妹が浮いている!? 夏休み編   作:Damy

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第12話です


兄妹と悪夢の再来

家に設置してあるクーラーがすべて壊れるという大災害が起きてからはや4日、空調の効いた快適な空間で朝を迎えた俺。

「お兄ぃー、起きてー」

しかも京華のモーニングコール付き!!珍しい!!

 

現在京華に起こされてから3分が経過している。なんでかって?俺が狸寝入りしているせいだよ!この時間を堪能するためにな!幸せ過ぎてもう死んでもいいかもしれん……

そろそろ夢のような時間も終わりにするかな…

 

そう思い俺は目を開ける───

「おはよ──ってなんで京華浮いてるんだ!?!?」

──そこでは妹が浮いていた!

じゃねぇよ!え?じゃあもしかしてこの緊急事態に俺は自己満足のためにあんなことを──

 

「すいませんしたー!!」

──気づいたら俺は土下座していた。ベットの上で

「え?なに、お兄ぃ。どしたの?」

「すいませーん!狸寝入りしてましたー!」

言った瞬間に京華の目の温度が氷点下までか下がるのが目に見えてわかっる。ふえぇ……

 

「なんで?」

「京華が起こしに来てくれたのが嬉しくてつい…」

「私がお兄ぃを起こしに来た時点で何かあったんじゃないか……とか思わなかった?」

「考えが及んでおりませんでした…」

「で、お兄ぃ。どうしようか」

「すいませんでした!次からは細心の注意をはらわせて頂きます!」

「そーじゃなくて」

「え?」

 

そーじゃない?どういうこと?

──はっ!そんな次からの行動じゃなくて今すぐ行動に起こせと!?つ、つまり足を舐めろとか、そういう服従の姿勢を見せろと!?そういうことでござりますか!

そう思い至った俺は早速行動に移すべく土下座の姿勢のまんまベットから京華の足元へと移動しようとした時。

 

「私今、幽霊の状態なんだけど、どうしようかってこと」

──あ、あーなるほどね。うん、そうだよね。京華がそんなこと言うわけないよね!焦ったーマジ焦ったー……

「そ、そうだったな!と、とりあえず救急車!救急車呼ばなきゃな!」

 

「なんでそんなに焦ってるの?お兄ぃ。それに今私の体寝ているのと変わらないから救急車呼んだって意味ないと思うけど」

そ、そういえばそうでしたね。この前京華が入院している時に医師の人が「睡眠状態と変わりありませんね」って言ってたな。

 

「そ、そうだな、じゃあ、京華の部屋に行くか。とりあえず」

「え?なんで」

京華がものすごい真顔でそう聞いてきた。

え?俺変な事言ったか?

「そりゃ京華の体の状態だって調べなきゃいけないし、当然だろ?」

そう言いながら俺は自分の部屋から出て隣にある京華の部屋へと行きドアを開ける。

 

その最中後ろから、「ちょっと、お兄ぃまって」とか、「えぇ?ほ、ほんとに行くつもり」とか聞こえていたけど状況が状況だ。いくら可愛い京華だからと言っても無視させてもらった。

「おじゃましまーす」

 

そういえば京華の部屋に入るのはいつぶりだろうか、中1とかそこらへんだったっけな。

その頃と今の部屋はだいぶ変わっていて、女子特有の甘い匂いがするし、可愛らしかった内装が少し抑え目になっていたりだとか……

そこまで見てベットの上で眠っている京華を見る。眠り姫のようだ……俺がシスコンこじらせすぎているとかそういうのではなく、世間一般的に見て眠っている京華は眠り姫だった。いや、意味わからん。

 

なんというか、京華は女子高生特有の大人とも言えず子供とも言えない、美しいって感想と可愛いって感想が同時に出てくる感じだ。

そこまで考えてふと思う。俺今眠っている女子の部屋に上がり込んでね?と。

さっきまで京華が慌てていた理由がわかったような気がする。京華は今俺の横で浮いているが京華の体は今俺の目の前で眠っているわけだ。あれ?自分で言ってて訳分からなくなってきたぞ………

 

それに加えて現在京華はものに触れることが出来ない。つまり部屋の片付けができないため微妙に部屋が散らかっている。これも京華が慌てていた原因の1つだろう。

「なんかすまん……京華」

何故かは知らんが無性に謝らなくてはいけない気がした。

「それはそれでなんかむかつく…」

まぁそうですよね…はは…

 

「とりあえず。呼吸と脈を測りたいんだがいいか?」

「うん、まぁしょうがないよね」

ここで「変なことしないでよね!」とか言われないあたりが信用されてるってことなんだろうな。

そういった信用には応えなきゃな。自制心、自制心。

 

「あ、京華って自分の体に触れるのか?」

そういうと京華は自分の体に近づいていき自分の体に触った、がすけてしまう。

なるほどな……と思いながら、京華が2人並んでるすげー!これで俺の幸福度も2倍だぜ!とほぼ真逆のことを考える。俺ってば器用ー。

 

「呼吸と脈になんの問題もなし。本当に眠ってるだけみたいだな…」

さて、どうするかな…この状態だと病院に連絡しても何ともならんだろうし……

「なんか…お兄ぃすごい落ち着いてるね…」

「ん?あぁ、いや。ある程度予想してたしな。それに京華が落ち着いてくれてるからかな」

 

これは前も言ったことだが、京華がこの状況で落ち着いているって言うのにはそれなりに違和感を覚える。普通なら「また幽霊になってる……」って恐怖したり混乱したりするだろ?

