アカメが斬る〜IFルート クロノスがKILL〜   作:ヌラヌラ

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第5話〜語られる力の一端とhypothesis〜

 ナイトレイドのアジトの一室。恐らく会議をする時などでも使うのであろうこの部屋には大きなナイトレイドのマークの旗が掛けられており、その下には大きめな椅子が一つ置いてある。

 その椅子の前にはクロノスに変身したままのマサムネがナイトレイドの長であるナジェンダと相対していて、それを囲むように他のメンバーは広がって立っていた。

 

「さて、それではゆっくりと話をしようではないか。まあ、私はあくまで君達にお詫びをしに来ただけでそれ以上の事は無いんだがな……改めて、私の行いの汚名を、意図しない形ではあるが君達に被せてしまった事を心からお詫びしよう」

 

 マサムネは部屋の中に散らばってしまったフルーツ達を元の形になるようにバスケットの中に整頓してそれを机の上に置いた。

 ただそれだけの行為だが、その様を見るこの建物に住んでいる住人達の視線は鋭く、そして冷たい。誰も彼を歓迎などしておらず、警戒を解く事は無かった。その証拠に皆それぞれ自分の獲物を手にして離してはいない。

 

「確かにお前は最初からそんな事を言っていたな。だがそんな理由でハイそうですか、と我々が納得すると思うか?

結果的に自分の行いが相手のせいになり、態々暗殺者のアジトまで詫びに来る人間なんているはずがないだろう」

 

 マサムネと対峙する形で部屋の中央に立っているナジェンダは義手の指を指して彼に問う。

 

「しかし、私にはそれ以上の理由が無いのも事実だ。あり得ない、と思える事が現実に在るのがこの世界だろう?

帝具という人智を超えた兵器が存在する事がその証明になるとは思えないか?

元帝国の将軍、ナジェンダ」

 

「ほう、私の事を知っているとは随分と物知りじゃないか。帝都で貧しい子供に勉強を教えているという奇特な男、名はマサムネと言ったか?」

 

 自分の素性が知られているが、部下からの情報だがそれはこちらも同じと言わんばかりに皮肉を込めてナジェンダはマサムネに返す。

 

「私は帝都の善良な一市民だからな、手配書くらい目に入る。だから君達の内、アカメ、シェーレ、手配書の絵とは大分変わっているがインクルシオの彼がブラートなのだろう、3人の名前は知っているよ。それから、個人的な付き合いが有ったラバック君は面識があるな」

 

「……アンタは、本当にマサムネ先生なんだな?」

 

 今でも、その事実を信じられないラバックが訝しんだ顔をしてクロノスへと問いただす。その表情からはどこかそれが真実でない事を願っている様にも感じられる。

 

「ああ、確かに私の名はマサムネ。帝都で子供達に勉強を教えている者だ……最近、本を一冊借りたが翌日には返却している」

 

 マサムネの脳裏に先日のサリアの泣き顔と、新しく自分の生徒になるはずだった子の事、そしてその子の為に借りた本を返した事思い出されて一拍言葉が詰まるが、自分の証明のためにラバックへと最近の彼の店での利用状況を答えた。

 

「変身を解く事が簡単な身の証明になるだろうが、手練れの暗殺者に囲まれたこの状況でそれは出来ないからな」

 

「……最初にその声とその変なベルトでアンタがマサムネ先生なんじゃないかとは思ったが、こうも堂々と言われるとはね……信じるしかないようだな」

 

 事実を飲み込み、自身を無理矢理納得させたラバックは険しい表情でマサムネを睨みつける。

 

「一つ、聞きたい事がある」

 

 二人の会話が終わったタイミングでナジェンダが口を開いた。

 

「一つ、とは言わずになんでも聞くといい。答えられる質問なら答えよう」

 

「では遠慮なく、ラバックの言葉を手繰るとお前は普段の格好でも今の鎧の姿でも共通してその巻かれた妙な形のベルトを着用しているようだな。

だが、仮面ライダーは帝都警備隊の連中と面識があるとも聞いているが、その正体までは知られていない……可笑しい話じゃないか、警備隊の連中ならパトロールの時にでも普段の姿のお前を見て、その珍しい形のベルトが同じ物だと気付くものもいたんじゃないのか?」

