東方弔意伝   作:そるとん

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恥ずかしがり屋な魔法使い

 

 

 

どっ、どどどどどどどどうしよう……。

ロクに対人経験ないくせに初対面の人を家に誘ってしまった……。

いや、今日はたまたま外に出たい気分で、たまたまちょっと奥深くのところまで行きたいなぁーとか思って、そしたらたまたま妖怪に襲われかけてた所を助けられて……。

お礼を言えば終わりだったのに……今日に限ってテンション高いんだから……半ばノリで、あわよくば友好関係築けるんじゃ……?とか思っちゃったの!!

もうホントにごめんなさいぃ……こんな奴に付き合わせちゃって……

え、え、何をすればいいのかしら?お茶を出すところまでは想像できたけど、そこから先何をすれば……!?黙ってお茶を飲ませるのも変だし、お礼と言ったからには何かしてあげるべきなのだろうか……!?あ、いやでも、この男の人は遠慮気味だったし、特に……

あれ?もしかして私男の人をお家に招いたの?男性?異性?嘘……?

どっ、どどどどどどどどうしよう!!男の人と話した事なんてないし、私自身男性はあまり得意では……

いや、でも悪そうな人には見えないし……でっ、でも……

 

うぅ〜……

 

 

「シャンハーイ……」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

ーーーーー

 

 

どっ、どうしよう……

お礼を言われてから今まで何も話していないのだが……

まぁ、でも何か考え事してるみたいだ……というか、思い悩んでない……?

気のせいか。表情一つ変えず前だけを見据えて歩き続けてるし、多分悩んでいないだろ。分かんないけど。

 

「シャンハーイ……」

 

金髪の女性の隣をふわふわと飛ぶこれまた金髪の小さな人形が小さく喋った。何だろう、何か困ってるのか?あ、いや、呆れてる?

にしても感情豊か、というか喋っているし。

早速俺の好奇心は張り切っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つっ、つつつつつ着いたわよ?」

「つついた?何をだ?」

「つっ、着いたの!家に!」

「あぁ、そっか」

 

 

何故かやけに緊張している金髪の女性を不思議に思うが、どうやら着いたみたいだ。

うん?これがアリスの家?なんか周りの風景見覚えが……

 

「魔理沙の家と近くないか?」

 

森が深いところからだいぶ来た道を戻ってきた。森なんてどこも同じような風景だから気のせいかもしれないが……。

あ、あそこ最初にハレツダケを見つけたところじゃないか。

やっぱり、霧雨魔法店と比較的近所に位置している。

それに、この人も魔法の森に住んでいるのか。だとするのなら、

やっぱり魔法使いか。

これはまた面白いものが見れるかも……!!

ワクワクと、女性の家に足を踏み入れた。

 

「お邪魔します」

「どっ、どうぞ……紅茶で、いいかしら……?」

「あぁ、すまない」

 

うん、魔理沙とは違うな。綺麗に整頓されていて、何とも清潔感が漂う。

それに良い香りもする。

思えば、今俺は異性の家にいるのか。

そんな経験無かったから中々に貴重だな。女の子らしさというものは感じないが……お、女の子らしさってなんだ?

それでも、人形がいくつか置いてある。女の子らしさだろうか?

椅子に座って色々見てみると、他人の家というものは中々面白い。今まで誰かの家に行くなんて経験無かったし。うん、貴重だ。

紅魔館のように広くはないし、初めて「家」と呼べるところに招待されたな。変な言い方だが本当にそうなのだ。今まで、神社とかやたら大きいお屋敷とか、魔理沙は……一応お店だし……。マヨヒガと呼ばれる八雲さん家もそこそこ大きいし。

もしかして、この女性もこの幻想郷において貴重な存在だったり……!

唯一の常識人である事を願う。

 

「どっ、ど、どどどうぞ……」

「あぁ、ありが……どうした?すごい震えているが」

「だっ、大丈夫よ……」

 

何かとぎこちない動きで目の前に女性は座った。

というか、いい加減名前を知りたい。呼び方に困る。

温かい紅茶を一口含んで流し込むと、少しだけ不自然な流れで自己紹介をした。

 

「えと、俺はシオンだ。普通の人間で、幻想郷に来てまだ日が浅い。だから、まぁ、あちこち探検してる」

「そっ、そうなのね。だからあんな所にいたのか……」

「うん、で、君は……?」

「あっ、う、うん……えと、アリスよ。『アリス・マーガトロイド』」

 