それでも京華は落ち着いて俺に接してくれているんだ。俺が冷静にならないでどうする?って話だ。

 

「なにそれ、意味わかんないし」

と、京華は少し拗ねてしまいそっぽを向いた。なにそれ可愛い!

そういえば俺が京華にこのことを初めて言った時もこんな感じだったっけな……

ついこの前のことなのに酷く前のことに感じる。もうおじいちゃんなのかしら。

 

「とりあえず飯食ってもいいか?京華」

「別に私に確認しなくても…」

いや、ここで黙って飯食い始めたら「私よりご飯の方が大事なの!?」とかって怒られちゃうだろ?いや、ないか。

 

 

 

 

俺は比較的簡素食事を用意し、やることのない京華のためにテレビをつけ適当なチャンネルに合わせ、飯を食べながら思考を巡らせる。最近日常ボケしていた脳みそを駆使して。日常ボケっておかしいよね?バトル漫画じゃないんだからさぁ…

 

作業着のおっさんに渡されたメモ用紙に書いてある“1ヶ月“これは今からだとちょうど1週間だ。つまり京華がこのまま1週間体に戻れない可能性もあるってことか……それに加えてこの状況を理解できなければ京華は一生体に戻れなくなってしまう。

 

京華の体は朝から何をしても目を覚まさないってことを今日の夕方辺りに病院に電話すれば取り合ってはくれるだろう。そこで点滴を打ってもらえば京華の体はひとまず安全と言えるだろう。

あとは──

 

「お兄ぃ、独り言うるさくてテレビ聞こえないんだけど」

「そうか…すまん…。じゃなくてね、今京華ちゃんの事考えてるからすこーし我慢してくれるとうれしいかな!」

「じゃあそこのメモつかえば?」

だからうるさくしないで、と目が語っている。ふえぇ怖いよぉ……

 

というか、これ、京華自身の事なんですけど……もうちょっと自分で考えようとかってないの?そんなに今見ているテレビ大事?

いや、まてよ?京華は以前俺のことを信頼しすぎているほどに信頼していると思えるセリフを言っていた。つまり、「お兄ちゃん、私の体のこと……お願いね♡」ということですか。なら、お兄ちゃん頑張るしかないよなぁ!と、いつもどうりのキモい妄想をしていると、ある程度要点がまとまった。ってかキモいっていうなし!

 

・京華の魂が体から離れる時の条件の模索

 

・京華が自分の体に意識的に戻れるかを京華の体を入院させる前に確認。

 

・以前調べることの出来なかった本屋の前のペンキを調査。

 

今思い浮かぶのはこの3つか……

とりあえず1つずつ潰していくか。

丁度さっきまで見ていたテレビも終わったため俺は京華への質問を始める。

 

「なぁ京華。前回と変わったところとかはないか?」

「特に何も無いかな」

「睡眠前とか睡眠中に違和感はあったか?」

「それもないね。夢も今日は見なかったし」

なるほど……ってことは1個目の項目はなかったっぽいな。

 

「ちょっと部屋戻るぞ」

そう言って俺は京華を連れて京華の部屋へとやってきた。本日2回目のこともあり今回は京華は何も言わなかった。

「ちょっとベタだか…体に合わせて寝ると体に戻るとか試してもらってもいいか?」

「ん……」

京華は実演してみるが──変化なし。

「じゃあなんか体に戻れそうな感覚とかはあるか?」

「それもないねー」

 

さっき頑張って立てた項目のうち2つが速攻で潰れた………

京華……お兄ちゃん……京華の信頼に応えられないかもしれない……

最後の1項目がなんの手がかりもなしなら本当にそうなってしまう可能性もある……

 

俺はパジャマを着替え、適当な服を着る。京華と出かける時は服装に細心の注意を払う俺だが。今日は京華が他人には見えないため、京華が京華の友達に俺といるところを見られて微妙な雰囲気になることはないからなぁ……

あの時は結構ショックだったなぁ…今まで自分の服のセンスがおかしいと思ってなかったからなぁ……

 

「京華ー本屋いくぞー」

準備のできた俺は京華に一声かけて家を出る。

すると京華が壁から出てくる。

「はいはーい」

そう言って俺の横を浮きながら並走する京華と、俺は本屋を目指した──

 

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