ゼルダの外伝 バナナ・リパブリック   作:ほいれんで・くー

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第十九話 炎のさだめ

 ある者が戦いに挑む時、その者は二つの敵と同時に戦っている。一つの敵は、言うまでもなく眼前に立つ対戦者そのものであり、もう一つの敵は、心の範疇の外からくる「予期せぬ事態」である。

 

 そしてこの二つの敵のうち、どちらがより危険でより強力かといえば、それは「予期せぬ事態」のほうである。それは突然現れ、精神に打撃を加え、心の均衡をかき乱す。今まで組み立ててきた作戦、磨き上げてきた武技、練り上げてきた胆力、それらすべてを混乱させ、無秩序におき、台無しにしてしまう。

 

 だからこそ、ありとあらゆる戦闘訓練は心と技と体を鍛えることを目的としているのだ。強敵と対峙した際に心が怖気づかないように、そして何より、不測の事態にあって闘争心を萎縮させないように、心と技と体を鍛えねばならない。

 

 体を鍛えることで技を扱うことができるようになり、技を磨くことで心は「どんな強敵にも負けない」という自信を得て、そして、心が泰然自若として不動であるならば、体はいかなる状況でも怖じることなく自在に動く。

 

 天性の強靭な肉体も、異能の如き才能も、持って生まれた類稀な幸運も、この三位一体を欠いてはものの役には立たない。凡才も天才も日々の鍛錬と努力を怠らないのはこのゆえである。

 

 そして、この己を磨き上げるという自己教育能力こそが、魔物にはない人間の強みなのであり、人間に固有の特質なのだ。

 

 

☆☆☆

 

 

「ううわわああっ!!」

 

 驚きと恐怖と絶望の入り混じった絶叫を残して、カツラダは空へと旅立っていった。投げ飛ばした張本人であるバナーヌは、軽くため息をついた。

 

「ふぅ」

 

 彼女はひたいの汗を拭った。懸念の一つが簡単に片付いて、彼女の精神に少しだけゆとりが生まれた。

 

 非戦闘員であるカツラダを守りながら、狭い室内で二体のウィズローブと戦闘をする。そんなことはどう考えても不可能である。そんなことをすれば確実にカツラダは火だるまになって無念の(しかばね)を灰とするであろうし、バナーヌ自身も、よもや負けることはあるまいが、少なからぬ損害を負うであろう。

 

 だから、彼女は最初にカツラダを脱出させることにした。パワーブレスレットを装着すれば、小屋ほどに大きい岩を軽々と持ち上げられるほど腕力は強化される。ゆえに、カツラダを天高く放り投げることなど容易かった。

 

 放り投げられたカツラダが落ちた先で岩にぶつかったり、硬い地盤にめり込んだり、木の枝で串刺しになったりする可能性はあったが、この場から迅速に脱出させるには他に方法はなかった。

 

「確実に死ぬ」のと「悪くしたら死ぬ」の二択ならば、後者を選ぶのは当然である。それにバナーヌにしては珍しいことに、投げ飛ばす前にちゃんと承諾も取った。相手も快諾した。なぜか大工は顔を赤らめていたが、おそらく魔物の出現に興奮していたのだろう。彼女はそう思った。

 

 自分とは縁もゆかりもないただの一般人だが、彼はバナナ好きらしい。無事に着地してくれることを彼女は祈った。

 

 あとは、敵を排除するだけだった。彼女は改めて敵と対峙した。

 

 バナーヌはダイニングルームのちょうど中央あたりにいた。ファイアウィズローブは左手側の壁際(かべぎわ)に立っていた。新手のメテオウィズローブは右手側、キッチンと寝室につながる部屋の入り口にいた。

 

 二匹のウィズローブたちはバナーヌを挟んで、人間には分からぬ謎の言語で盛んに呼び合っていた。

 

「クルッキュウ……」

「クルッキュウ! クルッキュウ!」

 

 魔物たちは何やら、相談事をしているようだった。その内容は分からなくとも、何を企んでいるのかバナーヌは推測できた。「この人間の女をどうやってぶち殺すか」の算段をつけているのだ。

 

 突然、ファイアウィズローブがバナーヌに対して()えかかった。

 

「クルゥアアアッ!」

 

 威嚇のためなのか、それとも絶対的優位にある自分たちの優越感を誇示するためなのか。その吠え声は、踏み潰されて惨めに床に這いつくばっていた時とは全く違う、驕りと嘲りの調子を含んでいた。

 

 だが、バナーヌは動じなかった。彼女は左右の敵に対して間合いを取り、殺気を切らさずそれでいて冷静に、そして素早く状況を分析した。

 

