僕と死と消えない呪い   作:白黒羽

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週末と月曜は大体 平日と比べて忙しいので投票しないときが多いです。


四話 自己紹介

吉井明久はFクラスにいる。

 

彼の席は後ろの扉に一番近い席。

教師の視点からみると(右に窓で左に扉があるとすると)明久の席は一番左の一番後ろだ。

 

そしてその隣に先ほど罵倒しあった坂本雄二がいる。

 

これから自己紹介が始まるらしく教師の右側の席の生徒から順に自己紹介をしていっている。

 

生徒が自己紹介をしていくなかほかの生徒は一年間過ごすクラスメイトに興味があるようでちゃんと一人一人の言葉を耳にしているが、明久は見事にそれを左の耳から右の耳へとスルーしていく。

興味がない、聞きたくもないようなものではなく『聞いてても意味がないもうすでに知っている』。っと述べているような表情のまま肘を卓袱台に立て、自身の顎を片手で支えていた。

 

耳はまったく使っていない様子だが彼の目は違った。

彼の目は耳とは違い、クラス全体をくまなく観察していた。

見ているのではなく『観察』していた。

 

この言葉は似ているようでまったく違う。

見るっと言ってもそれはただ単に目を通すだけ。

だが、観察は違う ちゃんとその見ているのものの特徴をちゃんと捉えることだ。

 

彼はまず、自身の机(卓袱台)を確かめ、次に教卓、天井、畳、っという順に観察し最後にAクラスでやったことと同じことをした。

 

 

クラスにいる人物を一人一人 確かめていった。

 

 

彼は観察を一度中断した。いや、してしまった。

 

 

無意識に観察をやめてしまった。

目がそれに食いつくかのように、周りを見渡しいる最中に何か突然危険なものを見たときのように視線がそっちに集中してしまった。

 

彼が見つめる先にはこのクラスで今現在ただ一人、女子の制服を着用しポニーテイルが目立つ一人の女子生徒だった。

 

凛とした表情にスラっとした体系、背も高くも低くもなく平均。

気の強そうな雰囲気が漂っていて 誰とでもすぐに仲良くなれそうな感じがする女子生徒であった。

そして彼女は見る限りFクラスでただ一人の女子生徒であった。

 

(やっぱり、いたか)

 

明久は少しにらむような目で彼女を数秒見ていた。

 

(・・・・・ここも全部同じだな、)

 

っと観察終了っと言いたげにため息を吐き

観察を終えようとしたとき 

っふと思い出す。

 

(・・・いや、あと一人来るか)

 

そう自身で結論付けると彼の警戒心は強まった。

 

明久彼女を観察していると彼女がいきなり立ち上がった

どうやらちょうど自己紹介のようだ。

 

 

「島田 美波です。海外から来たので日本語は話せますが書いたり読んだりするのは苦手です。あと英語もだめです。育ちはどいつでしたから」

 

ここまでは普通

だが

 

「趣味は吉井明久を殴ることです」

 

なんとも危険な趣味である

そしてなにより『人を殴る』のではなくピンポイントに吉井明久と述べている。

ものすごく危なく危険な人物だ。

 

「ハロハロ~吉井。」

 

っと笑顔で明久に手を振ってきた。

 

「・・・・・・・・」

 

(ここも変わってないっと)

 

あんなことを言われたにもかかわらず明久は冷静に物事を整理していた。

っと言うより相手にしていない感じだ。

 

「ちょっと吉井!聞いてるの!」

 

っといきなり島田が怒り始めた。

 

「・・ん、ごめん。ぼーっとしてた」

 

っと明久は割りと適当に受け流した

 

「こんの~~~・・・・」

 

すると、島田はこぶしをプルプルと震えながらゆっくりと席に着いた。

 

(あれ以上に無視すると何されるか分からないからね)

 

 

 

 

 

観察が終了すると彼はもう片方の肘を卓袱台に立て

両手の指を絡ませ

口元を隠すようにして考え込む。

 

(雄二、秀吉、康太、島田さん、っとFFF団か。ここもAクラスと同じで何も変わっていない。雄二、秀吉、と康太の三人以外は危険だな。どんなときでもこいつらからは目を離さないようにしないと。それとさらに警戒心も解いちゃだめだな。後もう一人来る姫路さんも)

 

自分の中で自身に言いつけ。作戦を考える軍師のような姿勢のまま彼は残りの自己紹介を聞くことにした。

 

そのときの彼の目はまるで獲物を捕らえる寸前の猛獣のようにするどかったとか。

 

 

 

 

 

 

 

自己紹介を聞くことにした明久は再びダルそうに片手で顎を支えたまま首だけを横に傾けた。

するともう既に自己紹介は雄二の前の人の番になっていた。

 

その人物はすくっと無駄のない動きで立ち上がった。

片手にカメラを持った奇妙な男子生徒。

彼は他の男子生徒と比べるとやや小柄で彼の表情は明久と似たようなものだった。

つまりは無表情。

 