 

 ナジェンダの疑問と同じ考えを持っていた者が居たらしく、ナイトレイドメンバーの数人顔が微かに動いた。

 その問いに答えるように、マサムネはどこかからブラートに投げつけた硬貨の様な物が入ったケースを取り出して開き、ナジェンダへと向けた。その中には多くの種類の硬貨の形をした何かが敷き詰められている。

 

「コレは、エナジーアイテムと言って一つ一つが強力な効果を持っているものだ。本来は仮面ライダーにのみ効力を発揮するのだが……環境が変わり変異したのかもしれないな、生身の人間にも効果が出るようになっている。

その力は実際に味わった彼がよく分かる事だろう」

 

「確かにな、俺はアンタの攻撃を喰らってあのまま死ぬと確信したよ……だが、今はこの通りピンピンしてる。死にかけの俺を一瞬で治すなんて一体そのエナジーアイテムとやらはどんな摩訶不思議な力をもっているんだ?」

 

「原理自体は私も把握してはいない。ただ、そういうものが有ると思って頂こう。効果の幅は広く例えばスピードやパワー、ジャンプ力の強化から身体の硬度を変化させたり伸ばしたりも可能だ。変わったところで言えば姿を変えたり消したり出来るものもある。

ちなみに君に使ったのは回復というエナジーアイテムだ」

 

 マサムネは一つ咳払いをして言葉を続けた。

 

「少し話が逸れてしまったな。その内の一つに混乱というアイテムがあり、効果は文字通り対象を混乱させて動きを制限するというものだ」

 

「なにそれ、ただ身体の反応を鈍らせるだけなんて話が逸れたままじゃない。アンタの正体が勘付かれなかった理由になってないじゃない!」

 

 まるで野犬が獲物に喰いつくかのようにマインはマサムネへと自分の意見を言い放つ。それに対してマサムネは溜息をついてまた口を開いた。

 

「人の話は最後まで聞くべきだ。と言いたいところだが、私の話も回りくどくなってしまったようだな。

偶然発見した方法なのだが、混乱のエナジーアイテムを半分に割って相手に与えると簡単な記憶の改竄ができるのだよ。裏技、とでも言っておこうか。

私は変身した状態で今まで会った者達全員に裏技を使用した。つまりこの私の姿を見て今も生きている者は君達を除いて全員、クロノスの事を知っていてもベルトの事は形も色も覚えていないし、声にしても私の地声とは別の物が聴こえているだろう」

 

 マイン、ラバック、シェーレ、レオーネの4人はマサムネの言葉を疑った。人の記憶の改竄なんて拷問や暗示を組み合わせて行う洗脳以外にはあり得ないと。

 反面アカメ、タツミ、ブラートはマサムネの言葉を半ば受け入れている。アカメは帝国の闇を知り、そういった物があってもおかしくないと思い、タツミはほぼ同じ考え方をして、ブラートはエナジーアイテムの力を身を持って体感したのだから疑う余地はない。

 そして組織のトップであるナジェンダはと言うと……。

 

「それぞれ、半信半疑といったところだな。ではこうしようか」

 

 そう言ってナジェンダは自身のタバコのケースをマサムネへと投げ渡し、中身が入っているので潰さないようにと警告するとそのまま続ける。

 

「それはさっき開けたばかりの物でな。中身は残り17本入っている。確認してもらえるか?」

 

「……確かに、それで何をするつもりかな?」

 

「私にその混乱とやらで記憶の操作をしてみると良い。それで一本でも数が違えば証明になるだろう」

 

「ちょっと待ちなよボス、アンタが何も実験台になんてなる必要無いだろ!」

 

 ナジェンダの提案をレオーネが制する。確かに一組織のトップが得体の知れない物を自ら試すのは得策とは言えない判断だろう。

 

「いや、心配は無いだろう。確かにソイツは信用するに値しない、だが帝具並みの力を操る事は確かだ。それに私達と敵対の意思がないのは本当だろうな……言いたくは無いが、その意思があるならよっぽどの悪い加虐趣味でも無い限り私達は今頃あの世にいるだろうからな」

 

 現状を冷静に見てのナジェンダの見解だった。自分達が現状の戦力で劣っている以上、マサムネの言う事をとりあえずは聞いておくのは良策であると。

 

「待ったボス、それならその役は俺がやる!

