単なる人間に戦闘力を付与するには、それこそ膨大な時間と資金を必要とする。何も知らない一般人を兵士として調練し、兵器を与え、部隊を編成する。規律を課し、命令に服せしめ、死の予感を忘れさせ、ただ勝利に向かって
だが、このようにしてまさに手塩にかけて育てられた兵力も、指揮官の能力が低劣な場合、その真価を発揮することもなく無為に損なわれる。勝利を収めた? 結構、それは指揮官が優れていたからではなく、天運と良き兵士に恵まれたからだ。辛くも勝利を得た? そういうこともあるだろう。それはおそらく、敵が指揮官よりも無能だったからだ。敗北してしまった? 当然だ。悪しき指揮能力で勝利することは不可能に近い。莫大な時間とルピーをかけて養成した戦力も、今では完全に無に帰したというわけだ。
敗北した戦場から、指揮官はいち早く逃走するだろう。精強な護衛兵に囲まれて指揮官は逃げる。彼は「兵が臆病で、参謀が無能だったから負けたのだ」と自己弁護を延々と繰り返す。では、残された兵士たちはどうなるのか? ここからが問題となる。
兵士たちは訓練された通りに、勝利の可能性がもはや消え去ってしまった段階においても、望みを捨てずに最後まで戦う。最後までというのは、文字通り敵の
それでもなお、それを果たせない場合もある。戦い続け、体力が尽き、重傷を負って、人事不省となった兵士には、死を選ぶことすらできない。縄を打たれ、
捕虜になること、それはまさしく兵士にとっての悪夢である。勝者が敗者を思うがままに扱うことができるのが戦場の掟であるなら、捕虜は勝者の慰み者にほかならない。捕虜は武器を取り上げられて、
そうであるにもかかわらず、兵士ではない者、つまり戦線に出ることのない貴族や富裕商人たち、いやそれだけではなくただの一般市民たちでさえも、
だが、ハイラル王国が捕虜というものについて考えを改める機会が、長い歴史の中で確かに存在した。
それは、雪と氷に閉ざされた酷寒のへブラ地方に魔物が突如として溢れかえり、軍を形成して、周辺の村落を
王国首脳部は即座に軍を派遣して、暴虐の限りを尽くす魔物たちを討滅せんと衆議一決した。しかし、王国が大規模な軍を送ることはできなかった。輸送路は貧弱であり、寒冷地帯の兵士たちの体温を保つための食料と燃料を大量に補給することは望むべくもなかった。協議の結果、山岳戦に長けた少数精鋭の部隊を新たに編成し、それをへブラ山に送り込むこととなった。
選ばれたのは、山歩きに慣れ、弓矢の射撃に熟達した猟師たちだった。彼らならばきっとへブラ山というおよそ人間の生存を許さぬ過酷な環境にあっても、充分な戦闘力を発揮して、魔物を一匹残らず駆逐するであろう。首脳部はそのように考えた。かくしてハイラル全土に布告が出され、腕利きの猟師たちがかき集められた。
本来孤独を好み、単独で野山に分け入って獲物を狩る猟師たちは、募集に対して当初は消極的な態度を示した。彼らには彼らなりの生活というものがあり、養うべき両親や家族がいた。故郷から離れて遠い戦地へと赴けば、いくら王国から給金や補償金が出るとはいえ、家族を飢えさせることになってしまう。その懸念が猟師たちを躊躇わせていた。
ここで、そんな事態を一変させるべく、王国はある
シロスレミーは深い知性の持ち主であった。彼はよく読書をし、あるいは神殿の神官たちから話を聞いて、自身の知的能力を涵養することに余念がなかった。余暇において彼は盾サーフィンを好み、それ以外の時間では読書と酒を静かに嗜んだ。そんな彼には、「静かなる
また彼は、冒険と狩猟に関する著作を何冊か公にしており、ハイラル全土で広く人気を博していた。無論、彼は猟師たちからの尊崇も集めていた。彼が「ハイラル一の猟師」であることを疑う者はいなかった。
そんなシロスレミーが山岳部隊の隊長として抜擢された。その報を耳にした猟師たちの反応は劇的だった。彼らはこぞって城下町に赴き、部隊に加えてもらうよう頼み込んだ。彼らが異口同音に「シロスレミーと共にへブラ山で
短い訓練期間の後、山岳部隊は早速へブラ山に向けて進発した。だが、街道を行くシロスレミーたちの顔は暗かった。それにはある事情が関係していた。いよいよ部隊が出撃するその一週間前になって、突然王国首脳部がシロスレミーを隊長から解任し、代わって副長の地位に任じたからであった。
シロスレミーの代わりに隊長となったのは、とある大貴族の跡取り息子だった。その名はハベラコといった。アッカレ地方の荘園で遊び半分の狩猟をして日々を過ごしていたハベラコは、親の権力と人脈を駆使して、山岳部隊の隊長の座を得たのであった。ハベラコの年齢は二十代前半、その人格と識見は共に未熟そのものだった。ハベラコの性格は陰気ではなく、むしろ楽天的で陽気とも言えたが、それはそれまでの人生において彼が苦労らしい苦労を経験して来なかったからこその性格であり、いざ苦境に立たされた際に彼がどのように豹変するかは、誰にも予想ができなかった。
若き隊長ハベラコには、若者らしい野心が煮えたぎっていた。ひとつは、王国に
突然のシロスレミー解任劇に山岳部隊は空中分解寸前になった。だが、それを取りなしたのはシロスレミーだった。彼は憤激する部隊員たちを説いて回った。彼は言った。