 メテオウィズローブの出現は、まさにバナーヌにとって予期せぬ事態であった。相手が一匹であったからこそ、貧弱な装備しかない現状であってもこちらから出向いて攻撃をかけたわけであるし、事実それは半ば成功しかけていたのだ。

 

 しかし、敵が二体に増えてしまった。新手は無傷で元気いっぱいで、おまけに敵意に満ち満ちたメテオウィズローブだった。メテオウィズローブは膨大な魔力を秘めたメテオロッドを手に持っていて、油断なく出口を固めていた。

 

 メテオウィズローブは、まだ攻撃をしてこなかった。身じろぎもせず、ただオレンジ色に輝く両眼をじっとバナーヌに向けているだけだった。どうやら相手の実力を見極めているようだった。

 

「クルッキュウ……」

 

 対して、ファイアウィズローブの方は盛んに奇声を上げていた。

 

「クルッキュウ、クルゥウワァアッ!」

 

 魔物は腕を振り上げ、振り下ろし、全身をゆらゆらとせわしなく動かしていた。魔物は自分たちの勝利を確信していた。これからどうやってこの生意気な人間に最大限の苦痛と屈辱を与えて殺してやるかを想像して、魔物は興奮しているのだった。

 

 バナーヌは素早く考えた。状況は? 狭い室内で、二対一で、敵に挟まれている。つまり、圧倒的にこちらが不利だ。

 

 イーガ団の戦闘教義は、一対多の戦闘を固く禁じている。逆に言えば、イーガ団の戦闘教義は数的優位の重要性を強調していることになる。強敵に遭遇した場合は、単独での戦闘を避け、増援を要請し、数的優位を作った上で、奇襲とふいうちをかけるべし、と戦闘教義は説いている。

 

 日頃の鍛錬によって肉体と精神に刻み込まれた戦闘教義に則って、バナーヌは決心をした。ここは、逃げの一手である。ここを脱出し、いち早く平原外れの馬宿に到達して、そこの常駐連絡員に増援を要請する。しかる後に悠々とこの二体の魔物をやっつけてしまえば良い。

 

 それでは、どうやって逃げるか? 出口はメテオウィズローブに塞がれている。天井の大穴は、先ほどカツラダを放り投げたあと、そこから逃げられるのを警戒したのか、ファイアウィズローブが近くに陣取って塞いでいる。

 

 だが、何としてでも脱出しなければならない。それに、断固とした脱出行動を完全に阻止することは事実上不可能であると古代兵法「ブン・ソ」も述べている。やってやれないことはないはずだ。多少強引だが、ここは力づくで行くしかない。彼女はそう考えた。

 

 睨み合いが始まってから、わずかに一分しか経っていなかった。バナーヌは動いた。ここは速攻、奇襲あるのみだ! バナーヌは、手に持っていた何かをファイアへ投げつけた。

 

 顔面へ向かって勢い良く飛んできたそれを、ファイアはキャッチした。それは、先ほど奪われたはずのファイアロッドだった。

 

「ゲゲ?」

 

 ファイアは、困惑した。なぜ? せっかく奪ったものをどうして返した? これを返すから見逃してくれということか? いや、他に何か作戦が……?

 

 敵の謎の行動にファイアの精神が混乱したその一瞬の(すき)をついて、バナーヌは一挙に接近した。そして彼女は、そのしなやかな右手を振り上げて、砕けよといわんばかりの勢いで彼の顔面に思いきり叩きつけた。

 

「ふんっ!」

 

 肉の詰まった袋を、硬い棒で打ったような音が響いた。突然の鋭い痛みに、ファイアは悲鳴を上げた。

 

「ギョギョギョゴエエエエ!?」

 

 彼は思わず、両手で顔面を抑えてしまった。せっかく手元に返ってきたファイアロッドを、彼は取り落としてしまった。

 

「ゴェッ、ゴェッ……ゲゲ?」

 

 彼は、口の中に石のようなジャリジャリとした感触があることに気づいた。これは、牙だ! 四本あった自慢の牙が、叩き折られて無数の欠片となっていた。

 

 ファイアは敵の手を見た。敵の右手には、いつの間に持っていたのか、小さなハンマーのようなものがあった。頭の部分は金属製で、先端は尖っていた。あれで自分の顔面を打ったのだ。ファイアはそう悟った。

 

 このゲンノウ(ハンマー)は、バナーヌがカツラダからスリ盗ったものであった。投げ飛ばす前、「いいか?」と承諾を取った時に、バナーヌは彼の腰に下げてあるゲンノウをさり気なく取って、我が物としていたのだった。

 

 牙を折られてショック状態にあるファイアに、バナーヌはまったく容赦なく、情け無用の猛連撃を加えた。

 

「ふっ!」

 