万が一ボスの記憶が悪い方に弄られたら事だろ?

それに……悔しいけど、何かあった時に一番役に立たないのは俺だ、だからこんな役回りくらいはさせてくれ!」

 

 そう言ってタツミは二人の前へと躍り出る。その目には無力な自分を悔やむ憤りの炎を滲ませている様にも感じられた。

 その行動に対して、ブラートをはじめとした面々が止めに入るもただ一人、マインだけは逆の言動を言い放つ。

 

「良いんじゃない。半人前のアンタなんてその程度でしか役に立たないし」

 

「ああ、今はそうかもしれない。だけど絶対お前も認めざるを得ないくらい強くなってやるからな!

さあ、やってくれ!」

 

「感嘆したよ、良い覚悟だな。では彼の記憶、この箱のタバコに関する事を消させてもらうがよろしいかな?」

 

 マサムネは大袈裟に手を叩くとナジェンダの了承を得るために顔を向け、彼女は構わないと言うかの様に首を縦に振るう。

 しかしその顔は険しいもので、万が一タツミの身に何かあったら許さん。と威圧を含んだものでもある。

 

「それでは失礼して……」

 

 そう言ってマサムネはまずタツミに向けて箱を開いてタバコの残数を確認させる。

 そしてエナジーアイテムのケースの中から紫色の硬貨に、2個のクエスチョンマークを浮かべて目をバツにしているシルエットが描かれた物を取り出して半分に折ってタツミへと投げつける。

 それが肥大化してタツミの中に入り込み、無機質な掠れたような音声が鳴った。

 

『混……乱……!』

 

 一瞬、暗い雲のようなものがタツミの頭の上に浮かび上がるがすぐに霧散してしまう。

 そしてまるで何事もなかったようにタツミは立ち上がり身体の機能を確かめるように指を何度か開閉する。

 

「タツミ!身体はなんとも無えか!」

 

「ああ、なんとも無いよアニキ!」

 

「それは当然の事だろう。肉体への影響のある効果を使っていないのだからな。

ところで、この箱の中に何本タバコが入っているのか分かるかね?」

 

 マサムネはエナジーアイテムの収納されたケースをしまうと、ナジェンダのタバコの箱をタツミの方へと向けた。

 

「はぁ?そんなの知るわけないだろ。アンタが吸うのか知らないけど、ボスからタバコを受け取っただけなんだからさ。それにまだ開けてすらいないんだからボス以外誰も知らないだろ」

 

 タツミはさも当然の如く言い放つ。確かに数十秒ほど前にナジェンダはタバコの本数を17本と宣言しており、タツミ自身は数秒前に箱の中身を確認している筈なのに。

 タツミの態度を見て唖然とするメンバー全員。マサムネの言うことを信じる他無くなってしまった。

 

「ご理解いただけたかな?仮面ライダークロノスの正体が私である事が知られていない理由が。

そして実験台にしてすまなかったな、タツミ少年。だが、天地神明に誓って、タバコの事以外に君の記憶の操作は一切行っていない」

 

「……みんなの反応を見る限りだと、アンタは本当に人の記憶が操れるんだな。ははっ、帝都に来てからなんか凄すぎて笑えてきた」

 

「ふぅん、言ってる事はホント見たいね。それで、その帝具はインクルシオみたいに鎧で身体能力を上げて奥の手がアンタが言ってたなんちゃらアイテムってヤツでいろんな効果が使えるって事?