「
シロスレミーはその言葉どおり、よくハベラコを補佐した。山岳部隊はさしたる問題もなく、予定された戦場に到達した。彼らはリト族の支援を受けながらリリトト湖を迂回し、カルーガ峠に到達すると、へブラ山南岳からシャリバ岳に侵入した。彼らは瞬く間に敵の小拠点を二十箇所破壊し、千以上もの魔物を殺害した。言うまでもなく、これらの戦果はシロスレミーの指揮によるものだった。ハベラコは雪山を歩くだけで疲労困憊しており、指揮を執ることなど到底不可能な有様だった。
魔物たちは静かに、だが猛烈な勢いで進軍してくる人間たちを迎え撃つべく、へブラ山の本拠地から全軍を発して、ブリザー谷に陣を敷いた。シロスレミーはその動きを察知し、敵陣の背後に当たるブリザー谷東側へ夜陰に乗じて部隊を移動させると、翌
奇襲は、完全に成功した。盾サーフィンによって一斉に高台から突撃してくる山岳部隊の猛攻を受けて、魔物たちの陣は見る間に崩壊した。だが、魔物たちもここで退けば後がないことを悟ったのか、奇襲の衝撃から何とか態勢を立て直すと、それからは激烈な抵抗を示し始めた。部隊員たちは魔物の数を着実に減らしていったが、次第に数で圧倒され始め、戦場は混沌の
戦いが終わった時、戦場を掌握していたのはシロスレミーたちの部隊だった。魔物の残骸と破壊された武器が雪原を覆っていた。しかし、隊長ハベラコの姿はどこにも見えなかった。シロスレミーたちは数時間をかけて戦場を捜索した。はぐれていた部隊員との合流を果たして、ようやくシロスレミーは真相を知った。
隊長ハベラコは興奮のあまり敵陣の
部隊員たちは口々に言った。
「不名誉にも捕虜となった者のために、わざわざ危険を
だが、シロスレミーはそれを言下に否定した。彼は言った。
「ここで山を下りること、それはすなわちあの若い隊長ハベラコの死を意味する。いまだかつて魔物が人間を長期間生かしておいた例など、聞いたことがない。おそらく、魔物どもは敗戦の
「それに、なにより」と、シロスレミーは付け加えるように言ったとされる。「捕虜となることは不名誉なことではない。捕虜になることは死よりも
こう言われて、なおもシロスレミーの考えを否定する部隊員はいなかった。彼らは重傷者を下山させると、比較的気力体力を残している者を選抜し、時間を置くことなくへブラ山の敵本拠地へと向かった。
幸いなことに、その時のへブラ山の天候は安定していた。彼らはほどなくして敵本拠地へと到達すると、日没を待って最後の戦いを開始した。魔物たちは人間たちが追撃してくるのを予期しておらず、またその数を大幅に減らしていたこともあって、すでに闇が舞い降りつつある中、次々と討ち取られていった。
ついに敵は殲滅された。若い隊長は下着姿にされて、檻の中に幽閉されているのが発見された。ハベラコは凍傷を負い、体温は低下していたけれども、命に別条はなかった。彼は泣いてシロスレミーたちに感謝した。シロスレミーは身に纏っていたリトの羽毛の防寒着を隊長に着せかけると、一晩の休息をし、翌朝部隊をまとめて堂々と下山した。
戦後、シロスレミーはその戦いについてあえて多くを語らなかった。守るべき隊長が捕虜となったことは、たしかに副長である彼の責任であった。いくら大戦果を挙げてへブラ地方の害を取り除いたとは言っても、それを声高に主張することは彼には躊躇われたのであった。
一方で、隊長ハベラコはシロスレミーたちの活躍を大いに世間に広めた。彼は王城に帰還するや王の謁見を受けた。彼は王に、部隊員たちの活躍と、自らが囚われの身となったことを包み隠さず報告した。王は激することなくハベラコが語る言葉に耳を傾け、やがて以下のように述べたという。
「過酷な生を送ることは過酷な死を遂げるよりも遥かに難事である。
そのことが
このことがハイラルの精神史においてどれだけの意味を有しているかについては、また別の考察を重ねる必要があるだろう。とにかく、それまでのハイリア人が有していた「敗者は潔く死すべし」という一種の
残念ながら、百年前の大厄災においては、敗者は生存を許されなかった。厄災とその配下たちは王国を滅亡させ勝者となったが、彼らは捕虜を必要としなかったからである。自動殺戮機械であるガーディアンたちに対しては、人間の言葉も交渉も通用しなかった。また、一部の部隊は追い詰められて魔物の群れに投降しようとしたが、勝利の味に酔う魔物たちは兵士たちを皆殺しにした。その事件を聞いたアッカレ砦防衛隊は捕虜となることを拒絶し、結果として一兵も余さず全滅した。
つまるところ、捕虜とは、一種の取り決めの上に成立するものに過ぎない。自由と権利を奪い、身柄は拘束するが、命を奪うことまではしない。そのような了解が双方の上で成立しているからこそ、捕虜は存在できる。厄災や魔物やガーディアンとの間に取り決めをすることなど、到底不可能な話だった。
では、取り決めをすることができる敵ならばどうだろうか? そう、人でありながら人の生に背を向けている者たち、野獣のようにバナナを貪り、策謀と謀略を張り巡らせ、ハイラルの天地に混乱をもたらすことを何よりの使命とするあの集団、あのイーガ団ならば、捕虜について取り決めをすることが可能なのではないだろうか?