 彼女はゲンノウで彼の顔面を滅多打ちにした。しかも彼女は、折れた牙をさらに執拗に狙った。彼女は蹴りを敵の腹部に送り込んだ。そして彼女は、床に落ちていたファイアロッドを器用に足で蹴り上げると、左手でキャッチして確保した。これでまた、敵は武器を失った。

 

 ファイアは悲鳴と共に崩れ落ちた。

 

「クゥアァアッ!!」

 

 かつてない激痛が彼を襲っていた。折れて神経が剥き出しになった牙に連続で硬い金属の塊が打ち込まれ、さらに前に打ち込まれた二本の矢には強烈な蹴りが突き刺さり、彼の体内を深く(えぐ)った。

 

 このままではやられる! 彼の体は強い恐怖心によって完全に萎縮していた。床に膝をついた体勢で、彼は敵の方を見上げた。

 

 人間の女は、ゲンノウを振りかぶっていた。女は、短い掛け声と共にそれを振り下ろした。

 

「ふっ!」

 

 ファイアはそれを防ぐでもなく避けるでもなく、呆然とゲンノウの描く軌跡を目で追っていた。存外それはゆっくりと動いているように見えた。あれが自分の脳天に刺さったら、その時自分はどうなってしまうのだろう……?

 

 バナーヌの渾身のトドメは、無理やり中断させられた。

 

「クルッキュウ……!」

「……ちっ!」

 

 部屋の反対側にいたメテオが彼女の背後を取り、後頭部目掛けてロッドを振り下ろしたからだった。優れた感覚と、もうそろそろ来るだろうという予測によって、バナーヌは難なくそれを回避することができた。だが、結局ファイアの方を完全に仕留めることはできなかった。

 

 バナーヌが動いてファイアを滅多打ちにし、メテオが援護に来た。この一連の出来事は、わずか十秒ほどの間に行われた。

 

 だが、状況は大きく変わった。一方の敵であるファイアはほぼ無力化し、ファイアロッドは今やバナーヌの手中にあった。彼女の背後にはもう一方の敵であるメテオがいるが、彼らウィズローブの不得意とする接近戦に持ち込めた分だけ、状況はむしろバナーヌにとって有利といえた。

 

 間髪を入れず、バナーヌは回し蹴りをメテオへ向かって繰り出した。

 

「ふっ!」

 

 それをメテオはロッドで受け止めた。

 

「クッキュウ!」

 

 バナーヌは攻撃の手を緩めなかった。勢いのまま相手の懐に飛び込むと、彼女はゲンノウを顔面へ振るった。

 

 だが、メテオもさるものだった。

 

「クァアアアッ!」

 

 数秒前にいとも容易く仲間を戦闘不能にしたゲンノウによる連撃を、彼は流れるようなロッド捌きで防ぎ続けた。

 

 バナーヌは、意外に感じた。ウィズローブは格闘戦が苦手であると聞いていたし、事実今まで倒してきたウィズローブはみなそうであった。だがこいつは、まったく怖じることなく打ち合いに応じてくる。やりづらい。

 

 さらに、次にメテオがとった行動が彼女を驚かせた。

 

「クッキュウ!」

 

 防戦一方だったメテオが、蹴りを放ってきた。バナーヌは両手でそれを防いだ。

 

「……ぐっ!」

 

 細く筋肉もなく、いかにも貧弱そうなウィズローブの脚になぜそれほどの力があるのか、蹴りは彼女をのけぞらせた。

 

「クッキャアッ!」

 

 バナーヌの動きが一瞬だけ止まったその隙に、メテオは後方へ勢いよく跳んで距離を取った。そして、彼は煌々(こうこう)と燃え盛る巨大なメテオロッドを振り上げると、練り上げた高純度の魔力を込めて、三発の火球を発射した。

 

 暗い室内が一気に明るくなった。膨大な熱量を誇る三発の火球が、狭い室内をところ狭しと跳ね回り、火の粉を飛ばし、壁を焦がした。

 

 バナーヌは必要最小限の動きで火球を避けた。軽く跳び、しゃがみ、あるいは手に持ったファイアロッドで払って打ち消して、訓練されたイーガ団員である彼女は火傷も負わずに火球を回避した。

 

 メテオはさらに火球を生み出した。

 

「グルゥウウオアアアッ!」

 

 最初の三発に加え、次に三発、また次に三発、そしてさらに三発……キースの群れのごとく、無数の火球が乱舞した。室内の温度はぐんぐん上昇し、火の粉が花吹雪のように舞い散り、あちこちで黒い煙が立ち昇った。

 

 煙! 煙を吸い込むのは非常にマズい! そのことはバナーヌも心得ていた。火球を避けながら、彼女は手早く水筒の水で手拭いを濡らし、それを覆面にした。完全に煙を防ぐには物足りないが、ないよりはましだった。

 

