東方魔卿録   作:子アオ

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第1話『冥界と剣士』

───冥界。死した魂が成仏、及び転生するまでの時を過ごす場所である。何故か最近は生者の訪れる頻度が急激に上がっているがそこはここでは割愛しよう。

 

死後の世界であるため、冥界に住む者は基本的に魂のみでここにいる。

 

しかし、その中に1人─いや、人なのかも分からない、五体満足の状態でこの冥界に存在している者がいた。

………いや、そもそもこの者は死者なのだろうか?

 

男「───やけに魂の数が多いな……さしづめここは冥界と言ったところか。」

 

紫の長い髪の男。それも刀を帯刀している。

先程の発言から、ここは彼にとって未知の場所であるのだろう。

その割には冷静だが。

 

男「さて……まずはとりあえず意思疎通の出来る者を探すとしようか。」

 

男「………ん?」

 

男が辺りを見回すと、遠くに大きな桜と屋敷があるのを確認した。

数秒それらを見ていたが、後にそこに向かって歩を進め始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男「ふむ……思ったより大きいな。この広さならば恐らく何者かがいるだろうが……。」

 

屋敷の中に入った男。どうやら扉は閉まってようで、上から侵入したようだ。

 

少し歩いたところで、先程の桜の木を見つける。

 

男(死者の世界だというのに、随分と綺麗な桜だな。庭の中の植物も手入れの痕跡があるのを見ると、誰かが住んでいるのは明白───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───動くな。」

 

男「!?」

 

男が振り返ると、白い髪の少女が二振りの刀を抜刀し、片方をこちらの首にあてがっていた。

 

男「………初対面の者にいきなり刃を向けるなど、いささか野蛮ではなか?」

 

少女「貴方のような者がこの『白玉楼』に来るなどという知らせは受けていません。よって貴方はただの侵入者です。」

 

男「……確かに、正論だな。」

 

少女「そう思っているならば、早々にお引き取り願います。」

 

男「それは聞けないな。少々用事もあるのでな。」

 

少女「………そうですか。ならばこうしましょう。」

 

少女は刀を収め、カードの束─『デッキ』を取り出し、男に向ける。

 

少女「……この地では、大抵の争い事はバトルスピリッツで解決するのが常識です。

私が勝ったら、貴方には即刻ここを去ってもらいます。」

 

男「『バトスピ』、か………いいだろう。俺が勝てば、こちらの話を少し聞いてもらおうか。」

 

少女「望むところです。」

 

男「なら決まりだな───そうそう、これを忘れていた。」

 

少女「?」

 

何かを思い出したような仕草に少女は首を傾げる。

 

男「一騎打ちの際に互いに名も知らぬままでいるのはいささか無礼であろう。名乗りを上げるくらいはしなくてはな。」

 

少女はああ、そういうことか…と納得する。

そして双方構え、自らの名を名乗る。

 

 

 

 

「──マグナマイザー。邪神軍、四魔卿の一角に座す者だ。」

 

「──魂魄妖夢。ここ、白玉楼の主の護衛、及び庭師をしている者です。」

 

 

マグナ「では行くぞ、魂魄──!!」

 

妖夢「遠慮は無用、いざ──!!」

 

 

 

 

「「ゲートオープン、界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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妖夢「先攻と後攻、そちらがお選びください。」

 

マグナ「では先攻をもらおう。スタートステップ。」

 

マグナ「ドローステップ、メインステップ。

『ワンアイドデーモン』を召喚。さらに『獄土の騎士レフティス』を召喚する。レフティスの召喚時効果で1枚ドロー。」

 

マグナ「ターンエンドだ。」

 

マグナ

R:0 T:2 H:4 D:34

 

レフティス:【1】Lv1

ワンアイド:1 Lv1

 

 

妖夢「ではこちらのターン。スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、メインステップ。」

 

妖夢「『熱血剣聖リューマン・バーンカラー』を召喚。召喚時効果、デッキを4枚オープン。」

 

 

大地穿つ石剣

ネオ・ダブルドロー

太陽神剣ソルキャリバー

リューマン・クロウ

 

 

妖夢「この中から系統:剣刃を持つソルキャリバーを手札に。残りはデッキの下に戻します。」

 

妖夢「ターンエンド。」

 

 

妖夢

R:0 T:4 H:5 D:34

 

バーンカラー:【1】Lv1

 

 

マグナ「俺のターン。『旅団の摩天楼』を配置、配置時の効果で1枚ドロー。レフティスをLv2にアップし、バーストをセット。」

 

マグナ「アタックステップ。レフティス、行け。」

 

