断絶剪定事象――狂喜月香世界 ヤーナム   作:見捨てられた娘と共に空を見上げる

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FGOのストーリー的な感じに進めるので、カルデアとかサーヴァントとかの基本的説明は(めんどいので)省きます。
時間軸的に、セイレム終わって少ししたくらいです。

ブラッドボーン主軸になる為、知らない人にはキツイかもしれませぬ。
出来る限り、知らない人でも分かるように頑張ります。
気になる人は、買おう!(ダイマ)。ちょっと過疎ってて対戦も協力もしづらいけどストーリーとか雰囲気最高だよっ!



序節 The beginning of The dream.
前篇


 

 

“彼”は――其処にいた。

おおよその世界を巡り続けた彼でも、見たことの無い光景がそこにはあった。

 

――大きな蒼の満月。そして、大木に見守られた白の花が咲き誇る柵に囲まれた庭園。庭園の先には、古ぼけた小さな屋敷の屋根も見える。

そんな場所に、彼は立っていた。

 

庭園、ではあったが――そこに明るさは無く、冷めた暗さが広がっていた。

風で靡く花の名は、彼には分からなかったが、ふと頭に“葬花”という文字が浮かんだ。死を弔う時に用いられる、そんな花。であるならばこの雰囲気にも納得だったが――何処か、ほんのり温かみを感じた。

何故、“葬花”だと彼が思ったのにも理由があった。それは、その花が囲んでいるのは、墓の群れだった。英文字で書かれた無数の名が刻まれた、なんて事はない墓の群れ。無造作に置かれたそれに、彼が思い描く供養は無かった。しかし――やはり何処か温かみを感じた。

 

感じる風と、それに運ばれる得も知れぬ不思議な香りが彼を、少しは癒す。

しかし、庭園から視線を逸らした先には――不思議な色彩を持った空に、表現出来ない無数の不思議の柱が空を突きぬけるように伸び、柱の下は不思議な白の靄に隠されていた。

まるで、この庭園が世界から区切られてしまったかような、そんな孤独感が彼の内を少しずつ冷やして行った。

 

そんな中で――彼は不安を隠す事が出来なかった。こんな場所に、何の脈絡も無く居るというのに困惑を覚えたのだ。

最近、サーヴァントが見る夢に誘われるのは良くあることだったが、それにしたって疑問が残る。

サーヴァントの夢には必ず何かしら、その本人の色が現れるのだ。場所であったり、風景であったり、それはバラバラであったが、何処かしら分かる所がある。

だが、此処にはそれがない。彼はカルデアに居る全ての仲間の事を熟知……とは、恥ずかしながら言えなかったが、理解はしていたつもりだった。だからこそ、此処には彼の仲間達の由縁ある場所ではないと断じたのだ。

……最近、カルデアの仲間になったアビゲイルという少女の場所かもと、彼は考えたが――彼女のいたセイレムに、このような場所は無かったはずだと首を振った。

 

……もしや、前にあった監獄塔のように何処か知らぬ場所に飛ばされてしまったのか、と彼は考える。

であるならば、かなりのピンチだ。

彼は一年間の死闘と呼べる試練を経った事によって成長していたが、それでも元はただの人であった。だから、得た力も未だ半人前の域であり、分単位、己を生かすくらいしか出来なかった。

しかし、これでも十分だった。彼の戦いでは、それが出来れば信じる仲間が助けてくれたから。

 

だが、此処には誰も無く、彼が一人が立っていた。

 

………。

……。

……しばし、この状況を打破する思案に耽った彼だったが――まず、辺りを見回す事にした。目は死んでいた。現実逃避だった。

 

しかし、辺りには花と墓、大木にそれに半分ほど隠れた満月程度。不思議な雰囲気に満たされていたが、彼が此処にいる理由が見つかる事は無かった。

であるならば、と。彼は庭園の先に見える屋敷を見やった。

屋敷なのだから、人は居るはずだ。居なくても居た形跡はあるはずだ。

 

そう思い、其処に向かって足を進める。

程なく、庭園を囲む柵の出口が見え、そこを潜ると屋敷への道が見えた。

その道を沿って歩く。道には、等間隔に並ぶ墓らしきモノがあったり、不気味に置かれた人形があったが――少しでも早く、誰でも良いから合流したいという思いから、一瞥した程度で屋敷へと進む。

 

屋敷の扉は開かれていた。招かれている……というよりかは、適当にしているというのが印象だった。

中に入ると、古めかしい本棚と入り切れずに積まれた本の山や何の液体か分からない物が入っているビンが並べられた棚。天井から吊るされている無骨な武器の数々。

人が住んでいるような形跡はあったが、人の気配は無かった。暖炉で燃える焚き火は空虚な熱を放っている。

 