 そして、黙って攻撃を避け続けるだけのバナーヌではなかった。彼女も反撃することにした。回避を続けている今、弓矢は使えないだろう。彼女は考えた。疾風のブーメランも、狭い室内では効果は出ない。

 

 ならば、使うものはただ一つしかない。

 

「ふっ!」

 

 バナーヌは、左手に持っているファイアロッドを振るった。ウィズローブの持つ魔力と比べればその力は微々たるものであるが、それでも火球は生み出せる。発射された火球は、てんてんと床を跳ねながら、メテオウィズローブへ一直線に向かっていった。

 

 しかし、メテオウィズローブは文字通り火を自由自在に操る魔物である。人間の生み出した愚にもつかない小さな火球など、さながらそよ風のささやきでしかなかった。

 

「クアッ!」

 

 メテオはバナーヌの放った火球をわざと体で受け止めると、これみよがしに胸を張った。まったく効いていなかった。

 

 彼はさらに火球を飛ばした。ついに、ダイニングルームのそこここから火の手が上がり始めた。メラメラと音を立てて、無数の炎の蛇が壁を這い登り、床を這い回り、あたかも魔王の軍勢が侵略の魔の手を拡げるごとく、瞬く間にあたり一面が火の海と化した。

 

 長い年月にわたって手入れのされていなかった廃屋は、既にかなり傷んでいたのだろう。そこへ、バナーヌがアイアンブーツで天井をぶち破った衝撃が加わった。さらに、トドメとばかりに膨大な炎と熱が襲った。哀れな廃屋は脆くも崩壊を始めた。

 

 バラバラと火のついた天井の部材が落ちてきた。太い(はり)が外れて、ガタンと斜めになって床に尻もちをついた。

 

 バナーヌの頬に汗が走った。熱と、煙が部屋に充満してきている。時間が経つほど状況は不利になるが、打開策が見い出せない。なかなか好転しない状況に、肝の太い彼女もさすがに焦りを覚えていた。

 

 当初彼女は、ファイアのほうを手早く戦闘不能にした後、メテオのほうにも一撃を加え、それから脱出しようと考えていた。それが、あのメテオはなんと格闘戦に通じていたのだ。それに、得意の格闘戦に持ち込んだと思いきや、逆に今度は相手の得意な射撃戦を強いられてしまう始末である。

 

 まさしく「予期せぬ事態」であった。そして、状況はいよいよ切迫していた。バナーヌの着用している標準E型忍びスーツは多少の耐火性能を備えているため、まだなんとかなっていた。だが、これ以上火の手と煙が回ると、なんとかならなくなるだろう。いよいよ危なくなってきた。

 

 そんなバナーヌの一方で、メテオは余裕綽々(しゃくしゃく)といったところだった。火の手が強くなればなるほど、彼の魔力は増していくかのようだった。

 

「クルッキュウ……」

 

 そして「本当の火球とはこういうものだ」と言わんばかりに、メテオはひときわ大きな火球を作り始めた。今までよりも強く、より魔力純度が高く、より巨大な火球だった。それがメテオロッドの先で、うずうずと撃ち出されるのを待っていた。彼が狙う先には、もちろんバナーヌがいた。

 

 突然、バナーヌの足を何かが掴んだ。彼女は思わず叫んだ。

 

「なにっ!?」

 

 それは先ほど彼女によって打ちのめされたはずの、ファイアだった。

 

「グルッギュウウウウ……」

 

 ファイアは床を這いずって密かにバナーヌの足元に近づき、その足を掴まえたのだった。

 

 ファイアは、やったぞと言わんばかりの雄叫びを上げた。

 

「クゥウウアァアアッ!」

 

 得たりとばかりにメテオも会心の叫びを放った。

 

「クルッキュウ!」

 

 爆発せんばかりに膨れ上がっていた超巨大な火球が、ついにロッドから発射された。破壊と死の権化たる大火球が、大砲の砲弾のように勢い良く一直線に、バナーヌへ突進した。

 

 バナーヌは声を漏らした。

 

「くっ……」

 

 彼女は動けなかった。そして火球は、紛うことなく目標に着弾した。

 

 

☆☆☆

 

 

 大爆発が起こった。ダイニングルームは内部から爆砕された。大火球は天井を半分ほど吹き飛ばした。無数の破片と瓦礫を天高く噴き上げられた。

 

 メテオは、勝ったと思った。

 

「クルッキュウ……」

 

 ファイアは実に良いタイミングで敵の動きを止めてくれた。あの人間は、そう、人間にしてはなかなか強い部類だったが、魔物の中でも上位の実力を誇る我々ウィズローブに所詮は優るものではない。彼はほくそ笑んだ。

 

 爆炎が晴れてきた。メテオは着弾点に目をやった。そこには黒く炭化した哀れな人間の死体が、立ったままの姿で晒されていることだろう。

 