マグナの指示でレフティスが妖夢に突撃する。

 

妖夢「……ライフで受けます!!」

 

 

妖夢:ライフ5→4

 

 

マグナ「続いてワンアイドデーモンでアタック!!」

 

妖夢「それもライフです!」

 

 

妖夢:ライフ4→3

 

 

妖夢「ぐっ……。」

 

 

マグナ「ターンエンドだ。」

 

 

マグナ

R:0 T:1 H:4 D:32

 

レフティス:【3】Lv2

ワンアイド:1 Lv1

摩天楼:0 Lv1

 

 

妖夢「私のターン。(恐らく相手は紫の速攻。なら……)」

 

妖夢「『ガーネットドラゴン』をLv3で召喚します。そしてこのままアタックステップ。」

 

妖夢「ガーネットドラゴン、アタックです!」

 

ガーネットドラゴンが駆ける。マグナは、先程のフルアタックでブロッカーがいない。

 

マグナ「ライフだ。」

 

 

マグナ:5→4

 

 

妖夢「ターンエンド。」

 

 

妖夢

R:0 T:3 H:5 D:33

ガーネット:4 Lv3

バーンカラー:【1】Lv1

 

 

マグナ「俺のターン。『暗極天イブリース』をLv4で召喚。召喚時効果で1枚ドローする。」

 

マグナ「アタックステップだ。ワンアイドデーモン、もう一度行け。」

 

ワンアイドが先のターンと同じように飛んでいく。妖夢のブロッカーは1体。互いの手札とバースト次第ではそのままゲームエンドも有り得る。が──

 

 

 

妖夢「──ガーネットドラゴンの効果!!相手のアタックステップ中、こちらの系統:甲竜/竜人を持つスピリットは疲労ブロックが出来ます!!」

 

マグナ「何!?」

 

妖夢「ガーネット、ブロックを!!」

 

 

疲労していたガーネットが起き上がり、そのまま迎撃のため飛ぶ。

ワンアイドは回避しようとするが、体格差が大きいためか、避けきれずに叩き落とされた。

 

マグナ「チッ……続けてイブリースでアタック!BPは7000、ガーネットよりも上だ!!」

 

妖夢「くっ……そのアタックはライフで受けます!!」

 

 

妖夢:ライフ3→2

 

 

マグナ「ターンエンドだ。」

 

 

マグナ

R:1 T:2 H:5 D:30

 

イブリース:【3】Lv4

レフティス:1 Lv1

摩天楼:0 Lv1

 

 

妖夢「私のターンです。スタート、コア、ドロー……。」

 

妖夢「!(……いいタイミングですね。)」

 

妖夢「『リューマン・クロウ』を召喚。そして、リューマンクロウのスピリットソウルを発揮し、赤のシンボルを1つ追加!」

 

マグナ「!……大物が来るな……。」

 

妖夢「光より来たれ!黄金の剣聖よ!!

『アルティメット・アーク』召喚!!」

 

 

 

アルティメット・アーク Lv3 BP11000

 

 

 

マグナ「赤のアルティメットか……。」

 

妖夢「これだけではありません!『太陽神剣ソルキャリバー』アークに直接合体(ブレイヴ)して召喚!!」

 

大地からソルキャリバーが出現、アークがそれを引き抜き、構える。

妖夢が称したように、まさに剣聖と呼ぶにふさわしい姿だ。

 

妖夢「アタックステップ!お願いします、アーク!!」

 

アークが剣を構え、駆ける。

行く先はマグナ───ではなく、レフティスだった。

 

妖夢「ソルキャリバーの効果、相手のBP4000以下のスピリットを破壊します!!」

 

アークがソルキャリバーでレフティスを斬り捨てる。

そこからすぐに、マグナに向かって飛びかかった。

 

マグナ「ぐっ───」

 

アークが剣を振り下ろす。

その一撃は、マグナのライフを3つ奪っていった。

 

 

マグナ:ライフ4→1

 

 

マグナ「ぐっ………!!」

 

妖夢「アークはブレイヴしている時、自らに赤のシンボルを追加します。よってこのアタックは3点ダメージです。」

 

マグナ「やるな……だがそれで終わりだ。

ライフ減少によってバースト発動!『絶甲氷盾』!!

