フェン「邪神の王様と戦えるなんざ光栄だねぇ。」
デスピアズ「くだらぬ世辞を言っている暇があるのか?」
ヘラヘラと笑うフェンをデスピアズは睨む。
フェン「そんな睨みなすんなって。先攻後攻、選んでどうぞ。」
デスピアズ「……我のターン。『邪神域』を配置。ターンエンド。」
デスピアズ
R:0 T:【4】H:4 D:35
邪神域:0 Lv1
フェン「マイターン。『アバランシュ・バイソン─フォートレスモード─』を配置。ターンエンドだ。」
フェン
R:0 T:【5】H:4 D:35
フォートレスモード:0 Lv1
デスピアズ「我のターン。『バーゴイル』を召喚し、召喚時のコアブースト。さらに『ネオ・ダブルドロー』を使用して3枚ドロー。ターンエンド。」
デスピアズ
R:0 T:5 H:6 D:31
バーゴイル:【1】Lv3
邪神域:0 Lv1
フェン「マイターン。『五角形の砦』を配置。さらにコイツに来てもらおうか。出てきな!『氷の覇王 ミブロック・バラガン』!!」
デスピアズ「氷の覇王か……実物との対面は初めてだが。」
フェン「へぇ、じゃあ今のうちに目に収めときなよ。……バーストセット。ターンエンドだ。」
フェン
R:0 T:5 H:2 D:34
ミブロックバラガン:【1】Lv1
五角形の砦:0 Lv1
フォートレスモード:0 Lv1
デスピアズ「我のターン。……さっさと決めさせて貰おう。邪神域をLv2に。そして疲労させる。」
デスピアズ「来るがいい、三龍神が一柱よ。『アルティメット・サジット・アポロドラゴン』、召喚。」
アルティメット・サジット Lv3 BP12000
フェン「……早くね?」
デスピアズ「そのように驚いている間に圧倒されるがいい。やれ、サジット。」
デスピアズの指示でサジットが駆ける。デスピアズはフェンのデッキを指さした。
デスピアズ「ダブルアルティメットトリガー、ロックオン!!」
フェン「ッ!!」
フェンのデッキの上2枚が舞い、コストが見える。
要塞騎神オーディーン Type-X コスト6
霊銀魔神 コスト5
デスピアズ「ダブルヒットだ。消えろ、ミブロックバラガン!」
サジットがミブロックバラガンを撃ち抜く。そして、続いてフェンに狙いを定める──
フェン「……アンタ、今手札何枚だ?」
デスピアズ「今聞いて何になる?」
フェン「いいから答えてくれって。」
デスピアズ「6だが、それが「6枚か、んじゃ貰うぜ。今仕掛けたのは『失敗』だったな。」なに?」
フェン「本来タイミングは別だがな。フォートレスモードの効果で、相手のアタック後にも発動できる──バースト発動!!」
突然、フェンのフィールドから凝固寸前の冷水の柱が吹き出る。その中から4発のビームが放たれた。
フェン「相手の手札が6枚以上なら、相手のカードを4枚指定して、それ以外をデッキの下にサヨナラだ!!手札3枚と邪神域以外消えな!!」
ビームはサジットとデスピアズの手札に直撃し、それらをデッキの下に還す。
フェン「最高の快楽とは他者の失敗!!アンタを後悔と失敗で塗りつぶす!!
我が分身、『闇輝石六将 機械獣神フェンリグ』をバースト召喚だ!!」
水柱を吹き飛ばし、機械の獣に乗った一体のロボットが出現した。
フェンリグ Lv1 BP6000
デスピアズ「……ッ!!」
フェン「いいねぇその
デスピアズ「……ターンエンド。」
デスピアズ
R:【1】T:6 H:3 D:34
邪神域:0 Lv1
フェン「クククッ、あーおもしれぇ……マイターン。『幻魔神』を召喚し、フェンリグに右合体。フェンリグと五角形の砦をLv2に。」
フェン「アタックステップ、フェンリグでアタック!!」
デスピアズ「来るか……!」
フェン「積み上げた盤面も成功も、全部崩れちまえ!!アタック時効果、【闇奥義・天獄】発揮!!」
フェンリグが銃を構え、邪神域に向けて撃ち出す。邪神域は凍りつき、砕けるようにフィールドから消えた。
フェン「フィールドと手元が白のカードのみで4枚以上なら、相手のネクサスかスピリット手札に戻して回復できる!!」
デスピアズ「ライフで受ける!!」
デスピアズ:ライフ5→3
フェン「もう1度アタックだ!フラッシュタイミング、『甲竜封絶波』!!フェンリグは回復する!」
デスピアズ「ッ……ライフだ!」
デスピアズ:ライフ3→1
フェン「ラストォ!フェンリグで3回目のアタック!」
フェンリグが銃からビームを撃ち出す。
デスピアズ「舐めるな……『リミテッドバリア』!!このターンの間コスト4以上のスピリットのアタックではライフは減らず、ソウルコアを使った時、相手のネクサスを1つ手札に戻す!」
