ダイの大冒険 ~白銀のダークエルフ~   作:菅野アスカ

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クロコダインが…白血球さん…だと…?
ハドラー様が英雄王…???


真実

「あの、アバンさん」

「おや?どうしたんですか、リディアさん」

 

現在、特訓2日目の夜。

ダイもポップも眠ったようだが、アバン先生は起きていて、日記か何かを書いていた。

 

「少し、聞きたいことがあって来ました」

「聞きたいこと…ですか?」

「ええ」

 

レオナとあいさつをするとき、小生(ボク)は尻尾も耳も隠していた。ダークエルフってことは言わなかった。

初対面の時に、ポップが説明されるまで小生(ボク)を魔族と思い込んでいたことを考えると、エルフやダークエルフの知名度は低いと考えていいだろう。

なのに、何故。

 

「アバンさんは、どうして、小生(ボク)がダークエルフだってわかったんですか?」

 

アバン先生は少し面食らったように目を見張って、それから柔らかく微笑んだ。

 

「さすがに、この目で見たのはリディアさんが初めてですよ。私はもともと学者の家系でしたので、書物で見たのです。特徴が合致するので、もしやと」

 

ああ、なるほど。マァムも絵本で読んだと言っていたし、本には結構残っているのだろう。

 

「その書物というのは、どういった?」

「?歴史書ですが…何故、そのようなことを?」

 

かなりキャラクターの多いダイ大だが、「ヒントをくれる博識キャラ」の類は意外と少ない。

ぱっと思いつくのはテラン王だが…まさか、国王にわざわざ聞きに行くわけにもいかない。

ならば、この時点で、作中随一の頭脳を持つと思われるアバン先生から、少しでも多くの情報を引き出すまで。

 

小生(ボク)には、過去の記憶がないんです。…だから、知らない。エルフとダークエルフのこと、何も。ですから、知りたいんです。彼らがどうなったのかとか、自分のルーツとか」

「…そう、でしたか。すみません、無神経なことを聞いてしまいました」

「いえ、大丈夫です」

 

さすがに3年吐き通してきた嘘なだけあって、アバン先生もどうにか騙せたようだ。

 

「私もそこまで詳しいわけではありませんが、大まかな事情であれば把握しています。よければ、お話ししましょうか?…あまり、明るい話ではないのですが…」

「!」

 

明るい話じゃないなんてのは、絶滅寸前の時点で気づいてる。裏事情が知られるのは、ありがたいことだ。

 

「構いません、お願いします」

 

 

 

××××

 

 

 

「…………………」

 

想像以上に…根が…深かった…

 

まず、アバン先生が教えてくれたのだが、エルフもダークエルフも外見以外にはほとんど違いはないらしい。しいて言うならば、ダークエルフのほうが少々闇にひかれやすい程度。

 

そして、エルフとダークエルフは、絶滅しかかった事情が別々だった。

 

かつて、エルフは天界に、ダークエルフはその特性から魔界に住んでいたそうだ。しかし、神のお告げなどを知らせるために地上に何度か降りてくるうちに、いつしか多くのエルフが地上で暮らすようになったんだそう。

ところがある時、DQ4のロザリーのように、ルビーの涙を流すことができるエルフが生まれてしまった。それを知った人間たちによって、そのエルフは誘拐され、虐待死。さらに、「ルビーの涙を流せるかもしれない」という理由で、多くのエルフが犠牲になったのだという。

これが原因で数が激減し、生き残りは天界へ避難。今はどうなっているのかわからないのだそうだ。

そんなの歴史書に書かれないんじゃないのかと思ったが、なんでも、各地から取り寄せた古文書を読んでいたら、その中にたまたまエルフの手記が紛れていたらしい。

 

それから、ダークエルフだが。

魔界在住ということもあってか、アバン先生には詳しいことはわからなかったようだ。ただ、前述した手記に「魔界の連中と連絡が取れない」といったことが書かれていたそうで、おそらく魔界で何かあったのでは、と言われた。

そこでピサロさんを問い詰めたところ、さらに頭の痛い事実が発覚してしまった。

 

魔界でも、地上と同じことが起きていたのだ。

 

どうやら、ダークエルフの中にも、ルビーの涙を持つものが生まれたらしい。さらに、その涙が「あらゆる呪いを打ち破る力」を持っているということが発覚。魔界が「力こそすべて」の世界な時点で、何が起きたかはお察しである。

それによって大きく数を減らしたダークエルフだが、雷竜ボリクスの傘下に入ることによって生き延びた。ところがその直後に真竜の戦いが発生、余波で大部分が死に絶えてしまったという。今は残りがヴェルザーの庇護を受けているそうだが、そのヴェルザーもあんな有様…。天界のエルフと比べると、未来はかなり暗い。

 

「恨むなら恨んでくれて構わない、なんて2人とも言ってくれたけど…」

 

小生(ボク)は、それを実際に体験したわけじゃないし、アバン先生やピサロさんたちがやったというわけでもない。

つまり、薄情かもしれないが…小生(ボク)にとっては、他人事なのだ。

だからどうしても、彼らを恨む気にはなれなくて。

 

「…聞かないほうがよかったかも」

 

なんとなく、2人と顔を合わせづらくなってしまった。

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