Fate/GrandOrder Quatre Inconnus de Magiciens 作:オレン・オラージュ
皆さんバレンタインは過ぎたけど楽しかったでしょうか、私はバケツ並みのパフェを食べて死にかけたどうもオレンです。場のノリって、怖い。
肝心のバレンタインイベントは、FGOで思いっきり楽しませていただきました!主にフルボイス、トリスタンの残念さが漂うボイスやらバレンタイン激重四天王の意味を初めて知った時の衝撃など盛りだくさんでしたね。ですが高難易度クエストだけはクッソ難しかったです・・・。
今回は第1特異点に入る前のプロローグになります。ちょっといつもより短くなってしまいましたが、キリが良かったんです・・・!!
では、どうぞ!
邪竜百年戦争 Interlude
俺は目を開ける。見えたのは白い天井だった。
現実だ、何もかも。
人類が滅亡して、生き残っているのは俺やカルデアの人々、それから俺と同じマスターたちしかいない。
あの赤く燃え盛る部屋は決して嘘でも何でもない。レフ教授が言っていた人理焼却も嘘ではなく、本当のこと。
今でも思い出す、目の前に黒い影のサーヴァントが消えていくところ。
アニメやゲームとは違う、本物の殺し合いだった。それがこれからも続く。
そう、命のやり取りが………。
「立香君おはようございまーす!!」
「どうわあっ!!?」
突然、耳元で何かが弾ける音がして飛び上がった。クラッカーのような音だった。
慌てて辺りを見回して部屋の入り口を見た。黒いマントを羽織った魔術師が立って、本を開いて人差し指をこちらに向けていた。
「………モーガン、一体なんのつもりだよ」
「ふふっ、目覚ましよ。ドクターが呼んでも全然起きないから」
「ちょっとモーガン!何をしてますの!?」
その後ろから、同じマスターであるガーレン・ブリーテンリッヒが入ってきた。が、昨日の見慣れた制服姿とは全く違う姿をしていた。
「……ガーレン、どうしたの?それ」
「ええ、持ってきていた魔術礼装ですの。所長に許可をもらって、お披露目ができましたわ!」
彼女が身にまとっていたのはまるでラモラックが着ていたような白と黄緑色を基調とした騎士のような服だった。ただ鎧をまとっているというわけではなく、ファンタジーに出てきそうな軽い服装に緑色のショートマントを羽織り、両手両足には騎士がつけていそうな籠手と具足をつけている。腰には細剣のような細い剣がある。
……………………なんというか、
「騎士っていうか、傭兵………?とか、そういう感じだな」
「うっ、ひ、否定はしませんわ・・・お兄様たちから魔術礼装をいただいたのはよかったのですが、なぜかこんな軽装でした。騎士であるのならば防御を高める鎧をつけるべきでしょう!!」
「女性が鎧をつけるのもどうかと思うわよ?マスター」
全くもってモーガンの言う通りだ。女性でラモラックのような鎧を着る・・・重くないんだろうか。
けれど今日は特異点出発なのだ。専用の魔術礼装を着るあたり、ガーレンも気合が入っているんだろう。
俺も頑張らなくては!と、自分で頬を叩いて起きあがってパジャマから着替えようとして・・・気がついた。
「…………あの、お二人とも?いつまでいるんだ?」
「え?」
「え?」
僕が声をかけると、心底わかってないような顔をするガーレンと笑顔を向けたままわざとらしく首をかしげるモーガン。……どう考えてもモーガンはわかってやってるよな、これ。
「いや、着替えまで見る気なのかなーって…………」
「……………………………………はっ!!」
俺がそう指摘すると、ガーレンがようやく気がつき、みるみると顔を赤く染めて、
「し、失礼しましたわ!!!」
そう叫んで部屋から出て行ってしまった。………俺、悪くなくね?
そういえばもう一人いたよな、とモーガンに目線を向けてみれば、モーガンはピースサインをして笑っていた。
「あの、部屋でてってくれます?」
「あらっ、そんな反応をするなんてもしかして立香君ってばどう」
「うるさいです!!!」
俺はそばにあった枕を投げてモーガンを追い出した。モーガンは出て行くところでやーん!と変な悲鳴をあげていった。
………なんというか、モーガンは本当に変な人だ。
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「遅いわよ新入り!!」
管制室に入って早々所長から怒鳴られた。管制室にはすでにドクターやキャリス、シュミット、マシュたちの姿がある。ニマニマと笑っているモーガンの後ろには頬を赤らめたガーレンの姿もあった。
「す、すみません………」
「それはいいんだけど立香君、君ガーレンに何かしたのかい?さっきから様子がおかしいんだけど心当たりはないかな?」
シュミットが穏やかな顔で俺に話しかけて来た。本当に何気なく聞いて来てるつもりなんだろうけど、後ろから妙な黒いオーラが漂ってくるのは俺の気のせいじゃないはず。
なんかマシュの目線も痛いし、キャスニキとモーガンはニヤニヤしてるし、俺は何1つとして悪くないよな!!?
