ。お礼に1つどんな情報でもタダで売ってやるヨ。』
厄介なお使いね・・・別にそこまで心配するほどでもなかったし、ついでにLA貰えたから文句無いし
「何て書いてあったの?」
「何でも1つ情報をタダでくれるそうだ。」
「へー、あのアル姐がねー。明日はこの世界が崩壊するんじゃない?」
おいこら、冗談になってないぞ
「にわかには信じがたいですね、後でとんでもない額の情報量請求されたりされるかもしれません。」
普通にありそうで怖いんですがあのその
「まあいいさ、取って喰われる訳でもなし、ここは1つ騙されたと思って賭けてみないか?」
「いいでしょう。しかし、もしコルを請求された時はキリト、全て貴方の自腹でお願いします。」
「うぅ・・けど背に腹は変えられない。」
「でも、何の情報を聞くの?」
そりゃあやっぱり
「「髭の理由!」」
あ、アリスとハモった
「今回のボス戦で色々と伝える事もあるし、一度“ホルンカ”に戻らないか?」
「そうですね、2層で彼らに鉢合わせするのは好ましくありませんから。」
「決まりだな、メッセージは俺が飛ばすよ。アリスはアクディベートを頼む。」
「わかりました。」
『そうだな、“お髭の理由”で頼む。それとアルゴ、この後時間あるか?もしあるなら“ホルンカ”のいつものNPCレストランに来て欲しい。ボス戦で色々と伝える事が出来た。それと最後に調べて欲しいことがあるんだけど―――――。』
アルゴに返信する
送り終えるとアリスも終わった様なので門へと足を運ぶ
「わあぁぁ、綺麗ー。」
「やっぱここからの景色は格別だよな。」
「はい、ですがうかうかしている時間もなさそうです。」
「そうだな、さっきからアラームがうるさくて仕方ない。」
俺達が門を潜る前辺りから俺の策敵は関知していた
後方3mばかり離れた場所に一人のプレーヤー
「そろそろ出てきてくれるかな?アウラ。」
「良く分かりましたね、私だと。」
「正体不明、圧倒的強者の印象を与えられた俺らに付いてくる物好き、
それに、ツバルからも聞いてたからな
「キリトの知り合い?」
「
俺に向けられた相棒からの質問に曖昧だけど間違ってはいない答えで返す
相棒と言えど結局は赤の他人、
「で、俺達に何の用だ?」
「おや、
忘れるもんか、あの時5人で交わした約束だけは!今でも胸に深く刻まれてる!
「忘れるかよ、あの誓いだけはよ!」
「なら話が早いではないか、私もその輪に入れて貰おうか。」
「寧ろこちらから願いたい位なんだが、アリスとミィナはどうだ?」
「私は構いませんよ。」
「私もー、多い方が楽しそうだし!」
「てことで歓迎する、けどいいのか?俺達は完全フリー、ボス戦には基本参加しないつもりで動いていくけどお前はそういうわけにもいかないだろ?」
「その時が来たら勝手に抜けて勝手に戻るわよ。」
相変わらずの自由人なこって・・・
「まあいいか、これから宜しくな。」
「こちらこそ。」
ツバルside
「本当にすまなかった!」
フードのプレーヤーが部屋から立ち去った後、暫く静寂に包まれていた
それを破ったのはディアベルだった
「ディアベルはん、頭あげえや、誰もあんさんのこと怒っとらん。」
「けど俺は皆のことを!」
「確かにディアベルあんたは皆を混乱に陥れようとした、けど誰も死んじゃいない。それでいいじゃないか。貴方が指揮を取っていなきゃ、犠牲者零じゃすまなかった。」
「ツバルさん・・・」
「ほら、シャキッとせんかい!リーダーが府抜けてたら締まるもんも締まらんぞ!」
「ありがとう皆!よーし、色々あったけど、無事誰も死なずに倒すことかできた!残り99層、先はまだ遠いけどこれでプレーヤー全員に伝えられるはずだ、このゲームはクリア可能だと!」
「「うおおおお!!!」」
こうして長いようで短かったボス戦は終わりを告げた
謎のフードの三人のプレーヤー
未だに意図の掴めないキリト
そしてどこか心の奥底で感じる謎の不快感
本当にこの小さな一歩は全ての始まりに過ぎなかった
全く関係の無い事例も元を辿れば一点に結び付くように、後に起こる大事件も全てはここに繋がるのだ
攻略組全員の目に焼き付かれた三人のプレーヤー
突然の
そう、
もう狂った歯車は止まらない
??side
「へえ、あの亜種をたった二人でねえ・・」
白衣をその身に纏った男性は目の前のモニターの光に照らされた唇の口角を上げ、
ニヤリと笑うのだった
アリスとキリトの悪役っぷりを引き出そうと奮闘していたところ、少しキャラ崩壊気味になってしまう始末、安心してくださいこれ以降はいつも通りのアリスさんです
先頭描写がまるでなく雑な感じなのは気にしないでください、本当は考えてたしそれで書いていたのですが2度位全部消去を食らったせいで心が折れ・・
こんな作品になってしまい申し訳ございません
次は相棒さんのスキルの詳細でも書こうかな・・・