デスピアズ「フォートレスモード、返すぞ!」
フォートレスモードが沈み、フェンの手札に返る。
ビームは展開されたバリアに防がれ、フェンはターンを終了した。
フェン
R:0 T:5 H:2 D:33
フェンリグ:【2】Lv2
五角形の砦:0 Lv1
フェン「惜しかったねぇ……ま、次で終わりさね。」
デスピアズ「……ひとつ聞く。」
フェン「ん?何?」
デスピアズ「貴様は先程こう言ったな。『最高の快楽とは他者の失敗』、『積み上げた盤面も成功も全部崩れてしまえ』と。」
フェン「……それが?」
フェンは顔をしかめ、デスピアズを睨む。
先程のヘラヘラした態度はどこへやら。
デスピアズ「一体何故そこまで他者の失敗にこだわる?」
フェン「……聞いてどうする?」
デスピアズ「言いたくなければそれでよい。我が貴様を”無意味に他者を貶める下衆”と認識するだけだ。」
フェン「腹立つ言い方すんねぇ…。
………能力だよ。」
デスピアズ「ほう?」
フェン「話しても今の俺っちならアンタらとの戦いには関係ねぇから話してやる。
俺っちの能力は【失敗する程度の能力】。他人が出来ることは基本俺っちには出来ねぇのさ。それで向こうじゃ無能扱いだ。」
デスピアズ「……。」
フェン「でも今は違う。ボスがくれた力のお陰で今はそれを抑え込めてる。そん時から決めたんだよ。成功ばかりを語る奴ら叩き潰す、全員に同じ”何も上手くいかない悔しさ”ってのを味あわせてやる。」
デスピアズ「……。」
フェン「もういいだろ。早く続け「ハハハハハ!!」……ア?」
デスピアズ「何かと思えばただの嫉妬か。くだらん。」
デスピアズが言葉を放ったその瞬間、フィールドの温度が下がった。
フェン「……んだと?」
デスピアズ「そのような能力を持ってしまったのは不幸と言えよう。だが、他者に同じ苦しみを与えようなど、自分勝手な子供の言い分に過ぎん。」
フェン「……。」
デスピアズ「全く、嫉妬というのはまこと見苦しいものよ───貴様が自らの能力でどれだけ苦労したかは知らんし、想像もつかん。
だがその責任の所在を他に求めるのはお門違いだ。
そしてその責任は誰にもない。貴様がそのような目にあったのは仕方の無いことだ。巡り合わせが悪かった。それだけだな。」
フェン「……黙って聞いてりゃ言いやがって──
───ぶっ潰す!!!!」
デスピアズ「フン。やってみるがいい。バーストをセットしてターンエンド。」
デスピアズ
R:12 T:0 h:3 D:33
フェン「……は?」
デスピアズ「貴様のターンだぞ?」
フェン「テメェ………どこまで俺っちを馬鹿にすれば気が済む!!マイターン、フォートレスモードを再配置。さらに五角形の砦とフェンリグを最大Lvに!!」
フェン「フェンリグでアタックだ!」
フェンリグが走り出す。先程のアタックよりも一段と速度が速い。
デスピアズ「『相手のスピリット、アルティメットのアタック後』、バースト発動。『次代機獣ブリザ・ライガ』。相手のスピリット一体をデッキの上に戻す。」
氷の波がフェンリグ押し寄せる…が、幻魔神が突然フェンリグの前に移動し、波を弾いた。
フェン「馬鹿が!!幻魔神の力で【超装甲:白】があんだよ!!」
デスピアズ「ハァ……。」
フェン「万策尽きたらさっさと「フラッシュタイミング」なにっ!?」
デスピアズ「本命はこちらだ。『フォビドゥングレイヴ』!!」
フェン「!!」
デスピアズ「今召喚できずにトラッシュに行ったブリザライガをノーコストかつ召喚条件を無視して召喚する。来い、ブリザライガ!」
地面を割って出現する白と金の獣。ブリザライガは出てきた途端、フェンリグに向かって走る。
フェン「くっ……!!」
フェンリグは幻魔神を合わせてもBP18000、対するブリザライガは単体で25000。
どう足掻いても覆せない差がある。
せめて、届くとすれば──
フェン「──【煌臨】!!発揮!!」
デスピアズ「…ほう。」
フェン「我が神が象徴するは”衰退”!『機神獣インフィニット・ヴォルス』、煌臨!!」
インフィニット・ヴォルス Lv3 BP25000
デスピアズ「ヴォルス……やはりか。」
フェンリグの足元から銀色の帯が大量に出現し、フェンリグを覆う。その覆われた帯を全て破って、一体の獣が現れた。
ブリザライガとヴォルスがぶつかる。互いが互いの体を千切り合うまさに獣同士の戦いだった。
両者共に体の半分以上が破壊された状態で頭突き合い、その衝撃でどちらも崩れ落ちる。
フェン「ッ……ターンエンド。」
