Fate/GrandOrder Quatre Inconnus de Magiciens   作:オレン・オラージュ

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みなさんどうも、猛暑が続いていますが熱中症対策はできていますか?とオレンです。完全に夏休みモードに入ってて投稿が遅くなりました、すみません!

そしてまずはっきり言わせていただきます。4周年イベント、まさかガレス実装が来るとは私完全に予想外でした!!しかもあんな健気な子供だったなんて!!(イアソン以上の衝撃)
いやそれ以上にもっと大人のイメージで来るかと思っていました!!それがっ、こんな健気で癒される存在とは……ものすごく可愛いです。推しの一人です!

いや、そうじゃなくて円卓関連の第6章やるとなると、将来やる(やれるかな?)第6章で間違いなく壁になってきます。6章までだいーぶ長い期間があるのでそれまでにはどうにかするつもりです。が、来月からはかなり忙しくなるので更新が遅くなることをあらかじめお伝えしておきます。急いで「第1章終わらせよう」「終わらせなきゃ」と焦燥感にかられていますが、どれもマスター達やマシュにとって大事な成長要素なので外したくない!という欲求が多く、とかなり悩んでいます。ひとまず今年中には第1章終わらせるぞー(遠い目)


さて、今回はキャリス視点からになります。では、どうぞ!



王妃の決断、騎士姫の思い

 恋話をした(とこっそり聞き耳を立てていたアマデウスから聞いた)翌日の朝、俺たちは事前に捜索の組み分けを決めていた班に分かれた。

 

 

 立香さんとマシュ、清姫さんとアマデウスさん、そしてシュミットさん達がティエールという街へ。

 ジャンヌ・ダルクさん、マリー王妃、エリザベートさん、ガーレンさん達、そして私キャリスとサーヴァントはモリソンという街へ向かうことになった。

 

 ちょっとだけ偏りがあるような気はしないでもない、主に班の男女比のことで。

 

 

 

 

 

 なお、その恋話を聞いていたアマデウスさんがかなりのセクハラサーヴァントだったことは置いておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ともかく、数日をかけてモンリュソンという街へ到着しました。

 張り合いがなくてエリザベートさんのテンションが下がっていたこともありましたが、道中は特に問題もなく……いえ、敵が出てきたとしても主にガーレンさんの指示力が的確すぎて私の出番ありませんでした。

 

 

 

 「ここはまだ侵略されていないみたいですね」

  「民も落ち着いた様子ですわね。みなさん、とても不安でしょうに……」

  「モンリュソンという街は……元々は軍事上の要衝として発展した街だと聞いているわ。戦争中でもきっと落ち着いていたから、どうにかなったんじゃないかしら」

 

 マリー王妃の言葉にモーガンさんが辺りを見ながら頷いていました。エミヤもふむ、と様子を見ながら言います。

 

  「いつの時代にもいるのだろうな。反抗勢力というものが、どこにでもな」

 「はい。しかし、こちらにその竜殺しがいるとよろしいのですが……」

 

 私が不安げに見回していると、リリィが立ち止まって「あ!」と声をあげるのが聞こえました。

 

  「あそこの人……!」

 

 リリィが指した方向を見ると、路地裏の方でフードを被ったこちらの様子を見ていました。しかし、私たちが気づくとすぐに路地裏の方へ引っ込んでしまいました。

 ただ、この魔力反応はどこか覚えのあるもので……。

 

  「あれは、サーヴァントか?」

  「! もしかして、例の竜殺しじゃない!?よかったぁ、ようやく見つけたわ!」

  「え、エリー!?待ちなさい!」

 

 路地裏の奥へ引っ込んでしまったエリザベートさんを追って、私たちは路地裏の方へ入って行きました。

 

 

 

 

 

 

 薄暗い路地裏に入ると、先ほどのフードを被った男の人が立ち止まってこちらを向いていました。

 

  「ようやく見つけたわ竜殺し!あなたの力が必要なのよ!」

 「え、エリザベートさん!?そんな危険なことしないでください!!敵だったらどうするんですか!?」

  「ええ、大丈夫よきっと!多分!どうにかなるわ!」

 

 信用できませんよそんな簡単に!!?

 

 ハラハラとした面持ちでフードを被った男の人を見ていると、はぁとため息をついてガーレンさんが前に出ます。その手はいつでも剣が抜けるよう、鞘に手をかけたままです。

 

  「聞いてもいいかしら。あなたが竜殺しでしょうか?」

  「いいえ、残念ながら。……どうやらそちらのサーヴァントは狂化されていないご様子」

  「どういう意味ですか?」

 

 リリィが首を傾げて聞くと、にこりと彼は微笑んで言いました。

 

  「ラ・シャリテの情報はこちらにも届いています。あなた方でしょう?一瞬でもドラゴンに不意をついた人たちは」

 「!」

 

 それを聞いてハッと思い浮かんだのは、シュミットさんのサーヴァントであるシャルルマーニュさんでした。確かにシャルルさんはラ・シャリテの防衛のために宝具を使って戦っていました。それについての情報がもう飛んで来たとは……あれ、こちらの連絡手段って考えたらどうなっているんでしょう?

