ダイの大冒険 ~白銀のダークエルフ~   作:菅野アスカ

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お久しぶりです、本当に…
pixivに浮気してました…
本日ピサロサイドとなっております


原作突入 旅立ちまで
魔王復活と勇者の家庭教師


その日、デルムリン島に青天の霹靂が訪れた。

全てのモンスターが、突然凶暴化したのである。

 

「ピサロさん!無事ですか!!??」

 

私の家まで、リディアが走ってきた。あちこち切り傷や擦り傷ができているが、ほぼ無傷だ。

 

「ああ、見ての通り無事だ!だが、このままでは…」

「はい。…ダイが、危ない!!!」

 

この島にいるモンスターたちは、元々、ハドラーの力によって凶暴化させられ、ハドラーの配下となっていた。ならば、今のこの状況は、ハドラーが復活したことによって発生したと考えるのが妥当だろう。

魔王の、復活。それだけでも、人間にとっては充分絶望的だ。

だが、ダイにとっては、もう1つ。身を裂かれるほど、耐え難いであろう事実がある。

 

ハドラーの、モンスターへの邪悪な意志の強制力は、知能の高いブラス老相手であっても、例外ではない。

 

つまり…このままでは、最悪、意志に抗いきれなくなったブラス老が、ダイを殺してしまいかねない。

そうなる前に、ダイを逃がしてしまわなくては…!

 

~移動中~

 

「嘘、いない…!?」

 

ダイとブラス老の家は、もぬけの殻になっていた。

何かあった時のためにと、常備していた旅道具もない。

 

「…確か、非常事態に備えて、用意してあった小舟があったな。もしや、もうすでに逃がされたか?」

「あ、そうか…!確認のために、海岸に行ってみましょう!!」

「ああ、それがいいだろう」

 

~移動中~

 

2人は、海岸にいた。…いや、2人だけではない。見知らぬ人間が、さらに2人いる。

片方は、眼鏡をかけた若い男。もう片方は、ダイよりは年上だが、まだ少年と言える年頃で、バンダナをつけている。それなりに距離があるせいで、どちらも顔かたちがよくわからないが。

 

「ここからじゃ、会話が聞こえな…あ」

「気づかれたな」

 

眼鏡の男の方がこちらの存在に気づき、わずかに驚いた、ようだった。

少しして、男は、我々に「そこから離れろ」というジェスチャーをした。

 

「離れろ、って…どうします?」

「…もし、仕掛けてくるのなら、『離れろ』ではなく『こっちへ来い』だろう。助けておいて、あとで何かをしてくるということも考えられるが…見るからに足手まといになりそうな人物を連れていることを考えると、その可能性は低い。従っても問題はないだろう」

「そう、ですか」

 

私は即座にリディアを抱え、ルーラの応用でブラス老とダイのところまで行く。

 

「ダイ、無事か!?」

「ダイ君、無事!?」

 

私とリディアの声が重なった。

 

「う、うん!」

「え…え、魔族!?」

「こら、ポップ。事態がややこしくなるから、それについてはしばらく黙っていなさい」

 

どうやら、少年の方はポップというらしい。

まあ、魔族を見るのは初めてだろうから、無理もない。

 

「さて、ここは私にまかせてください!」

 

男はそう言うと、抜剣し、掛け声を上げて地面に剣で線を描きつつ走り出した。

 

「あ、危ない!」

「心配すんな、先生はすごいんだ」

 

 

しばらくして、男は走って戻ってきた。

そして。

 

「邪なる威力よ、退け…マホカトール!!!」

 

叫んだ瞬間に、地面に描かれた線…魔法陣が発光、島中のモンスターを正気に戻した。

 

「すげえ…」

「マホカトール…聞いたことがあるな。確か、破邪呪文の一種だったか?」

「え、じゃあ、あの人は賢者…?」

「そうとも限らん。かつて、魔王軍と戦った勇者は破邪呪文の使い手でもあったらしい。そう言ったものの可能性もある」

「じゃあ…勇者様!?」

 

ダイが、目を輝かせてそう言うと、男は首を振りつつ1つの巻物を出して、言った。

 

「申し遅れました。私、こういうものです」

 

広げられた巻物には、

『勇者の育成ならお任せ!!この道15年のベテラン「アバン・デ・ジニュアールⅢ世」』

と書かれている。心底胡散臭い、と、普段なら言うところだが。

アバンという名には聞き覚えがある。…世界を救った勇者の名だ。勇者だったのは昔の話だから勇者ではない、ということか。

 

「平たく言えば、勇者の家庭教師です」

「「はあ?」」

 

ダイとブラス老の声が重なる。リディアはというと、目を丸くしてアバンを見ていた。そういえば、こいつは昔、1人旅をしていたのだった。旅の過程でアバンの名を聞いても、おかしくはない。

 

「そう!勇者、賢者、魔法使いなど…正義を守る平和の使徒を育て上げ、超一流へと導く!それが私の仕事なのです!」

「はー…」

「こちらは弟子のポップ、現在魔法の修行中の身です」

 

アバンがポップを指さしそう言うと、ポップはどこか誇らしげな顔をして会釈をした。

 

「ええと、それで…なぜ、この島へ?」

 

リディアが訊ねる。

 

「…すでにお気づきでしょうが、魔王が復活してしまいました。魔王の配下の怪物たちが世界中に溢れ出し、人々を苦しめだしています。ロモスやパプニカなども、危機にさらされているのです」

「ロモスの王様や…レオナ姫が…!!」

「まず狙うとするなら、そのあたりだろうな。特にパプニカは、かつての魔王の根城だ」

「よくご存じで…。ええ、そうなのです。私は、パプニカ王国の王家から頼まれ、ここへ来ました。『デルムリン島に住む少年・ダイこそ、まさしく未来の勇者。どうか彼を真の勇者に育て上げてほしい』と。ダイ君、どうします?魔王を倒すために、私の修行を受けてみますか?もちろん、無茶苦茶ハードですが」

 

ダイは、ちらりとこちらを見る。片手間程度にだが、私に剣を教わっているため、気にしているのだろう。

だが、正直に言うと、私は誰かにものを教えるのがそこまで得意ではない。むしろ、下手な方に入るだろう。それなら、専門家を頼った方がいいだろう。

 

「私のことは気にするな、ダイ。お前のやりたいようにやればいい」

「!」

 

ばれていないとでも思ったのか、わずかに驚くダイ。

しかし、私の言葉を聞いて、決意したように言った。

 

「…やる!魔王を倒さなきゃ、レオナもロモスの王様もじいちゃんたちも、安心して暮らせない!俺を、鍛えてください!!」

「よろしい!…では」

 

そう言って、アバンが取り出したのは、1枚の書類。

 

「この契約書にハンコを…あ、サインでもいいですよ」

 

…素でやっているのか、それとも演じているのか。

リディアすらも、絶句していた。

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