東方荒神伝   作:白峰

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 そういえばGMKってハム太郎と同時上映でしたよね(笑)あのゴジハムくん何処行っちゃったんだろう。


第七話 破壊神

 妖怪の山の麓。この場所には間欠泉地下センターと呼ばれる大きな穴があり、その最下層では、核融合が起こっている。

 

 この施設はそのボイラーの動力源のすべてを核エネルギーとしているのだが、この核融合はすべて一人の妖怪によって行われていた。

 

 「さぁ〜て、今日も頑張ったぁ。お小遣いもらったし、どこに行こうかなぁ〜」

 

 地上にある入り口に立つ彼女こそ、この施設のエネルギー源である霊烏路空である。

 

 彼女は右腕についてある制御棒を利用する事で『核融合を操る程度の能力』を行使することができる。その力を利用し、今はこの間欠泉地下センターで働いている。

 

 「……うにゅ?」

 

 空は背後から、森の方から何か近づいてくるのを感じた。お空が振り向くとそこには一人の人間がいた。黒い着流しを着た男の様だった

 

 男は穴の下の方を覗き込んだ

 

 「おーい、そこは危ないぞーって…えっ!?」

  

 何とあろうことかその人間は核融合が今まさに起こっている穴に落ちてった。

 

 普通、人間が一度でも入ってしまえば高濃度の放射能により即被爆、体の中はめちゃくちゃになり、そうでなくても高温で体が溶け出してしまう。

 

 「まって!そこに入っちゃだめー!」

 

 空はその背中に生えている烏の羽を羽ばたかせ、落ちていった人間を追いかけるべく穴の中へ急ぐが、既に姿は見えないほど下の方へと落ちてしまった。

 

 

 

 

 

 

 場所は変わって、ここは旧地獄。幻想郷の地下に広がるこの地は、その名の通りかつて地獄だった場所である。その中心には鬼など地上で嫌われたモノの住む旧都があり、さらに地霊殿という建物がある。

 

 また地霊殿の下には灼熱地獄跡が広がっているが、現在その地には、本来なら大きな鎌を持つはずであった手に、自分の身長ほどあろうかという虫あみを持って振り回している一人の女性がいる。

 

 「うりゃっ!それっ!大人しく捕まれぇぇい!」

 

 現在出勤中の死神こと小野塚小町は、怨霊集めに勤しんでいた。

 

 「あぁ〜、まだ548人の魂しか集まってないぃ〜。終わりが見えなぃ〜」

 

 捕まえた怨霊は大きな袋に入れられていた。怨霊がパンパンに入った大きな袋が5つと半分ほどたまった袋が一つ。残りの袋はその倍以上ある様だった。

  

 小町が小言を言いながら虫あみを振り回していると、突然、怨霊達が一箇所に集まりだした。

 

 「おぉ!一箇所に集まってくれると、あたしもありがたいん……だけど……」

 

 怨霊達は次第に黒い影となり、形を作り始めた。

 

 ワニのような頭、たくましく大きな腕と鋭い爪、恐竜のように巨大な胴体、そして背中の剣山のような凹凸は尻尾の先にまで続いている。影はみるみるうちに大きくなり、60メートル程にもなった。

 

 「なん…だ…これ…」

 

 小町はその圧倒的な存在感に気圧されて動けなかった。

 

 巨大な黒い影は上を向いたあと、霧状の黒いモヤとなり上の方へと登っていった。

 

 小町はただただ唖然としていた。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここは地霊殿。地獄から灼熱地獄跡の管理と怨霊の監視を目的に建造された建物である。この館の主は覚妖怪の古明地さとりといい、地獄からの任を受けている。

  

 「次はお姉ちゃんの番だよ」

 

 帽子を被り薄緑の髪をした少女が二枚のトランプを口の前で扇状に広げて得意げにしている。

  

 「ぐぬぬ…」 

 

 対する薄紫の髪にピンク色のフリフリした服を着ている少女は口を結んで何やら悩んでいる。

 

 今ババ抜きをしているのが古明地さとりとその妹、古明地こいしである。

 

 姉妹とも覚妖怪であり、姉の方は当然ながら『心を読む程度の能力』を保持しているが、妹のこいしはその忌み嫌われた能力を封印した。

 

