Fate/GrandOrder Quatre Inconnus de Magiciens 作:オレン・オラージュ
皆さんどうも、月に1度の更新となりつつありますオレンです。
新学期が始まりましたが、なかなか忙しくて大変です。特に私はまだ学生ですが、授業時間が延びたので結構大変です。特に哲学、よう分からん。
FGOの方では第2部が始まりましたね!一章は本当に泣かせに来てましたね。あと剪定事象関連の話はくっそ重いのに加えAチームの様々な事情と言いますか。この先が不安だけど楽しみにしています……!
あと、先日バサランテとアヴィケブロンを引きました。現在育成中ですが、そろそろイベントが来ないと素材不足ががががが……。種火不足?いつものことですよ?
今回も立香視点から。戦闘シーンはぶっちゃけ苦手なので主に漫画を参考にさせてもらっています。なので戦闘シーンが漫画に似てるとかいうツッコミは無しの方面で。
ではどうぞ!
「らも、らっく……?」
そう名乗ったライダー…ラモラックはこっちを見て誇らしげに笑っていた。ランサーは舌打ちを打って、何と鎌を無言でラモラックに振り下ろして来たのだ!
それに気がついたマシュが盾を持ってその攻撃を防いだ。
「大丈夫ですか!?」
「わるいな嬢ちゃん。っていうか俺ちゃんと名乗ったぞ!?お前も名乗れ!!」
「素直に真名を言う奴がどこにいる!!?」
真名?何だそれ。
俺が首を傾げていると、そんな俺に気づいたのか丁寧に金髪の女性が説明してくれた。
「真名っていうのは、その名の通りサーヴァントの本当の名前ですのよ。本来の聖杯戦争中は真名を隠し通すのが筋。敵対しているサーヴァントに本当の名前がバレたら弱点も自分でばらしてしまうの」
「弱点?」
「サーヴァントっていうのは英雄や偉業が霊体という形で召喚されたものだと、さっき言ったわね。相手に真名が知られるということは、英雄の残した伝説・伝承が知られるということ、その弱点に繋がる情報をさらすことにもなってしまうの。例えばアキレウスだったら?」
「………あっ!アキレウスはかかとだけ不死じゃなかったから、踵が弱点であることが相手にバレてしまうんだ!」
「正解!」
俺がそう答えると、女性はニッコリ笑って言った。その俺達の会話を見ていた所長が大きなため息をつく。
「緊張感がないわねあなた達……。今どういう状況か分かってるの?」
「あ、はは……すみません」
「いいの、分からないことがあれば私に聞いてちょうだいな。今はどうにかして一緒にランサーを打開しましょう!」
笑顔でそう言う彼女は、どう考えても今の状況に不釣り合いな程の明るさを持っていた。その笑顔に、震えていた身体が自然と収まって行くような気がした。
そんな2人の様子をチラッと見ていたラモラックが相手の鎌を槍で抑えながらこっちに叫んだ。
「おいそこの2人!どっちかでいいから指示を出してくれ!もう片方は嬢ちゃんに指示を頼む!」
「分かりましたわ!」
「ああ!」
「それと嬢ちゃん、あんたはランサーより肝が据わっている!その根性の差をあのランサーに見せつけてやれ!!」
「はい!」
ラモラックの鼓舞に俺達は頷いた。
と、そこにまた新たな声が響く。
「いいねぇ、いいねぇ!なかなかいい心意気じゃねえかお前らぁ!!」
「その声は……!」
突如上空から炎が飛来し、大きな爆発を起こした。俺達は慌てて顔を腕で覆い、爆風を防ぐ。
両腕の隙間から前方の様子を見ると、爆発で起きた煙の中から誰か立っているのが見えた。
青色のフード付きのコートを羽織り、木の杖を持った男のようだ。
「俺はサーヴァントのキャスター。故あって奴らとは敵対中でね。敵の敵は味方って訳じゃないが、今は信頼してもらっていい」
「キャスター?」
「魔術を得意とするサーヴァントですわ。でもこの配置なら戦いやすいですわね。あなた、マシュの指示をお願い出来る?」
「君はあの2人を?」
「ええ。マシュには囮として、ラモラックにはその隙をついて攻撃してもらいましょう」
「分かった。マシュ!あいつは機動力がある。こっちから懐に入り込んで動きを制限してくれ!」
俺がマシュに呼びかけると、マシュは不安そうにこっちを見て来る。
多分さっきまで劣勢になっていた上、戦いが怖いっていうのもある。それらを押し殺して、マシュは戦っていたんだ。
なら、俺に出来ることは。
「大丈夫。ついさっき骸骨達から俺を助けてくれたじゃないか。だからきっと、大丈夫だ!」
「! ……はい!了解しました、マスター!」
マシュは俺に向かって頷くと、ランサーの方に向かって行った。同時に女性の方も声を張り上げてキャスターとラモラックに呼びかけた。
「ラモラック、マシュと一緒に相手をひっかきまわして!!キャスターは詠唱の準備を、大きいの一発お願いしますわ!」
「了解した!!」
