東方荒神伝   作:白峰

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さーて、戦闘シーン書くぞおー!


第十話 大怪獣総攻撃〈前編〉

ーー博麗神社ーー

 

この博麗神社に避難してきた人里の住人は300人。

とても博麗神社に入りきる人数ではないので、女子供、お年寄りを優先的に入れいった。

その結果、神社に至る階段にまで人が溢れ出す事となった。

子供達の面倒は寺小屋で子供達に好かれている慧音が選ばれた。

 

「皆いるか?はぐれた者はいないか?」

 

「けーね先生!」

 

一人の少女が歩み出た。

 

「どうした椿?誰か居ないのか?」

 

椿という少女は寺小屋での委員長的な立場で同年代の少年少女達よりもしっかりしている。

 

「チルノちゃん達がいません」

 

チルノ達と言うのは、チルノ、大妖精、ルーミアの3人組の事である。

慧音もその事には気づいていた。

しかし、彼女達は妖精であるので死んでも一定の期間で復活するし、心配をする必要は無い。

無いのだが、慧音は嫌な予感がしていた。

 

(ここ最近は授業も出席してないし、様子を見に行くか)

 

慧音は霊夢を呼んだが破壊された結界の再生に忙しさうなので子供達の事を神宮寺に任せた。

子供に好かれやすい魔理沙にも頼もうとしたが、彼女は住人を避難させた後に行方不明になっていた。

森へ入ろうと歩み始めた瞬間。

 

「きゃぁぁあ!」

 

「地鳴りだ!皆どこかに掴まれ!」

 

「怖いよぉ」

 

地面が横に、縦に、揺れた。

地面が波打つのを、慧音は初めて見た。

そしてまだ耳に残っているあの鳴き声。

山の方を見るとそこには黒い龍がいた。

青紫の稲妻をまとい、怒りを具現化したようなその姿は見るだけでも戦意を喪失させた。

 

「あれが破壊神、怪獣の王か」

 

慧音は震える手を必死に抑えて森へと入っていった。

 

ーー守谷神社ーー

 

怪獣王の咆哮が鳴り響く。

 

「また厄介なのが、目覚めたねぇ」

 

守谷神社の縁側に座る洩矢諏訪子は隣に話しかける。

彼女の視線の先には黒い龍とそれに対峙する巨大蛾。

 

「そうだな。それにこの調子だと、ギドラも目覚めるだろう」

 

隣には八坂神奈子が座っていた。

身長差のかなりある二人が並んで座ると母と子の様に見える。

 

この二人は守矢神社に祀られている神である。

 

「最後に見たのはいつだっけな」

 

「あーうー、確か二千年くらい前じゃなかったかな?」

 

「そうか、もうそんなに経ったのか」

 

加奈子は空を見上げる。

 

「きっと忘れていたんだ。ここでの生活が楽しくて」

 

そう言った加奈子はどこか悲しそうだった。

すると諏訪子が言った。

 

「だからさ。忘れられたから、忘れてしまったから、こうして再び目覚めたのかもしれない」

 

諏訪子も悲しそうだった。

 

「荒ぶる神、破壊神か…」

 

少しの沈黙が訪れる。

 

「…早苗はいつ帰って来るんだい?」

 

諏訪子が問う。

 

「今朝立ったからね。まだ戻らないよ。…夕方くらいかな」

 

現在は太陽が一番高い位置にある。

真昼時だ。

 

「そうか…それじゃあ、早苗の帰る場所を残しておかなくちゃね」

 

諏訪子が縁側からちょこんと地面へ降りる。

 

「そうだね。あの子のためにも、頑張らなきゃ」

 

加奈子は足がついているので、そのまま立ち上がる。

 

「あんなのがあたしらの同僚だなんて、冗談にしては下手すぎるよね」

 

「あはは!それには同感」

 

二人はいつにもなく上機嫌で戦場へと向かった。

 

ーー紅魔館ーー

 

「昨夜、戦闘準備よ。パチェと美鈴も呼んできなさい。各々準備が出来次第、門前で集合としましょう」

 

「承知しました」

 

紅魔館は忙しかった。

原因は勿論、ゴジラである。

しかし彼女達がその名を知るのはもう少し先だ。

 

