召喚したらスライムだった件   作:よと

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一か月も待たせてしまって申し訳ありません。
燃え尽き症候群を発症して全く進んでませんでしたぁ(ーー;)

一週間に一回のペースは一体何処へ消えたのだろうか。
とにかく、私の勝手な都合で待たせてしまったので今から書籍転スラを10回読みなおしてきます。ノシ


いざ聖杯へ

 今現在、俺たちはクー・フーリンの案内で柳洞寺を目指して歩いていた。

 

 その道中主に骸骨なんかが敵対行動を取ってきたけどリムルやマシュ、クー・フーリンが目につくたびに一瞬にして屠っているから問題なかった。

 

 そんな訳で俺たち一行は時偶に戦闘とも呼べぬ蹂躙をしながら歩いているとクー・フーリンから声がかけられる。

 

 「こっから先、残ってんのはセイバーの奴と動こうとしないバーサーカーになるが、バーサーカーに関しては放置でいい。無理に争うとすればセイバーと戦いになる前にお陀仏になる」

 「その、バーサーカーってどんな英霊なの?」

 「そうだな、これは坊主にもわかるくらい有名な英霊だ。真名は”ヘラクレス”。12の試練を超えたギリシャの二大英雄だな」

 

 あ、よかった。知ってる。

 

 というか強そう。

 俺が知ってるってことは所長やマシュも当然知っていると思うし、俺よりもその危機感は大きく感じると思う。

 

 所長は驚きすぎて固まってるし、余程すごい英霊なんだろう。

 

 「力も強ええ、巌のようでいて速い、更に宝具は”命のストック”と来たもんだから聊か手に余り過ぎるくらいに強力な相手だ。事を構えるだけの余裕は無えってこった」

 

 うわぁ、酷い。

 それってRPGのゲームで言う格上の相手にストックがあって何回も倒さなきゃいけないってことだよね。

 なんて言うかすごいマゾゲーになりそうだ・・・。

 

 「で、でもリムルがいれば大丈夫よね?」

 

 所長が恐る恐るといった感じでクー・フーリンに問う。

 その表情は若干引きつっており、その”ヘラクレス”という英霊がどれだけの相手かを暗に語っている。

 

 やっぱり、余程の相手なんだろうか。

 

 「あー、多分いけると思うが、なにより無駄な戦闘には変わりねえ。バーサーカーは既にセイバーによって敗北している。俺が生き残って、セイバーが倒されればそれで聖杯戦争は終結するはずだ」

 「そ、そうよね。ごめんなさい、少し取り乱したわ」

 

 あー、確かにそうか。

 俺たちはとにかくそのセイバーに勝てればいいから、その明らかにヤバイバーサーカーは別に無視しても問題は無いのか。

 今更気づいた。

 

 「そら、見えてきたぞ。あの洞窟がそうだ」

 

 見ると、目的地に到達していたみたで、目の前には俺たちカルデアの一行が入っても何ら問題が無いくらいの洞窟があった。

 魔術素人の俺でもよくわかるくらいに『やばい』と思わせるような濃厚な気配を感じる。

 

 「へぇ、これはすごいな」

 『ああ、やっと回復した。みんな、その奥に聖杯と思われる超級の魔力炉の反応がある。気を付けてくれ・・・ってすぐ近くにサーヴァント反応!?この反応は、キャスター?』

 「あ、ロマン。良かった、通信が回復したんだ。キャスター、クー・フーリンは一時的に力を貸してくれてる協力者だよ」

 『え、そうなの!?』

 

 洞窟に足を踏み入れようとしていたその時、ロマンの通信が回復したようでカルデアからの通信が入った。

 しかも、どうやらこっちのモニターが不安定らしくて俺たちの状況は通信でしか確認ができないんだとか。

 うーん、どうにか改善させたい・・・。

 

 『・・・そういうことか。なら安心だね。あ、僕はロマニ・アーキマン。ロマンと呼んでくれ』

 「ああ、クーフーリン、キャスターだ。・・・なんか、お前あれだな。何となく信用できねぇやつだな。大丈夫なのか?こいつ」

 『酷いなぁ!僕はきちんと医療トップとして果たすべき責任は果たしてるつもりなんだけど!?』

 「はははっ」

 

 そうして、ひと悶着ありながらも、俺たちは洞窟へと突入していった。

 

――――

 

カラカラカラッ。

 

 洞窟を進んでいって、中盤の方に差し掛かったあたりで、骨と骨がぶつかりあう乾いた音が響く。

 見ると、奥の方から今まで戦ってきたスケルトンとは違う、トカゲの頭骨を持った人型の骨がそれと同じような材質で出来た武器を持って襲いかかってくる。

 

 「な、なにあれ!?」

 「竜牙兵か。丁度いい、坊主、嬢ちゃんと一緒に切り抜けてみな。練習とまではいかないだろうが、まだ慣れてないだろ」

 「え、まあそうだけど」

 「いつまでもおんぶにだっこじゃあいられねえだろ?俺とやりあった時のようにいっちょかましてやれや!」

 

 い、いきなりそんな無茶振りをされましても!?