それは、分からない。それはやはり、夜の闇のような暗さの中に留まっている。
☆☆☆
放たれた矢は正確に目標に命中した。少なくとも、その白銀ボコブリンにはそう思われた。すでに闇は深く、
その敵は、坂の下から何も警戒することなく現れた。敵はニンゲンのメスだった。白銀ボコブリンはニンゲンが好きだった。美味いからだ。そのニンゲンのメスは、長い金色の髪を
舌なめずりをしつつ、白銀ボコブリンは仕留めた獲物の方へ足を向けた。頭上から止めどもなく落下してくる忌々しい雨粒も、今の彼にはまったく気にならなかった。はやく獲物の皮を剥いで解体し、どこか風雨を避けられる場所で火を起こして、こんがりと肉を焼き上げて食事を楽しみたい。手下共が匂いを嗅ぎつける前に、一番美味い、脂肪がたっぷりと乗った胸の肉にかぶりつくのだ……
だが、食欲に満ちた彼の精神は、その場所に着いた直後、混乱を
「ブゴッ!?」
そこにニンゲンのメスの死体はなかった。死体の代わりに、一本の矢が深々と刺さった丸太が転がっているだけだった。
変わり身の術、という言葉こそ白銀ボコブリンは知らなかったが、それが何か一種の
白銀ボコブリンは、ある意味で無知だった。このようにして変わり身の術で攻撃を
ザクッ、という嫌な響きを、白銀ボコブリンは聞いた気がした。それは彼の背中から発せられていた。彼はその音を今までに何度も聞いていた。ヤギやイノシシ、それにニンゲンを狩り、その死体を解体して肉を得ようとして小刀を刺し込む時の、あの音とまったく同じだった。それが、彼の背中からしていた。
彼が振り返ると、そこには矢を撃ち込んでやったはずのあのニンゲンのメスがいた。その手は半月形に刃が曲がった、奇妙な刀を握っていた。怪しげに
白銀ボコブリンは、そこでようやく自分が斬られたことに気づいた。次の瞬間、鋭い痛みが彼を襲った。彼は絶叫した。
「ブギィイイイッ!!」
不意打ちを受けて、戦う前から白銀ボコブリンは甚大なダメージを負ってしまった。それでも彼は、即座に弓矢をその場に投げ捨てると、自身の本来の得物である竜骨ボコこん棒を構え、接近戦の態勢をとった。この丘に来る前、彼はテホタ湿地一帯を牛耳るほどの実力者だった。この程度の傷で戦闘力を失うほど、彼はやわではなかった。
威嚇の意味も込めて、彼は目の前のニンゲンに対して大声を上げた。
「ブゴゴッ! ブギギィッ!」
対して、バナナのような髪のニンゲンは動かなかった。ニンゲンはじっと武器を構えて、彼の動きを観察していた。
彼としては、それで良かった。声を上げたのには別に意味があった。それは仲間を呼ぶためだった。数秒も経たずして、彼の周りで他の魔物が鳴き声を上げた。
「グギャギャ! グゴッ!」
「ブギギッ!」
青リザルフォスが一体、青ボコブリンが一体、自分たちのリーダーを救うべく、一寸先も見えない闇の中を走ってその場にやって来るのを、彼は横目で確認した。青リザルフォスはトゲボコ槍を、青ボコブリンは錆びた剣を手にしていた。
白銀ボコブリンはニヤリと笑みを浮かべた。三人に勝てるわけがないだろ。数で圧倒するのは戦いの基本だ。いくらこのニンゲンのメスが奇妙な術を使うとはいっても、同時に三方向から襲い掛かられてはどうすることもできないはずだ……彼は鳴き声を上げた。