 

 ふとそんなことを考えているとガーレンさんがええ、とうなずきます。

 

  「私たちではありませんけど、私たちの知り合いがやっていましたわ」

  「そうでしたか。……おそらくあなた方と私たちの目的はきっと同じだと思います。どうかあなた方の話を聞かせてはもらえませんか」

 

 

 

 

 

__________________________________

 

 

 

 

 ライダーのサーヴァント『ゲオルギウス』さんの案内である民家に連れてこられた私たちはその事情を彼に話しました。

 事情を聞いてゲオルギウスさんが頷いて、そちらの事情も話していただけました。

 

 どうやら彼はすでに竜殺しとともに避難できていたというんです。

 

 しかし、状況はとても厳しい者でした。

 リヨンにいた竜殺しは竜の魔女の配下との戦闘によってひどい手傷を負っていたというのです。正確には複数の呪いをかけられ、聖人達が唱える『洗礼詠唱』でこの呪いを解呪しない限りは竜殺しの力を振るうどころか戦うことすらままならないというのです。

 おそらく手負いを受けながらもモンリュソンへ来られたのは聖女マルタのおかげなんだろう、とジャンヌさんが推測していました。

 

 

 

 別の班でティエールという街へ向かっていた立香さん達にも連絡を取り、今までの話を聞くことができました。

 

  「ですがご安心ください。私とゲオルギウスには解呪の力があります。二人でなら時間がかかりますが、呪いを解くことはできると思います」

  『そっかぁ!!よかったぁ、かの英雄『ジークフリート』に直で会えることもそうだが、そっちの班が無事にたどり着けてよかったぜ。なあ?マスター!』

  『なんで僕に降るんだい』

  『え、だってマスターあんだけガーレンのこと心配して『セイバー?ちょっと口を閉じようか?』いや、なんでもないっス!』

  「そっちはそっちで相変わらずのようね……」

 

 シュミットさんとシャルルさんの会話に呆れたガーレンさんが眉間のシワを揉んでいるのが見えて私も自然と苦笑いが出て来ました。

 

  『それにしても解呪の力を使える人が二人もいるって……いや、ありがたいんだけど、なんで使えるのかな。やっぱりジャンヌは聖女だから?とか?』

  『おいおい、ゲオルギウスについても知らんのか坊主』

  『ゲオルギウスさんは聖人として語り継がれている人物です。聖人や聖女と言った神に仕えてきたサーヴァント達には洗礼詠唱と呼ばれる詠唱が使えると聞いたことがあります。日本の仏教でいうお経、のようなものでしょうか』

  『へー………』

 「エミヤさんにはそのような逸話はあるんですか?」

  「いや、残念ながら私にはそのようなものはないぞ」

 

 興味本位で聞いてみたらなぜか否定されました。エミヤさんの逸話は全然聞いたことがなかったのでこの機会に聞いてみたかったのですが、ちょっと残念です。

 

 すると立香さん達の方で何かうなり声のようなものが聞こえたような気がしました。立香さんたちもどうやら空の方を見上げています。

 

  『今のはなんでしょうか?』

  『なんだか嫌な音が……しっ、皆隠れるんだ!』

 

 アマデウスさんの指示で茂みに隠れる皆さんの声が聞こえてきます。不安になって思わず画面の方を凝視していると、突然画面が切り替わってドクターの顔が出て来ました。

 

 「ふえ、ど、どうしたんですか!?」

  『緊急事態だ!すぐに避難するんだガーレン、キャリス!今立香君たちの頭上を邪竜が通ったんだが、こちらで侵攻ルートを割り出した。邪竜が向かっているのはオルレアンの方向じゃない、君たちのいるモンリュソンだ!!』

 「「「!!?」」」

 

 ドクターの言葉に私達は驚きました。するとラモラック卿が慌てたように身を乗り出して聞きます。

 

  「ちょっと待て!?一体どうやってここがわかったんだ?」

  『それについてはわからない!ただ、今の状態で邪竜と戦うのは不利だ。至急この街から避難してくれ』

  「待ってください、それではこの街の市民はどうなるのですか!?」

 

 リリィが聞くと、ドクターが苦虫を潰したような表情になって口をつぐみます。その先の言葉は私も予想がついて、さっと青ざめました。

 