 しかし、メテオが目にしたのは意外な光景だった。彼は驚きの声をあげた。

 

「クルッ!?」

 

 案に相違して、そこには何もいなかった。倒れているファイアがいるだけだった。

 

「グ、グルッキュウウ……」

 

 死体などどこにもなかった。爆発で肉体がすべて飛び散ったのかとも思われたが、それならば足の部分だけはファイアが掴んでいるはずであった。それもなかった。

 

 まさしくそれは、メテオにとって「予期せぬ事態」であった。いったい、敵はどこへ消えたのか……? 冷静沈着を自認するメテオは、その時珍しくも混乱した。彼はキョロキョロと辺りを見渡し、下を見て、そして、念のために上を見た。

 

 突然、メテオの視界が真っ暗になった。

 

「グギャアアアッ!」

 

 彼の顔面に激痛が走った。これは、何かが目に刺さっている!

 

「グルゥアアアッ!!」

 

 手を伸ばして、メテオは目に刺さったものを引き抜こうとした。目には、何か棒のようなものが突き刺さっていた。彼がそれを力任せに引き抜いた。オレンジ色の眼球が、眼窩(がんか)から引き摺り出された。無論、彼はその光景を見ることができなかった。彼の視覚はすでに失われていた。彼は苦痛に満ちた声をあげた。

 

「グ、グルッキュウウウ……」

 

 ポッカリと空洞になったメテオの眼窩から、血と涙が滝のように流れ出た。死を感じさせるほどの激痛と、取り返しのつかないことになったという後悔と、もはや視覚は戻らないという絶望、それらがないまぜとなって、一種の衝撃(ショック)となった。ショックはメテオの体を打ち倒し、床へとひれ伏させた。

 

 ファイアが、突然叫んだ。

 

「クッキャアアアッ!!」

 

 崩れ落ちたメテオの背後に、バナーヌがいた。その腕には光り輝く茶色のブレスレットを()めていた。彼女はその腕で、一抱えもある太い(はり)を持っていた。

 

「ク、クルッキュウ……」

 

 何者かの気配を感じて、メテオは背後へヨロヨロと振り返った。

 

 バナーヌは、躊躇しなかった。彼女は言った。

 

「トドメだ」

 

 パワーブレスレットで強化された腕力は、大工が四人がかりでも持ち上げるのに苦労する大梁(おおはり)を、あたかもボコこん棒を振るように軽々とフルスイングした。

 

 一番勢いの乗った先端部分が、メテオの頭部を直撃した。

 

「グブッ」

 

 彼はブッ飛ばされ、まだ燃え残っていた壁にグチャリとぶつかると、そのままズルズルと下に落ちた。

 

 

☆☆☆

 

 

 ファイアはその光景を、まるで夢でも見ているかのような心地で眺めていた。強かったメテオ、賢かったメテオ、優しかったメテオ、そして、大好きだったメテオ……そのメテオが目玉を撃ち抜かれ、太い梁で打たれ、宙を舞った。

 

「クルッキュウ……クルッキュウ!」

 

 ファイアは這いずった。這いずって、這いずって、彼はメテオのところへ向かった。人間の女は、不思議なことにトドメを刺しに来なかった。

 

 ようやく、彼はメテオのもとに辿り着いた。哀れなメテオは、仰向けに倒れていた。メテオの顔面はメチャメチャに破壊されていて、全身はクタクタに砕かれていた。メテオはピクリとも動かなかった。

 

「クルッキュウ!」

 

 ユサユサと、ファイアはメテオを手で揺り動かした。死んではだめだ、死んではだめだ! 祈るべき神を知らず、呪うべき運命を知らず、それでも彼はただ必死の願いを込めて、思うように力の入らぬ手を動かしてメテオを呼び続けた。

 

 その甲斐があったのか、それとも祈りが通じたのだろうか。メテオが微かに声を出した。

 

「……グ、グルッキュゥ……」

 

 メテオは、少しだけ動いた。そして、もはや何も見えぬはずなのに、その顔をファイアへと向けた。

 

「クルッキュウ! クルッキュウ!」

 

 ファイアは喜びの声を上げた。死んでない、生きている! これなら、美味しい肉を食べて魔力を蓄えれば、きっと元通りに元気になる!

 

 さあ、ここからはやく立ち去ろう! そう告げるファイアに、メテオは力なく首を振った。メテオは、最後の力を振り絞って手に持っていたメテオロッドを差し出すと、ファイアにお別れだと言った。

 

「クルッキュウ……?」

 

 ファイアには意味が分からなかった。助かるのではないのか? また元気になるのではないのか? なぜ、メテオは起きないのか? なぜ、お別れだと言っているのか?

