僕と死と消えない呪い   作:白黒羽

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十話 不公平

バカテスト

 

『調理の為に火にかける鍋を制作する際、重量が軽いのでマグネシウムを材料に選んだのだが、調理を始めると問題が発生した。この時の問題点とマグネシウムの代わりに用いられるべき金属合金の例を一つ上げなさい。』

 

 

 

姫路瑞希の答え

 

問題点・・・ マグネシウムは火にかけると激しく反応する為危険であるという点。

合金の例・・・ジュラルミン

 

教師のコメント

 

合金なので『鉄』 では駄目としう引っ掛け問題なのですが、姫路さんは引っかかりませんでしたね

 

 

 

 

土屋康太の答え

 

問題点・・・ガス代を払っていなかったこと。

合金の例・・・合金

 

教師のコメント

 

問題点もそうですが、合金の例も間違いです。合金ではありますがこれでは答えになってません。

 

 

 

 

 

吉井明久の答え

 

問題点・・・まず一つ、マグネシウムの鍋なんてない。作ること自体難しい。

マグネシウムは炎に激しく反応し燃えやすいのでマグネシウムで火災が起きてしまう。反応したとき激しい白い光を放出するので目がやられます。(フラッシュバッググレネードと似たようなの)。さらに一度火がついてしまうと特殊な消化薬剤を使わなければならない。消そうと水をかけてしまうと水素に反応し大爆発を起こしてしまいます。これらは既に判明されている化学反応なのでマグネシウムの鍋が存在するはずがありません。

 

合金の例・・・ステンレス Fe+Ni+Cr。ジュラルミンも合金の一つではあるが使えない。何故ならジュラルミンは水分に弱いからであり、もし使ってしまったらみるみると使えなくなってしまいます。

 

教師のコメント

 

・・・・・・・・あなたはどこかの科学者ですか!?私は夢でも見ているのでしょうか?あなたに問題文の指摘をされるとは、教師としては大変喜ばしいことなのですけどとても信じられません・・・・それと最初から私たちの持っている答えを知っていたような説明に見えるのは私だけでしょうか?・・・ちょっと目を覚ますために顔を洗いに行きます。

 

 

________________________________________________________________

 

 

 

「僕は戦争には興味もなければ、参加する気もない。」

 

「はっ?」

 

坂本雄二は吉井明久が何を言っているのかが分からなかった。

聞き間違いではないか?っとは一瞬だけ思ったがそうではない。

 

聞き間違いじゃないから変な声が出てしまった。

 

宣戦布告をしに行ったくせに何故?

何故だ?

 

今はそれが一番聞きたい。何故彼は参加しないといった。

 

「聞こえなかった?僕は参加しないって言ったんだよ。」

 

もう一度言う明久に雄二は

 

「なっ何でだ!宣戦布告をしに行ったじゃねぇーか!?」

 

今日でたぶんこの発言が一番予想外であった彼はとりみだしながら言う

 

「興味がないだって!?それが理由か!?」

 

すると明久は無表情のまま数秒何も言わずにいたがやがて口を開く

 

「・・・・まず、なんで宣戦布告をしたかだよね?戦争に参加するつもりがないからせめて宣戦布告でもと思って素直に行ったんだよ。それと理由は興味がないって言うのもその一つだけど_____」

 

顎に手を添え、上を見上げ、考えるそぶりをして

 

視線を元に戻した

 

「・・・・一番の理由は反対だから・・・かな。」

 

っと告げる彼に雄二はまたも硬直してしまう。

 

「はっ、反対だと!何故だ!お前が反対する理由なんてねぇーだろぉが!」

 

はき捨てるように大声で言う雄二に明久は人差し指を口元に添える。

静かに、っと言うジェスチャーだ。

 

「ちょっと声が大きいよ。なんのために廊下に出したと思ってるの。」

 

「いいから俺の質問に答えろ」

 

いいからとは言ってはいるがちゃんと声のボリュームは先ほどより下げている。

さっきの大声で少し疲れてしまったのか彼の肩は上下にゆれていて息も少しばかり荒れている。

 

「・・・理由なんてない・・・っか。理由があるから反対してるんじゃないの?逆に聞くけど雄二は理由なしで何かに反対したりするかい?」

 

「うっ・・・・・」

 

もっともなことを言われ一瞬だけ雄二はたじろぎ

 

「分かったからその理由とやらを言え」

 

すぐに話を戻す雄二。

 

明久はそんな彼を見ながら

人差し指を出す。一つっと数えるように

 

「・・・僕が反対な理由はさっきも言ったように興味がないからっが一つ。でもこれだけが理由じゃないね。っでもう一つの理由なんだけどこれが本命かな?」

 

続いて中指もだす。

今の明久の手はピースになっている。

 

 

「その本命は許せないから・・・」

 

「許せないから・・・だと?」

 

確認するように雄二は繰り返す。

すると明久はうんっと一回頷き口を開く

 

「何故許せないのかを言う前に雄二・・・」

 

「なんだ・・」

 

「君はなんで戦争なんかを始めようとした?もちろん僕が言っているのはDクラスにじゃないよ。雄二も分かっているはずだけど僕が言っているのはAクラスのことだから」

 

その言葉を聞いて雄二は腕を組みながら答える

呼吸も正常だしさっきより落ち着いているみたいだ。

 

「そういや、お前はDクラスへ行ってたから理由を聞いてなかったな。お前がいない間に同じことを聞かれた。俺がこの戦争を始めた理由は世の中が学力だけがすべてじゃないって事を証明するためだ。」

 

世の中は学力だけがすべてじゃない・・・・確かにそうだ、いくら頭がよくてもできないことだって沢山ある。学力があったとしよう・・だがもしその者の性格に問題があったら?