 ドクターが口を開こうとすると、その言葉の続きを言うようにモーガンさんが声を出します。

 

  「見捨てることになるわね」

  「モーガン、それは……!」

  「事実でしょう?私たちは人類を救うためにあの黒いジャンヌを打たなければいけない。そして今私たちの最大の障害とも言える邪竜を倒せるのは竜殺ししかいない。ここで私たちが倒れることはできないわ」

 

 モーガンさんがいつにも増して厳しく、そして冷酷な表情で言いました。あまりの冷たさにエリザベートさんと私は息を飲みます。

 それに追い打ちをかけるようにエミヤさんも頷きました。

 

  「不本意だが、同意だな。我々には為すべきことがある。そのための犠牲、と言うには酷い言い方かもしれないが、時間がない。抗戦すれば全滅は必須だろう」

 「そんな、他にまだ方法が!」

  「では何かね?邪竜に対抗できる策があるとでも?現時点での我々では邪竜だけでなく、そのあとに来る他のサーヴァントと太刀打ちするのは難しいと思うが?」

 「それはっ………」

 

 エミヤさんの言葉に思わず反論しましたが、逆に聞き返されて黙り込んでしまいました。

 

 邪竜の攻撃はあの時感じた通り、とてつもなく強力だと思われます。あの時はシャルルさん達が身を以て止めてくれましたが、それがなんどもできるとは思えません。

 私もそれは理解できます。理解は、できているんですが……本当に、市民を見捨てて私達が逃げていいものか、分からない。

 

 

 

 

  「……モーガン、あなたの力でも無理なの?アーサー王伝説の伝承なら……って竜殺しの逸話はあなたにはないんだったわね」

  「そうよ。尚これはラモラック卿にも言えることね」

  「けっ、悪かったな」

 

 ラモラック卿が悪態をつきます。すると、「そうはいきません」とゲオルギウスさんが立ち上がりました。

 

  「私は市長からこの街の守護を任されています。市民の避難が終わっていない以上この役目を放棄するわけにはいきません」

  「いいえ、あなたは必要になるわ。竜殺しの呪いを解呪出来るのはあなたとジャンヌしかいないもの」

 

 

 

 

  「でしたら、私にその役目、お譲りくださいな」

 

 フランスを愛する少女はそう言いました。なんてこともない、まるで歌を歌うように。

 

 それがどういうことを意味するか、わからない私たちではない。

 邪竜だけではありません、いずれ来る竜の魔女や配下のサーヴァントも来るはずです。

 それはきっと、無事で済むものではない。

 

 

 「待って下さいマリー王妃!!それではあなたがっ」

  「いいのよキャリス。市民の避難が済むまでこの街を守る。残った方はアマデウス達と合流してそれぞれの役目を全うする。うん、そうなると必然的に残るのは私になるわ」

  「待ってください!待って、ねえ、マリー!!」

 

 ジャンヌさんがうろたえたようにマリー王妃に詰め寄ります。ですがマリー王妃は依然として微笑んだままです。

 

  「マリー、一緒に戦いましょう!一人ではダメでも二人なら」

  「ノン、だめよジャンヌ。貴女には貴女の役目がある。私はきっと、このために召喚されたの」

 

 そう、彼女は言います。

 敵を憎み倒したりするのではなく、人々を守る命として喚ばれたのだと。

 今度こそ大切な人たちを守るために、正しいことを正しく行うのだと言ったのです。

 

  「……それがあなたの誇りなのね、マリー・アントワネット」

  「ええ、そうよ。私は嬉しいわ。ジャンヌの旗の下で、シャルルマーニュという皇帝とともに、戦えたことが光栄でした」

  「……待ってますから」

  「アタシも、待ってるから。友達よ、アタシ達は」

  「ええ、すぐに追いつきます」

 

 そう言って彼女は部屋を出ていきました。

 

 心の底から嬉しそうに微笑んだ彼女の顔を、街の外へ走る背中を、私は忘れることはないと思います。

 花のようにほころび、英雄のように市民を守ろうと走る背中を、人々は『英雄』のようだと言うのでしょう。

 

 ですが本当に、これでよかったのでしょうか。もっと、他に何か、出来たはずだった。ですが、私達が生きなければ世界は救えない。ですが、市民を切り捨てるわけにはいかないのです。ですが、それでも。

 答えが出ない疑問が、私の胸の中から消えることはありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「………認めませんわ」

 

 ただ一人を除いて、は。

 

  「……?どうかしましたの?」

 