「おうよ!!」
ガーレンの指示通りにラモラックはマシュとともにランサーに攻撃し、キャスターは俺達じゃ聞き取れない程の小さな声で何かを唱え始めた。
ラモラックは槍を時に突き、時に回るようにして器用に振りながら、ランサーに攻撃して行く。
「そのいたいけな虚勢、すぐに突き崩してあげましょう」
ランサーはその攻撃をさらりとかわし、ラモラックの腹を蹴り上げる。ラモラックはどうにかこらえ、後ずさりする。そんなラモラックとかわるように、マシュが盾を思いっきりランサーの顎に向かって振り上げた。
ランサーは間一髪でそれをかわすが、ついで態勢を立て直したラモラックが槍の先で思いっきりランサーを突き刺した。
「がはぁっ!!」
「あらよっと!!」
ライダーは血反吐を吐くランサーを、そのまま空へ蹴り上げた。放り出されたランサーは目を瞬きさせたが、次の瞬間目を見開いた。
それと同時に、俺達の目の前で詠唱を続けていたキャスターがニヤリと笑った。その手元には、複数の文字が宙を浮かび、赤く光っていた。
次の瞬間、その文字は全て火球になり、空中に放り投げられたランサーに全て向かって行き_____焼き尽くした。
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
ランサーの絶叫が響き渡る。
俺は思わず身体を震わせた。人が間近で燃えるところを見るなんて、映画であっても現実ではあり得ないことだと思っていた。
でも、それは今間違いなく目の前で起きていて。
ランサーは絶叫を挙げながら、遭えなく燃え尽きて行った。
☆☆☆
「敵サーヴァント消滅……戦闘、終了です………」
「やったな嬢ちゃん!」
敵がいなくなったことでホッとしたマシュに、ラモラックが肩を回した。
「きゃっ!?」
「いやあ盾をぶん回す奴を見るのはあいつ以来だ。あと、お疲れさんだったな!」
「え、い、いえ、ラモラックさんもありがとう、ございます……」
「いやあどういたしまして!可愛い子ちゃんのためなら何だって出来るぜ俺!」
「か、可愛い子ちゃん?」
そんな感じでさっきの戦いが無かったかのように、マシュとラモラックは話し始める。というより、ラモラックが一方的にマシュに突っかかっているようにも見えるが……。
俺はさっきのランサーの死に様を思い出し、吐き気がこみ上げて来たが何とかこらえる。
それに気がついたキャスターが俺の方に駆け寄って来た。
「大丈夫か?坊主」
「す、すみません……ちょっと、こう、緊張感が抜けたと言うか………」
「無理もないわ。あなた、戦い慣れていないでしょう?」
「お、お恥ずかしながら………」
俺がそう言うと、女性はクスリと笑って言った。
「ふふっ、やっぱりそうね。あなた、シュミットと一緒に追い出されてた子でしょ?」
「え、シュミットのこと知ってるんですか?」
「まあ、昔から妙な縁がありましたというか。私はガーレン、ガーレン・ブリーテンリッヒと言いますの」
ブリーテンリッヒ………!!ロマニやシュミットが話していた『武』を極めた魔術師の一家……!!
俺は驚いた。ここまで華奢な女性が、まさかブリーテンリッヒ家の女性だったとなんて。
「あなたの名前はなんて言うのかしら?」
「あ、お、俺は藤丸立香、立香って言います。あなたは、確かシュミットの言っていた人、ですよね?」
「ええ。どのようなことを言ったのかは知りませんけど、これからよろしくお願いしますわ!」
「は、はい!」
華やかな笑みを浮かべたガーレンと緊張感で固まっている俺は握手を交わした。キャスターがニヤニヤしながらこっちを見ているけど無視安定。
こんなお嬢様っぽい人が武を嗜んでいるなんて、何だか信じられないなぁ。
「ああ〜〜〜〜もうっ!!なんだって突然サーヴァントに襲われなきゃいけないのよ!!?」
すると和やかだった空気を壊すように、所長が癪癖を起こしたかのように頭を抱えて叫んだ。
「これからどうすればいいの?カルデアは?他の適正者達はどうなったの!?通信も繋がらないし、どうしてこんなっ……」
「落ち着いてください、所長」
マシュが所長を宥めていると、ガーレンがそういえば、と首を傾げてラモラックに問いかけた。
「そういえば、あなたにはマスターはいませんの?」
そう問いかけられたラモラックは、一気に顔色を青くさせた。
「しっ……しまったぁぁぁぁぁぁっ!!!マスター置いて来ちまったぁぁぁっ!!!」
「はいぃっ!!?」
「え、えぇーっ!!?」
「おい、それでいいのかサーヴァント」
なんと言う間抜けな答え。俺とガーレンは愕然とし、キャスターは苦笑いのような、失笑を浮かべる。所長は更に頭を抱え、その様子を見たマシュがオロオロしていた。
サーヴァントって、マスターの使い魔なんだよな?そのマスターから離れていていいのか?