 

「クルッキュウ……?」

 

 また、彼は呼びかけた。だが、もうメテオは動かなかった。何度揺り動かしても、何度呼びかけても、もうメテオは動かなかった。

 

 ふと、ファイアは差し出されたメテオロッドを見た。それは彼のファイアロッドとは比べ物にならないほど綺麗で豪華で、強いロッドだった。前に少し触らせてと頼んだ時は、断られた。これは宝物だから。メテオはそう言った。いつか時が来たら、お前にやるよ……

 

 呟くように、ファイアは声を漏らした。

 

「クルッキュウ……」

 

 メテオは、死んでしまった。ファイアに、一番大切な宝物を残して、メテオは死んでしまった。

 

「クゥウウウ……」

 

 メテオは、殺されてしまった。あの人間の女に殺されてしまった。ファイアに宝物を譲ってから、メテオは死んでしまった。

 

 渦を巻くような(とげ)の生えた悲しみの感情を、ファイアは自覚できなかった。彼は呆然としていて、その精神は氷のように固まったままだった。

 

 それでも、数秒が経過した後、彼は叫び始めた。

 

「……クル……クルルル……クルッキュウアアッ!!」

 

 ファイアは魔物である。魔物とは、尽きることなき憎悪を活力とし、情念とし、生命力とする存在である。魔物とは、その喜びも悲しみも愛情も、結局は憎悪へと転化される生理的構造を持った、超自然的存在である。

 

 あの人間の女を、殺す! ファイアはロッドを握りしめた。すると、ロッドから魔力の残滓(ざんし)が彼の体内へと流れ込んできた。それはメテオの置き土産だった。

 

「クルッキュウ!」

 

 無限のように湧き上がるエネルギーに()き動かされて、ファイアは力強く立ち上がった。彼は放たれた矢のように空へと飛び上がった。彼は、あの人間の女を探した。

 

 それは、案外すぐ近くに見つかった。燃え盛る建物から少し離れたところに人間の女は力なく座り込んでいて、懸命に呼吸を整えようとしていた。

 

「クルッキュウ!」

 

 ここにいるぞ! と彼は大声で呼ばわった。人間の女は、即座に彼のほうを向いた。人間の女は、相変わらず何を考えているのか分からない無表情のままだった。しかしファイアは、その顔に僅かばかりの驚きの色が見えたと思った。

 

 人間の女は素早く弓矢を構えた。構えたと思った次の瞬間には、二本の矢がファイアを目掛けて飛んできていた。

 

 嫌な音を立ててファイアの胴体に矢が突き刺さった。だが、ファイアは動かなかった。彼は精神を集中していた。

 

 今こそ、親友が教えてくれた奥義を使う時だ。

 

 彼は叫んだ。

 

「クッキャウ! クッキャウ! クッキャウ!」

 

 ファイアはロッドを握りしめると魔力を込めて振り回し、奇妙な掛け声と共に独特のステップを踏んだ。彼は魔法を行使するために詠唱をしているのであった。

 

 その間にも矢は飛来し、ファイアの体のあちこちに突き刺さった。それでも彼はやめようとしなかった。強い憎しみが、矢傷の痛みを打ち消していた。

 

 そして、詠唱が終わった。

 

「クッキャアアアッ!!」

 

 ロッドから魔力が迸った。混合され濃縮された赤い魔力が天へと向かって走り、大気を掻き乱した。

 

 数瞬も経たずして、劇的な変化が訪れた。

 

 周囲の気温が異常なまでに跳ね上がった。大気はあたかもデスマウンテン火口近くのような熱気を帯びた。空は赤く紅く変色し、そしてその満天に獰猛に煌めく星々を浮かび上がらせた。

 

 その星々が、垂直に落ちてきた。ファイアは術が成功したことに歓喜の声を上げた。

 

「クルッキュアアアッ!!」

 

 それはメテオウィズローブの秘奥義、メテオストライクだった。

 

 

☆☆☆

 

 

「……ゴホッ、ゴホッ、ゲホッ! はあ、はぁ……」

 

 バナーヌは、荒く息を吐いていた。

 

 激戦だった。そして、とても危うい戦いだった。だがそれは、燃え盛る建物の中で煙を吸い込みながら戦わなければならなかったからというだけであって、対峙したウィズローブたちはさして強敵ではなかった。

 

 無力化したと思っていたファイアウィズローブに足を掴まれ、それ諸共に大火球の攻撃を受けた時、よく訓練されたバナーヌの肉体はごく自然に最適解を選択していた。

 

 彼女は目を瞑り、手をグルリと円を描くように体の前で一周させると、印を結び、呪文を唱えた。

 