「ブギギ! ブギャッ!」
彼は
突如として、ニンゲンの殺気が爆発的に膨れ上がった。ニンゲンはたった一言だけ呟いた。
「ぶっ殺す」
ニンゲンは武器を構えて、白銀ボコブリンに正面から襲い掛かった。鋭い一撃が振るわれた。彼は竜骨ボコこん棒でそれを受け止めると、短い足を前方に突き出し、蹴りを放った。だが、ニンゲンは軽やかな動きで後方に跳んでそれを回避した。そしてニンゲンは、間を置かずに跳ぶと、今度は右側面に素早く回り込んで、彼の首筋を狙って斬撃を繰り出してきた。
激しい雨音の中に、武器と武器が打ち合わされる鋭い金属音が響きわたった。白銀ボコブリンは歯噛みをした。このニンゲンのメス、相当強いぞ! これまで彼が仕留めてきたニンゲンは、彼が威嚇しただけで腰を抜かして命乞いを始めたものだった。だが、まるでそれとはまったく別の種族であるかのように、このニンゲンのメスは戦意に富んでいた。敵は殺意を滾らせ、攻撃の手を緩めなかった。
いったい、援軍に来た青リザルフォスと青ボコブリンは何をしている!? 俺がこんなに苦戦しているのに、どうして奴らは俺を助けようとしないんだ!? 敵の攻撃を
彼は驚愕の鳴き声を上げた。
「ブゴッ!?」
そこで彼が目にしたのは、悪夢ともいえる光景だった。どこから、いつ来たのか、ニンゲンが二人も増えていた。いずれもメスだった。一人は黒髪で体が小さく、もう一人は桃色の髪で体がやや大きかった。小さいほうのニンゲンは、青ボコブリンの振るう錆びた剣を軽やかな身のこなしで躱すと、その
戦況は、一瞬にして白銀ボコブリンの不利になった。三人に勝てるわけないだろ。彼はそう思った。しかも、自分はダメージを負っている。金髪のニンゲンのメスは容赦せずになおも刀を振るってくる。竜骨ボコこん棒はそろそろ耐久力の限界を迎えそうだ。あと数合もしないうちに、得物は破壊されてしまうに違いない。
あまり豊かであるとはいえない知能を振り絞って、白銀ボコブリンは考えを巡らせた。目の前のニンゲンのメスに勝てる見込みはない。武器はそろそろ破壊される。よしんば倒せたとしても、まだ二体のニンゲンのメスが残っている。手下はもう来ないだろう。ここに罠を仕掛けろと言ってきた、あの不細工なボコブリンも、夜になってからずっと姿を見せていない。ここには来ないだろう。
よく考えること、それが状況を打開する秘訣であると言われている。だが、普段から考えることをしない者にとって、考えることが逆に不利に働くことがある。今の白銀ボコブリンは、まさにそれだった。様々な想念が濁流のように彼の小さな脳髄の中を駆け巡った。
絶体絶命だ。もう助からない。彼はそう思った。絶望、恐怖、濃厚な死の気配……それらを受けて、彼の精神は脆くも崩壊した。
そして、崩壊した精神が、魔物にはあるまじきある行為へと、彼を走らせた。
白銀ボコブリンは悲鳴を上げた。
「ブヒィイイイッ!」
彼は
それは、命乞いだった。それまでに何度も目にしてきたニンゲンの絶望的な振る舞いを、彼は無意識のうちになぞっていた。
とにかく助かりたい。死にたくない。囚われの身になっても良い。怖い!
