蛇噬「では始めましょうか。先攻後攻、お選びを。」
イル「後攻じゃ。先手はそっちに譲るぞ。」
蛇噬「わかりました。では私のターン。『クリスタニードル』をLv2で召喚。さらに『旅団の摩天楼』を配置し、配置時効果で1枚ドロー。以上でターンエンドとします。」
蛇噬
R:0 T:2 H:4 D:35
クリスタニードル:【2】Lv2
摩天楼:0 Lv1
イル「ワシのターン。『海帝国の秘宝』を配置。バーストをセットしてターンエンドじゃ。」
イル
R:0 T:4 H:3 D:35
海帝国の秘宝:【1】Lv2
蛇噬「私のターン。『斬首刀のシャドウスライサー』を召喚。アタックステップ、シャドウスライサーでアタックします。」
イル「…ライフじゃ!」
イル:ライフ5→4
イル「ッ……!」
蛇噬「以上でターンエンドとしましょう。」
蛇噬
R:0 T:3 H:4 D:34
シャドウスライサー:【1】Lv1
クリスタニードル:1 Lv1
旅団の摩天楼:0 Lv1
イル「シャドウスライサーか……随分昔に生きてたスピリットじゃなかったかのう?」
蛇噬「その通りです。と言っても、貴方に比べれば最近のスピリットですが。」
イル「…まぁ、ワシが生きてるのは旧世界からじゃからな。ワシのターン。『英雄皇の神剣』を配置。さらに『双翼乱舞』を使用して2枚ドロー。バーストをチェンジするぞい。」
【バースト】
グリードサンダー
→破棄
イル「新たにバーストをセットした。よって神剣の効果で1枚ドロー。ターンエンドじゃ。」
イル
R:0 T:6 H:4 D:31
海帝国の秘宝:【1】Lv2
英雄皇の神剣:0 Lv1
蛇噬「私のターン。『美麗鬼アラ』のアクセルを使用し、1枚ドロー。そして『旅団の摩天楼』をもう1枚配置、さらに1枚ドロー。シャドウスライサーをLv2にし、アタックステップ。」
蛇噬「シャドウスライサー、もう一度お願いします。」
イル「それもライフじゃ。」
シャドウスライサーの剣がイルのライフを削る。
イル:ライフ4→3
イル「…ライフ減少によってバースト発動!『紅炎の戦姫ブリュンヒルデ』!相手の合体していないスピリットを全て手札に戻す!!」
ブリュンヒルデが氷の一閃を放つ。
それが直撃したシャドウスライサーとクリスタニードルは蛇噬の手札に戻る。
蛇噬「赤と青の混色かと思えば白のバーストですか……ターンエンドとします。」
蛇噬
R:【4】T:2 H:7(1) D:31
旅団の摩天楼:0 Lv1 ×2
イル「ワシのターン。さて、早めに行ってしまうかの。」
イル「我が統べるは穢れの大海。水、そして智恵は全ての源なり!『獄海の四魔卿イル・イマージョ』Lv4で召喚!!」
イル・イマージョ Lv4 BP12000
蛇噬「これが獄海の四魔卿……海の賢者、と言ったところでしょうか。」
イル「賢者なんざ柄じゃないがのう。バーストをセットし、神剣の効果で1枚ドロー。
アタックステップ、ブリュンヒルデでアタック!アタック時効果でターンに1度回復じゃぞ!」
蛇噬「ふむ……ライフで受けましょう。」
蛇噬:ライフ5→4
イル「ターンエンドじゃ。」
イル
R:0 T:3 H:4 D:29
イル・イマージョ:【3】Lv4
ブリュンヒルデ:2 Lv2
海帝国の秘宝:1 Lv2
蛇噬「それでは私のタ……む?」
突然蛇噬が目を瞑り、左手を耳に当てる。
その状態のまま1分程が過ぎた。
イル「……?」
蛇噬「……さて、失礼しました。バトルを続けましょう。」
イル「……気にするな。」
蛇噬「ありがとうございます。では3コストで『蛇戦士フェウラーガ』のアクセルを使用。トラッシュにあるコアを1つライフに置きます。」
イル「紫でライフ回復…か……器用なもんじゃのう。」
蛇噬「白属性や黄属性とは違い、フィールドのコアを減らしますので、器用とは程遠いかと。
……では旅団の摩天楼を全てLv2にしまして、ターンエンドとします。」
イル「……なに?」
蛇噬
R:0 T:2 H:7(2) D:30
旅団の摩天楼:【2】Lv2
旅団の摩天楼:2 Lv2
蛇噬「ターンエンドです。そちらのターンをどうぞ。」
イル「……馬鹿にしてるのかの?」
蛇噬「何を言いますか。そのような事はありません。ただ私の中の優先順位に基づいて行動しているのみです。」
無表情でそう言い放つ。嘲笑、諦観、困惑、その他。
そのどれにも当てはまらない無表情に、イルは調子を崩されそうになる。
イル「……ワシのターン。」
イル(あの手の奴はやりづらいのう。恐らく馬鹿にしているわけでも嘘をついてる訳でもない、本当に奴の言う『優先順位』に従って行動しとるんじゃろうが……)
イル「『ストロングドロー』を使用。デッキから3枚ドローし、手札を2枚破棄する。」
手札
白晶防壁
巨人勇者ペルセウス
→破棄
蛇噬「防御効果にソウルコアを要する白晶防壁を捨てる……攻めてきますか。」
イル「アタックステップ、イルイマージョでアタック!!