 次の瞬間、バナーヌはメテオウィズローブの頭上にいた。これぞイーガ団の戦闘術の一つ、「ゾタエ・オチノリ」であった。それは魔力を用いた一種の瞬間移動術で、現在位置から相手の頭上に転移し、そのまま脳天へ必殺の一撃を放つというものだった。

 

 彼女は弓矢を構え、狙いをつけた。メテオウィズローブはキョロキョロと辺りを見渡していた。彼女は敵がこちらを向いたその瞬間に、両眼を射抜くように矢を撃ち込んでやった。

 

 そのあとは、天井の(はり)でトドメを刺した。呆気なく片がついたと彼女は思った。

 

 それでも、バナーヌが戦えたのはそこまでだった。濡らした手拭いでマスクをしてはいたが、彼女は少し煙を吸い込み過ぎてしまった。彼女は仕留めたメテオウィズローブの死体を確認し、無力化したほうのファイアウィズローブにもトドメを刺しに行きたかったが、炎と煙が強く、どうしても呼吸が安定しなかった。

 

 彼女は燃え盛る廃屋から脱出し、距離を取ったあと、座り込んで息を整えた。彼女の動悸は激しかった。その頭脳の働きも鈍っていた。落ち着くまで、彼女は少し休まなければならなかった。

 

 だが、魔物のの叫びが響き渡った。

 

「クルッキュウウウアアア!!」

 

 何かが凄い勢いで廃屋から飛び出した。

 

「クルッキュウ!」

 

 それは、ファイアウィズローブだった。魔物は砕かれた牙を剥き出しにしていた。そのオレンジ色の目には凶悪な光を湛えていて、手にはあのメテオウィズローブが持っていたロッドがあった。

 

 生きていたのか。なんてしぶといやつだ。バナーヌはそう思いつつ、ふらつく体を必死に操って、弓矢を手に持った。魔物の生命力とは恐るべきものだ。やはり、無理をしてでも確実に息の根を止めに行くべきだったか? ぼんやりとそう考えながら、彼女はひたすら矢を撃ち続けた。

 

 放たれた矢は一発も外れることなく、吸い込まれるようにファイアウィズローブに命中した。それでも魔物は怯まなかった。

 

 それどころか、ファイアウィズローブは妙な詠唱を始めた。

 

 それをバナーヌは知っていた。彼女は舌打ちした。あれは、メテオストライクだ。一度放たれれば半径百数十メートルの範囲を灰燼に帰す威力を持つ大魔法だ。

 

 あれをやらせるわけにはいかない! バナーヌは懸命に、詠唱を阻止しようと矢を撃ち続けた。

 

 だが、詠唱は止まらず、ついに隕石(メテオ)が降ってきた。 

 

 ヒュルルルというどこか間の抜けた音と共に、無数の火の玉が落下してきた。そして、着弾した。地響きを立て、大地を穿ち、巨大な爆炎を噴き上げて、隕石の群れは絶望的な破壊を振りまいた。周囲一面が、焦熱地獄と化した。

 

 もはやバナーヌに打つ手はなかった。彼女は力の入らぬ体を引きずるように動かして、時には伏せ時には跳ね、必死に隕石を避け続けた。

 

「クルッキュアアア!!」

 

 爆発音に混じって、ファイアウィズローブの雄叫びが聞こえてきた。

 

 勝ち誇っているのか。でも、そんなことはどうでもいいな。バナーヌはそう思った。

 

 彼女は直撃だけはなんとか避けていたが、破片は体に食い込んだ。それに、煙がまた周囲に満ちていた。避けるためには体を動かさなければならず、体を動かすと煙を多く吸い込んでしまう。バナーヌは苦しそうに呼吸をした。

 

「はぁ、はぁ……」

 

 次第に、彼女の視界は暗く閉ざされてきた。何もかも輪郭がはっきりしなかった。意識もはっきりしなかった。自分が今どういう動作をしているのか、どこを向いているのか、何を考えているのか、彼女は分からなかった。

 

「はぁ、はぁ、がはっ……」

 

 ついに、彼女は倒れた。うつ伏せになって、彼女は地面に顔を埋めていた。彼女は指先一つ動かせなかった。

 

 遠く、爆発音が聞こえた。ファイアウィズローブの高笑いも遠くに聞こえた。おかしいと彼女は思った。全部近くで起こっているはずなのに、遠く感じるなんて。次第に、彼女の意識はまどろみにも似た混濁へと落ちていった。

 

 ふと、ある光景がバナーヌの脳内のスクリーンに、チカチカと浮かび上がった。

 

 燃え盛る街、逃げ惑う人々、巨大な城の影。雲つくような大きな柱、走り回る無数のガーディアンたち……

 

 若い女の声がする。

 

「走って! 走って!」

 