何かと挙動不審に、彼女はそう名乗った。魔理沙と同じ金髪でもこっちは完全に西洋の人みたいだ。え、じゃあ、なんで魔理沙は金髪なの?染めてんのかな。今度聞いてみよ。

ともかく、アリスね。マーガトロイドさんって呼ぶのもなんかなぁ……。

 

「アリスが名前でいいのか?」

「え、えぇ、まぁそうね」

「じゃあ、改めてよろしくな。アリス」

「よっ、よろしく……」

 

うぅむ……なんだろう。何か悪い事した気分だな。

挙動不審に、どこかビクビクしながら挨拶を返してくれたのだが……

 

「……何か俺悪い事しちゃったかな……」

「そっ、そそそんな事は!なっ……無いんだけど……」

 

うん、確かに、反応からするに俺は何もやってないな。良かった。

だとするならば、この反応は一体……

 

いや、この反応、何か分かるぞ。

何となく、俺からしたら親近感が湧く感じ。

さてはアリス……

 

「お前友達いない感じ?」

「フグゥッ!!」

「アリス!?」

 

しまった、単刀直入に聞いてしまったか!!血ーーのように紅茶ーーを吹き出して机に突っ伏してしまった。

ごめんね。

 

「あ、えと……悪い、まさかとは思ったんだが……」

「……ふ、ふふ……」

「アリス……?」

「えぇ、そうよ……その通りよ……図星よ……」

 

アリスはうふふふふと机に突っ伏したまま不気味な笑みを浮かべる。

あぁ……地雷踏んだな……。

 

「見て分かる通り人と話すのが苦手なのよ……異性なんて以ての外。おまけに臆病……。魔法ばっかりやってたから、対人スキルが微塵もつかなかったの……」

「近くにもう1人住んでるじゃないか?」

「は、話しかけ方とか分からないし……」

「俺には自然に話しかけられたのにか?」

「そっ、それは……お礼とかしたかったし……あんな所に置いていくのも申し訳無かったし」

 

ふーむ……まぁ、その気持ちは分からんでもない。実際、俺も自分から話しかけるとなると色々困ったり迷ったりする。

ただ、アリスに関してはその事に対する意識が過剰なのだ。さっきから顔を真っ赤にしている。けれど……

 

「にしては、ちゃんと会話できてるな?」

「うぇっ……?で、出来てる……?私が……?」

「あぁ、対人スキル皆無とか言ってる割には結構話せてるじゃないか。俺が知る限り本当に対人スキルない奴は何も喋れないぞ」

「そ、そうなの……?」

 

ソースは俺。「うん」と「ううん」だけで話していた時が昔あった。それ以前に誰かと話そうとも思わない。

それに比べアリスはしっかり返答しているし、おまけに優しいとみた。

良い人なんだな、この子。

 

「あぁ、だからアリスの一番の問題は会話力とかいうより、恥ずかしがり屋な所だな。まぁ、それも健気で悪くないと思うが」

「うぅ……そうなの、かしら……」

「そうさそうさ、アリスの人柄からして、嫌うような奴もいないだろうし。その容姿なら問題ないだろうし……」

 

本性が分かれば俺の中のアリスの好感度はすごい上がっている。

なんでかって、何かどこか残念だろ。この子。

多分だが、昔から人形とか魔法が好きだったのだろうな。それ故に他人と関わる事も少なかったんだろう。うん、イメージつくわ。

だから友達も出来なかったのだろう。しかもそれを結構気にしていたのね。

なら、俺にできることは一つだけだ。

 

「それに俺は今日、出会った時から友達になる気満々だったからな」

「!!」

 

そう、彼女の友人になる事。

個人的にアリスの魔法に関しては非常に気になるし。

……少し偉そうだったか?

 

「あ、別に嫌なら気にし

「ほっ、ホントに!?」

おっ、おう……」

「良かった……私と同じだったのね……」

「そ、そうなのか」

 

よく分からないが、特に何もないなら良かった。

俺にとっても、このような知人は初めてだ。うん、良い収穫。やっぱり散歩は悪くないね。

 

「じゃ、改めてよろしくな。アリス」

「うっ、うん!よろしく!」

 

 

今度は弾けるような、ステキな笑顔で、そう言った。

 

 

 





魔理沙「私が金髪なのはそういうキャラデザだからだぜ」

メメタァ……

マガトロさん贔屓にしたらごめんね。残念美人な感じです。
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