この作品の転スラはWeb版準拠で行きますのでネタバレがダメな方は今後の転スラを楽しむためにもブラウザバック推奨です。
その日、俺とヴェルドラとラミリスは迷宮の最奥の間に設置された
ヴェルドラとラミリス、それからベレッタが一足先に異世界へと交流しに行ってからしばらくの時間が過ぎ去った。
ヴェルドラ達が交流した世界と
これに高揚せずしてどうする!
前世は人間、今世はスライムとして転生した俺だが、その前世の頃からこんなことが出来たらいいなと夢にまでみたもの。
今この状態でも若干叶っているかもしれないが、そう、異世界旅行だ。
例えばこの世界みたいに魔法が存在する世界へ行ってみたい。
例えば前にヴェルドラ達が行ったように科学力が異常発達した世界へ行ってみたい。
人間が存在しない世界へ行ってみたい。etc…。
そんなことが叶うのだ。これを一人の男として、ロマンを追い求める一人の男として興奮しないわけがない。
そう、今俺のテンションは最高にハイってヤツだ。
勿論、俺にも威厳があるので表には出していないが。
《……》
シエル先生が呆れているように感じるが多分気のせいだろう。…気のせいったら気のせいだ。
今回の異世界旅行に同行するメンバーはヴェルドラ、ラミリス、クロエ、ディアブロ、ベレッタ、シュナ、そしてミリムとガイアの計8人と一匹だ。
俺、ヴェルドラ、ラミリスは言わずもがな、行くのは決まっていた。
クロエとシュナはどうしてもという強い要望もあり同行をゆるしたが、ディアブロに至っては秘書の務めですのでと言ってシオンとの過激な争い―――最終的には俺が審判をしてスキルなし
そしてベレッタには、前回ヴェルドラ達に巻き込まれて異世界へと渡った経験を買って俺が誘った。
しかし、問題はミリムに俺の『異世界へ遊びにいこう計画』がバレて一緒に行きたいと駄々をこねられたことだ。
当然、俺は構わないが問題はその期間中ミリムが執務をできないことだ。
その結果フレイのお怒りを受けるのはこの駄々に屈した俺とこねたミリムになる。
俺の場合はこのしばらくの間で執務に区切りをつけており、ここ数週間から1か月の間くらいは俺がいなくてもソウエイやベニマル等他の面々で―――それこそユウキのように世界を滅ぼすような敵が来ないかぎりは―――対処可能なところまでは落ち着いている。
勿論俺は広大な土地を治める魔王であり国の統率者なのだからそういった書類仕事はやってもやっても追いつかないのだがそこはご愛嬌だ。
だが、ミリムの場合こうはいかない。
つまり、前々から行く予定を立てて準備を進めてきた俺たちと違ってミリムには遊ぶ余裕と暇がなかったのだ。
だがここでミリムを置いて俺たちだけ楽しむというのもかわいそうだ。
そう思った俺はミリムと一緒にフレイへ直談判をしたのだ。
その時のミリムなんか、
「おぉ!ありがとうなのだリムル!持つべきものはやはり
なんて言って俺のことを救世主を見るような目で見つめて崇められた。
それで肝心の直談判の結果だが、なんと条件付きならばと許可をくれたのだ。
これには俺もミリムも大いに喜んだものだ。
だが、その条件がキツかった。
条件というのは、まず、俺の執務を聞いてきたところではまだわからなかったが、次の条件を言うところで察した。
つまり、俺の執務は1カ月くらいなら俺無しでも回るように破竹の勢いで仕事を進めた。
それを、予定まで残り数週間のところで1か月分の執務を終わらせることが条件だといったのだ。
まんまと上げて落とされたものだ。
かなり長い期間から準備をしてきた俺でさえキツかったのをミリムは残り数週間で完遂しなくてはならなくなった時のミリムの顔は既に真っ白だった。
ご愁傷様と、心の中で思ったのはここだけの秘密。
だがこれ以上俺が介入することはできない。後はミリム達の問題だからだ。
そしてそれからミリムの参加は半ば諦めていたが、なんとさっきミリムは超特急で
「やぁぁぁぁああああっっと!!!終わったのだリムル!!!」
とはその時に清々しいほどにやり切ったような笑顔で言った言葉だ。
ミリムは俺が領を出た後にそれこそ残像が見えるような速度で一気に溜まったていた執務を済ませてここへやってきたそうだ。
付き添いでついてきたフレイによると、速度に任せた適当なものではなく、一つ一つの資料に的確な指摘をしつつ判子を押したり、却下するにしてもしっかりとした理由と事情、都合に合わせた内容も綴っていたらしい。
不覚にもその力が欲しいと思った瞬間だった。
そんな急ピッチで進めても的確かつ正確な処理ができることに色々敗北を感じた。
なんか悲しい。
《私が本気になればその程度五日で終えれます》
え?