中途半端な知能を持っていたその白銀ボコブリンには、他の魔物が決して持つことはないであろう、死の恐怖が根付いていた。以前ライネルに追われてテホタ湿地を後にしたのも、彼の中にあるその恐怖感がなさしめたものだった。ここに来て、それが表面化してしまったのだった。
しばらく、耳に痛いほどの雨の音しか聞こえなかった。いつの間にか、彼の前に三人のニンゲンのメスが立っていた。
メスたちは会話を始めた。最初に口を開いたのは、小さな体の黒髪のメスだった。どこか幼さを感じさせる声だった。
「ね、ねえバナーヌ。私の勘違いじゃなければ、もしかして、この魔物、命乞いをしてるんじゃない? これ、『ド・ゲーザ』でしょ?」
それに答えたのは、バナナのような髪のメスだった。冷たく透き通った声で、そのニンゲンは短く言葉を発した。
「……そうらしいな。どうしよう?」
数秒間の沈黙の後、一番左側に立っていた桃色の髪のメスが、陽気ながらも幾分か低い声を上げた。それは何かを思案しているような声音だった。
「……えーっと、テッポ殿、バナーヌ先輩。ここは一つ、逃がしてやるというのはどうでしょう? 逃がしてやるのが嫌なら、捕虜にするとか……なんていうか、こう、魔物とはいえ命乞いをしている奴をたたっ斬るのは、気がひけるんですよね……」
黒髪のメスの幼い声が、それに答えた。
「うーん……イーガ団の掟では、『敵対する者は容赦なく殲滅せよ』と定めているわ。でも『情報を得るに当たって有用と思われる者は、なるべく生かして捕らえるべし』ともしているし……でも、魔物を尋問することって可能なのかしら? 魔物を捕虜にするなんて、お父様からも聞いたことがないし……バナーヌ、あなたは魔物が情報源になると思う?」
しばらく金髪の女は考えるようだったが、やがておもむろに口を開いた。
「いや、それよりも重要なのは、こいつがバナナを差し出しているということだ」
桃色の髪の女が、その言葉を聞いて「あっ!」と声を上げた。
「そうですよ! 『バナナを
その後、長い雨の後にキノコが地面から一斉に生えるように、会話が連続した。金髪のメスが言った。
「しかし、こいつはバナナを腰巻から出した」
黒髪のメスが答えた。
「えっ、そうなの? じゃあダメじゃない? 『バナナは敬うべし。不浄なる部位に触れさせるべからず』とされているわ。腰巻の中からってことは、つまりこいつの……その……いえ、魔物にそれはないかしら。どうだろう……」
桃色のメスが言った。
「たしかに、なんだか
黒髪のメスが言った。
「うーん……折れてたり、傷んだりしているバナナでも、それを差し出されたら、やっぱり助けないといけないのかなぁ。バナーヌはどう思う?」
金髪のメスが答えた。
「……もう、面倒になってきた。殺そう」
桃色のメスが大きな声を上げた。
「あっ! ダメですよバナーヌ先輩! 面倒だからって殺すのは! 『イーガ団員たる者は常に掟に従うべし』という基本原則があるじゃないですか!」
黒髪のメスが続けて言った。
「そうよバナーヌ。どうせ時間はあるんだから、もう少し考えてみましょう、ね?」
金髪のメスは嫌そうに言った。
「……えー……」
白銀ボコブリンは、その場に充満していた殺気が薄れていくのを感じた。どうやら、このまま行けば助かりそうだ。メスたちが話していることは、正直なところ半分以上も分からなかったが、問答無用で殺されるということはなさそうだ……
彼がそう思っている間に、メスたちは結論を出したようだった。黒髪のメスが言った。
「うん、やっぱり殺さないでおきましょう。でも捕虜にはしない。ここは、逃がしましょう。それが掟に則った選択だと思うわ」
桃色のメスが言った。
「捕虜にしたところで、ずっと捕らえておくわけにもいきませんしね。
金髪のメスが頷いた。
「決まりだな」
やがて、黒髪の小さなメスが一歩前に出ると、いまだに地面に押し付けられている彼の頭に小刀を突きつけて、
「魔物よ、私たちはお前が差し出したバナナに免じて、お前の命を救ってやります。速やかにここから立ち去りなさい。武器を持ってはならないわ。それから、目隠しをしてもらいます。
白銀ボコブリンはふらつきながらもその場に立ち上がった。すると、すぐに自身の両目が何かで覆われるのを感じた。後ろに回ったメスの一人が、彼が立つや否や布地を巻きつけたようだった。
目への圧迫感が増したのを彼は感じた。それと同時に彼は、生き残ったという事実に踊りだしたいほどの喜びを覚えていた。「
自由になったら、何をしようか? ここに再びやってきて、また拠点を築くか? いや、もう手下はいない。一から集め直す必要がある。また
金髪のメスの鋭い声が彼の背後からした。
「さあ、行け」
直後、彼は背中を押された。その衝撃で彼は二、三度たたらを踏んだ。彼は、負傷と出血によって体力が失われた体を、ふらふらとした足取りで運び始めた。
よし、これで助かった。白銀ボコブリンはほくそ笑んだ。やはりニンゲンは弱い。こうして自分を
