幼女ファンタ!   作:矢倉は純文学

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展開を創れず放置していたこの作品。
今朝の師弟アベック昇級なるかというニュースをテレビで見て、ふと思い出したので頑張って3話を書いてみた。


第3話

「マスター、わたしには将棋の才能が……

 

 

 

打ち拉がれた幼女。

終盤力。およそプロ棋士と呼ばれる人たちは皆終盤力がある。

 

考えてみたら当たり前だ。どんなに序盤が有利になったとしても、終盤力が無ければ相手の王を追い詰めることができない。

逆に、どんなに劣勢になっても終盤力さえあれば、マジックや妖刀、秘術を駆使する能力さえあれば、逆転勝ちを収めることが出来る。

 

低聞叡玉は妖刀を駆使してタイトルを取った事を思い出して頂ければ終盤力の大切さというものがわかるだろう。

 

“才能の壁”

 

幼女は幼い年齢ながら、その辛い現実に目を向けてしまった。

 

 

 

 

 

「黙れ小童」

 

しかし、彼女の師匠は、そんな悩みを一蹴した。

 

「貴様が才能なんてものを口にするなんて1億年早い。

才能がない?それがなんだ。プロ棋士になるのに才能なんていらない。ただひたすらに努力すればいい。

それに、俺は今でも忘れない。渾身の研究手をたった数分の考慮で上回った。

その時に感じた、末恐ろしさを"才能”と呼ばずして何と呼ぶか?」

 

 

神鍋は、涙を浮かべうつむく少女の頭に手をポンとのせる。

 

「姫よ……其方が目指す将棋を今から我輩が見せてやろう。」

 

 

神鍋は盤と駒を用意する。

 

「何をボサっとしている。」

 

今から指すぞ。

 

 

 

 

(偉そうに言ったものの……今の姫にそれを見せれるだけの力が俺にあるのか?いや、出来る出来ないじゃない、やらなければいかんのだ……それが師としての義務だ!)

 

先手は例によって幼女に譲った。

お互いに角道を突き合い、3手目、幼女が指したのは▲75歩

 

(あっ、やっべ。相居飛車ばかり考えていて、対抗形考えてなかった)

 

 

その後も手が進み、幼女は早石田に組んだ。機敏な仕掛けで僅かにリードを奪う幼女。

しかし、そこで崩れないのがプロ。

腕力でもって強引にリードを奪い直す。

 

(一瞬ヒヤリとしたが、ここからが本番だ……)

 

幼女も、女子小学生とは思えない中盤の底力によって、アヤを求めて手をつくりまくる。

 

しかし、それを受ける。受ける。受ける。

 

神鍋はと金を作ってじわりじわりと攻めてくる。

焦った幼女は飛車を打ちおろすが、持ち駒を投入しての鉄壁の受け。

 

金銀を惜しみなく自陣に投入し、絶対に負けない形を作り出す。

そして、と金でじわりじわりと……

 

幼女は大駒を自陣に引きつけ、徹底抗戦の意思をみせるものの、歩一枚渡さない激辛の指し回しで圧倒的なリードを作る。

 

3枚の大駒が幼女のもとに集っていたが、指す手が無く、投了した。

 

 

「姫よ……終盤力が無いと感じるなら、終盤の勝負に持ち込ませなければいいのだ。

相手の手駒をできうる限り召し捕り、相手の手を無くしてしまえ。

 

将棋は相手の玉を捕まえたら勝ち……たしかに、それは正しい。

が、相手に投了をさせても勝ちである。

王様なんて目もくれるな。飛車が一番大事な駒だ。次に角、それらが難しそうならひたすら小駒を取り自陣に打ち付け、取り返されないようにしろ。攻めたいときはと金を使え!

寄せなんて考えるな!!いざとなったら持将棋に持ち込んで点数勝ちだ!!

 

激辛流……!!それが姫に示す栄光への道標(ヴィクトリーロード)だ!!」

 

中盤までで全てを決める。

 

 

神鍋の示したその道は、たしかに理にかなっていた。

 

しかし、それは時として友をも失いかねない、険しい孤高の道であったのだ……




一応某企画のS見女流vsN瀬バナナ段の対局をイメージ……

幼女は振り飛車もさせる。
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