もしも楽の兄貴がニセコイ生活を送っていたならば   作:孤独なバカ

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ジツリョク

「それで条約を結ぼうと思うのだが。」

「……」

放課後帰ろうとしたら鶫が俺のところにくる。話の内容から条約の件だと分かったので屋上に出ているのだが開口一番にそう言われた

「……別にいいけど。早いなもう少し渋ると思ったが。」

「ボスから確認済みだ。……それと一条夕貴について教えてもらったのだが…」

「なんだ?」

「いや。さすがに信じられないのだが、麻薬組織をこの二週間で五つ潰しているというのは本当なのか?特に焼売会は中国でも名の知れた大物だぞ?」

と言っているけど実際のところ事実なんだよなぁ

「……本当だよ。まぁそのうち三つは焼売会の配下。大元を吐かせる為にちょっと眠らせただけだけどな。睡眠薬入りの煙玉を使っただけで捕縛できたし。」

「…煙玉?」

俺はもしもの為使う筈だった丸い玉をポケットの中から取り出す

「これの事だよ。無効化にするにはいい方法だぞ。俺はなるべく殺さずに捕縛して罪をちゃんと背負わせるのが俺の仕事。俺は未だに人を殺すと体調を崩すし……人を傷つける行為はしたくないからな。」

未だに人を傷つける行為にはかなり抵抗がある。

「……そうか、でもこれどう使うんだ。」

「地面に思いっきり叩きつけるか紐に火をつけるだけだ。元々花火の応用だからな。」

と嘘を言っておく。昔からあった技術だが使われるとなるとやっかいだからな。

「それで条約の件なのだが、どうすればいいんだ?」

「ん?そんなん口約束に決まってるだろ。証拠残ったら両方破滅するからな。」

「……」

鶫はビーハイブから俺は警察から除名される可能性がある。それなら口約束にしておいた方がいいのだ。

「……それにお互い書類で契約したって裏切られる時には裏切られるんだそれだったらお互いに見張っておく方が安心だろ?」

「それもそうだな。だが一条夕貴はなぜこんな危ない役をやらされているんだ?」

「ん?危ないか?」

「いや、危ないだろうこの案件とかかなり危険だぞ。最悪期限が過ぎれば殺される可能性だって。」

まぁ鶫が言いたいことは分かるのだがでも俺にはそれよりも大切な依頼がある

「大丈夫だよ。俺が今無性でやっているビーハイブと集英組の戦争を止めることに関連してるからな。」

「そういえばそうだったな。……なるほどそういう条件を突き付けているんだな。」

「……まぁ依頼のうちにお前ブラックタイガーの無効化が今まで受けた依頼の中で二番目に高かったな。一番はヤクザ通しの戦争を一部隊で止めろって言う馬鹿げたもんだったけど。」

その依頼が確か40億とかいう破格の値段だったな

「ほう。報酬もあるのか?その前にだが戦争を一人で止めるってその依頼無茶すぎるのでは?」

「自衛隊専用ヘリで催涙弾を数発放ってから睡眠薬を撒き散らしたんだよ。あの時住民の避難とか情報操作とか大変だったんだからな。」

あの時夏休みで合宿とかなんかで誤魔化したけどあれはかなり大変だった記憶がある。

「……無茶苦茶だな。」

「これが唯一の無効化方法だったからな。殺したらまた面倒なことになるし。」

「考えているんだな。」

「これでも学年主席なもんで。」

「……関係ないと思うが。」

まぁ冗談だけども

「まぁ。一応これでも自衛官の中でもかなり危険な仕事をしてるし慣れっこなんだよ。俺の隊は優秀な奴らしか入ってこない最強部隊って自衛隊では有名だからな。給料もいいし待遇もいい。……まぁ俺は訳ありでお金を集めているからな。少々危険でも引き受けてるんだ。」

「……」

「まぁ、基本は裏の世界に関わっている暴力団組織や麻薬販売組織の壊滅や資金源を根絶やしにすることや、または情報収集及び情報工作が俺の裏の仕事だ。」

「それを私に話してどうするんだ?」

「いや、さすがにあんたのことは知っておいてこっちの情報を漏らさないのはフェアじゃないだろ。短くて3年は結ぶ条約の相手だぞ。得意な武器、できることやできないことの情報交換はしといた方がいい。てか桐崎と楽を守るにはそうするしかないんだからな。それに裏切ろうにもそっちは桐崎と鶫、こっちは俺と楽と友達が人質になっているんだ。……一つ破ったら戦争が始まるし裏切る可能性は低いと判断した。それだけだ。」

「……なっ?」

「気づいてなかったのかよ。ニセコイ関係を知っているということはその時点で一つ過ちを犯しただけで戦争に繋がるんだよ。……俺だって逃げれるもんなら逃げたいぞ。今回お前を引き入れるのだって一つの賭けだったし。桐崎も他のみんなも気づいてないが、それぐらいこの関係は賭けなんだ。または戦争を止める場合殲滅させるぐらいしかな。」

「貴様ならそれができそうだな。」

と多分冗談で言っているのだろうが

「できるな。少しコストが嵩むけどそれでもできるかできないかと言われたらできる。」

「……冗談で言ったつもりなのだが。」

「知ってる。でも、見つからずに忍び込み薬品を撒き散らせば簡単に殲滅できるぞ。今じゃスナイパーライフルという勝手的な武器もあるし薬品を周囲に撒き散らすことなんて安易だぞ。届けば最後、情報を漏らすようなバカはしないし何より漏れたとしても臨機応変に対処できるしな。それに、伊達に最強部隊の隊長を名乗ってねぇよ。」

するとビクッと鶫が反応し銃をこっち側に構える。それもそのはず。今まで弱そうに見えたのに急に強いと認識したからだろう。しばらく経ち急に驚いたようにこっちを見てそして銃をしまう

「……すまない。」

「別に今のは反射的だろうから仕方ないさ。こういう風に弱そうに見せるのも才能だよ。」

「……」

「……忠告だけしとくぞ。俺はお前より強い。自惚れでも虚言でもねえ。事実だ。それを忘れんな。」

努力もかなりしてきた形跡があるけど、それでも俺よりはまだ弱い。

「……そのようだな。私もまだ死にたくはないしやめておく。それにお嬢が貴様に話があるらしいからな。」

すると冷や汗が出てくる。自分の勘はよく当たる方であるので……説教だな。

「……なんか嫌な予感するけど俺が悪いか。黙って叱られよう。」

「叱られることは確定なのだな。」

呆れたように鶫は俺を見る。

「俺は怒られるのがデフォルトなんだよ。今も昔も変わらずにな。」

「…それはどうかと思うが。」

「いいんだよ。少しくらいなら。……叱られるっていうのは見てくれているということ。悪いことではないからな。どちらかというと泣かれる方が結構くるもんがあるけど…」

泣かれるとどうすればいいのか分からないって感じだしな。

「泣かれるのは苦手だよ。今も昔も変わらずに…」

「……」

「んじゃ。桐崎のところ行ってくるわ。後過保護だけはやめてやれ。あいつの長所は元気で活発な性格だ。多少危険だけど、下手に関わるとあいつの長所全部消えるぞ。」

「余計な御世話だ。」

「んじゃな。」

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