Fate/GrandOrder Quatre Inconnus de Magiciens 作:オレン・オラージュ
皆さん新学期はいかがでしょうか?オレンです。
新学期が始まって戸惑うことも多いでしょう。実際私も新生活には慣れきってません。毎週のレポート発表は緊張するんだよー・・・。
小説の進行状況(と言う名のやる気)もかなり停滞してきていますが、新章公開も近いと予想して頑張っていきます!FGOのcmやbgmをエネルギーにして!!
今回はフランス最初の戦闘シーンも込みです。では、どうぞ!
「ひどい、有様だ………」
「まったくですわ………」
俺たちは街『ヴォークルール』にいる兵士やどこからか避難してきたのであろう町の人たちから話を聞いていた。
彼らの話によれば、処刑されたはずの聖女と呼ばれた『ジャンヌダルク』が蘇り、数万のドラゴンを引き連れてフランスを蹂躙しているという。フランスの国王であるシャルル7世が殺され、国家機能は麻痺していて、各地で抵抗は続けていても一方的な虐殺になっているという話だった。
「なあ、竜を使役するってありえないことなのか?」
俺が歯噛みしているガーレンに聞くと、ええ、とうなずいた。
「私たち魔術師の間では多くの伝説・神話に登場する生物を「幻想種」と呼ぶのだけど、竜という種はその中でも頂点に君臨するのよ。名前のある個体はサーヴァントでも太刀打ちできるかわからないのだけど………」
「問題は、そもそも15世紀のフランスには竜なんて存在しないはずなんです。つまり、聖女ジャンヌ・ダルクは竜をこの時代に呼び寄せたのかもしれません」
「つまり、聖杯はその聖女が持ってるってことか」
ガーレンに続いて、キャリスとラモラックが声に出す。
あまりの惨状に俺は俯くが、ふと疑問に思ったことを俺は口に出した。
「なあ、そのジャンヌって人が蘇るってさ、魔術でもできるのかな?ほら、黒魔術ってこう、生贄を出して死者を蘇るーなんてゲームとかでよくあるけどさ」
「そ、そうなんですか?私はゲームに詳しくありませんが、魔術でもできるにはできるそうですが………」
「はっきり言えば、不可能だろうな」
マシュの話を遮るように、周囲の警戒をしていたエミヤが割り込んできた。
「古来から死者の蘇生は試みられてきたが、完全な成功には至っていない。わかりやすいのはフランケンシュタインとかだな」
「えーっと、フランケンシュタインって科学者が生み出したものだっけ?」
「そうだ。加えて、古代でもドラゴンの使役は行為の魔術とされていたからな。だが、聖杯があれば可能だろう」
『うわーん、全部説明されてるー!!僕の立場がないじゃないか!!』
通信機から涙声でつぶやくドクターの声が聞こえてきて俺は苦笑する。
けど聖杯って死者の蘇生もできたりドラゴンも召喚できたりってある意味チートだなぁ。
「それにしても聖杯が絡んでいるとなるときっと、サーヴァントにでもなっているのかしら?ほら、『アヴェンジャー』クラスとかで召喚されているかもしれないわ!」
「あゔぇんじゃー?」
聞き慣れない言葉に首をかしげると、まさかとガーレンが肩をすくめた。
「まさか!あれは特例中の特例ですわモーガン。その特例が召喚されるなんてありえないと思いますけど……」
「いいえ、ありえるわよこれは。ジャンヌは確か最期は魔女と罵られて死んだのでしょう?聖杯も絡んでいるんだし、本当にやってきてもおかしくないわ!」
モーガンはなぜかやたらワクワクしながら言ってた。さっきからモーガンが話を聞くたび面白そうにしているのがやけに気になる。一体何があったんだろう。
すると、通信機から慌ただしい声が聞こえてきた。それと同時にサーヴァントたちも何やら身構えて上を見上げる。
『待て!急速に接近してくる反応がある!!しかも多いぞ!!』
「敵襲!敵襲ー!!」
瞬間、馬に乗っていた兵士が声を張り上げる。俺たちもつられて空を見上げると、ドラゴンみたいな奴らの群れがこっちへ襲いかかってくるのが見えた。
ガーレンがそれを視認すると、突然のことで固まっていた俺とキャリス、そして他のサーヴァントたちに声をかけた。
「皆さん迎撃しましょう!ここにいる人たちに手出しはさせません!!立香、キャリス、指示を!」
「え、う、うん!マシュはキャスニキにワイバーンの群れが来ないようにタゲをとって!!キャスニキはその間に攻撃してくれ!」
「はい!戦闘を開始します!!」
「おうよ!」
「え、えっと、エミヤさん!数はわかりますか!?」
「おおよそ60だな」
「かなり多いが、だが面白い!本物のドラゴンはまだかなぁ!!」
「無茶はしないでください!!ラモラック卿はえっと、戦場を撹乱してください!エミヤさんは高い場所から弓の攻撃をお願いします!!」
「おうよっ!!」
「了解した」
ガーレンの掛け声でサーヴァントとマシュが武器を構える。俺はすぐにマシュにタゲ取りを、キャスニキにマシュの援護を指示した。
キャリスもエミヤとラモラックに指示を出していく。
するとガーレンが腰のレイピアを抜き、小さく何かの詠唱を唱えるのが聞こえた。