 

人嫌いだったり、乱暴だったり、臆病だったりしたら色々とこの先にできることもうまく行かなくなったりする。

 

性格だけではない

他の事でも同じだ。

 

「確かにそうだね。世の中は学力だけじゃない。・・・っで?」

 

「はっ?っでってなんだよっでって。今のが理由だぞ。」

 

雄二はバカを見るような顔で腕を組んだまま言った。

 

「学力がすべてじゃないのを証明したいんだったら他にも方法はいくらでもあるはずだけど?それとわざわざAクラスでなくてもBクラスやCクラスでも証明はできるけど?」

 

すると雄二の目は鋭くなり明久の顔を見つめる。

なぜか機嫌が悪いような顔で明久を見ていた。

 

「何がいいたい。」

 

「雄二は確か設備のためとも言っていたね」

 

「ああ、」

 

「なんで?」

 

「そんなのこのクラスを見たら分かるだろ。あまりにも酷いし不公平だからだ。」

 

明久はそこで雄二の顔をじっと見つめる。

雄二も明久の顔を見つめた。

 

数秒後 明久は小さく息を吐き

 

「不公平・・ねぇ~。それって自業自得じゃないの。」

 

「はぁ?」

 

「僕らがこのクラスにいるのは僕らがバカだったからさ。ちゃんと勉強しないからこんなことになったんでしょ?確かにこのクラスはちょっと酷すぎる。でも僕らは去年 知っていたはずだよ。Fクラスの設備は酷いって。振り分け試験当日の前にも先生たちからも注意されたよね。」

 

すると雄二は黙る

 

 

そして、

 

「確かにそういわれるとそうだが姫路はどうだ?あいつの実力はAクラス並みのはずなのにここにいる。これは姫路にとっては不公平なんじゃねぇ~か?」

 

「確かにそうだね」

 

「だろ?」

 

「でもそれは姫路さんだけだよね。」

 

明久がそういうと雄二は目を見開き組んでいた腕を解いた

 

「何を言っている・・・」

 

「姫路さんだけがAクラスの設備になってもいいとは思うけど僕たちがなる資格はないね」

 

「勝ったからこそ資格がもらえるんだろ」

 

「・・・・・・・もし仮に僕らが勝ったとしよう。勝ってAクラスの設備と僕らの設備を交換したとしよう。」

 

ああ、っと雄二は頷き

 

「さて、こんどはどっちが不公平かな?」

 

「あ?」

 

「Aクラスにいる生徒たちは皆 必死に勉強してあの設備を手に入れたんだよ。なのに勉強もろくにしない僕らがそれを奪って彼らがFクラスの設備になったらどう?許せないよね。」

 

「そんなの・・・「雄二も知っているはずだよね、努力して手に入れたうれしさが」なんだと・・」

 

雄二が何か言おうとしていたが明久は間髪いれずに言葉を割り込んだ

 

「雄二は昔、神童っと呼ばれていた。いくら神童だからって何もせずに学力はみにつかない。ちゃんと勉強したはずだ。勉強して満点を取ったときのうれしさを雄二は味わったことあるよね。」

 

「・・・・・・・・」

 

坂本雄二は何も言わない

それは事実だからだ、誰も勉強して満点をとったらうれしくないなんて言うものはいない。

 

努力して勝ち取ったものだった・・・・・・

 

「僕が言いたいこと・・・分かったよね?」

 

雄二は無言であった

誰も通らない廊下で数秒間無言であった。

 

静かだったからその沈黙は普通より長く感じていた。

 

「後ね・・・・」

 

沈黙を破ったのは明久であった

 

「矛盾しているからだよ。」

 

「矛盾だと?」

 

明久は深くため息をはく

すると雄二が

 

「なんだその呆れたようなため息は」

 

少しばかり眉間をぴくぴくとさせながら明久をにらみつける、明らかに少し怒っている。

にらみつけられているにもかかわらず明久は得に気にせずに話しを進める

 

「気づいてないようなら言うけどさ・・・・・雄二の目的って学力がすべてじゃない・・・だよね」

 

「さっきからそういっているはずだが」

 

「そこで雄二はどうして勝てるといった?」

 

「うちにはAクラスに勝てる要素がいるからだが」

 

「その要素の『何』を使って勝つつもり?」

 