「ただ今伝えて参りました」

 

昨夜が殆どの時間差を感じさせずにレミリアの部屋に入ってきた。

彼女の『時間を操る』程度の能力であれば少しの時間差もなくこなせるはずだ。

 

「お姉様、本当に行かなきゃダメ?」

 

レミリアの後ろにいたフランが問いかける。

 

「別に来なくてもいいわよ?これは私があの二体の生き物に興味を感じただけだから」

 

(あの巨大な蛾と黒い龍の運命も見えなかった…)

 

「もうー分かったよ、ついて行きますよーだ」

 

フランは棒読みで言う。

 

「…まったく、何がそんなに嫌なの?フランの能力を使えばあの二体も瞬殺できるでしょ?」

 

「それがね、出来ないの、お姉様」

 

「え?」

 

フランはどんなものもフランにしか見えない紅い玉を破壊される事によって有機物、無機物問わずに破壊する事ができる。

しかし、それがあの二体には出来ない。

 

「それは…どう言う事?」

 

「えっとね、真っ赤な目はあるんだけど、とっても大きいの。それできゅってしてみたんだけど、傷一つつかないの」

 

「…そう…」

 

不死である自分すら死に追いやる事の出来る妹の能力でも何もする事が出来ない。

そんな存在にレミリアは恐怖を感じるどころか、さらに興味が深まった。

 

「相手は生き物よ。ならば必ず殺せるはずだし、大丈夫よ」

 

レミリアはそう言って部屋から出た。

 

「そう…だといいね」

 

フランは誰もいない部屋にそう呟いてから、姉の姿を追っていった。

 

ーー妖怪の山・間欠泉センター付近ーー

 

轟く咆哮。

足を踏み出せば地盤が崩れ、地面が割れる。

 

黒曜石の様な漆黒の皮膚は所々赤く爛れている。

背びれは常時青紫の稲妻を纏っており、その姿は歩く山そのもの。

理性が欠片も感じられない純白の目。

 

数多の怪獣の頂点に立ち続け、破壊神とも恐れられた者の名は

 

怪獣王 ゴジラ

 

それと対をなすのは巨大な蛾。

 

その羽根は広く、ゴジラすらも凌駕する。

 

羽根に描かれた模様は見る者を魅了し、ある時は守護者として、またある時は破壊者として空を駆け巡る。

 

古来より破壊神と対をなす者の名は

 

守護獣 モスラ

 

二体はしばらく睨み合いを続けた。

しばらくの出会いを噛みしめる様に。

 

戦闘の火蓋を切ったのは怪獣王だった。

 

背びれが奇怪な音と共に発光し、怪しげな光を放った。

ゴジラの口からは青紫の光が漏れている。

 

そしてつぎの瞬間、ゴジラはその口を大きく開け青紫の光線-放射熱線を放つ。

 

モスラは羽根をはためかせて射線上から回避。

 

ゴジラは熱線を放出したまま首でモスラを追う。

 

モスラはその間避け続け、ゴジラの背後に回ろうとするがそれをゴジラは許さない。

 

未だに追ってくる熱線に痺れを切らしたのか、モスラは少しずつその羽根から金色の鱗粉をばら撒き始めた。

 

するとそれを吸い込んだゴジラはそれまで発光していた背びれが点滅しだし、ついに熱線が枯れる様に消えた。

 

熱線の被害にあった周りの森は燃えるわけでもなく、地形ごとえぐられ、元の緑の溢れる場所では無くなっていた。

 

熱線を封じられたゴジラは低い鳴き声をあげて喉の辺りを抑えている。

 

モスラはゴジラに背後から接近してゴジラの頭を六本の足で掴む。

 

苦しがるゴジラは尻尾や手で対抗するがどうにも出来ず、モスラはそのままゴジラを空へと持ち上げた。

 

空中ではどうすることも出来ず、ゴジラはただ低い鳴き声を鳴らすのみ。

 

100メートル

500メートル

一キロ

もっと高くへ。

 

モスラはゴジラを空高く持ち上げ、そして、落とした。

 

100メートル×9万2千トンの巨体が上空五キロ以上から落下した衝撃はとてつもなく、ゴジラは幻想郷を揺らしながら地面に埋まった。

 

