砲流改虎は仮面ライダーである   作:シュワルツシルト半径

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最終回なので初投稿です。

ショットライザー欲しいです。


第十六話「最悪なジ・エンド」

「天っ才物理学者の園田槍太は、最終決戦で鷲尾さん、三ノ輪さん、乃木さんと力を合わせ、見事バーテックスを撃退し世界に平和を取り戻した!そういう訳で、こっからは俺たちの日常を描いた―――」

「何嘘吐いてるんですか!私は記憶は失うし足も動かなくなるし……」

「止めてよ!もう思い出したくないの!」

「私はもうスゴイ満開しちゃって~」

「いや何で『そんな事あったね~』ぐらいのテンションで語ってんの!?」

「アタシは―――」

「それネタバレになっちゃうから!」

「第十六話、どうぞ!」

 

 

マシンビルダーを全速力で走らせながら通話する槍太。

その顔には喜びと不安が混じった複雑な表情が浮かんでいた。

 

「おい安芸!三ノ輪さんが目覚めたのって本当か?!」

「ええ」

「後遺症は?」

「今調べてるわ。見る限り大丈夫だったけど……」

「良かった……」

「また何かあったら連絡する」

「分かった。じゃあな」

 

通話を切り、スピードを上げ銀が居る病院へ急行する槍太。

 

「待ってろ、すぐ行くからな」

 

 

白い廊下を走る槍太。

両親が亡くなった事を思い出させ、正直言って嫌悪感があるが、今はどうでもいい。

 

「安芸!…三ノ輪さんは?」

「今検査が終わった所。大丈夫」

「そっか……良かったぁー」

 

安堵し、床にへたり込む。

 

「…ごめんなさい、散華の事―――」

「良いよ、もう気にすんな。鷲尾さん…今は東郷か。新しい友達が出来ていいんじゃねえの?まあ、乃木さんのあの扱いはちょっとなーって思うけど。半分神様だよ?どこぞの鎧武者かっつーの」

 

笑う槍太。

しかし、安芸はその笑顔は嘘だと見抜く。

それでも、言い出せない安芸であった。

と、検査室から銀が出てくる。

 

「!三ノ輪さん」

「うわっ!?安芸先生、苦しいぃ~」

 

思わず銀を抱く安芸。

槍太も銀に話し掛ける。

 

「良かった……三ノ輪さん、大丈夫?どこか痛いトコとか―――」

「あの…どちら様ですか?」

「えっ…?」

 

絶句する槍太。

 

「……三ノ輪さん、二人で話したいから少し待合所で休んでてくれる?」

「?はい」

 

待合所へ行く銀。

安芸は槍太と向かい合う。

膝から崩れ落ちる槍太。

 

「何で…こうなるんだよ…」

「……」

「いや、待て。見返りを求めたらヒーローじゃない」

「……っ」

「大丈夫だ、俺は忘れられてもいい。これが()()だ」

 

立ち上がる槍太。

フラフラとした足取りでその場から立ち去る。

 

「ごめん安芸。俺…ちょっと頭冷やしてくる」

 

その後ろ姿に、安芸は何も言えなかった。

 

 

大赦の研究所。

そこには総一郎一人しか居なかった。

彼は自身が作ったコーヒーを飲みながらパソコンを操作している。

突然、研究所のドアが開く。

そこから槍太が入ってきた。

 

「おいおい、どうしたってんだ槍太…槍太?」

「総一郎、コーヒー煎れてくれ」

「はあ?」

「いいから早く」

「…分かった」

 

不気味なくらい無機質な槍太の声に気圧されてか、コーヒーを煎れる総一郎。

デスクに置かれたコーヒーを一気に胃へ流し込み、槍太は自身のデスクのパソコンから大赦のデータベースに入る。

 

「あ?ちょちょちょ!?何やってんだよ!?」

「満開について調べる」

 

絶句する総一郎。

暫くして槍太に聞く。

 

「……俺を恨んでるか?」

「別にお前を責めてる訳じゃない…もう、そんなのどうでも良くなった」

「え?」

「手伝え、俺は真実を知りたいんだ」

「……ああ。俺にも責任はある」

 

その日は徹夜で満開や、それに関連するモノを調べた。

それが終わった後、槍太は総一郎に言った。

 

「科学とか呪術とか、そういうのが発展して今に繋がってきた」

「ああ」

「けど…世界はどうせ滅びるんだ。結局……無駄になった」

「……」

「ありがと、今日はもう帰る」

「待てよ」

 

槍太を呼び止める総一郎。

 

「世界は結局滅びるだぁ?お前はヒーローなんだろ!?だったらアイツらも世界も救ってみせろよ!」

「無理だ…俺じゃ。俺はもうヒーローなんかじゃない」

「ふざけんな!いっつも自分の事ヒーローヒーロー言ってる癖にこんな時に逃げんじゃねぇよ!やらずに後悔するより、やって後悔しろよ!最初っから諦めてんじゃねえ!」

「……」

「…見損なったぞ」

 

 

ファウストのアジト。

複数の研究員たちがそこで人体実験についての話し合いを行っていた。

そこにスタークが来る。

 

「おい槍太。ちょっと頼みがあるんだがいいかァ?」

「何だスターク」

「このシステムを造ってほしいんだが」

「これは…!」

「大赦のデータベースから引っ張り出してきた。つっても一部分だけだがな」

「『メルホットシステム』……どうしてこれを?」

「世界を救った後、またバーテックスみたいなのが来たら面倒だろォ?それの対策だ」

「……そうか」

 

槍太はスタークと付き合ってきた中で、一つ分かった事がある。

―――コイツは呼吸するように嘘を吐く。

だが世界を、あの三人を救うには、この嘘吐き(スターク)の言う事を信じるしかない。

 

「分かった」

「じゃ、頼んだぜ。園田槍太先生?」

 

 

四国を囲う壁の上から、町を眺める槍太。

今までの思い出が駆け巡り、思わず頬が綻ぶ。

しかし、一旦目を閉じ、真剣な表情になる。

―――今から行うのは覚悟と謝罪だ。

今まで自分に関わってきてくれた者達への謝罪。

悪魔に身を落とす覚悟。

 

「父さん、母さん、鷲尾さん、三ノ輪さん、乃木さん、安芸、総一郎、ごめん。俺は―――悪魔になる」

 

全ては、愛と平和の為に――――。




最終回なのに短くてすいません。

さて、これでわすゆ編が終了しました。と、いうことは……。
おっと、ここから先はまだ皆さんには未来の話、でしたね。
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