ばかな、あの量の書類にそんな芸当を繰り広げるなぞたとえシエル先生でも不可能だ!
《
なんという意地、だが本当にできそうに思えてくる不思議。
こうして、ひと悶着あったがミリムとガイアが同行することになった。
ガイアは、このしばらくの間に姿はまだ幼体といった感じだが、ある程度片言でも喋れるようになっていた。
ガイアの場合、いい経験になると誰からも反対意見は出なかったが、一部からは―――主に姉二人に―――反対こそでなかったものの「傷の一つもつこうなら・・・」とすごい殺気を送られた。
因みにガイアは女の子でヴェルドラなんかは、
「我にもついに妹ができたか」
などと言って感傷深くなっていて、ついこの前までは姉に構われていて嫉妬していたが今では本当にかわいがっている。
見事な手のひら返しだ。
姉二人なんか更にかわいがりに磨きがかかっていたし。
閑話休題。
中々の人数になったが、これはこれでいいものだ。
前々からみんなで遊びに行ければと思っていたので丁度いい。
ゆくゆくは知り合いも読んで本当に何十人で遊びに行ってもいいな、そう思った。
「リムルよ、準備が完了したみたいだぞ」
ヴェルドラがラミリスの調整が終えたのを見て俺に声をかけてくる。
「よし、行くか。」
そして俺の声で全員が魔法陣の中に入ったのを見て俺が魔力を込めようとすると、
「リムルよ、我にやらせてくれぬか?」
とまるで子供のようにヴェルドラが詰め寄ってきた。
聞けば自分は経験があるからここは任せてくれとかなんとか。
だが俺にはどうにも率先して何かを中心的にやりたがる小学生にしか見えなかった。
まぁ、経験があるのは本当だし注ぎすぎも怖いしここはヴェルドラに任せてどんな感じか見て学ぶとしようか。
そこはかとなく不安だが、俺はこれに了承し気前の良くなったヴェルドラは喜々として魔力を注いでいく。
「おお、ついにワタシも異世界へ行けるのだな!」
「ボクも、たのしみ」
「次はどんな世界かわくわくだね、師匠!」
「クアーーーーッハッハッハ!全て我に任せておけ」
「クフフフ、いざ世界を渡ろうとなると私も高揚を隠せませんね」
「ふふふっ、あちらの世界にはどのような食材があるのか気になりますね、リムル様」
「違う世界にはどんなものがあるのか楽しみだね、先生」
「今回はラミリス様に不憫な思いをさせずに済みそうでなりよりです」
ミリム、ガイア、ラミリス、ヴェルドラ、ディアブロ、シュナ、クロエ、ベレッタはそれぞれ次に目にする世界に思いを馳せる。
俺も楽しくまったりできるような旅行がいいと考えた。
だが、
ピシリと、魔法陣から輝く光にヒビが入ったような感じがした。
「ぬ?これは!」
魔力を流していたヴェルドラが真っ先に気づくが、もう事態は光にヒビが入った時点で終わっていた。
俺も
「みんな!!」
俺が声を出した時点でもう時間切れだったのだろう、ヒビは完全に俺たちを隔離しそのまま砕け散った。
周りを見渡してみても砕け散った光の残滓と何もない、只々何もない空間がそこに広がるだけだった。
《
今はそんなことを聞きたいんじゃない、みんなは無事なのかそうでないのかだ。
ことの顛末なんてみんなを救ってからでも話せる。
みんなは無事なのか?
《100%無事です。それぞれ今の
シエル先生が100%と自信を持って言い切った。
みんなが無事なら、今はそれでいい。
完全に分断されたにもかかわらずシエルは超然としていて俺が一人不安になって焦っているのもばかばかしくなってくる。
旅行にトラブルはつきもの、みたいな考え方で今は大丈夫そうだ。
《それでこそ、
それで、いつまでここにいればいいんだ?
でようと思えば出れると思うが、シエルが情報収集と言っていたのでこの何もない空間でも得られる情報があるのか?
《解析完了。この世界で今起きている状況を完全把握することに成功しました。どうやら、人類は今しがた滅んだようです。外的要因で。》
は?
滅んだ?
今?
人類が?
まって、外的要因で今、人類が滅んだの?
《はい、捕捉するとこの世界は
まずこの場所でどうやってその情報を得られるんだろう。
そう疑問に思った瞬間、体を上にグンと引っ張られるような感覚がした。
《どうやら、
そういってシエルに送られてきた思念で全て把握した。
俺が
そして、目の前に
俺はそれを念のためスライムの体に戻って召喚される時を待ったのだった。
少し間が空いてしまいすみません。
なるべく時間があれば書いているのですが自分自身納得がいく内容に行き当たりませんでした。
前回の戦闘結果ではなくリムル側の事情を出してみました。
戦闘結果は2話くらい先にだすつもりなので気長に応援よろしくお願いします。