流石にこれは勝負あった。

誰もが確信したつぎの瞬間、地面から光の柱が上空のモスラへと向かう。

熱線だ。

モスラは一瞬遅れたため、ゴジラの熱線をかすってしまった。

モスラは態勢を崩して落下。

同時にゴジラが地面から姿を見せる。

 

五キロ上空から地面に叩きつけられたとは思えないほど、ゴジラは無傷だった。

 

否、流石のゴジラでも傷を負った。

しかし、その異常な再生能力から叩きつけられた瞬間に潰れた細胞は復元し、より強固なものへと進化するのだ。

 

後にG細胞と名付けられるこのゴジラの不死の仕組みを知るのは、まだ先の話である。

 

ゴジラは地面に落ちたモスラへと、ゆっくりと勝利を噛みしめる様に向かっていく。

 

そこに赤色の乱入者が現れる。

 

ーー少し前・.魔法の森ーー

「チルノー!大妖精!ルーミアー!居たら返事をしてくれ!」

 

慧音は魔法の森を歩いていた。

獣人である慧音の足取りは素早く、博麗神社から遠く離れてしまった。

 

(いないか…仕方ない。皆が心配だし、そろそろ引き返すか)

 

慧音が踵を返したその時、地面がわずかに揺れる。

それは人間では到底感知できない小さな揺れだった。

しかし、慧音はこの揺れ方を知っている。

 

(前々から里を襲っていた、人間が感じない程度の揺れ方だ。まるで何かが下にいるような…)

 

すると揺れが急に止まった。

そして、先ほどの小さな揺れが今度は地を揺るがすような揺れになった。

 

「うっ!」

 

慧音は倒れそうになるが何とか踏みとどまる。

 

「…ん?…何だ?」

 

今度は慧音の目の前の地面が隆起しだした。

下から押し上げられるよう少しずつ押し上げられてそして…

 

「うわぁっ!」

 

目の前の地面が大爆発を起こした。

 

慧音は1メートルほど後ろへ吹っ飛んだ。

 

「でたぞー!ってあれ?ここどこ?」

 

土煙の中に見知った声が聞こえる。

 

「チルノちゃ〜ん、そろそろやめようよ〜」

 

「えーなんでー?」

 

「しばらく慧音先生の授業に出てないし、また拳骨制裁されるよ?」

 

「そーなのかー?」

 

「あ…どうしよう…」

 

(あの三人組の声だ。間違いない。まったく、心配させて…)

 

慧音はやけに影の大きいチルノたちに心配させた腹いせに一つ拳骨してやろうと思って近づく。

 

「三人とも、そんなに私に会いたかったの…か…」

 

土煙の中から出てきたのは可愛らしい三人の妖精、ではなく真っ赤な四足歩行の獣だった。

 

巨大な赤い瞳と犬の様な顔立ちは見るものによっては可愛らしく映るかもしれない。

 

しかし、それは体長50メートルの巨体でなかったらの話だ。

 

真っ直ぐにこちらを見つめる巨大な獣に慧音は圧倒されたがその獣から三人の声が聞こえる。

 

「あっ!慧音先生!」

 

「どーしよ、アタイら怒られちゃうよ!」

 

「そーなのかー?」

 

(明らかに三人の声がコイツから聞こえてくる。どういう事だ?コイツも怪獣の一体なのか?さっきから全然動かないし…)

 

慧音がそうこう考えていると、赤い怪獣が顔をまさに犬のようにブルッと振った。

 

「うわー、落ちるのだー」

 

「ちょっ、落ちるー」

 

「うぎゃーー」

 

「お、お前達!?」

 

あろう事か三人は赤い怪獣の耳から出てきた。

 

慧音は三人に駆け寄る。

 

「大丈夫か!?…一体どうなってるんだ…」

 

「あう、いたた…」

 

「ん?お前達は…」

 

赤い怪獣の左の耳を見ると、中からリグルとミスティアが頭を抑えながらよろよろと降りてきた。

 

「急に暴れないでよー」

 

「あっ慧音だ。久しぶりー」

 

「お前達、五人揃って…人が心配してやってるのに…」

 

その後慧音は二人からここに至るまでの簡単な経緯を聞いた。

 