瞬間、レイピアを真っ白な光が覆い、光り輝く光剣と化した。
「マスター!その魔術はなんですか?」
「ただの強化魔術ですわ。ですが、この魔術礼装は一味違いましてよ!『Slash(斬れ)』!」
短く唱えレイピアを突くと、レイピアの先に光が集まり光線となって重なっていた数体のワイバーンの翼に穴を開けた。
『す、すごい!!ワイバーンに傷をつけるなんてすごいよ!』
「今のうちにお願いします、アルトリア!」
「は、はい!せやぁぁぁっ!!」
アルトリア・リリィが飛び上がってワイバーンに剣を振り下ろして攻撃を加えていく。モーガンはそれをふふふ、と笑いながら見て、自らも杖を出す。
「本当に面白くなってきたわ。私もちょこーっとだけ本気を出すわね」
モーガンが小さく杖を振ると、彼女の目の前に青色の魔法陣が現れいくつもの氷が放たれる。氷はエミヤの攻撃をすり抜けてきたワイバーンの群れにぶつかるとたちまち凍りつき、まともに体がうごかせなくなったまま地上に落下した。
その隙をついてラモラックが槍を突き刺し、続いてキャスニキのルーン魔術がぶつかる。
あんな芸当をできるなんてさすがはエリート魔術師だなぁ、と感心していたら悲鳴が聞こえて慌てて振り返った。
「ママ〜!どこー!?」
「っ!!?」
子供が泣きながら歩いているところを見て、俺は息を飲んだ。それに気が付いたのか一頭のワイバーンが子供に襲いかかるのが見えて、俺はいてもたってもいられず駆け出した。
「先輩!!?」
「立香さん!!」
マシュとキャリスの声が聞こえたけど、今の俺にはそんなもの目もくれなかった。
どうにか子供の前に出ることはできたけど、すでに鉤爪をこちらに向けていて、せめて子供だけでも守ろうと子供を抱きしめて屈んだ。
「させません!!!」
途端、背中を押すようにとても強い風が後ろから吹き荒れた。おそるおそる後ろを振り返ると、ドラゴンの腹わたを貫くように槍……?いや、旗?を突き刺した人物がいた。
金髪に、ボロボロのマントを羽織った女性だった。どこかで見たことがあるような顔をしていたけど……どこか、この世の人間ではないみたいだった。
もしかして彼女は……、
「君は、サーヴァント……なのか?」
「大丈夫ですか?」
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「先輩!お怪我はありませんか!!?」
「ったく、無茶をするぜ!!」
「なぜあのような無茶をしたのですかもう!」
『あああああヒヤヒヤさせないでくれ立香君!!』
ワイバーンの群れとの戦闘が終わって、金髪の女性の「一旦街から離れましょう」という言葉通りに俺たちはウォークルールの人目のつかない郊外まで来ていた。
とはいえ、子供をかばって危うく死にかけた俺は他のサーヴァントやマスターから説教を受けていた。さすがに子供をかばうのは無茶があったようで、皆の顔には心配と呆れの表情が浮かんでいた。
「まったくもう、無茶をするのね立香」
『ああ。ちゃんと言っておくけど、君たちはこの時代では死んではならない人間だ。特異点というのは他の時代から切り離され、隔離された時代。修復すればそこで起きたすべてのことがなかったことになる。その時代の人間が死んでも問題はない。今ここで死んでいけないのは君たちなんだよ』
ダ・ヴィンチちゃんが呆れと論すような声で話してくる。
確かにこの時代を修復すれば死んだ人も元に戻るかもしれない、けど俺は。
「………死なせたくないんです。それじゃ、ダメですか?」
そう、ただそれだけ。目の前で消えていくかもしれない命を俺は放っておけなかった。
そう言うと、キャスニキがやれやれと言った感じで俺の頭を乱暴に撫でてきた。
「わわわっ!」
「ま、お人好しもいいところだが今度は気をつけろよ。なんのためのサーヴァントなのか、ちゃんと考えるこった。あと、嬢ちゃんとキャリスにはちゃんと謝れよ。すでに泣きかけてる」
「あ」
キャスニキに言われて二人を見ると、マシュはまだ涙をこらえているものの、キャリスはどばーっと滝のように涙を流し続けていた。
「べ、別に私は泣いていませんクー・フーリンさん!!」
「私も別にっ………うわあああんっ、心配しましたー!!」
「まあ、マスターのことも考えて今後は行動を控えたまえ、藤丸立香」
「はい!マスターたちを守るのが私たちの役目です!」
「はい、すみませんでした」
エミヤとリリィにトドメの言葉を言われ、俺は素直に頷いた。
話が終わったのを見計らったところで、ガーレンがこほんと咳払いをして先ほど助けてくれた金髪の女性を見た。
「それで、あなたは何者なんですの?急いで郊外へ出てくださいと言われて街から離れて来ましたけども……」
「すみません、言うがままについてきていただいて。故あってあの場では顔と真名を晒すことはできませんでした。ここならば他の人もいない、大丈夫でしょう。私はサーヴァント”裁定者”『ジャンヌ・ダルク』です」
「「「「!!!」」」」
ジャンヌ・ダルク……まさか、今回の黒幕の!?