人の居ない事に落胆を覚えた彼は、それでも此処は何処なのか探ろうとしたその時――

 

 

 

――急激に視線が其処に向いた。

 

 

 

屋敷の奥、祭壇らしき場所。そこに祀られているかのように上等な布に乗せられた――()()()()()()()()

色を失ったような黒灰色のとぐろを巻いた物体、と言っても良いのか分からない不思議なモノ。所々に空いた穴は深淵のような底が無い深さに満ちていた。

 

それに――何故だか、吸い寄せられる。心の底から湧き出てくる物も分からず、彼は一歩、また一歩とソレに近づき始めた。

身体が勝手に動いていた。彼の意志は、身体の動きにテンパりながらも止まろうとしているのに止まらない。少しずつ近づいて行く内に抵抗の意志すらも無くなった。

祭壇の前まで歩くと、無造作にソレを掴む。ゴツゴツとしていながらツルツルとした表面に、手に吸いつくような艶めかしい感触。全身の鳥肌が止まらなかった。

 

彼は不意にそれを掲げ、握り潰す――――

 

 

 

『青ざめた血を求めたまえ。でなければ――夜は、決して明ける事は無い』

 

 

 

()()()()()()が、彼の耳に入り込むように伝わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ……つぅ……あああ」

 

 

ベッドからよろよろと起き上がった“彼”――藤丸立香の目覚めは最悪だった。

身体全体から感じる重い倦怠感は、人理修復の為、特異点を駆けずり回った後の疲労に匹敵していると確信を覚えるほど、ダルく辛い。

さらにガンガン、と鳴り響く頭痛、口の奥から香るツーンとしたアルコール臭に瞼の辺りから伝わる鈍痛。そのどれもがおぞましいほどコンビネーション抜群で、立香の体調をドンドン悪くさせる。

 

「うっぷ……っ」

 

有り体に言えば――反射的に口元を抑えた立香は、二日酔いだった。まだ未成年であるのに。

湧き上がった物を飲み下す不快感を味わいながら、立香は父が会社の飲み会で酔っぱらって帰って来た翌朝、ゾンビの方がまだ顔色が良いと思えるくらいに死んだ顔をしてたのに思い出して、軽く苦笑を零す。少し気が楽になった感じはしたが、それは懲りずに浮上を続けようとする吐き気によって掻き消され、ゾンビのような声を上げるしかない。

 

「あらぁ、起きはったん?えらい早いんどすなぁ」

 

呻く立香の耳に伝わって来た二日酔いを引き起こした黒幕の声。そして、視界の端に映る死屍累々にその横で素知らぬ顔で酒を煽る元凶に、溜息を吐きながら――チラリとそちらを向く。

 

そこには――

 

「ご、ゴールデンドラゴン号……?なんだそりゃあ、ムッチャイカし……て……ああ、あああ……」

「私が、この程度で……こんなっ、お酒……うぐっ……ぎもぢわるいぃ……」

「すぅ……すぅ……ま、はとま……かにたま、かまたま……うどん……」

 

最早何を言っているのか分からない謎のうめき声を上げながら、カーペットも無い味気ない白い床に無数の酒瓶とともに倒れる立香と同じ被害者達がいた。

それは、坂田金時(Mr.ゴールデン)だったり、ジャンヌ・ダルク(悪ぶりたい生真面目系)だったり、エレナ・ブラヴァツキー(マハトマウーマン・ネオ)だったりする英雄聖女偉人達だったが、そこにいるのはお酒に呑まれた駄目な大人達でしかなかった。

そして、床に液体をこぼしながら転がる酒瓶と色気なんてあったもんじゃない倒れ方をしている酔いどれ共に彩られた屍山血河で、わざとらしい溜息を零すのは――酒がなみなみと注がれた大きな盃を傾ける、額から二本の角を生やす和風の少女。

大きな盃が似合わぬ可愛らしい子供に見えるが、彼女は鬼。人々に伝わる化け物として物語に登場する類であり、そのモノホンのガチモンである。

それも彼女は、酒呑童子。

日本では、特級の知名度を誇る鬼であり――特に此処(カルデア)ではやたらめったら人を酒の席に誘い、二日ほど使い物に出来なくなるぐらい酔い潰すのが趣味な、少し迷惑な鬼だった。

 

「まぁったく、影法師(さぁばんと)になったんやから、少しはお酒に強うなっとるかと思ったら、この程度やとは思わなかったわぁ。……まだ百本も空けてへんよ?」

「……単位おかしいよ単位」

 

立香がぱっと見るに、転がっている酒瓶の数は三十は優に越す。

椅子と机とベッド、そしてちょっとした趣味物しかないマイルーム――そこに、何処を歩いても酒瓶に当たるような有様なのだからその数はより多く感じてしまう。……酒瓶じゃなくて人だったりもするだろう。