チルノと大妖精は湖でモスラの繭を見た後にリグル達とばったり会い、いつものように森を散策していると偶然この赤い怪獣に出会ったという。

 

赤い怪獣からは敵意を全く感じなかったので耳の中に勝手に潜り、遊んでいた。

 

五人と一匹はその後も共に行動していたという。

理由は面白いから。

 

慧音はこめかみを抑える。

 

「まったく、私がお前達をどれ程心配したか…」

 

「え?心配されるようなことした?」

 

ミスティアが頭を傾げる。

 

「あぁ、そうか。お前達は現在の状況がわからないんだったな。いいか、今幻想郷には…」

 

その時、空が青紫に光る。

 

「なんだ?あの光は…」

 

そして、爆発。

慧音の目の前が跡形もなく吹き飛んだ。

 

「ぐぁあ!」

 

慧音はその場から吹き飛ばされる。

幸い怪我は見当たらない。

だが爆発の範囲内にいたチルノ達は無傷では済まないだろう。

 

しかし、慧音が見たものは赤い壁だった。

 

なんと赤い怪獣がチルノ達を爆発から身を呈して守ったのだった。

 

「あ、おっおい大丈夫か?」

 

赤い怪獣が腕をどけると、その中には気を失ったチルノ達がいた。

 

慧音は赤い怪獣を見上げる。

 

「…その、言葉が通じるとは思わないが、ありがとう」

 

「バラゴン」

 

その声は後ろから聞こえた。

背後には老人男性がいた。

 

慧音は女性ではあるが獣人でもあり、その実力は折り紙つきである。

その彼女が背後からの気配に気付かれなく背後に回る事は、スキマ妖怪でもない限りほぼ不可能だろう。

 

それ故に慧音は警戒していた。

何よりも自分の知る人里の人間にこんな老人は居なかった。

 

「…バラゴン?…という事はこの怪獣が地の守護獣、という事ですか?」

 

「あぁ、そうだ。護国三聖獣 地の守護獣 婆羅護吽」

 

慧音はバラゴンをまた見つめる。

バラゴンは五人の安全を確認すると、穴を掘って何処かに消えた。

 

「それはそうとご老人、貴方は一体…」

 

慧音が振り返ると、そこには既に老人の姿は無かった。

慧音は探そうとしたが、一先ず五人を安全な場所に移す事を優先した。

 

ーー博麗神社ーー

 

博麗神社の本殿の奥では、霊夢が結界の修復に取り掛かっていた。

 

「もぉお!なんなのよ!さっきから障子の如くどんどん破られてくし、あのバカは居ないし!」

 

ぐちぐち言いながらも霊夢は必死に結界の修復に勤しんでいる。

そしてまたパリンと音がなる。

 

「ゆぅかぁりぃいい!さっさと出てこい年増BBA!」

 

「あ"?誰が年増だってぇ?霊夢」

 

何処からともなく現れたのはこの幻想郷の管理者で妖怪の賢者こと、八雲紫。

『境界を操る』程度の能力を持つスキマ妖怪で、幻想郷一の実力者と言っても過言ではない。

 

「やっと来た!何処に行ってたのよ、このスカポンタン」

 

「ごめんなさい、コッチも色々と野暮用があったのよ。私が居ない間よく耐えたわね」

 

紫は霊夢を優しく撫でる。

 

「年増は言い過ぎだけどねぇ?」

 

その手に力が入る。

 

「痛だだだだ、分かったから。今はそんな場合じゃ無いのよ!」

 

「ええ、ゴジラのことでしょう?把握しているわ」

 

「え?…知ってたの?」

 

紫はコスモス達からの話を聞いていないはず。

それなのに怪獣達の事を知っているという事は…

 

「まぁ、良いわ。とりあえず時間も無いし、来てくれるかしら」

 

紫は霊夢の手を掴む。

 

「え?いや、今は結界の修復中で…」

すると紫の隣に黒い空間が突如現れた。

黒いと言っても大半が黒で、赤い絵の具と黒い絵の具をぐちゃぐちゃにかき混ぜた様な色をしている。

そして空間には霊夢を見つめる幾多もの目玉。

スキマと呼ばれているこの空間は、紫のみが作り出すことの出来る空間であり、何処にでも通じているし、何処にも無い。

完全に独立した空間なのである。

「藍ー!後はお願いね」

 