おとなしいっという言葉が似合いそうな生徒であった。

 

 

「・・・・・・土屋 康太。」

 

っと彼は一言、名前だけを言い、再び席に着いた。

着いた後すぐに自身の手にあるカメラのレンズをかなり念入りに磨き始めた。

 

おとなしいのではあるが明久は彼がどんな人間なのかは知っている。

っと言うより、実は彼はかなりの有名人であったりする。

 

土屋康太っと口にすれば誰もその名前は知らないだろうが

『ムッツリーニ』っと言えば話は変わる。

 

彼にはあるもうひとつの名前がある、それが先ほどいったムッツリーニ。

 

ムッツリーニという名はもはや全校生徒が知っていてもおかしくはないほど有名な名だ。っが

 

それは別に彼が人気者だからとか成績が優秀だからとかではない。

 

彼のあだ名から分かるとおり、彼はムッツリスケベだ。

しかも、その変体力はかなりのものであり

彼の行動原理や原料といっても良いほどのもの。

 

変体であるからには彼は女好きであり、自身の持つそのカメラの腕を使い

さまざまな女子生徒の写真(盗撮)をとりまくっている。

 

そしてその撮った写真はこの学園の秘密裏にあるムッツリ協会という名で売り出されている。

そして、その売り上げはかなりのものだとか。

 

 

 

 

康太ことムッツリーニ(ここではムッツリーニこと土屋康太のほうがいいかもしれないが)が自己紹介を終えた後は明久の隣にいる坂本雄二の番・・・・っとなるのだが彼は最後に自己紹介をしたいと福原先生に言い 自己紹介は雄二を飛ばし、明久の列から始まることになった。

 

次々と自己紹介が終えるとついに明久の前の人の番になった。

 

「ワシの名は木下 秀吉じゃ。今年一年、よろしく頼むぞい」

 

っと爺言葉でそう言い放ったのは木下 秀吉。

年寄りのような話し方をするが秀吉は明久たちとは学年も年齢も同じだ。

 

っと言うよりまず話し方と容姿があっていない。

なんと言うか凸凹?もしくはあべこべといったような人物であった。

 

秀吉の容姿は肩までありそうな髪に整った顔立ちで身長は康太と同じ位の小柄な生徒だ。

どっからどう見ても美少女なのだが秀吉は男子生徒の制服を身に着けていた。

それもそのはず何故なら『彼』は容姿とは裏腹に

 

「先に言っておくがワシは男じゃからの」

 

♂なのであるから。

 

「「「なんだとぉぉぉ~!!??」」」

 

っという叫びが明久の耳に入った。

どうやら皆は彼のことを女だと思っていたらしい。

まぁ、無理もない。あの容姿なら。

 

実を言うと彼には姉がいる。しかも双子の、つまりは二卵性の双子だ。

 

二卵性のはずなのだけれど二人はものすごく似ていてよく一卵性と勘違いされるらしい。

 

 

 

双子というのはさておき

木下秀吉、これまた明久のよく知る人物。

 

先ほど説明したように彼の容姿は美少女そのものなのだが男である。

男であるのだが よく女と勘違いされ告白が卒倒しているとか。

 

爺言葉を使い演劇部に所属している。

その演技力はかなりのものらしく演劇部のホープとまで言われるほど。

実際に明久も幾度かは・・・・いや、何度か目にしているから知っている。

 

 

 

そしていよいよ明久の番になった自己紹介。

別に彼は緊張もしていなければ楽しみにしていたわけでもない。

 

彼は静かに立ち上がり

 

「・・・僕の名前は吉井明久 趣味は色々。以上」

 

っと簡単に終わらせた。

 

これで雄二以外の自己紹介は終わった。

 

僕が終わると次は雄二の番になる

 

雄二が立ち上がろうとしたそのとき

 

ガラッ!!

 

っと勢いよく今にも壊れそうなFクラスの扉が開いた。

 

 

(来たか・・・・・ていうかあんなあけ方したら壊れるぞ)

 

 

予想通りと言いたげな表情を作り警戒心をさらにあげる明久。

 

そして明久以外の生徒はなんだなんだとザワザワと騒ぎ

皆の目線が一気に扉の方へと向かった。

 

 

するとそこには一人の少女が肩を上下に動かし息を少々荒くさせ手を胸に当てながらそこに立っていた。

 

「あっあの!遅れてしまいました!」

 

っとすこしテンパったまま頭を深く下げた。

 

明るいピンク色の髪を持ち小柄なおとなしそうな少女がそこにいた。

整った顔、平均以上はある胸のふくらみ、そしてか弱そうな声。

 

どれも女子としてはかなり高いポイントを持ち合わせた少女がそこにいた。

 

誰もが振り向いてしまいそうな少女だった

 

 

 

(来たか・・・・もう一人の要注意人物)

 

 

 

明久以外は

 

 

 

彼にとって彼女は・・・・・・危険人物でしかない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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