そんな疑問が思い浮かんだが、とりあえずガーレン達が呆れている辺り、よっぽどいけないことだったらしい。
「ら……ライダぁぁぁぁっ!!どこにいるんですかーっ!!!」
「君のサーヴァントは馬鹿なのか!!?アホなのか!!?」
聞き慣れた女性と男性の声が俺達の耳に届く。声のした方向を見ると、暗がりから2人の人影が見えた。
黒く長い髪の、赤い額縁の眼鏡をかけた女性に、整った金髪の男性。2人ともカルデアの制服を着ていて……って、
「きゃ、キャリス!!シュミット!!?」
「ガーレン!!」
真っ先に走り出したのはシュミットだった。シュミットはそのままガーレンに飛びつこうとするが、ガーレンはそのままサッと避ける。シュミットは受け止めてくれる人がいなかったため、転んでしまった。
「ひ、ひどいじゃないかガーレン!!」
「あっ、ご、ごめんなさいですわ!いきなり飛びかかって来るとは思わず」
「そんなっ、ここは受け止めるべきところだろう!?感動の再会という奴じゃないのか!!」
「え、でもシュミットが無事だって思ってましたもの。しぶといですし」
「ひ、ひどいっ!!!」
ガーレンの冷めた言動に、シュミットは泣き真似をし始めた。何か、さっきまで部屋で話していたシュミットとは違って残念そうな雰囲気が漂っている。というかどれだけガーレンが好きなんだろう。
俺は苦笑いでその様子を見ていると、キャリスがラモラックに駆け寄った。
「ら、ライダー!!どこへいってたんですか!?し、心配しました!!」
「悪いマスター!ちっと戦闘に行っていて」
「お、お願いですから無茶しないでください!わ、私、心配したんですよ!?何かあったらどうしようとか、思ってて」
ラモラックは本当にすまん!と何度も謝りながら半泣きになっているキャリスの頭を撫でる。なんというか、慣れた手つきで撫でてるから、ラモラックには年下の女の子とかに弱いのだろうか?
ふと所長とマシュの方を見ると、2人とも何故か驚いたような顔をしてキャリスを見ていた。
「………あなた、確かもう1人の一般候補枠の子よね?」
「え?あ、オルガマリー所長!?」
キャリスは今ようやく気がついたかのように所長に振り返る。所長は愕然としながらラモラックを指して、言った。
「あんた、いつ、どうやって、サーヴァントを召喚したのよ………!!?」
「え?」
「あっ」
そういえば、何気なく聞き逃してたけど、ラモラックはキャリスのことを『マスター』って………えっ?
「あれ、そういえばマスター、こいつらと知り合いなの?」
「じ、事情を聞かないで走って行くからですよぉぉぉぉぉぉっ!!!ライダぁぁぁぁぁっ!!!」
ラモラックの問いに、もう涙腺が崩壊寸前のキャリスの叫びが町中に響き渡った……ってような気がした。
今回でようやく登場のキャスター、そしてキャリスとシュミット再登場です。これで主人公4人揃ったよ!やったね!!
ここからは個人的な感性の話になりますが、ガーレンやシュミットは生粋の魔術師なのでまだしも、立香やキャリスに人理焼却とか普通怖いと思います。一般人である立香は死体を見ると吐き気を催したり、命がけの戦いには不安を覚えます。でもマシュを守らなきゃ、助けなきゃって言う使命感と責任感が彼を突き動かしている。そんなイメージです。
ランサーの死に方は多分一般の感性で見たら惨い。まだ漫画のようにマシュがぶん殴った方がマシというもの。
所長は空気をシリアスに戻す担当。ちょっと空気読めなさ過ぎやしませんかねとか言うかもしれませんが、普通ならこんな異常事態にパニックにならない方がおかしい。
そしてラモラックのマスターはキャリスでした。次回はキャリスとライダーの出会いを掘り下げつつ、現状把握に戻ってきます。今のところキャリスと立香がメイン視点になっているなぁ。
では、次回もお楽しみに!
*どうでもいい雑談*
ここだけの話、オリ鯖を増やそうとして学校の勉強を頑張る傍ら、改めて歴史を勉強中ですが……元々苦手分野だったので悪戦苦闘中。アーサー王伝説だけは理解したけどその他はまるっきりダメだった。これで果たして大丈夫なのか………。