とある最強の話。   作:たぬたぬたぬき

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第2話

数多の次元世界を監視し世界を滅ぼしてしまう危険がないかを見張る組織。管理局のお膝元。

 

首都クラナガン。

 

余りにも広大に広がる管理範囲のせいなのか、此の都市も幾分か間違っても近付いてはならない場所などが残るものの。一定のローカル情報があれば幼子でも暮らせる都市だ。

事実休日にならずとも夕刻前には学校を終えた子供の姿が沢山見られるし、その家族が住むベットタウンも多く存在している。

 

 

ベットタウンの一角には女性が2人、女児が1人。子供の保護者らしき女性たちの年齢もまだまだうら若いと言える年齢であるといった、いかにも内部の事情が複雑極まりそうな家族が住む家がある。

 

普段ならば明るい笑い声が響き若い保護者たちが子供とコミュニケーションに励む様子が聞いて取れる雰囲気であるが、不定期に、和やかな風が止んでしまうことがある。

 

 

(う〜……駄目だなぁ、やっぱり落ち着かないや)

 

 

だが、何も険悪であるとかではない。

 

とある行事を控えた大人がそわそわしてしまうので出来るだけ集中した次の日を迎えられるようにともう片方の大人と子供が気を遣って静かにしているというだけである。

 

だがしかし様々な死闘を乗り越えてきた彼女らならば、寧ろリラックスして通常時と同じ様に振る舞えそうなものだ。それを成すことが出来ずにいるというだけで行事というものが如何に異質であるかが分かるのかもしれない。

 

しかも、行事というものはエース・オブ・エースと呼ばれる高町なのはだけでなく、フェイト・T・ハラオウンにも訪れるのだ。

 

 

 

そして、行事の前夜に早めの就寝については眠ることが出来ず、眠りへの悪影響を自覚しつつ前回の敗戦の戦闘データを反芻し。結局普段の就寝時間か、幾分か遅い時間に寝落ちする。

 

凡そこんな流れだ。

 

ベットの中で寝ようとする時、試行錯誤し目を瞑った時に思い浮かぶのは、高町なのはにとっては同郷の小学校時代からの同級生の姿。

 

散々彼が戦う姿は見直したので、浮かんで来るのは戦闘時以外のものだ。もしかして恋をしたらこんな風なのかと少し笑いながら思い出す。

 

何となくしか覚えていない彼が男子の友達と話している姿、ドッチボールでフェイトやすずかと投げあっている姿………次は、クラナガンで再開した姿。

 

記憶の飛び飛び具合にこれじゃあとんだ恋だなぁと今度は苦笑してみる。

 

当時の彼の印象はスポーツマンの男子。成績は自分たちとずっと同じクラスだったから悪くは無いし、寧ろ良かった筈だ。自画自賛の様だけど。

 

仲は良かった気がする。特に体育なんかでは話した記憶があるし、昔の彼を思いだそうとすると大抵が体操服姿だ。ただやはりというのか、男女の壁というものを越える程ではなかった。話すのは授業中か教室内、帰ってからも遊んだりはしていなかった。つまり男子の中では比較的仲が良かったという位だ。

 

特に男子と女子の仲が悪かった訳では無いしあれ位が普通………いや、でも一部では確り仲が良かったような。自分の周囲が少し男子との距離の取り方が遠かったような……。

 

まさか男っ気のなさがそんな小さい頃からのものだとでもいうのだろうか。

 

今更発覚した事実に落ち込み、今の年齢になってから漸く気付くのかと恋愛面では落第寸前、寧ろ落第済みな実力に落ち込む。

 

一頻り落ち込んだ所で精神的な疲労感からか眠気に襲われる。

 

逆らうことなくこれで明日の模擬戦に望めるとやはり女としては如何なものかと思われる安堵感を抱きつつ眠りにつく。

 

寝顔は残念な女性らしさとは裏腹にとても穏やかで美しいものだった。

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