幼女ファンタ! 作:矢倉は純文学
書きたい対局はいっぱいある!
けれど文才が無いから仕方ないじゃん!(ひらきなおり)
紆余曲折あって、神鍋歩夢は幼女をゲットした。
そして、彼の師匠、≪エターナルクイーン≫こと、釈迦堂とまだ何色にも染まっていない幼女を一ヶ月かけて染めた……
「今宵も良い月だ……」
純朴だった幼女が、目はカラコンを入れてオッドアイに。
夜の月を見て妖艶な笑みを浮かべ、手には少しだけ赤みの強いトマトジュース。
服はメイド服。クラシックロングな昔懐かしのメイド服だ。
あえて言おう。
ど う し て こ う な っ た
この幼女は、神鍋歩夢六段門下に内弟子として入門。
ちなみに、この際彼女の保護者とも面談をしたが、その時の話はいろいろとあったので省略する。
ただ重要なのは、釈迦堂と神鍋という、将棋界の劇薬と同棲をするということだ。
彼女は将棋の棋力を得るために、物凄く大切な何かを失った。
「≪吸血姫≫よ。少しこちらに来い。」
「了解しました、マスター。」
そして、失わせた張本人、≪ゴッドコルドレン≫こと神鍋は、幼女を呼び付けパソコンの前に座らせる。
彼らにとってはさりげなくスルーされるが、幼女は≪吸血姫≫と名乗っている。
何故こうなったかはわからないが、恐らく幼女がトマトジュースが好きだった。原因はただそれだけだ。
「今から対局をしてもらう。相手は……ドラゴンキングの寵愛を受ける娘だ。年齢はお前と同い年。」
「!!」
何故この流れになったか。単純に親バカなグズ龍と厨二がうちの娘の方が凄い的なあれで言い合いになったから。だったら白黒つけようじゃねぇか、的なノリで対局をさせることになった。
『よろしくお願いします』
キーボードのローマ字が打てないので平仮名入力の一本打ちで頑張って打った幼女。
ただし、キーボードは打てなくても、将棋は打てる。
先手はドラゴンキングの娘。
▲26歩
堂々とした居飛車宣言。
幼女は歩調を合わせるかのように、84歩と居飛車宣言。
その後も手が進み、戦型は相掛かり力戦で確定。
〜〜〜以下、師匠である神鍋きゅんの心の声で実況します。〜〜〜
(ドラゴンキングめ……我が愛しき吸血娘の方が素晴らしいに決まっているであろう!!)
(ふむ、吸血娘はローマ字入力が出来ないか。後でタイピング練習のソフトをダウンロードしてやらねば。)
(後手を引いたか……しかし、我が吸血娘にとっては問題ないだろう。)
(戦型は相掛かりか……あいつの得意形だ。やはり親の姿を見て育つという事か。後手を引いた故、戦型を姫から選択する事は出来ない。しかし、我が姫ならば、問題なし!)
(ほら見ろ!いきなりポイントを稼いだぞ!竜王の寵愛を受ける娘といえども、我が姫に敵うはずがなかろう!!!)
(ヌハハハハ!!我が姫は着実に最善手を積み重ねていき、圧倒的勝勢!!!場面は既に終盤。いつものように失敗しても流石にこれは引っ繰り返らん。勝ったな!!)
(姫よ!何故そこに!!あーーー!!だが、まだまだ……)
(ほら、相手から攻められるきっかけ与えてしまったではないか!!
いや、だがこれは無理攻め……上手く2択を突き付けてはいるが、正しく応対すr……
ぬあああああああ!!!!)
(負けた……か。あの局面から……っく、ここは相手の娘を褒めるべきなのか?いや、だが師として、姫にはもっと厳しく接さなければ……終盤の指し方を教えなければ…(遠い目))
〜〜〜歩夢きゅんの実況終了〜〜〜
『負けました』
タイピングしながら涙を流す幼女。
彼女とて解っている。
終盤までは圧倒的な勝勢だった。
だけど、ひっくり返された。
いつもこう。
マスターやオールドマスターと練習将棋をしても、いつも終盤で間違える。
終盤力の高さは、将棋の才能の証明をするものの一つ。
それが悲惨なまでに欠けている。
同い年の少女に圧倒的な終盤を見せつけられた……
(私には、将棋の才能が……)
おまけ話
幼女の学校生活
「ヌフフ……人間どもと交わる事もまた良き哉……」
「ねー、1時間目体育だよー?朝の会までに早く着替えないと!」
「はっ!∑(゚Д゚)感謝するぞ生娘!!」
「どういたしましてー(生娘って何だろう?)」
優しい世界。