「かしこまりました」

 

その中から九つの狐尾を持つ女性が現れた。

 

「じゃっ行くわよ」

 

「えっ?、ちょ、え!?」

 

霊夢はそのまま強制的に紫にスキマの中へと連れていかれた。

 

ーー妖怪の山ーー

 

地面に落ちたモスラは起き上がろうとするが中々飛び立つことが出来ない。

 

ゴジラはゆっくりとモスラの下まで来るとその右足でモスラを踏みつけた。

ゴジラの重く大きな足がモスラにのしかかる。

踏みつけられたモスラは独特な高い悲鳴をあげる。

 

その時、不意にゴジラが何かを感じたのか、自分の足元を見る。

次の瞬間、ゴジラの左足元が崩れ落ちた。

 

低い鳴き声を漏らしながらゴジラは崩れ落ちる。

 

すると、何処からともなく聞こえるモスラでもゴジラでも無い鳴き声。

ゴジラの崩落跡から現れたのはバラゴンだった。

バラゴンはゴジラの足元まで穴を掘っていたのだ。

 

ゴジラが体制を崩しているうちにモスラは空へと飛び上がる。

ゴジラは依然転がったままだ。

 

ゴジラが立ち上がろうとしたその時、バラゴンが高い場所からゴジラ目掛けて体当たりを仕掛ける。

ゴジラは避けることができず、とっさに右腕を出す。

 

バラゴンのツノがゴジラの右腕に突き刺さる。

ゴジラの腕からはドス黒い体液が流れ落ちる。

 

ゴジラが初めて悲鳴をあげた。

しかしゴジラはすぐに左手でバラゴンを抑えると、ツノが刺さったまま右腕でバラゴンを振り回す。

ゴジラよりかなり小さいバラゴンは衝撃で50メートルほど吹き飛ばされた。

バラゴンは一層高い声を出しながら吹き飛ばされる。

 

ゴジラが反撃に出ようとバラゴンへと歩み寄ろうとする。

 

すると、今度はモスラがゴジラの背後から急加速で接近してそのままの勢いでゴジラの頭を掴み、そのまま引きずって妖怪の山に激突させる。

すると山の頂上から中腹にかけて地滑りが起き、ゴジラはそれに飲まれて生き埋めになってしまった。

 

妖怪の山はこの攻撃により、五分の一が崩れ落ちてしまった。

 

土煙の中、ゴジラは山に激突したまま動かない。

今までが壮絶だっただけに、この静寂はとても不気味だった。

 

ーー???ーー

 

「ちょっと紫、一体何処に向かってるのよ」

 

霊夢は紫のスキマの中にいた。

この空間は紫の体の一部の様なもので移動するのに歩いたりする必要はない。

 

「…龍神の所によ…」

 

霊夢の顔が固まる。

 

「貴方も知ってるでしょ?幻想郷の真の創設者にして最高神。強さという点では私達とは別次元にいる神」

 

紫のスキマに光が差し込む。

目的地に着いた様だ。

 

「いい?くれぐれも無礼な態度は勘弁してね」

 

「分かったわよ」

 

すると光が広がって行く。

 

気がつくとそこは青い水晶で埋め尽くされた空間だった。

どうやら地下であるようだ。

隙間から光が差し込んで水晶の中で乱反射し、幻想的な雰囲気を醸し出している。

 

「…綺麗…」

 

「そうだろう」

 

霊夢が呟くと、後ろから返答する声があった。

声の主は見た目70後半の男性老人だった。

 

「紹介するわ。こちら伊佐山さん、貴方が会ったコスモスの姉妹と同じ別世界から来た人よ。そして…」

 

「初めまして。貴方が噂に聞く今期の博麗の巫女ですか」

 

霊夢の足元にはモスラと共にゴジラと戦っている筈のコスモスの姉妹がいた。

否、とても似ているが顔立や服装が微妙に違う。

 

「私達は小美人と呼ばれています」

 

 

 




戦闘シーンを描くと言ったものの、まだ前哨戦くらいしか描けませんでした笑。
前半、中編、後編の三つに分けていきます。
引き続き質問意見何なりと。
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