 

「……ていうか、どうしてこうなった……」

「そりゃあ旦那はんと小僧が面白そうな事しよるから悪いんや。娯楽に目が無いんは鬼の性、覚えときぃ旦那はん」

 

そう、アレは何だったか。

 

深夜。今日も今日とて一日中動きまくった立香が寝る少し前、訪ねてきたのは――そこでゴールデンドラゴン号とかいうのをやたら褒めている坂田金時であった。

その手には酒瓶があって、要件は――“夜遊び”。まあ、簡単に言えば親の目を盗んで煙草やったりお酒飲んだりするのと同じ事を誘いに来た。

最近は、セイレムでの一件やそれによって襲来したアビゲイルのスキルによって発生したリアルパラノイアやら、気苦労が絶えなかった立香に対する労い、気晴らしの類だったのだろう。

持っていた酒瓶にもラベルは無かったし、ビンから透ける酒の色も見た事無いような色だった。おそらく、アルコール度が低くて、且つ滋養があるのを作れる人に作って貰ったのだろう。薬用養命酒的な物を。……密造酒は犯罪だったが、それをカルデア屈指の商魂が逞過ぎる者達(カエサル・コロンブス・シバの女王)によって、外に漏れなければ赦される……はずだ。

金時と立香は、親友と言えるくらい気安い仲。その遠回しな気遣いは嬉しいものだった。それを快く受け入れた立香は、適当なグラスでも取ってこようとしたら――そこで、延々と呻きながら身体不調を訴えているジャンヌ・ダルクがやってきたのだ。

このジャンヌは、伝承に伝えられている輝かしい聖女の反転した姿だ。即ち、白が黒に変わるような……品行方正な委員長が先公先公言う斜に構えた不良に変わったような感じだ。

だから、普通の彼女はやる事がなければ十時には寝るのだが、こっちの彼女は悪い事をする為に深夜の廊下を散歩していたのだ。そんな中、立香達が麗しい青春ごっこをしていたので邪魔をしてやるプラス他の女よりアドバンテージを得て仲を以下略という訳だ。

人が良く出来た立香と金時は、ジャンヌを快く受け入れ、不純な動機で邪魔をした(と思いこんでる)ジャンヌは若干、肩身が狭い気持ちでありながらも非行っぽい事にテンションが上がりながら三人でちびちびと酒を舐め、いつも言えないような少しだけ踏み込んだトークを楽しんでいたら――今回、一番の被害者たる酒呑童子に絡まれたエレナ・ブラヴァツキーが飛び込んできて、なし崩しで、ちょっとした洋酒を混ぜたチョコを密かに楽しんでいた子供達が、酒がたっぷり入ったウィスキーボンボンを食べさせられたような事態になり――こうした死屍累々が出来上がったという事だ。ちゃんちゃん。

 

「………」

「ふふっ、そんな恨めしそうな目ぇで見つめんといてなぁ、照れるわぁ……」

「照れる要素ないよね?」

 

はぁ、と立香は頭を抑えながら溜息を吐く。酒に耐性のある金時がぶっ倒れるものなど、良く自分が急性アル中でぽっくり行かなかったのを幸運に思うしかない。

立香は、ベッドの近くに置かれている時計を見る。今は、午前の二時になった頃。

金時が来たのが午後の十一時くらい、ジャンヌが来たのはその三十分後くらいで、エレナが襲来したのはそれから少しした頃だったのだから――まあ、多くて一時間くらいダウンしていたという事だ。

 

「うー……」

 

このまま寝れば治るだろう、と楽観視は出来なかった。ある意味、立香は此処では必要不可欠。立香自身それを理解していた。

そんな彼が、二日酔いでダウンした暁には、タガが外れた者達が何をするか分からない。トラウマ三人衆は嬉々としてやってくるだろう。そして商魂逞しい方々が怪しげな物品を広めないとも限らない。最近起きたコロンブスによる『レアプリ、ガラス玉と交換事件』は有史以来のぐだぐだ事件になったと断言出来る。ダウンしている間、またそう起きるとは限らない。独居房は安全策とはなり得ないのだ。

 

「医務室にでも行って薬でも貰ってこようかなぁ……」

「あらら、そこまであかんの?」

「うん、流石にね」

「そら、申し訳無い事したわぁ。次はもうちょい深く寝入るモンにしたるねぇ」

「いや、次無いから。次あったら何があっても逃げるからね。てか、どっちにしても二日酔い確定じゃないか」

「――なんでや酷い!いけず!ウチをこんな身体にしよってからに!!」

「いきなり変な事叫ぶのやめてくれないかなぁ!?」

 