なに能力詰め合わせみたいなそのズルイ帝具!!」

 

 やや放心状態となったタツミを余所に、突っかかるような口調でマインは言葉を発する。

 それに対してマサムネはどこか含んだような笑いを返した。

 

「帝具?フフッ……いや失礼。

恐らく君たちは皆私のこの姿が帝具による物だと思っているだろう。だが断言しよう、このクロノスの力は帝具ではない」

 

「んなバカな!帝具ってのは千年前に始皇帝が当時の技術の粋を集めて作られた兵器だぞ!

今じゃ素材も技術も無くて再現も不可能な世界で最も強力な代物だ、帝具以外でアンタのその力が出せるなんて到底思えないね!」

 

 帝具とは何か、その単語を何度か聞いた事はあれど詳しく知らないタツミか質問をしようとしたところで、ラバックはすごい剣幕でやや説明掛かった言葉をマサムネへと投げかけた。

 

「私も半分は信じられないな。帝具が作られて四百年程が経過して時の皇帝が帝具を真似て作られた兵器の性能は強力ではあったが、とてもそれには及ばない。実際に私は使った事があるから帝具以上の兵器の存在は俄かには信じがたい」

 

 普段からあまり表情が変わらないアカメも動揺が隠せないのか、どこか驚いた表情でマサムネに言う。

 

「アカメ、半分と言うのはなぜだ?」

 

「実際にこの男の力を見てしまったからだ」

 

 アカメは様々な経験から物事を冷静に見る事に長けている。彼女の言葉には少し取り乱しがちであったラバックおも落ち着かせる物であった。

 

「確かに、帝具は世界一の兵器だろうな。

だが、それはこの世界での話だ。私の……いや、仮面ライダーの力はココとは違う異世界のものだ」

 

 コイツは一体何を言っているんだろう。

 クロノスの力を実際に見ていなかったら全員が口を揃えて同じことを言ってしまった筈だ。故に誰も言葉を発さない。

 無言を肯定と受け取ってマサムネは続ける。

 

「私の知る仮面ライダーになるには、このバグルドライバーⅡかゲーマドライバーと呼ばれるベルト、そしてガシャットと呼ばれる物が必要だ」

 

『ガッチョーン』

 

 マサムネはベルトからバックル部を取り外して挿入されたガシャットも見えるように皆へと見せてまたベルトへと戻した。外した際には無機質な機械音が発せられる。

 

『ガッチャーン』

 

「ちなみにベルトから外されて単体ではバグヴァイザーⅡとなる。

ここまではあくまで道具の準備、さらに必要なのがバグスターウィルスと呼ばれる人と……そうだな、物に感染する病原体の抗体を身体に持つ事だ」

 

「ちょっと待ってくれ、人と物に感染する病原体ってどんなモンなんだよ?

植物にも掛かる疫病みたいなものか?」

 

「そう思ってもらって構わない。

だが、安心してもらいたい。この世界にはバグスターウィルス自体も感染する物は存在しないからな」

 

 マサムネの答えにブラートは納得したところでレオーネが口を開いた。

 

「それじゃあ……お前はその異世界から来たって事なのか?」

 

 バグスターウィルスなる物がこの世界に存在しない以上、マサムネはその世界の人物であるという結論に至るのは間違いではない。だがマサムネはその問いに対して首を横に降る。

 

「いいや、私は帝都から少し離れた村で生を受けた」

 

「それならどうしてお前は存在しないバグスターウィルスとやらの抗体を持っている?そもそもそのベルトはどうして手に入れたんだ?」

 

 募る疑問にらしくも無く焦りを覚えたのか、ナジェンダは捲したてるようにマサムネに聞く。

 

「……話が長くなるが、まずは昔話をしよう。

……ある村に平凡な父母と青年になる子の一家が暮らしていた。作物を育てて時に狩を行う事で生計を立てていて慎ましくも幸せだった。だがある時、一家は全員身体が薄れてオレンジ色のヒビが入る奇病に罹ってしまう。