 モーガンさんが首を傾げて俯いているガーレンさんの顔を覗き込みますと、ギロリといつもの穏やかさを捨てモーガンさんを思いっきり睨みつけました。

 その眼光がいつにも鋭く、私は「ひっ」と悲鳴をあげて思わずラモラック卿の後ろに隠れました!先ほどの雰囲気とは打って変わった様子に皆さんも戸惑いを隠せませんでした。

 

  「王妃を、市民を守れなくてマスターなんてやっていられませんわ。当然です。市民もですが、王妃も守るべき対象の1つ。であれば、騎士が立ち上がらなくてどういたしますか!」

  「……ですがガーレン殿、ここはマリー王妃が」

  「知ったことですか!!」

 

 ゲオルギウスさんの言葉を遮って、パシリと一喝します。

 

  「私は魔術師であり、民と主君を守る騎士です。確かにサーヴァントという身であれど、マリー王妃はかつて国とともにあった王妃。それなのに騎士が王妃を見捨てるなど私にはできません」

 

 人を見捨てることを厭わない、ガーレンさんの意志。凛として話す彼女は、本物の騎士のようでした。

 はっきりそう言ったガーレンさんはモーガンさんに目もくれず、剣を持って部屋を飛び出しました。

 

 「待ってください、ガーレンさん!!」

  「マスター!お待ちください!!」

 

 リリィが慌てて後を追います。モーガンさんははぁ、とため息をついて頭を抱えました。

 

  「……戦力差は絶望的だっていうのに、マスターったら………」

  「いいんじゃねえの?」

  「ラモラック、あなたわかっているの?この状況。どう考えてもまずいに決まってるでしょう?」

 

 心底呆れた、というような表情にラモラック卿は不敵な笑みを浮かべて言いました。

 

  「確かに無辜の民を守るってのは騎士道だ。だが、健気にもその市民を守ろうとする王妃様を見捨てるってのも騎士道としてどうかと思う。だからガーレンのあの判断は正しいと思うぜ?」

  「…………」

  「というわけで、どのくらい解呪に時間がかかる?」

  「へ?」

 

 ラモラック卿がその笑みを崩さないままジャンヌ・ダルクさんとゲオルギウスさんに目線を向けました。呼ばれたジャンヌは少し考えてから、唇をかみしめて言いました。

 

  「……全力でやったとしても、数時間はかかると思います」

  「そうだなー、俺の『円卓の速き巨槍(メタルナイト・ラモラック)』でも無理がある。旦那はなんかないの?」

  「………それは時間稼ぎで、という意味でか?」

  「それ以外にないだろ」

 

 ジト見でエミヤさんを見ると、エミヤさんは大きくため息をついてしぶしぶと言った様子で言いました。

 

 

 

 

 

  「………なくはない、がいくつか難題があるぞ」

 

 

 




もうガーレンさんが主人公でいいような気がしてきましたオレンです……。いや、もう立香君の影があまりにも薄く感じていて………!!

さて、オリジナル要素といえば街の様子とか、ゲオルギウスとの出会いの部分。第1章は前にも言った通り漫画を参考にしながら書いているのですが、漫画は出会いの部分など詳しく書かれていないので、かなり大雑把ですがこのような形に。
そしてゲームでエリザベートときよひーが出会う場所ってティエールだったんだなと最近漫画を読んで思い出しました。

あと補足です。
エミヤとモーガンは正論を言うと思います。全てはマスターの安全のため。それでもマスター達を生き延びらせるために市民を見捨てての撤退を促してます。人類を救うための犠牲だから致し方ないし、特異点を修復すれば助かると思っています。
それに対して市民もマリーも救いたいと願うのは、騎士道の心を持ったガーレンと本物の騎士であるラモラック。サーヴァントといえど王妃は王妃、フランスを治めた王の妻なのだから、見捨てることはできない。諦めることなんてできない、みたいな感じ。

キャリスは「自分は生きたい、けど市民とマリーを見捨てていいの?」みたいなはっきり言えない、みたいな感じの中立です。リリィはマスターの意思に従います!けど、市民を見捨ててよかったのかと言えばそうでもない、みたいな。曖昧ですが彼女も中立。


勝手ですが、キャリスとガーレンの対比するものってなんだろう?と考えながらこういった立場をあらかじめ決めています。
男性陣についてはまた次回のあとがきで。



毎度のことながら小説を書きながら先人様達は本当にすごい、と感心しています。その上で月1のペースで急いで書き上げるよりも、投稿期間長くてもいいからより良いものを書き上げたほうがいいんじゃないかという葛藤が私の中に常に渦巻いています。
ひとまず来月の資格検定のため、投稿は遅くなります。なるべく早く投稿していきたいとは思いますが、よろしくお願います!


それでは次回もお楽しみに!

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