鬼は怖いが、いつも酔ってる鬼はさらに怖い。

理屈なんてものはそこに無く、その場その場でテンションで行動するからだ。だからこうしていきなり服を脱ぎ、諸肌晒そうとしたりする。男として眼福と言えばいいのだろうが――切実に止めて欲しいというのが立香の気持ちだった。特に皆がいる食堂とかレクリエーションルームとかではさらに止めて欲しい。収拾がつかなくなるのだ。

脱ごうとする手を抑えて、適当に治してやると、何が可笑しいのかケラケラ笑い出す酒呑。立香はちょっと嫌味っぽく溜息を吐くが、寧ろ笑いを深めただけで何の抵抗にもならなかった。

……ともかく。

今は薬だ。此処は、現代魔術と科学の結晶なのだから二日酔いを何とかする薬くらいはあるだろう。もしあったら寝てる三人にも効くのを貰ってくるとしよう。

そう思って、酒瓶の海を避けてふらふらな足で部屋を出ようとすると、背中からじぃ……と見てくる気配を感じた。

 

「……ん?どうしたの?」

「……いや、なーんにもないよ?」

 

そう言って笑う酒呑はさっきまでと打って変わって少し気分を害したような風情だった。

……まさか、あまり構わなかったから拗ねたのか……?と、ちょっと申し訳ない事をしてしまったな、と立香は思いながらも、やっぱり今より明日の事が重要なので部屋から出ようとすると――

 

「待ちぃや、旦那はん」

 

声を掛けられる。なんだ、と振り向く前に――さらに声を掛けられた。

 

「――気ぃ付ける事やな。旦那はん。今は丑三つ時。人やないものが笑いながら歩きまわる時間やさかい――変なもんに絡まれるのはうちの旦那はんのええとこやけど……今回は風情もないどろどろの泥沼や。深く関わる事はないで?んな事に時間掛けるくらいなら、うちと酒でも飲んだ方が楽しいに決まっとる」

 

続けざまで喋る言葉は早口で、ちんぷんかんぷんだった。

夜の廊下を二日酔いで歩くなら転ばないように気をつけろ、と言っているのにも立香は捉えたがあるいは――

 

「まあ、酔うんは酒や。それ以外で酔うたらあかんよ?旦那はん」

 

 

 

 

 

 

 

カルデアは、どっかの雪山の山頂付近にある施設だ。いつもは強い吹雪で昼も夜もあったもんじゃない。たまに吹雪かない時もあるがあっても一時間とかその程度。基本的にはカルデアの窓には白以外映らない。

だから、ある種の時間間隔を整える為にか、カルデアの廊下は時間によって明暗を切り替えている。昼なら照明を付け夜なら最小限見える程度に暗くする。体内時計というのは存外馬鹿にならず、それが乱れれば体調を崩してしまう為、こういった配慮は必要だった。……まあ、現在のカルデアはそういった体内時計すらない人達……というか、人ではない者達の方が多い訳だが。

 

「………」

 

立香はそんな夜の廊下を歩いている。道の先がほんのり見えるくらいの薄く闇色に覆われた静かな廊下。その顔は体調悪いのは丸わかりの顔で、そして――悩み顔だった。

 

「さっきの言葉……なんだったんだろ」

 

酒呑にしては珍しい、真面目くさった警告。これだけで何となく立香を不安にさせるものだった。こういう時に限って変なてんてこまいが起きるのだ。

いやでも、それにしたってあの言葉はどうにも―――

 

「ん?」

 

そこで医務室へ向かう廊下の先から、足音が聞こえてきた。小気味良い靴音で、姿を隠そうとはしていない。

 

「……っ」

 

先ほどの酒呑の言葉が頭を一瞬過り、身構える。

もしや外敵がカルデアに侵入していた……なんてあるかもしれない。酒飲みが真面目な事を言うなんて死亡フラグ、気にしない訳がない。

しかし、その緊張は足音の主の姿が見えてくればそれは霧散して――むしろ更なる不安が訪れた。

 

薄暗がりから現れたのは、青白い肌をした大男。学者然としたゆったりとした服をしていながら、覗く腕は逞しく鍛えているもの。その手には暗がりから淡く光る本と、もこもこなファーが付いたマントを持っていた。

そして特徴的過ぎるデメキンみたいに目が飛び出たインスマスフェイス――

 

「おおっ、これはマスター。こういった夜に会うとは……中々、奇縁ですねぇ」

 

ジル・ド・レェ。

ジャンヌ・ダルクへの仕打ちによって、自ら非道に手を染め堕ちた偉人。反英雄と呼ぶカテゴリーで、結構危ない奴である。昼ならばいいが――こんな暗いとこで、正直会いたくなかった人物だ。

にぃぃぃ……という擬音がぴったり似合うにったり笑顔に、立香も引き攣りながらも笑みを返す。

 