「皆元気そうで何よりだね。よし、それじゃあ早速ブリーフィングを始めていくよ」
ドクターはそう言ってパネルを操作し、カルデアの管制室のメインパネルを展開した。正面には様々な情報が映し出され、何らかの数値にグラフが描かれるとともに、一番上には『フランス・オルレアン』と書かれた。
「今回修正する特異点はフランス、年は1431年となる」
「おぉっ、俺の国だ!!」
「その年って確か、百年戦争の最中だね。ジャンヌ・ダルクが処刑された日でもあるね」
ドクターの言葉にシャルルとシュミットが反応する。俺はよくわからなくて、マシュに「百年戦争って何のこと?」って聞いた。
「マスターにわかりやすく説明すると、まず百年戦争は簡単に言ってしまえばイギリスとフランス間との戦争です。もともと王位継承問題に始まって複雑化したものが、領土問題にまで発展した戦争のことです」
「え、100年も戦争していたのか!?」
「いいえ、何度か休戦していますし、今回レイシフトする年もちょうど休戦中のはずですわ。ジャンヌ・ダルクはフランスを救国した聖女として知られていますの。彼女は普通の村の娘だったそうですが、ある日神様のお告げを受けてフランスのために救国の旗を掲げ立ち上がり、劣勢だったフランス軍の勢いを取り戻し講和にまでこぎつけたと言われていますの」
俺が驚くとマシュに続くようにガーレンが説明してくれた。するとシャルルがあっ、と何かに気づきガックリと肩を落とした。
「どうかしましたか?シャルルマーニュ」
「あ、いや………実際に生きてるジャンヌ・ダルクに会えるのかなぁって思ってたんだけど、そうか。死んでるんだよなぁって思って」
「シャルルさんの時代はもっと後になりますから、シャルルさんはすでにご存知なんですね」
「ああ!聖女に会えるかもしれないって考えると楽しみだったんだがな、いやあ残念残念」
シャルルがうーん、と残念がっているとドクターが咳払いをして話を切り出した。
「君たちにやってもらうことは2つ。1つは特異点の調査と修正、その時代における人類の決定的なターニングポイント。それがなければ我々はここまで至れなかったっという人類史における決定的な事変だ。聖杯は膨大な魔力を蓄えた遺物で、レフは何らかの形でそれを手に入れ悪用していたと僕らは考えている。これを回収しなければ修正された歴史が再び特異点化する恐れもある。それが第二の目的だ、ここまではいい?」
「は、はい………」
俺は少々不安になりながらも応える。キャリスも不安そうな表情をしているが、ガーレンとシュミットは慣れているからかキリッと真面目な顔をしている。やっぱりエリート魔術師はそういうところも違うらしい。
「それともう1つやってもらいたいことがある。霊脈を探し出して召喚サークルを作って欲しいんだ」
「召喚サークル?」
「レイシフトは基本的に一方的でかつ不安定なのよ。時流の流れや待機中の魔力などの様々な要因で通信すら不安定になりかねない。それを安定させるために拠点を作るのです」
「あぁ、ベースキャンプってことか!」
「なぜそこは通じるのかしらこの新米魔術師………」
要は某狩りゲーでいう拠点を作るんだな!と納得しているとなぜか所長が握りこぶし(両手指はないけども)を作りながらこっちを睨んでいた。
まあまあ、とドクターが宥めるとふんっと顔をそらして所長は言った。
「とまぁ、ブリーフィングはこんなところよ。今回はきちんとあなたたちのコフィンを用意してあります。レイシフトは安全かつ迅速に行うことができます。向こうについたらこちらは連絡しかできないため、その時代に対応してからやるべきことをやりなさい。……健闘を祈ります」
そう締めくくり、俺たちはコフィンに入ろうとして、隣のコフィンに入っていくシュミットの姿を改めて見た。
シュミットもガーレンと同じく、カルデアの制服とは違う服装をまとっていた。昨日まで所長が着ていた礼装とよく似ているけど、中の服は所長の黄色とは違う、赤色だし、まとっているショートマントには金色の線が施してあった。
キャリスは服装の変更とかはしてなかったみたいだけど、見慣れないポーチを腰につけていたし、皆きちんと用意してきているんだなと場違いなことを俺は考えていた。
特異点先で聞いてみるか、とコフィン内で考えていたらどこからか機械じみた声が聞こえてきた。
『アンサモンプログラム スタート。霊視変換を開始 します』
『レイシフト開始まで あと3、2、1………』
『全行程完了。グランドオーダー 実証を 開始します』
我が家の藤丸君はちょっと臆病者の一般人です!多分一般感性は入っている・・・はず。
原作との変更点として、まず一部の人は別の衣装に着替えています。ガーレンとシュミットは自分用の魔術礼装ぐらいは持ってきていそうだなぁと思っていたところで、原作でも主人公たちは着替えてたし事前に着替えることも可能だよね!ってことで。描写が下手くそなのは本当にすみません。
シュミットは男主人公の魔術協会の服装、ガーレンは騎士ベディヴィエールの服装をイメージしています。
ガーレンがなぜ細剣を持ってきているのはまた次回。ちなみにガーレンにはお兄様(少なくとも複数)いることが判明していますが、彼女は兄弟でも末っ子になります。いつかその話も掘り下げていけたらなぁと思います。
次回はようやく特異点へ入っていきます!・・・が、嫌な予兆が見えてきています・・・・?
次回もお楽しみに!