ライフを1回復、そしてコストを払うことでアタックステップを終了させる!」

 

 

マグナ:ライフ1→2

 

 

妖夢「辛うじて耐えましたか……ターンエンドです。」

 

 

妖夢

R:0 T:5 H:3 D:32

 

U・アーク:【1】Lv3

ガーネット:2 Lv2

バーンカラー:1 Lv1

リューマンクロウ:1 Lv1

 

 

マグナ「俺のターン……コアステップ、ドロー……ッ!」

 

マグナ「……フフッ。」

 

妖夢「……何がおかしいんですか?」

 

マグナ「いや………どうやら、このターンで決着がつくようだ。どちらが勝つかはこれから分かるが。」

 

妖夢「左様ですか………なら、白黒つけてしまいましょう。」

 

マグナ「もとよりそのつもりだ──行くぞ。」

 

 

マグナ「我が統べるは闇の大地。戦の舞台にて、ただ敵を地獄へと還す者────『獄土の四魔卿マグナマイザー』Lv4で召喚!!」

 

 

 

獄土の四魔卿マグナマイザー Lv4 BP25000

 

 

 

妖夢「な………見た事もないアルティメット……それに今、『マグナマイザー』って……。」

 

マグナ「察しがいいな。まあ、そこについての説明は今はよかろう……アタックステップ。」

 

妖夢(……来る!)

 

マグナ「俺自身でのアタック。アタック時効果、『トリプルアルティメットトリガー』ロックオン!!」

 

妖夢「!!」

 

マグナが右手を銃の形にして妖夢に向けると、妖夢のデッキの上から三枚がオープンされる。

 

マグナ「それぞれのコストは?」

 

妖夢「な……7、4、0……です。」

 

マグナ「全て8未満、トリプルヒットだ!!」

 

マグナがそう言うと、アルティメットの方のマグナマイザーがランスのような剣を薙ぎ払った。

 

それの斬撃が妖夢とそのスピリット達を襲う。

 

 

妖夢「なっ……!?」

 

マグナ「俺のトリガーのトリプルヒット時の効果。貴様のスピリットとアルティメットのコア6つ、ライフのコア1つ、手札2枚……これら全てをトラッシュに送る。」

 

斬撃が通り過ぎ、妖夢がフィールドを見ると、文字通りの更地となっていた。

 

マグナ「そしてメインアタックだ。どうする?」

 

妖夢「!……ライフで、受けます……。」

 

 

 

 

妖夢:ライフ0

 

 

 

 

 

 

WINNER…マグナ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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妖夢「……私の負けです。先の約束通り、貴方の事情をお聞きします。」

 

マグナ「あぁ、助かる。」

 

妖夢「…ですがその前に、ここ白玉楼の主、西行寺幽々子様にこの事を伝えさせて頂きます。従者である私が勝手な行動をとる訳にはいきませんので。」

 

マグナ「あぁ、構わない。して、その西行寺とやらは……

 

 

 

「説明はいいわよ~妖夢。さっきのバトル、見てたわ~。」

 

マグナと妖夢が縁側を見やると、桃色の服を来た女性がお茶を飲んでいた。

 

妖夢「ゆ、幽々子様!いつから……」

 

幽々子「わりと最初の方からよ~。見てて面白かったわぁ……さてと。」

 

幽々子「はじめまして、。ここの主をしている西行寺幽々子よ。名前で呼んでもらって構わないわ。」

 

マグナ「マグナマイザーだ。長いからマグナでいい。」

 

は~い。と気の抜けたような返事をする幽々子。

そして、妖夢に手招きして幽々子の隣まで移動させ、話し始める。

 

幽々子「妖夢が迷惑をかけてごめんなさいね。この子ったら来る人来る人だいたいみんなに対してこんな感じで。」

 

マグナ「いや、無断で侵入してしまった俺にも非はある。こちらこそすまなかったな。」

 

妖夢「い、いえ!私の方こそ、申し訳ありません……。」

 

幽々子「じゃあこの話はこれでおしまい、と。それでマグナさん、お話があるのでしたっけ?」

 

マグナ「あぁ。正確にはこちらが聞きたい事がある、というものだがな。」

 

幽々子「分かったわ。ここで話すのも何だし、中でお話しましょう。妖夢、お茶をお出しして差し上げて。」

 

妖夢「はい!かしこまりました!」

 

2人が部屋の中に入っていったため、マグナもそれに続いて白玉楼に上がる。

 

マグナ(2人から感じる感覚からして、ここが冥界であるのは間違いないな……ということは俺は死んだのか?

いや、死んだならば先程フィールドで行ったバトルでの痛覚は普通に考えて感じないはずだが……。)

 

 

マグナ「……まあその事についても、話をしていく内に分かるか。」

 

神皇との激しい戦いの末敗れた四魔卿。

その内の1人が、幻想の中に迷い込んだ日であった。

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