「……こんばんは、元帥」

「おやおや、マスター。そんな警戒しないでください。私めは貴方様の下僕でありますよ?御身に傷を付けるような事はしませんとも……ええ、無論」

 

立香の不安は、直ぐに見破られてしまった。

……何とは無しに、申し訳ない気持ちになった立香は「……ごめんね?」と頭を下げた。

 

「気にしないで下さいませ。私は見ての通りでございます。怖がられるのはある意味宿命ですよ。さて……それは置いときまして。我が聖処女を見てはいませんか?ああ、光輝く麗しのではなく、闇の内でも燃え続ける方の」

 

つまり、今マイルームで唸ってる方のジャンヌを探しているという事だ。

こんな夜でも、ジャンヌ愛に満ちているジルに何だか安心感を覚えた立香は、小さく息を吐いた。

 

「ちょっと、いつもの酒飲み鬼に絡まれちゃってね。俺の部屋でダウンしているよ」

「おおっ!それはなんとも。……ですから、マスターもまるで土人形の如き顔色を……おいたわしや……」

 

一回被害を受けた事のあるジルは、本当に心配しているらしく案じるように顔を近づけてくる。……気持ちは嬉しいが、その顔は強烈だから止めて欲しい。

ていうか、ジャンヌ愛なら「我が聖処女に酒を飲ませるとは何事ですかキィィィィ!!」とか言いそうなものだけど……。

立香のそんな疑問が顔に出ていたのか、ジルは「いえいえ」と首を振る。

 

「良い物ですよ。お酒というものは。祝い事にも、嫌な記憶から目を逸らすのにもとても重要なものです。……生前私も良く酒に呑まれたものですよ。ジャンヌは生誕の日以外は滅多に口にせず、辛く苦しい時も誰に勧められてもあまり口にしませんでした……ですが、今はこうしてそういった体験を為さった。……傲慢な神によって奪われた人の生をサーヴァントとして追体験出来ていると思いますと、胸が温まる気持ちでございます」

 

ジルのジャンヌへの気持ちは、不純も何も無い純粋なモノであると理解しているからこそ、立香もその言葉に少なくない温かみを得た。ジルの気持ちも何となくわかったのだ。

だが、ジルは直ぐに我に帰る。

 

「それはともかく、今はジャンヌに頼まれたこのマントを献上せねば……」

 

そう言って今の今迄持っていたマントを軽く揺らす。

……確かにそれはジャンヌがたまに身に付けるマントだった。寒い所に行く時とか、今日はマントな気分とか、その場その場で付け外ししているようだが。

 

「なんで、元帥が持っているの?……まさか盗んだ?」

「いえいえ。流石の私も心得てますよ。最近、ジャンヌが戦う最中に自らの炎によって燃えてしまうと言ってましてね。ジャンヌが困っている時こそ、このジル・ド・レェ有り!っという事なのです」

 

……確かに、ジャンヌの操る炎は、たまにこっちにも被害(とはいえ、軽く服を焦がす程度)が来るほどに苛烈で容赦無い。それを放っている本人が却って怪我をしてしまうのはちょっと本末転倒にも思えるが。

ジルは、「ちょっとここらを触って見て下さい」とマントの裾を差し出した。言われるがまま、その辺を指で撫でると――マントには似つかわしくない。ヌメっとした感触が伝わって来て、反射的に腕をマントから離す。

もしやこれって、という顔をする立香に、ジルは満足そうにうなずいた。

 

「ええ、私が召喚する海魔。ありますでしょう?アレの皮を随所に縫いつけました。これならば生半の炎ではビクともしないでしょう。先ほど、厨房の方で甘味を漁っていた鬼殿に、これまた甘味を報酬に軽く炙って貰いました。この通ぉり!傷など見当たらないでしょう?」

 

誇らしげに見せびらかしてくるジルに、立香は苦笑を隠す事が出来なかった。

ジルが召喚する海魔というのは、彼がもう片方の手に持っている本から召喚される得も知れぬ形をした化け物だ。確かにアレなら炎に耐性があるだろうけど……ジャンヌが嫌がりはしないだろうか。ていうか、またばらきーは深夜に厨房に忍び込んだのか、またエミヤとか頼光さんとか怒られるぞ。特に頼光さんは大義を得た如く殺しを提案してくるからいつも擁護するのに一苦労なのだから勘弁してくれ――等々。一瞬の内にそう思っていると、見せびらかす事に満足したのか、ジルはマントをしずしずと折り畳むと、

 

「では、私はこれで。ジャンヌにこれを届けねばならないので」

 

ペコリと頭を下げて、ゆっくりと立香を通り過ぎる。マイルームにいるジャンヌに届けてくるようだ。……マントが気に入らなかった余波で、部屋が散らからなければ良い――てもう散らかってるからいいや、と諦める。