さっきのターン、ライフを増やしただけだった事を後悔するがよいぞ!!」
イル「知は時に武器と転じる!【ソウルドライブ】発揮!!」
イル「手札のバーストカードを好きなだけ指定し、望む順に強制発動させる!
『グリードサンダー』、『獄海将軍スキッドメン・ジェネラル』、『双翼乱舞』を発動!」
イル「まずはグリードサンダーの効果、お前さんの手札が5枚以上なら、全て破棄して2枚ドローさせる!」
電撃が走り、蛇噬の右手に直撃する。その拍子に手札が全て落ち、消え去る。蛇噬はデッキの上から飛び出てきた2枚を左手で取る。
蛇噬「雷とは中々に痛いのですね……それにしても、本来なら地雷であるバーストを攻撃に使いますか。流石は邪神と言ったところ。」
イル「あと2つ残ってるのを忘れてやせんか?スキッドメンジェネラルの効果でお前さんのデッキをイルイマージョのコスト分、つまり5枚破棄する!」
今度は蛇噬のデッキが上から5枚舞う。
蛇噬は焦る様子もなく、ただただ感心したように眺めている。
イル「……?」
イル「………そしてスキッドメンジェネラルをLv2で召喚、最後に双翼乱舞で2枚ドロー!」
イル「ジェネラルの効果でイルイマージョとジェネラルはダブルシンボルじゃ!」
蛇噬「相手の防御手段を潰し、自らの手札を増やした上での打点増加……なるほど。ライフで受けましょう。」
蛇噬:ライフ5→3
イル「次じゃ、ブリュンヒルデでアタック!」
蛇噬「それもお通しします。」
蛇噬:ライフ3→2
イル「(ここまで何もなしか……いや、勝ちを確信するには早すぎるのう。じゃが行かぬ手も無し!)ジェネラルでアタック!ダブルシンボルじゃ!」
イル(さあ、どうでる……?)