 こいしはその代わりに『無意識を操る程度の能力』を手に入れた。そのためさとりの胸元に浮いているサードアイだが、こいしのものは目を閉じている。

 

 そのおかげか、さとりはこいしの心だけは読めないのだ。

 

 「こっちよ!」

 

 さとりが引き立てたのはJOKERだった。

 

 「じゃあ今度は私の番〜」

 

 今度はさとりが二枚のトランプを目の前に広げる。

 

「こっち?」

 

こいしが向かって右のカードをつまむ。

 

「……」

 

さとりの反応はない。

 

「じゃあ…こっち?」

 

「…!」

 

(お姉ちゃん、顔に出すぎー)

 

こいしが右側のカードを取ろうとした時。

 

突然、大きな崩壊音とともに地霊殿が揺れる。

 

あまりに突然の事だったので椅子に座っていたこいしは転げ落ちてしまった。さとりはカードを机の上に放り出してこいしに歩み寄る。

 

「こいし、大丈夫?」

 

「うん、大丈夫だよ。ありがとう」

 

しかし、まだ揺れは収まっていない。

 

「さとり様!こいし様!ご無事ですか!」

 

 二人の部屋の扉が勢いよく開いた。見ると黒いゴスロリ衣装に赤い三つ編みの似合う少女が扉を両手で開けて入ってくるところだった。

 

 彼女は火焔猫燐。さとりのペットの一人で猫の妖怪、火車である。『死体を持ち去る程度の能力』を持っており、さとりから怨霊の監視を任せられている。

 

 「お燐、私は大丈夫よ。それより皆は?」

 

 地霊殿には空や燐の他にもたくさんの動物が飼われている。

 

 「はい、怪我をした者はおりません。しかし、地上に出たお空とは連絡の手段がありませんから…」

 

 「お空、大丈夫かなぁ〜」

 

 「そうね…ひとまずはこの揺れの原因を」

 さとりがその次の言葉を言おうとした瞬間、先程の揺れよりも大きな揺れが襲ってきた。

 

 「…っ!何か、下からくるわ!」

 

 さとりが叫ぶのとほぼ同時に下の床が吹き飛び、黒いモヤが柱の様に一直線に出て来た。

 

 三人はそれぞれぶつからないよう、別々の方向に飛んで避けた。

 

 黒いモヤは上へ上へと登っていってしまった。揺れはそれっきり起こらなかった。

 

 「うわぁ、びっくりした。って、お姉ちゃん?」

 

 さとりが一人身をうずくまって床に横になっている。

 

 さとりは呼吸が荒く、肩も激しく上下している。

 

 二人が駆け寄り体を起こそうとすると、さとりはお燐の腕につかまり、必死なそうな顔で二人に訴えかけた。

 

 「だ…だめよ、あの怨霊達を、『彼』に接触させないで!」

 

 

ーーーーーー

 

 

 間欠泉センター最下層。

現在ここは先程お空が起こした核融合反応がまだ続いており、熱と放射能の密室空間になっている。

 

 一億度を優に越える密室空間で生存できる生物など存在しない。しかし、そこには確かに一人の、一匹の生物がいた。

 

 (これほどまでの放射線を浴びたのは、私の住処に忌々しい人間共が落とした汚染物質を喰らったとき以来だろうか)

 

 直立二足歩行のその生物は体の所々から紅い光を放ち、白い蒸気を身にまとっている。

 

 (今や私の力は母体となるにふさわしい程に膨れ上がった。これなら第四形態まで一度退化し、仲間を増やす事もできるだろう)

 

 白い蒸気に黒いモヤが混ざり始める。モヤは次第に増えていっている。

 

 (後は姿を消し、川をたどって海に出ればいい。それからは…ん?何だ、この感じは?)

 

 (体にまとわり付いてくる、この黒い霧は?)