それよりも薬だ。クスリ、クスリ。ヤクチュウみたいでアレだが、あるといいのだが。

そう思って、歩きだすと――また、背中から声を掛けられた。

 

「親愛なるマスター、貴方だからこそ警告致します……ふふっ、いえ。気を付ける事ですな。生きるという事は変わる。それが人の生というモノ。それは尊いものです。ですが、今の私のように――変わり果てる事はないよう。コレはコレ、ソレはソレです。入れ替わったり、混ざるなんて事はありませぬぞ?」

 

どういう事か聞こうと振り向いても――あの大男の姿は、闇に消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………うーむ」

 

本日二度目の意味深な忠告である。

絶対に何か起こるな、と確信的な気持ちを抱いた。それも言った相手が真面目になった酒飲みと、怪しげな大男と来た。これはもうヤバイフラグがビンビンである。

どうしよう……ただでさえ、二日酔いなのに厄介事(イベント)とか勘弁してくれと、酔いが余計酷くなった錯覚すら受けた。

 

「……ともかく、今はこの酔いを何とかしよう……」

 

暗い廊下の先、目的地の医務室は目前にと迫って来た。ほっとしたのか、酔いが少し和らいで吐き気がマシになった感じすら覚えた。

扉の前に立ち、開けようとすると――部屋の中で、少しバタバタした物音が耳に入って来た。

 

「……また誰か医務室に運ばれたのかな?」

 

基本的に、カルデアにいる皆は病気とは無縁だ。しかし、色々と個性が強過ぎる者がいる為、怪我とか変な薬を飲んだ昏倒とかで運ばれたんだろうと楽観して、扉を開けた。

だが、目に入った光景に立香は酔いすら吹き飛ぶような衝撃を受けた。

 

――立香を自他ともに支えてくれた後輩が苦しそうにベッドに横たわっていた。

 

「……ッ!マシュ!?」

 

急いで、側に駆け寄ると――マシュは、ゴホッゴホッと咳を返してきた。目は何処か虚ろで顔は赤い。照れた赤面顔とは程遠い、赤色だった。

 

「あっ……先輩……」

「どうした!?なんか……また副作用でも……!」

「――ああ、ああ。立香君。少し離れたまえ。君にも移ると大変だからね」

 

勢いのままに声を掛ける立香の肩に手が添えられ、ゆっくりとマシュから引き離される。反発しようとも思ったが、聞いた事のある穏やかな声に、その威勢も削がれた。

振り向くと――そこには、大凡“美”というものが形になった美女がいた。その服装は異様に華美で目に眩しかったが、それでも美を彩るには相応しくはあった。

彼女は、モナリザ……の皮を被ったというか、そのものになったレオナルド・ダ・ヴィンチ。暫定カルデアの所長代理である知識人である。……でも、だから賢いという訳ではない。世の中には頭の良い馬鹿がいるように、彼女はその類だ。そしてだからこそ、人類史に名を残せたとも言える。

彼女がこの場にいるからこそ、立香は少しだけ落ちつきを取り戻せた。

 

苦しそうに呼吸するマシュには、答えを聞き出せそうに無い。それ故、ダ・ヴィンチの誘いに従い、少し彼女から距離を取った。

 

「それで、マシュは……?」

「まず。君が懸念するようなマシュの体質の問題じゃない。いや、それが原因ではあるんだけどね。直接的なものじゃない。そこは安心して欲しい。むしろこれは彼女が人間であるという事の証明さ。喜ばしい事と言える」

「うん……?」

 

いまいちダ・ヴィンチの言っている事が解せない立香が首を傾げる。

 

「つまり……?」

「つまり――今、マシュはね………………」

「………ごくりっ」

 

何故溜める。

しかし、ノらなくて拗ねられても厄介なので、わざとらしく生唾を飲む振りをした立香は本当に世渡り上手である。現にダ・ヴィンチは実に満足そうにしていた。

 

「マシュはね?……――風邪を引いているんだ」

 

「……風邪?えっ、風邪って……あの風邪?」

「うん、そうだよ。人間が掛かる病気の代名詞さ」

 

如何にもな事ではなく、実に現実的な事を言ったダ・ヴィンチに立香は軽く困惑を覚えていると、彼女は順を立てて説明してくれた。

 

「人理修復して外との連絡が付いたじゃん?だから、食糧とか情報とかを取引の為に会ったりするんだけど。その時に外の菌が此処に入って来てしまったみたいでね。外は菌が凍るぐらいに寒いが、中は住みよい丁度良い温度だ。菌にも喜ばしい。出来る限り滅菌しているつもりだが、いかんせんカルデアは広い。完全な除去は無理なのさ。……まあ、サーヴァントに風邪は効かないし、スタッフも医学魔術のエキスパートさ。そのぐらいの耐性はある。だけど、マシュはね。ああいや――()()()()()()、と言うべきか」