 衛兵たちがガーディアンに立ち向かっている。衛兵たちは槍と剣で、必死にガーディアンと渡り合っている。しかし次の瞬間には、放たれた一筋の光線で彼らは灰となった。

 

「急いで! 走って!」

 

 目の前を走っていた辻馬車に、ビームが直撃した。馬車は大爆発を起こし、木っ端微塵になった。乗客と御者が宙を舞った。脚を砕かれた馬たちが悲鳴を上げていた。

 

「逃げるのよ! 逃げて……」

 

 背中に赤子をおんぶし、手には小さな子供を抱いて、走り続ける母親がいた。何が大切なのか、大きな壺を抱えたまま走る中年の男がいた。転んで、そのまま起き上がらない老婆がいた。何を思ったか、くるりと道を引き返していく若い男がいた。座り込み、母親を求めて泣き叫ぶ女の子がいた。

 

 若い女の声は、徐々に小さくなっていった。

 

「みんな、逃げて! 走るのよ、走って……」

 

 大きな着地音がした。黒い影があった。目の前には、ガーディアンがいた。

 

「あっ……」

 

 頭部の単眼に、白い光が収束していく。そしてそれは、パッと一瞬輝いて……

 

 だがその次の瞬間に、スクリーンは光を失っていた。光景はグニャリとその輪郭を捻じ曲げると、暗黒の淵へと落下していった。

 

 

☆☆☆

 

 

「クルッキュアアアッ!!」

 

 ファイアは、幸せだった。親友から教えてもらった大魔法は成功した。人間は、無様に逃げ惑った末に地面に倒れて突っ伏し、まったく動かなくなった。きっと死んだのだろう。

 

 やった! やっつけた! ファイアは勝利の雄叫びを上げた。

 

「クルォオオオオオ!!!」

 

 勝利した! 殺した! メテオの仇を討った!

 

 彼の目から涙が出た。自分は親友を失った。でも今は、親友がいつもそばにいてくれる。彼はロッドを撫でた。そうだ。このロッドがある限り、自分とメテオはずっと一緒だ。

 

 もう頃合いだろうと思い、ファイアは魔法を止めることにした。眼下では、いまだに隕石が降り注いでいた。炎に焼かれて破壊し尽くされた死の土地に、人間が倒れていた。

 

 ファイアの目が残忍な光を帯びた。トドメは、やはりこの手で直接、刺す。目玉をえぐり出して、首を絞めて、最後は骨も残さず焼いてやる……

 

「クルッキュウ……?」

 

 だがファイアは、違和感を覚えた。魔力の放出が止まらなかった。彼は詠唱を停止し、ロッドへの魔力供給を切断しようとした。だが彼の体からは勝手に、魔力が止めどもなく流れ出していた。完全に制御不能という状態だった。

 

 彼は知らなかった。()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()のだ。メテオロッドが彼から魔力を吸い取っていることも、彼は知らなかった。

 

 ウィズローブにとっての魔力の枯渇とは、死を意味する。

 

 この事態を、はたしてメテオもファイアも予期していたのだろうか? メテオは、自分の宝物が親友を殺してしまうことを知っていたのだろうか?

 

 きっと知らなかったのだろう。なぜなら、彼らは親友だったからである。最後に自分の一番大切なものを、大切なひとに渡すことができて、メテオはきっと幸せだったに違いない。

 

 そしてファイアも、やはり幸せだった。

 

「クルゥウウワァア!!!」

 

 魔力の流出が止まらない。メテオストライクも止まらない。このままでは、自分は干からびて死ぬだろう。でも、それがなんだ? 友のもとへ行けるのだ。メテオのいない生になど何の価値もない。憎き人間を殺して、一足先に旅立ってしまった友のもとへ行く。それは幸せなことじゃないか。

 

 ファイアはまた、思った。どうせなら、最後の最後までメテオを撃ち続けよう。あの人間に隕石を直撃させよう。そしてこの大地に、自分たち二人が確かに存在したという痕跡を残そう。

 

「クルッキュウ……」

 

 彼でも実感できるほどに魔力量が減ってきた。そろそろ終わりが近づいているようだった。彼は目が見えなくなってきた。

 

 ああメテオ、メテオもこの暗さを味わったのか……?

 

 隕石のシャワーはその後も数分間続いて、それからぱったりと、嘘のように止んでしまった。




 メテオストライクとは、ほいれんで・くーによるオリジナル命名です。ウィズローブたちが使ってくるあの技、正式名称ってありましたっけ? 私は、あのロッドを手に入れたらリンクさんもメテオストライクが使えるんだと、そりゃもう興奮して分捕ったわけです。それで、使ったんです。できないんです、メテオストライク。もうね、落胆、失望、ガッカリ……結果、メテオロッドはただのでけぇチャッカマンになりましたとさ。

※加筆修正しました。(2023/05/07/日)
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