未来は明るいぞ。彼は考え続けた。大敗を喫したが、所詮は一敗に過ぎない。死んだわけではないのだ。一時の屈辱と不名誉は、将来得ることになるより大いなる勝利への投資に過ぎない。いやむしろ、股間から出したバナナ一本でそれを賄うことができたのだから、俺にとってはこの敗北、大勝利と言っても過言ではないではないか……
おぼつかない足取りで歩みを進めていた彼の耳に、突然粗野にして甲高いニンゲンのオスの声が聞こえてきた。
「おい、なんだ!? ボコブリンがいるぞ!!」
あのメス共の仲間だろうか。そう考えた彼は、次に発せられた声を聞いて、その背筋に冷たいものが走るのを覚えた。
「ふざけやがって……! 薄汚い魔物は皆殺しだ! 死ね!」
瞬間、白銀ボコブリンの全身が激しく痺れた。バチバチという耳障りな音と共に、彼は自身の肉体が焦げ
やがて、彼は倒れた。倒れた彼は、自分の肉体が崩壊していく音を聞いていた。
ニンゲンめ、助けてやると言ったくせに、どうしても俺を死なせないではいられなかったらしい。もし生まれ変わることができるのなら、こいつらはきっと皆殺しにしてやる。薄汚いニンゲン共め、もう騙されないぞ。今度は俺が奴らに命乞いをさせて、それを冷たく拒絶してやる……
白銀ボコブリンの肉体は寸時の間に腐った果実のように黒ずむと、軽い爆発音を立てて四散した。肉体から飛び出した紫色の
断末魔の魔物の怨念を聞いていたのか、それとも聞いていなかったのか、暗い天は大地に向けて、ちっぽけな事件の痕跡を洗い流すかのように雨を降り注いでいた。
☆☆☆
バナーヌは、そこに現れた男を見て、自分がある種の
男の
男は、せっかくバナーヌとテッポとモモンジが知恵を出し合って助けることにした白銀ボコブリンに対して、その手に持っているエレキロッドから電気玉を放つと、無慈悲にトドメを刺してしまった。
その男、イーガ団フィローネ支部バナナ輸送部隊指揮官であるサンベは、無抵抗のままに電撃を受けて崩れ落ちた白銀ボコブリンを
「おう、テッポにモモンジ、それからカルサー谷のバナーヌとかいう女! なんで白銀ボコブリンを逃がしやがったんだ! 魔物は皆殺しにするのが常識だろうが! ちゃんと敵は全部倒したんだろうな!? まったく、手間をかけさせやがって……!」
バナーヌは鼻白んだ。この男は、やはり好きになれない。いや好きになる必要などどこにもないのだが、一緒に仕事をこなす仲間がこれほどまでにつまらない男では、やる気が著しく削がれる。カルサー谷のイーガ団本部には、到底好きになれないような一癖も二癖もある人物ばかりが揃っているが、こんなにも面白くない男は初めてだ。
そのようなことを思っているバナーヌの横で、モモンジが耐えかねたように吹き出した。
「ぷっ……ぷふふっ……サンベ殿の
モモンジの隣に立っているテッポが、それに続けて小さな声で言った。
「ちょっとモモンジ、
テッポも、どうしても笑いを抑えきれないようだった。バナーヌも二人と同じく、サンベの不格好な髷を笑いたい気持ちになった。だが彼女は、それを表情に出すまでには至らなかった。
聞こえていたのか、それとも雰囲気から察したのか、サンベはいきなりキレた。
「てめぇら! 何を笑ってやがる! いい加減にしろ! 今は任務の真っ最中だぞ!……まったく、どいつもこいつも使えない奴らばっかりだ、俺がいないと何もできやしねぇ……」
無言のまま、しかし隠し切れない嘲笑を送ってくる三人の女性団員に対して、サンベは肩を怒らせて、しばらく白い仮面越しに睨みつけていた。やがて気を取り直したように肩の力を抜くと、彼はテッポに顔を向けて言った。
「それで、テッポ。これで敵は全滅というわけか? もうここに敵はいないんだな?」
テッポは姿勢を正した。これ以上笑ったりすれば余計な
「はい、指揮官殿。敵は全滅しました」
サンベは頷くと、エレキロッドを指揮
「念のために周辺を調べろ。敵が残っているかもしれん。なにか使えそうなものがあったら回収しろ。変なものを見つけたら、必ず俺に報告するんだぞ! 忘れるなよ、お前らの指揮官はこの俺だからな!」
その言葉は
だが、モモンジだけは違った。彼女は持ち前の明るさで、サンベが今一番訊いて欲しくないと思っていることを質問した。
「それにしても指揮官殿、随分と激戦だったみたいですね! イーガ団員にとって一番大切な髷を斬られるなんて、実力者である指揮官殿に似つかわしくない失敗です。いったい、髷を斬ったのはどんな敵だったんですか? それは倒したんですか? そんなに強い敵がまだ残っているなら、私たちも警戒しないといけないんですけど。あっ! あと、腹痛はもう
サンベは、何も言わなかった。彼はモモンジに対して顎で動くように命じた。彼は右手に鬼円刃、左手にエレキロッドを持って、無言のままにそこから立ち去った。
もちろん、モモンジに悪意は一切なかった。彼女は純粋に指揮官のことを心配していた。だからこそ、彼女は先ほどのようなことを言ったのだった。だが、悪意がない分だけ却って彼の心を深く傷つけるということを、未熟な彼女はまったく考えていなかった。
テッポは、サンベの姿がそこから消えたのを見届けると、バナーヌとモモンジに対して口を開いた。
「ねえねえ。たしかにサンベはろくでもない団員だけど、でも実力だけは大したものよ。そんな実力者のサンベの