「………」

 

マシュ。

マシュ・キリエライトは特殊な経歴を持ったデミ・サーヴァントと呼ばれる存在である。だからこそ、他のサーヴァントのように、そして彼女に宿る者の力で、風邪という毒は本来効かないはずなのだ。

しかし――人理修復を終えて以来、マシュは不調で、サーヴァントとしての力が発揮出来ない状態であった。

言ってしまえば、疲れで免疫力が落ちてしまった所を、菌に狙い撃ちされてしまったという事だろう。

 

「まあ、風邪は万病の元という。気は抜けないが、そこまで気張るものじゃない」

「良かった……ですけど。なんで俺に言って――」

「……それはぁ……あ、まあ。マシュたっての希望でね」

「……マシュの?」

 

申し訳無さそうに言うダ・ヴィンチから視線を、マシュに向けると――苦しそうにしながらも、首を此方に向けるマシュと目が合った。虚ろな瞳には不安な感情が分かりやすく彩られていた。

 

「最近、君に迷惑を掛けてばかりいる――っと。マシュは思っててね。だから言わないで欲しいと頼まれたんだよ。まあ、一晩寝れば少しは治まるだろうし、後でひっそりと伝えようとは思っていたんだけどね」

「そっ、そんな事……!」

 

立香はその言葉に頭を振って否定する。

確かに人理修復の後に起きた亜種特異点の中で、マシュがいてくれたら心強いのにと思った事は無いとは言えない。だが、それでも今の今迄共に戦ってきた事とそれに戦えないなりにサポートしてくれた事を本当に感謝しているのだ。ただの人である自分が、ここまで行けたのは十中八九マシュがいてくれたからと断言出来る。

だからこそ、マシュの心配は杞憂だし、怒ったりするなんてあり得ない。むしろ――そう思わせるような自分に怒りを覚えるレベルである。

 

「まあ、こんな事で君がマシュを嫌うなんてあり得ないとは言ったんだがね。……君の事になると、マシュは妙に意固地になるから困ったものさ?」

 

最後の方は少し意地悪く笑うダ・ヴィンチから、立香は目を逸らす。少し顔が熱くなった感覚を覚えたが、それは酒がまだ残っているからだと誤魔化した。

と、同時に。精神が落ちついてきたからか体調もまた戻って来た――うっぷ、と声が出た。

 

「あっ、えっと、ダ・ヴィンチちゃん。実は……」

「ああ、分かってる分かってる。君がこんな時間に医務室に来るなんて、誰かが怪我したかエミヤ君達のご飯を食べ過ぎたか、あんの酔いどれ鬼に飲まされたかのどちらかって事は分かる」

 

そう言うとダ・ヴィンチは手頃な棚から、並べられたビンの中で同じのが沢山ある所から一つを取り出し、差し出してくる。青色の液体に満たされたソレには酔い覚まし薬( Awake drunk)とラベルが巻かれていた。

ありがとう、と一言言ってから受け取って一気にそれを煽る。爽やかなミント味で喉がスースーとするが、ゆっくりと、だが確実に治って行く感覚を覚えた。

 

「んで?今回の犠牲者は何人?」

「三人。金時と黒い方のジャンヌとエレナさん」

「ああ、了解。一通りの脅威は無くなったし、まだ心が清らかでいられるよまったく」

「あっ、ははは……」

 

酒呑を召喚して以来、大事なとこで必要なサーヴァントが酔いでダウンしているなんて事は良くある光景だった。だからこそ、元々は無かった酔い覚まし薬なんてものが常備されるようになったのだ。

今でこそちょっとした笑い話で済むが――少し前はちょっと笑えなかった事でもあった。

立香はまあ、これも個性かと受け入れられる精神を持っていたが、ダ・ヴィンチはそれに直面する毎に暗黒オーラを漂わせるほどだった。……そのおかげとも言えるのか、ダ・ヴィンチのはっちゃけが少し治まったとスタッフが噂しているのを知っている。

 

「んじゃ、私は被害者に薬の供給ととついでに加害者の折檻にでも繰り出すとしよう」

「えっ、マシュは――」

「――んん?君はマシュを放っておくのかい?」

「あっ、まさか……!」

「じゃ、そういう事だから。ああ、君に病気が移るのもアレだから同衾を赦さないけど、隣のベッドで寝る事は良いよ?あと、マシュは病気なんだ――そういう事は我慢したまえよ青少年?」

「―――~~~~っ!!!」

「それじゃあ、チャオ!良い夢を!」

 

