この番組は大赦と
ご覧のスポンサーの提供でお送りします。
我が国は、戦万派、ヒゲポテ派、エボ忍派に別れ、混沌を極めていた……!
「天才物理学者でヴェノムリークでもあり、また天っ才教師である園田槍太は、人類の敵バーテックスへ、三人の勇者と共に立ち向かう。そして無事、初陣を飾るのでありました!」
「いや~、ホントにドキドキしましたね!でも勝てて良かった~」
「まさか水球飲むとは思わなかったからな~。……で、どんな味だったの?」
「最初はサイダーで、途中からウーロ……え、何で味のレビューなんて聞くんですか?」
「え?あ、いや~……ま、まぁ気にしないで。さぁ、どうなる、第三話!」
◆
神樹館職員室。
まだ早朝だが、数人の教員が作業をしている。
園田槍太もその一人だ。
元々早起きだったが、その仕事柄、それが加速してしまったのだ。
「えー…生徒を皆、カボチャと思いましょう。そうすれば、緊張しなくなります……」
と言っても、教師の指南(安芸が作ったらしい)を読み込んでいるだけなのだが。
「はぁ~、しっかしこのカボチャ作戦、ホントに効くのか…?」
「効くわよ」
「うわっ!何だ、安芸か……おはようございます……」
「ん、おはよう。きっと効果が出るはずよ。試してみなさい。今日必ず」
「お、おう…ピーマンを前にして焦る人がいっても説得力が……なぁ」
「ん?何かいったかしら?」
「ウェッ!いえ!何も────」
突然、ビルドフォンからアラームが鳴り響く。
画面には、『Smash Appear!』と表示されている。
「早速、俺の発明品が活躍したか………!」
マシンビルダーに跨がり、現場へと急行する。
◆
スマッシュが出現したポイントであるとある公園。
そこでは、高い打撃力を誇るストロングスマッシュが暴れていた。
「うわぁぁぁっ!」
「何だあの怪物!?」
人々が突如現れたスマッシュに怯え、逃げ惑っている。
が、スマッシュは一人の少女に狙いを定める。
鷲尾須美だ。
「くっ…!」
流石に一般市民が居る前で勇者に変身できない。
だが、持ち前の正義感からその場を立ち去ろうとはしなかった。
スマッシュの強靭な腕が須美を捉え、そして―――
「はぁっ!」
光弾がスマッシュを怯ませる。
槍太だ。
いつの間にか市民は居なくなり、そこに居るのは槍太と須美だけとなっていた。
「園田……先生…!?」
「全く、無茶しないで。一つしかない命なんですから」
ビルドフォンを操作し、スチームガンを呼び出し、ボトルを挿す。
「変身!」
『MISST MATCH…!』
『SCOR…SCOR…SCORPION!』
『FIRE!』
「私も戦います!」
「あー……待って、一回考えて見なよ。俺は仮面被ってるから顔はバレないけど、勇者は顔隠す物、ないでしょ?だったら、ここは俺がやった方がいいんじゃない?」
スマッシュが迫ってくる。
が、突如召喚された槍によって、突進が止められる。
『STEAM LANCE!』
「……はい」
須美が立ち去った事を確認すると、スチームランスを2つに分け、それぞれを折り畳み変形。
スチームガンへ合体させる。
『RIFLE MODE!』
ボトルを再装填し、トリガーを引く。
『STEAM SHOT!SCORPION!』
紫色の光弾が発射され、スマッシュに命中。
スマッシュは、緑の炎を上げ、爆発した。
「さーって、成分回収、っと」
エンプティボトルを取り出し、スマッシュから成分を抜き取る。
「もしもし。スマッシュを撃破。成分は抜き取ったので、救急車の手配お願いします」
大赦へと連絡を取り、変身を解除する。
「……あっ!やっべ、早く神樹館戻らなきゃ!」
『BUILD CHNGE!』
園田槍太は、多忙な生活を送るのだった。
◆
園田槍太は頭を抱えていた。
悩みがある訳ではないが、凄く悔しそうな顔をしている。
「何でカボチャ作戦こんな効くんだよ……」
どうやら、今朝の“カボチャ作戦”を実践したらしい。
効果はあり、授業はスムーズに進んだ。
それは槍太にとって喜ばしい事なのだ。
だが、本人としては――――
「何でピーマン食べられない
それが悔しがっている原因らしい。
………負けず嫌いなのだろうか。
少し子供だ。
「呼んだかしら?」
「うおっ!?いきなり出てくんなよ……寿命が縮む。………あ、そうだ、安芸は勇者にならないの?」
「はぁ~……槍太、勇者になれるのは無垢な少女だけ、って知ってるでしょ?」
「ふんふん………なるほど、と言う事は、安芸は可愛い少女でもなければ全然無垢でもないと」
「あ?」
「ヒィッ!スイマセンデシタ!」
漫才にも見えるやり取りをしていると、ビルドフォンから工場の様な着信音が鳴る。
「ん?…お、春伸からだ」
「春伸さんって…三好さんの所の?いつの間に……」
「いや~、この前カラオケに誘ったらさ、あっさりOKしてくれたんだよ。それで―――といけね、電話出なきゃ」
(春伸さん、不幸ね……密室で槍太の歌声を聞くなんて)
安芸は知っている。
槍太が、最低最悪の音痴だと言うことを。
だが、安芸はまだ知らない。
その春伸も、極度の音痴だと言うことを。
◇
とある地下にある基地。
そこには、謎の緑色の液体に満たされた水槽と、ガスマスクの研究員達が居た。
そこで、コブラの意匠があるワインレッドの怪人が、手摺を椅子にしながら喜びを口にしていた。
「よ~し、ファウストの初人体実験は成功だ!お前ら、いい仕事したなぁ~」
「いえいえ、これもブラッドスターク様、貴方のお蔭です」
ブラッドスターク。それがワインレッドの怪人の名前らしい。
が、そう呼ばれるとスタークは肩を竦め、
「おいおい、スタークでいいって、言ってるだろぉ~?フルネームじゃ、他人行儀じゃねぇか」
と言い放った。
数分経った頃、基地の奥から少し歳を召した、しかし若々しい紳士が現れる。
「スターク、今回の実験はよくやったな。祝杯でも挙げるか?」
「ん~…あ~、俺下戸なんだよ。遠慮するぜ」
悪魔達は、まるで蛇の様に動き始めた。
この世界を蹂躙すべく。
この世界を壊すべく。
◆
「?」
「どうしたの?」
「いや、誰かに呼ばれた気がしてさ……」
「流石、自意識過剰な正義の天才ヒーロー(笑)ね。ほら、準備して。授業始まるわよ?」
「(笑)はいらねぇよ(笑)は!」
蛮野とひでを足して1兆掛けた存在のスターク及びエボルトしね(直球)
誰か安芸先生のヤンデレください