 

 

 

 

『…憎イ…悲シイ…殺ス…滅スル…』

 

 

ーーーーーー

 

 

 1954年夏、小笠原諸島近海で貨物船『栄光丸』が突如消息を断った。その事件をさかいにその海域を通りかかる船は全て行方不明になった。

 

 唯一の共通点は無線から聞こえた奇怪な唸り声とも聞き取れる音と、「海が爆発した」「海面が青く光った」という意味不明な遺言だけだった。

 

 近くの大戸島に住む人々はこの事件の原因を言い伝えの生物、荒ぶる神のせいであるとした。 

 

 「こりゃぁ、ゴジラが出たんだぁ」

 

 そして大戸島が嵐に見舞われたその日、神は地上を知った。

 

 

ーーーーーー

 

 

 「…何だ、誰なんだお前達は!やめろ、これは私だけの怒りだ!私だけの憎しみだ!私の中に、入ってくるなッ!」

 

 

ーーーーーー

 

 大戸島が、何かに襲われ村がほぼ全滅した。

戦後間もない日本をこのニュースが駆け巡った。政府はこの事態に特別対策本部を設置。

直ちに調査団を大戸島に派遣した。

 

 到着した調査団はその何かと思われる足跡や村の井戸などを調査した。足跡は小さな小屋ほどあり、井戸からは放射線が検出された。  

 

 調査団が更に調査を進めようとした時、村の半鐘が鳴り響く。

そして丘の向こうから巨大な生物が頭を出し、雄叫びを上げるのを目撃した。

 

 

ーーーーーー

 

 

 『憎イ、壊シタイ、潰シタイ、燃ヤシタイ、殺シタイ、殺シタイ、殺シタイ…』

 

 

ーーーーーー

 

 

この事を調査団は政府へ報告し、巨大生物の存在を確認。また、この生物が放射能を帯びている事から、『地底洞窟に住んで生き延びていた恐竜が度重なる水爆実験により住処を追い出され、更には放射能の影響で突然変異したものである』と推測。 

 

 生物の名前を大戸島の逸話から『ゴジラ』と命名した。

 

 政府は大戸島近海にフリゲート艦隊を派遣し、激しい爆雷攻撃を開始。しかし、ある生物学者は攻撃はゴジラを刺激するだけだと進言したという。

 

 

ーーーーーー

 

 

 「アガッ、意識ガ…ヤメ…ロ…」

 

 

ーーーーーー 

 

 

 ゴジラは爆雷攻撃をもろともせず、その後東京に上陸。政府は即座に防衛隊に出動命令を下すもゴジラの前には重機関銃も戦車の砲弾も通用せず、何も出来なかった。

 

 政府はゴジラの再上陸に備え、高圧電線を張り巡らせ、水際で感電死を狙う。

 

 その後ゴジラは再び東京湾から現れた。しかし、その行く手を高圧電線が遮る。五万ボルトの熱に苦しむがそれも束の間の時間だった。

 

 ゴジラはその後剣山のような背びれを発光させ、口から高温の放射線(白熱光)を吐いた。鉄塔は紅く溶け出し、戦車は燃え上がり、東京は再び火の海となった。

 

 ゴジラは東京を蹂躙した後、ロケット攻撃すらもろともせず海へと姿を消した

 

 

ーーーーーー

 

 

 「グッ……アガッ…………ガガ………」

 

 

ーーーーーー

 

 

 砲弾もロケットも高圧電線をも通用しない化物に政府は頭を悩ませる。

 

 ゴジラに蹂躙された東京は放射能汚染が酷く、数百年は人が住めるような土地には戻れないと言われた。

 

 そんな中、一人の科学者がゴジラを殺しうる毒化合物の存在を政府に明らかにする。

 

 『オキシジェン・デストロイヤー』

 

 「水中酸素破壊剤」とも呼ばれるこの兵器は水中の酸素を破壊し、生物を文字道理『壊す』恐るべきものである。

 

 ゴジラに使用した後、軍事利用される事を恐れたその科学者、芹沢博士はオキシジェン・デストロイヤーに関する全ての資料を抹消した後に、自らゴジラの眠る海にオキシジェン・デストロイヤーを使用し、ゴジラと運命を共にした。

 

 

ーーーーーー

 

 

 『殺シタイ。コンナ体ニシタ、ニンゲンガ。オレタチヲワスレタ、ニンゲンガ。憎ィィィイイ!』

 

 

ーーーーーー

 

 

 しかし、何故ゴジラが日本の、しかも東京だけを狙ったかのように上陸したのかは未だ判明していない。

 

 

 

 「ゴジラは強烈な残留思念の集合体である」

 

 

 

 今ではそんな噂がまことしやかに囁かれてる。

 

 

 

 

 

 

 




 次回は閑話にするかストーリー進めるか迷ってます。と言っても閑話は物語の展開によっては必要不可欠ですけどね(・∀・)
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