ダ・ヴィンチは、それはそれは綺麗な笑みを浮かべると、そそくさと医務室から出て行く。

残ったのは治りかけ立香と風邪っ引きのマシュ。数瞬、こほこほと可愛らしい声が医務室を支配する。

 

「んー……あー、んー――うん」

 

葛藤。妄想。忘却。

それらを経て、立香はマシュの近くに寄って跪き、視線を彼女に合わせた。

 

「大丈夫?」

「……はい。前よりかは楽です。ごほっ、薬も服用したので直ぐに落ちつくと思います」

「そっか。なら本当に良かった」

「……あの、本当にすみませ――」

「――ねぇ、マシュ?」

 

顔を俯かせ、謝ろうとするマシュの頭を軽く撫でながら立香はしっかりとマシュと視線を合わせた。熱に浮かされ潤む瞳に少し見惚れるが、直ぐに我に返って伝えたい事を言葉に乗せた。

 

「たとえ、どんな事があっても。俺は――()()()()()()()()()()()()

 

少しの照れが混じるがそれでも本心だった。

人理修復の旅は、楽しい事もあったが――その殆どは苦痛の連続だった。死との戦いは、常に人と隣合わせだ。立香の居た場所はそれが表面化する事の無い安穏な場所であったからこそ、それは強烈なまでに立香の常識を叩き伏せ、何度挫けそうになったか分からない。

だけど、そのたびに仲間が――マシュが。助けてくれたからこそ、今の自分があるのだと強く立香は思っている。

 

「一緒にいるよ。その……マシュが嫌じゃなければ」

「そっ、そんなこっ――ゴホッゴホッ!!」

「っとと、ごめん!変な事言って」

 

急に起き上がろうとしたマシュは、その反動で強い咳が出てしまう。

立香は謝りながら何かを叫ぼうとするマシュを落ちつかせて、ベッドに何とか寝かせる。……その、自分でもちょっとアレな事を言っていたのに気が付いた為有耶無耶にしたいという気持ちもあった。

こほんっ、と軽く咳払いをした立香は、うんうんと手持ちぶさかに何か呟きながら、マシュの隣のベッドに移動する。ダ・ヴィンチの策に乗る……という訳では無かったが、やはり深夜なので眠い事は眠い。明日も騒がしいカルデアでの日々だ。少しでも寝ておきたい。

 

「よいしょっと……」

「………こほっ」

「さぁー寝よ。眠いなー」

「…………」

 

何故か恨めしそうに見てくる後輩の視線を無視しながら横になる。何度かお世話になったベッドなので特に違和感は無い。それに立香は枕が変わっても熟睡出来る特技を持っている為、少しぼぅ……としていればゆっくりと眠たくなってきた。

うとうととした気持ちの良いまどろみがやってきた。酒の効果もあるのか、いつもより曖昧で心地いい。

やってくる眠気にぼんやりと浮かんでいると――いつの間にか、ベッドから投げ出されていた手に、感触が伝わって来た。何かに包まれたような少しひんやりとした暖かさに。

 

「……私も、先輩が嫌でなければ居たいです。ずっと。絶対――()()()()()()()()()()()

 

立香の頭に言葉は入って来たが、意味を解する事は無かった。それでも反射的にこくりと頷いたような感覚を覚えた。手に伝わる感触はそのままで、少しその感触を確認するように動いていたが直ぐにそれは動かなくなった。

 

意識は直ぐにまどろみに呑まれ始めた。

ゆっくりと、ゆっくりと。立香の意識は――眠りへと引き摺られ始める。

 

 

そこで――警報が鳴り始めた。

 

 

『緊急!緊急!立香君のバイタル異常発生!マシュ君にもだ!あの子達は医務室にいる!近くのスタッフは直ちに向かって状況報告しろ!早く!!ダ・ヴィンチ所長代理も向かってくれ!』

「こちら、医務室にいる!……だけど、特に異常は見られない。ただ――二人は眠っているように見える」

『それはこっちにも分かってる!でも、数値がメチャクチャな数値を叩き出してんだよ!?こんなことは今迄無い!声を掛けてみてくれ!』

「分かった!立香君、マシュ君?おい、起きろ。大丈夫か?」

 

何か起きている。

それはまどろみに沈み掛けている立香には分かっていたが、それに言葉を返せないくらいには眠りを沈んでいた。

……何かに引っ張られる感覚がある。知ってる香りが鼻に付いた。夢見心地に起こる金縛りのようなモノを、漠然とした恐怖を立香は抱いた。

手を包む感触。それを強く感じながら、立香の意識は完全に闇の奥へと沈んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ああ、狩人様を見つけたのですね』

 

 

 

 

 

 

 

 





取り敢えず長い長い導入で、ブラボ要素少なめ。後編から完全にブラボ要素満載です。

需要がありそうなら続きを書きます。
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