フェン
R:5 T:【3】H:2 D:32
幻魔神:0 Lv1
フォートレスモード:0 Lv1
五角形の砦:0 Lv1
デスピアズ「我のターン。……感謝するぞ。フェンよ。」
フェン「何……!?」
デスピアズ「……そのヴォルス、今晒していいものであったのか?」
フェン「え………ッッ!!!」
デスピアズ「その様子では隠しておくつもりだったようだな。貴様の頭の姿を見た事のある我がいるならば当然の判断だが。」
フェン「………!!」
フェンは同様したまま。動かない。
すると、フェンの頭の中に声が聞こえてくる。
『貴様、何をしているッ!!??』
フェン「あ……ゴグマ……『闇奥義はまだいい!だが虚神だけは絶対に晒すなと頭から強く言われていたであろう!!』うっ……。」
ゴグマザン『いいからそこから離脱しろ!撤退するぞ!!』
フェン「ッ……わかった。解除!」
フェンがそう叫ぶと、バトルフィールドが崩れ始めた。
ヴァン「ピアズ!一体何が…!?」
デスピアズ「敵を見ろ。」
ヴァン「!…そうだ!」
ヴァンの様子から見るに、あちらもバトルを終えた直後のようだった。
デスピアズ「バトルには買ったのであろう?なぜ捕えない?」
ヴァン「それが……。」
ヴァンが前方を指さすと、そこには黒髪の少年の姿が。
少年「……たかだか邪神がここまでやるとは予想外だ。」
デスピアズ「……なるほどな。」
フェン「ボス……?」
フェンの声に答えることもなく、少年は指を鳴らす。
すると、3人の後ろに穴が空く。
少年「久しぶりだな邪神皇。まあ、今回は退いてやる。」
デスピアズ「ほう…?2対3だというのにか?」
少年「……理由は言わねぇよ。」
デスピアズ「……。」
ヴァン「ピアズ!今なら「やめておけ。」なんでさ!?」
デスピアズ「恐らく勝てん。負けもせんだろうが。」
少年「ま、そゆことだ。……あぁ、そうそう───
───ご愁傷様、邪神皇。」
そう言うと、3人は穴に呑まれて姿を消した。
ヴァン「なんで追わなかったんだよ!!」
デスピアズ「落ち着け。」
ヴァン「落ち着かないよ!!3対2って言っても2人は僕らが伏せた相手なんだからいけるでしょ!!」
デスピアズ「あのまま追っても逃げられるだけだ。そらにあの子供は本気ならば最悪我を上回ろう。これでも追うか?」
ヴァン「ぐっ…………はぁ、分かったよ。」
デスピアズ「ならいい。我は賢者に報告をしに神社に戻るが、貴様はどうする?」
ヴァン「とりあえず天狗の里に戻るよ。この事報告しなきゃだし、それに……。」
ヴァンは屍になった天狗を見つめ、歯を食いしばる。
デスピアズはそれを見て、ため息をつく。
デスピアズ「貴様が気に病むことではない。目の前で殺されたわけではなかろう?」
ヴァン「でも……。」
デスピアズ「厳しい事を言うようだが、分をわきまえろ。目の届かぬ所に居る者は助けも殺せもしない。今ここで貴様が引きずり続ければ、場合によっては貴様はさらに多くの者を殺すぞ?」
ヴァン「………わかったよ。確かに、もっと酷いことにならないとも言えない。」
デスピアズ「それでこそ四魔卿というものよ。」
ヴァン「じゃあ、僕は戻るよ。椛さんを心配させたくないし。」
デスピアズ「椛?妾の名か?」
ヴァン「言い方考えろ!!あとただの同居人です!!」
ヴァンは天狗の遺体を担いで、次元の裂け目に消えていった。
デスピアズ「……さて、我も戻るか。」
蛇噬「全く……敗北に飽き足らずヴォルス神の姿まで晒すとは……貴方は頭に綿でも詰まっているのですか?」
フェン「……なんの言い訳のしようもねぇ。」
蛇噬「さらには主にまで苦労をかける始末……主は今塵ほどの力も惜しいというのに!!」
今にも殺しに出そうな剣幕で叫ぶ蛇噬。フェンはただ俯いてそれを受けている。すると例の少年が後ろから現れた。
少年「あまり責めてやるな。意図的にやった事じゃないだろう。」
ゴグマザン「しかし頭。今回の此奴の失態は軽く済むものでもなかろう。」
少年「俺がいいと言っているんだ。フェンに今退場されるのは困るし……それに比べればヴォルスがバレただけなら安いモンさ。」
蛇噬「…承知しました。」
少年「フェン、お前もあまり気にするな。まだまだよろしく頼むぞ。」
フェン「当たり前だ、ボス。今後は今回のミスの倍以上は動いてみせる!」
肩の力抜けって、少年はそう言ってその場をあとにする。
少年(邪神皇にはバレたが……敵の内2体はもう確定で屠れる準備がある。あの二柱にやらせてるからな。後はダイノか……。)
少年「……もうすぐだ。ここでの仕事を終えれば───
───後は