思わず俺とマシュが身構えると、それを遮るかのようにガーレンが前に出た。
「ワイバーンたちを連れて来たのはあなたですの?」
「いいえ、違います。私がこの時代に現れたのは、数時間前。なので物理的にもフランスを襲う竜の魔女にたり得ませんし、もちろんそのような記憶もありません。その…私の記憶が正しければ、の話ですが」
「なぜそのような曖昧な言い方をするのですか?」
リリィが首を傾げて聞くと、通信機からドクターの声が聞こえて来た。
『彼女の霊基………存在が不安定だからだろう。聖女ジャンヌ、あなたの能力は軒並み低くなっている。本来持っているスキルや知識も使えなくなっているんじゃないか?』
「理由はわかりませんが、おそらく。お恥ずかしい話ですが、自分が英霊であると言う自覚が薄く、まるでサーヴァントになりたてのようです」
「ジャンヌ、あんたの目的は一体なんだ?」
ラモラックがそう聞くと、ジャンヌはまっすぐ見据えて答えた。
「再びオルレアンを解放し、竜の魔女を排除します。啓示はなくとも、ここで目を背けるわけにはいきません」
気合の入ったジャンヌの言葉に、俺達は顔を見合わせて頷いた。
「それじゃあ次は俺たちの番ですね。俺は藤丸立香って言います。話を聞いて信用してもらえたら、俺たちと一緒に戦ってくれますか?きっと、俺達とあなたの目的は一緒だと思います」
「……わかりました、話を聞きましょう」
今回、というかしばらくは漫画を参考にしながらハイスピードで進めていく予定です。早く1章から3章を終わらせたい欲が出て来ていますが、どの章もかなり魅力的な場面もあるのでそこを中心に進めていきます。
ドクターの出番をさらっと奪っていくサーヴァント達の図。キャラをバランスよく出すのって難しいって改めて思いました。
何度考えても雑魚戦って書くことが案外少ないですね。マスター達ってどうやって指示出してるんだろうと思いながら書いています。戦闘描写についてはサーヴァントはゲームでの戦闘描写を、ガーレンとモーガンは当然ながらオリジナルです。リリィの戦闘モーションの変更まだかなーとか思っていますが、多分インビジブルエアとかはまだ使えないと予想。
ガーレンは強化魔術を中心とした剣術とそれを組み合わせた魔術が得意です。やろうと思えば擬似アルトリアみたいな攻撃もできます(いや、武器的にベディヴィエールかな?)原作の凛もキャスターとはいえサーヴァント相手に格闘戦をかましたり、新米とはいえ士郎もエミヤや英雄王と戦えたんだからFate世界の魔術師はワイバーンと戦えてもおかしくないって思ってます。
キャリスの魔術についてはまた今度。いつになったら出番が来るのか………。
後半に出てくるダ・ヴィンチちゃんの説教セリフは漫画からの引用ですが、多分立香の心配とグランドオーダーの重要性のことを言ってるんじゃないかなぁって思っています。一般人の彼を気遣っての言葉ですから、重要だと思って掘り下げました。
とはいえエミヤの言葉は立香にはフラグにしかならない模様。
さて、あとがき(と言う名の補足)が長くなりましたが、次回は例の鯖とのご対面となります!次回もお楽しみに!