モモンジは即座に同意の声を上げた。
「テッポ殿の言うとおりだと思います! なんだかこの戦いは、始まった時から目に見えない巨大な敵と対峙し続けていたような気がするんです。張り巡らされた罠にしてもそうですし……」
バナーヌも静かに頷いた。降りしきる雨の中、三人は歩き始めた。歩きつつ、バナーヌは考えを深めていた。
バナナの罠に引っ掛かり、坂の上から岩が転がってきた時に感じた、あの違和感。この岩場に隙間なく罠を仕掛けた敵と、アラフラ平原に出現してヒコロクに重傷を負わせたという敵が同じではないかという推測。その敵が、あるいは自分が知っている、カルサー谷のある女性団員ではないかという直感……
証拠はないが、サンベほどの実力を持った団員の髷だけを斬るというのは、やはり同じイーガ団員でなければ成し得ないのではないか? そう彼女は思った。
テッポとモモンジが、油断なく武器を構えながら雑談をしていた。テッポが言った。
「それにしても、サンベの髷を見た? あれじゃせっかくの
モモンジが言った。
「指揮官殿、いろいろとカッコ悪いですよねぇ。あれなら、いっそのこと髪の毛を全部剃り落としたほうが、まだ
テッポが口調を改めて言った。
「ところで、ヒエタの姿がどこにも見えないけど……彼はどうしたのかしら? まさか、やられたわけではないと思うけど……」
モモンジが能天気な声を上げた。
「ああー、ヒエタ先輩ならきっと大丈夫ですよ。ヒエタ先輩は、どこかちゃっかりとした性格をしてますけど、指揮官殿以上に生存力豊かな人ですから。生存力というか、逃げ方が上手いんですよね。敵に囲まれて死ぬか降伏するしかないとなっても、あの人ならば誰にも気づかれずにその場から抜け出しそうな印象があります」
モモンジが言った。
「イーガ団員にとって、敗北は死しかあり得ないからね……ヒエタはたぶん一人で馬車に戻って、
突然、誰のものでもない声がその場に響いた。
「あのー、すみませんが……」
唐突に聞こえてきた声は、まるで幽霊のようだった。三人は耳を疑った。その声は、大きな岩が折り重なるようにして形成された空間から流れてきたようだった。空間は、彼女たちの目の前にあった。
テッポが軽く身震いをした。
「ね、ねえ……なんか聞こえたんだけど……モモンジ、あなたは何か聞こえた?」
モモンジは、戸惑いと恐怖を覚えていた。
「は、はい、テッポ殿。なにか、声が聞こえました。声というか、なんというか……も、もしかして、ゆ、ゆうれ……」
モモンジの言葉を最後まで言わせないように、テッポが大きな声を張り上げた。
「ゆ、ゆうれっ……? いえ、オバケなんてこの世に存在しないわ! オバケなんて嘘よ! 良いわね!?」
モモンジが答えた。
「は、はい、テッポ殿! ゆ、ゆうれ……いえ、オバケなんて嘘ですよね! この世に存在するのはバナナの幽霊だけです!」
テッポが驚いたような声を上げた。
「ちょっと、バナナの幽霊って何よ!? 私、そんなことはいま初めて聞いたわ!」
モモンジが答えた。
「え、御存じないんですか? フィローネ支部の倉庫跡にはバナナの幽霊が出るそうですよ。昔、失火で倉庫が焼け落ちた時に、中に保管されていたバナナ一万本が真っ黒に燃え尽きて……それ以来、無数のバナナの幽霊がそこら辺を漂うようになったとか……」
テッポが息を呑んだ。
「ひぇっ……って、それは嘘よ! そんな話なんて私、信じないわ! 第一、私、そんな幽霊に今までに遭遇したことないし!」
モモンジは首を左右に振った。
「それはテッポ殿がマックスドリアンを好んで食べているからでしょう。幽霊もきっとマックスドリアンのにおいが苦手なんですよ」
テッポが怒ったように言った。
「あーっ! あなた、マックスドリアンをバカにしたわね……!」
かまびすしく言葉を応酬する二人を置いて、バナーヌは鞘から首刈り刀をスラリと引き抜いた。彼女はただ一人、目の前の闇へ向けて歩みを進めた。
幽霊でもなんでも、とにかく確認する必要がある。彼女はそう思った。敵ならば斬るだけだし、幽霊ならばバナナの神に祈りを捧げれば良い。それで退散するはずだ。以前、ノチがそのように言っていた。
テッポが声を上げた。
「あっ、バナーヌ! ちょっと、置いていかないでよ!」
モモンジも言った。
「わあ! バナーヌ先輩、待ってくださいよ!」
二人の声を後ろに聞きながら、バナーヌはその闇の中へ足を踏み入れた。
そこにいたのは、彼女にとって予想外の存在だった。
「……すみません。もしよろしければ、ここから出していただきたいのですが……ずっとこんなに狭いところに押し込められて、もうお肌はカサカサになるし、ヒレもカチカチになっちゃって……」
バナーヌは思わず息を呑んだ。赤い肌、優美なヒレ、どことなく気品を感じさせる顔立ち……美しい曲線で構成された体格は、普通のハイリア人にどこか似ていながらも、やはりそれとは別の種族であることを強く示していた。
バナーヌは言った。
「ゾーラ族?」
ゾーラ族が、なぜこんなところにいるのだろうか? なぜゾーラ族の若い女性が、狭い檻の中に閉じ込められて、捨てられた子犬のような哀れっぽい目つきでこちらを見つめてくるのだろうか?