得体の知れない奇病を患った一家は村から隔離され山の中の小屋で虫の息となる。やがて父の身体がオレンジ色の粒子となって消え去り、続いて母が消える。子は次は自分の番と思い、恐怖の中で震えていたが直ぐに両親に会えると僅かな安堵も覚えていた。

だが、子はいつまでも消え去る事なくやがて薄れていた自身の身体が元に戻り、オレンジ色のヒビも無くなっていた。

もしかしたら、父も母も消えてなんかいないで悪い夢を見ていて目の前に存在しているのかもしれない……そんな一抹の希望を抱いて二人がいた方を見てみるが姿は無く、バグルドライバーⅡとガシャットがそこに落ちていた」

 

「うーん、それが貴方となんの関係があるんですか?」

 

「いや、どう考えてもアイツの昔話だろ!

……なんで親御さんが死んでそこにベルトが落ちてたのかは分かるのか?」

 

 シェーレにツッコミを入れつつ、レオーネが疑問を述べる。

 

「……もう少しで話は終わりだ。

子が恐る恐るその二つに手を触れると、見た事も無い光景と同時にバグルドライバーⅡとガシャットの使い方が頭の中に流れてくる。見た事も無い光景は、異世界で戦う仮面ライダー達の戦いの記憶だった。

ここまでが昔話、この先は私の仮説なのだが記憶で見た仮面ライダーの一人にドライバーとガシャットを作った神の才能を持つ男がいる。

一度人として死に、99の命を持って蘇り、幾つもの世界を生み出した男がな。

その男が何らかの方法でこの世界にベルトとウィルスを送り込み、仮面ライダーの一人と同じ名前を持つ私の手に偶然ベルトが渡ったのか、そもそもこの世界もその男が作った物なのか真実はわからない。

だが私は後者は有り得ないと思っている。我々はそれぞれが思考を持ち、痛みや幸福を感じ取れているのだからな?」

 

 マサムネの言葉には妙な説得力があった。皆が皆、この世界が異世界の者に作られた可能性があると聞いてそんな訳が無いと思ってはいるものの何処かで激しく心が動いてしまった。だが直後のマサムネの言葉は教師をしている彼だからこそが与えられる力を持った言葉だった。

 

「それに後者の可能性が無いと思える根拠は他にもある。

私の患った物は危険種の持つ特殊な因子が組み合わさったバグスターウィルスに極めて近い性質を持つ亜種の様な物じゃ無いかと思っている。

バグヴァイザーはバグスターウィルスが進化した存在であるバグスターを収集、保存する機能があるのだがそれが何故かこの世界の危険種にも適用されているんだ。危険種の存在そのものをとはいかないがその因子や細胞と言った物がね。

重ねて言うがここまで全て私の仮説だ、真実はわからない、そもそもバグルドライバーをこの世界に落としたのは製作者とは違う存在かもしれないしな」

 

「もう詳しくはわからないが、どちらにせよ奇跡的な確率でお前は力を得たと言う事か……私から最後に質問がある。

お前が感染した病原体なんだが、そのような事例を聞いたことが無い。バグスターウィルスとやらが人に感染するのなら、お前の一家から広まる事は無かったのか?」

 

 理解が追いつかない者が多い中、ナジェンダは残った疑問をマサムネへとぶつけた。

 

「……私は両親が消滅した後村を出た。そして程なくして奇病の噂が国の耳に入り焼却部隊が跡形もなく村や私達が最後に住んだ小屋を燃やした。その際にウィルスが死滅したと取るのが妥当だろうな」

 

 そう言い終えると、マサムネはナジェンダから見て右の方向に指を伸ばした。

 

「少し、休憩を入れようか。

そういえば私の詫びの品はこのフルーツだけでは無い。こちらの方角の結界ギリギリの場所に大きなエビルバードとデザートランナーを仕留めておいた物がある。名酒と呼ばれる酒と一緒にな。

サプライズと言うやつだ、誰か取りに行ってくれないか?」

 

 幾らか警戒が薄れられたのか、信用を少しは得たのかはわからないが、酒と肉に釣られてアカメとレオーネは走り出した。

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