蛇噬「……ライフをどうぞ。」
ジェネラルが蛇噬のライフを一撃で2つ削り、蛇噬のライフを0にする──決着。
蛇噬「いやはやお強い。流石ですね。」
イル「……どういうつもりじゃ?」
蛇噬「どうもこうもありませんよ。さて、帰りましょうか。」
蛇噬は踵を返し、立ち去ろうとする。
ヴァン「──待ちなよ。」
しかし、それが許される訳でもなく。前に立ちふさがるヴァン。
ヴァン「イルが勝ったらお前は拘束。言ったよね?」
鎌を突きつけながら高圧的に言葉を投げる。蛇噬は、なんでこの外見でこのプレッシャーが出せるのでしょうか。などと内心で舌を巻きながらも、冷静に答える。
蛇噬「先程イル殿に申しましたが、私の行動は一貫した『優先順位』によって定められるのです。約束を反故にするのは心苦しいですが、その約束も私の中の最優先事項には程遠い。」
ザンド「……なら力づくで「そうですね。力づくでここを去るとしましょう。」!!」
蛇噬が爪先で地面を叩く。すると、蛇噬の周囲に蛇が20程現れ、各々の方向に飛びかかる。
ヴァン「ッ──!!」
ヴァンは後方に、ザンドとイルは左右に飛び、蛇を避ける。
すると蛇達は、後ろに居たマグナや霊夢達に遅いかかった。
デスピアズ「……。」
マグナ「チッ!」
マグナとデスピアズが前に出て蛇を撃ち落とす。
しかし、2匹だけ撃ち漏らし、その2匹はさらに後方に居たメテオヴルムとヴァルハランスに噛み付いた。
ヴルム「ガッ!?」
ヴァルハランス「グッ!?」
噛み付かれた直後、2体は塵となって消滅。近くで見ていた霊夢や紫、幽々子をはじめとして皆が驚愕の表情を、見せる。
蛇噬「──さて、第一任務完了。また相見えましょう。」
蛇噬が空に飛ぶ。
ヴァン「待てっ!!」
ヴァンが追い、凄まじいスピードで差を縮める。スピードも乗せて鎌を振るう、が──
斬った瞬間、蛇噬は霧となって消えた。
ヴァン「──!!??」
蛇噬『──危ないところでしたね。次に会った時は全霊をもってお相手しましょう。』
マグナ「──なんだったんだ、あの蛇は。」
蛇噬が去って少しして、マグナが口を開く。
霊夢「そんなのわかんないわよ。でも、アイツらが噛まれただけで消えたってことは、毒蛇か何かじゃないの?」
デスピアズ「毒だとしたら塵になるのが理解出来ぬが……まあ恐らくは呪いの類だろう。正体は分からんがな。」
紫「……せっかくの情報源を潰されてしまったわね……少し迂闊だったかしら……。」
幽々子「……確かにもう少し待ってからでも、良かったかもしれないわね。」
ザンド「変わらんだろ。気付かれずに接近して訳も分からず逃げてったような奴だぞ?」
イル「………。」
ヴァン「……イル?」
イル「む?」
ザンド「どうかしたか?」
イル「……いや。」
イル(ジェネラルで破棄した中にあったあのカード……どこかで……。)
デスピアズ「何も損だけでないだろう。敵の1人を知ることが出来た。それだけで現状としてはいい成果だ。」
紫「……そうね、そう思うことにしましょう……今日はもう解散ね。また明日から、調査を再開しましょう。」
紫の言葉に全員が頷いた。
蛇噬「ただいま帰投致しました。」
蛇噬は跪き、頭を下げる。
その前に居るのは、例の少年だった。
少年「ご苦労様。いきなり呼び出して済まなかったな。」
蛇噬「何を言いますか。貴方の命令より優先すべき事などありませぬ。今でさえ、こうしてお声がけ頂くことだけでも恐縮な事なのです。」
「アイカワラズ大袈裟ダナ。」
2人が声の方を見ると、そこには赤い髪の男が。
蛇噬「……ダイノ殿ですか。」
ダイノ「負ケテモドッテキタソウジャナイカ。ツイニ焼キガマワッタカ?」
蛇噬「ご冗談を。仕事を失敗するのは貴方だけで充分でしょう。」
ダイノ「……ナンダト?」
少年「言い合いは他所でやってくれ。それよりも蛇噬、例の件についてだが。」
蛇噬「仰られると思っていました。手筈は整っています。後は彼が自ら器を見つけるでしょう。」
そう言うと、少年には驚きの表情が浮かぶ。
少年「………敵わないな。助かった。しばらく休め。もう1つの方はアイツに任せてある。」
蛇噬「承知しました。」
蛇噬はそう言うと、闇の中に消えていった。
少年「お前も休んどけ。まだソレに慣れてないだろ。」
ダイノ「アァ、ソウスル。」
ダイノも、蛇噬に続けてその場から去る。
すると、今度は別の声が聞こえた。
「全く、部下を甘やかすのは如何なものかと思われるがな。」
緑の袴に刀を持った男性。
少年はそちらを向いて答える。
少年「厳しくするのは性に合わん。……アイツは?」
男性「あの地雷者なら最後の器を探している。時期に見つけるであろう。」
少年「ん、分かった。」
男性「さて、拙者もこれにて。何かあれば報を入れよ。」
少年「あぁ、分かってるよ。」
少年「───もうすぐ、か。」
少年の呟きを聞く者は、誰も居ない