ここで明久は『何』の部分を少しばかり強調させる

 

「何ってそんなん秀吉は演技がうまいしムッツリーニは盗聴や隠密に長けているし姫路だったらAクラスに匹敵するほどの学力をッッ!!」

 

すると雄二は目を大きく見開き固まってしまった。

彼はようやく気づいたみたいだ。学力がすべてではないと主張しているくせに自らが学力に頼ろうとしていたことに。

 

学力がすべてではないことを証明したいのに学力を使うなんて矛盾している

 

「・・・気づいた?」

 

「・・・・・・・・」

 

雄二はうつむきながら何も言わなかった

 

無言は肯定とみなす。

 

「雄二・・・」

 

「なんだ・・・」

 

そのときの声はいつもの力強く、自身のある声ではなかたt。

彼は気づいていないと思うが彼の声は弱弱しかった。

 

「雄二は・・・・・頭がいいって・・・どういう風に解釈してる?」

 

突然の質問が予想外だったのか少しばかり驚き、眉をひそめる。

 

「学力があるかないかじゃねぇーのか。」

 

もっともだ。

10人中10人は勉強ができるもの、もしくは学力があるものと思うだろう。

 

「まっ、普通はそうだよね。」

 

「普通は?」

 

またも眉をひそめて問い返してくる

 

「僕はね・・・頭の良い者って言うのは学力があるかないかじゃないと思うんだ。」

 

「何を言って・・・」

 

っと言おうとするが止る

今日までの事を思うにこの後に何かちゃんとした理由を述べてくるのを彼は知っていたから。

雄二が静かになったのを確認すると明久は話を再開する

 

「学力じゃなくて・・・飲み込みの速さと物事の一歩二歩を先読みできるものだと僕は思っている。誰だって勉強さえすれば学力は身につくだけど、飲み込みの速さや理解力は違うと思う。これには個人的な差があるから。その差は訓練や経験だけでも縮まるものだけど学力よりは圧倒的に難しい。」

 

少しここで息を継ぎ

 

「僕の知っている『頭のいい人』の例を数人あげるなら・・・雄二と秀吉と康太かな?雄二は飲み込みが早いから昔、神童と呼ばれていた。今はFクラスにいるけれど、それは『学力が』ないだけ。君は人の思考や先を読むのがうまいよね。Fクラスにいるのに作戦を練るのはずば抜けて高く、物事の一瞬の分析力は尋常ではないと思えるほどのものだよ。」

 

自分の事をほめてくれているのだが坂本雄二は釈然としていなかった。

ただ呆然と明久の話を聞いていた。

 

雄二も明久の話を聞いて確かにそうだっと納得していた。

言われて思ったが自分も確かに頭の良い者とはそういうことなのではと思った。

 

「そんな君が・・・・自分の言葉が矛盾していることに気づかないはずがない・・・いや・・・・・本当は学力がすべてじゃないというのが本当の目的ではないから。そこまで考えていなかったんじゃないの?君の『本当の目的』は・・・他にあるんじゃないの?」

 

そういわれて、雄二は時が止ってしまったかのように硬直してしまった。

無意識に組んでいた手もいつのまにか解かれていた。

口を大きく開け・・・ただ・・・・止っていた。

 

「・・・まぁ、伝えたいことは最初のほうで言ったから僕はもう先に教室に戻ってるよ。」

 

明久はそのまま扉を開けて教室へ入っていった

 

廊下には雄二が一人・・・立ち止まっていた

 

(本当の目的じゃない・・・・だ・・と・・・。んなはずねぇ!俺は・・学力がすべてじゃないことを・・証明したいんだ!・・・畜生、なんで俺は今悩んでるんだ・・・・・動揺する必要なんてないはずなのに・・・なんで・・・なんでなんだよ!!)

 

一人廊下で心の中で彼は叫んでいた・・・

数秒たつと落ち着いたのか彼の力の入っていた体はふっとやわらかくなった。

 

(俺の・・・本当の・・目的・・・)

 

そして彼は自身の顔を片手で覆う

 

(明久ぁ~・・・お前は・・・誰なんだ?どうしちまったんだよ・・俺の知っている明久じゃない・・・何が・・・あったんだよ・・・・)

 

 

空を見上げるように天井を見上げ、雄二は疲れたような顔をしていた・・・・

 

その時何かが頬を伝った・・・・・一筋の涙腺が見えたとか・・・・・

 

それは汗だったのか・・・・それとも・・・寂しさ、恐怖、悔しさから来た・・・涙だったのか?

 

 

 

 

 

真実は彼以外に・・・誰もしらない・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 




えぇ~ちょっとバカテストやってみたかったのでやっちゃいました!
これからもあったほうがいいと思うのであればこれからもたまに入れていきたいと思います。
もし必要じゃないと思ったら言ってください。

一応多数決にするつもりなので 感想にお願いします。

やっべぇ~途中で区切るとおかしくなるからって区切りのいいところまで書いていたら5000字超えてた笑。

ではまた、来週?かな日本では?
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