 って、そうだ。リムルは!?

 

 「お、いいなそれ。見張っとくから、二人でやっちゃって」

 

 救いはなかった!!?

 

 「先輩、指示を!」

 「ぐ、わかった。マシュ」

 

 マシュが戦うのに、俺が怖気づいちゃいけないよね。

 

 俺にだって、見栄を張りたい時だってあるんだから。

 

 竜牙兵は合計4体。

 もっといるかもしれないけど、今の所これだけだ。

 

 その内一体が対になっている短剣を振りかぶって攻撃してくる。

 

 「マシュ!」

 「はい!」

 

 その攻撃を、マシュが俺の指示を聞いて持っている大きな盾で弾く。

 それによって、こいつに大きな隙が出来ている。

 

 「吹き飛ばすんだ!」

 「わかりました!、ハア!」

 

 指示通り、隙を晒している竜牙兵の胴体を盾で押し出すようにして吹き飛ばす。

 

 その正面に居たもう一体の竜牙兵が吹き飛ばされた奴と正面からかち合って両方ともその衝撃に耐えきれずに、乾いた音を立ててバラバラになる。

 

 「よし!」

 

 即興で考えたことだけど、うまくハマってくれてよかった。

 

 残り2体だ。

 

 一体は大きな剣のようなものを持っていて、もう一体は先ほどと同じく二対の短剣を持っている。

 

 マシュの攻撃を警戒しているのか、2体の竜牙兵はその場で膠着している。

 

 左右に分かれているので、片方を攻撃すれば片方に攻撃されるリスクがある。

 けど、

 

 「よし、そのまま攻めて!」

 「了解しました!」

 

 けど、マシュならきっとその前に倒してくれるはずだ。

 

 「やあ!!」

 

 そのまま突進するように盾を突き出して左にいる大剣を持った竜牙兵に攻撃する。

 

 一瞬、大剣で持ちこたえようと踏ん張るも、盾の重量に負け竜牙兵の体が浮き洞窟の壁に激突してその体をバラす。

 

 もう片方はそれを確認するや否や、すばやくマシュに向かって短剣を振るう。

 無防備な背中へと目掛けて凶刃が突き出される。

 

 「はあああ!!」

 

 でも、ここで一太刀食らうようなら、俺とマシュはクー・フーリンに勝つことなんてできやしない。

 

 体を捻り、盾を横にして後ろの短剣を持った竜牙兵へと向けて大きく振りかぶるようにして薙ぐ。

 

 「---ッ!!」

 

 丁度体の側面を盾で殴打され、あっけなく最後の竜牙兵は砕ける。

 

 「戦闘、終了です。マスター」

 

 頼もしい。

 

 そう思うには、十分なほどに見事な戦闘だった。

 

 まるで主を守る騎士のように悠々とした様は限りなく俺に安心感を与えてくれる。

 

 それと同時に、俺とさほど変わらない歳であろう女の子に戦わせてしまっていることに、一種の罪悪感に近いものを感じる。

 仕方がないことはわかっている。

 

 俺はマスターで、マシュはサーヴァントなんだとわかっている。

 

 でもやっぱり心のどこかでは少なからず悪いと感じてしまう。

 だからこそ、俺はしっかりとマシュを支えないといけないんだ。

 この、どこか儚さを感じさせる女の子を。

 

 「へえ、やりゃあできんじゃねえか。坊主もいい着眼点を持ってる」

 「そ、そうかな」

 

 だから、俺はしっかりとマスターであることを自覚して、俺自身も強くならなくちゃいけないんだ。

 

 「自信は持って損はないよ、藤丸くん。気負いすぎないようにね」

 「うん、そこは安心して。俺は一般人だからできることとできないことの分別はしっかりするから」

 「うん、君はそれでいい。さ、もう少しだ。肩の力を抜いて行こう」

 「はい!」

 

 リムルが言ったその言葉に、俺は大きく返事を返した。

 

――――

 

▼▼▼

 

 リムルは、不思議な人だ。

 

 この人が大丈夫と言えば、本当に大丈夫な気がしてすごく安心できる。

 

 それくらいの力があるんだろう。

 

 だから、これも大丈夫だ。

 

 「ほう、面白いサーヴァントがいるな」

 

 黒い鎧を纏うセイバーが、洞窟の最奥にて大聖杯を背に立っていた。

 

 これが、この特異点F最後の戦いだと痛い程伝わってくる。

 

 俺は、俺たちは、あの黒いセイバーを倒してこの特異点を修復する。

 

 それが、俺の、カルデアのマスターとしての使命だと信じて。

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