バナーヌの後ろに、テッポとモモンジが来た。テッポが言った。
「……バナーヌ、無警戒に入っちゃダメよ。もしオバケがいたらどうするの……って、ゾーラ族?」
モモンジが言った。
「あれ? ゾーラ族の人だ。不思議ですね、なんでこんな
ゾーラ族の女性は、静かに口を開いた。
「はじめまして……私はゾーラの里の王室直属書記官、フララットと申します」
フララットと名乗るゾーラ族の女性は頭をさげようとして、檻の中で頭をぶつけた。彼女はぶつけた箇所を撫でた。彼女はまた口を開いた。
「我らが英明なるシド王子の命を受けて、私はお使いの旅に出たのです。しかし途中で魔物に捕まってしまい、丸二昼夜もここに閉じ込められていました。もしよろしければ、私をここから出していただけないでしょうか。ゾーラ族の名誉にかけて、きっと厚くお礼を差し上げます。三百ルピーとか、ダイヤモンドとか……」
少なくともオバケではないと分かって、テッポは落ち着きを取り戻した。彼女はフララットに対して、丁寧な物腰で話しかけた。
「こんばんは、フララットさん。魔物に捕まるなんて、酷い目に遭いましたね。お気の毒に……色々と訊きたいことがありますが、あえて尋ねないでおきます。ねえ、バナーヌ、モモンジ。私としては、この人をすぐに檻から出してあげたいんだけど……ほら、早くしないとサンベがここにやって来ないとも限らないし……」
バナーヌには、テッポの心情が痛いほど理解できた。すでに輸送作戦は当初の計画から大きく逸脱している。この丘の敵を一掃することは果たしたのだから、早く街道に戻って馬車を出発させないといけない。さもなければ荷台の一万本のバナナは腐りきってしまう。なぜこんなところにゾーラ族がいるのか、どういう経緯で魔物に捕まったのか、その詳細を明らかにしたいところではあるが、それは輸送作戦とは関係のないことだ……
バナーヌは、さらに考えた。サンベは、虚栄心の強い男だ。任務を忠実に果たすよりも、何か余計なことをして上役の
三人の意見は「なんでよりにもよってこんな時にゾーラ族と遭遇したのだろうか、面倒なことこの上ない!」ということで完全に一致していた。
バナーヌの内心に沿うかのように、モモンジも声を上げた。
「テッポ殿に賛成です! はやくこの人を檻から出してあげるのが、作戦遂行にとっては一番だと思います。急ぎましょう。サンベ殿がやって来てロクでもないことを言うかもしれない……」
男の声がした。
「俺が、やって来るとどうなんだ? いったいなんなんだ? また悪だくみか?」
ぎょっとして、三人は後ろへ振り返った。そこには、今ここに一番来て欲しくない張本人が静かに立っていた。その手にあるエレキロッドから漏れ出る黄色い魔力が、暗い空間をおぼろげに照らし出していた。
ほどなくしてサンベは、三人が囲んでいるものの正体を見極めた。彼は、喜悦の感情が色濃く反映された甲高い声を張り上げた。
「おっ! そこにいるのはゾーラ族のメスじゃねえか! これはすげえ掘り出し物だ! お前たち、でかしたな! まったく、ロクでもない任務だと思っていたが、これでようやく運が巡ってきたっていうもんだ! おい、こいつをここから運び出せ! このままカルサー谷の本部に連れていって、コーガ様に献上するぞ!」
ゾーラ族のフララットは悲鳴を上げた。
「ひええっ! 一難去ってまた一難とはこのことですか! もうヤダ、これだから宮仕えは大変なんです……! はあ、こんなことならキャリアウーマンを目指すのではなくて、大人しく父の防具屋を継ぐのでした……」
いつの間にか、雨は止んでいた。カエルの歌声が痛いほどにバナーヌの鼓膜を刺激した。
はたして、本当に自分たちはバナナを運ぶことができるのだろうか?
誰にも聞こえない溜息を吐きつつ、バナーヌは
三百六十五日ぶりの更新とかマジですか! 冗談きついぜ!
今年こそは更新頻度を上げていくつもりです……! どうぞよろしくお願いいたします。
※追記 四十八話が二重に投稿されているという謎の事態だったので、いったん削除して上げ直しました。後でまた手直しするかもしれません。
※加筆修正しました。(2023/05/21/日)