東方魔卿録   作:子アオ

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第3話『挨拶』

ザンド「──ったく、この短時間で連戦たァめんどくせぇ。ここの連中は人の話を聞きもしねぇのか?こっちは聞きたい事があるだけだっつーのに。」

 

レミリア「……聞きたいこと?一体何を「なるほどな。」ん?」

 

レミリアのデッキから1枚のカードがザンドの頭の位置まで浮上してくる。

それに合わせてレミリアも立ち上がる。

 

ザンド「あぁ、やっぱテメェかウロヴォリアス。パチモンだったら笑ってやったんだがな。」

 

出てきたカード──ウロヴォリアスにも煽るような口をきく。口の悪さは恐らく彼の性分なのだろう。

 

ウロヴォリアス「全く、あいも変わらずの憎まれ口よ……。」

 

レミリア「話を逸らすな。なるほど、とはどういうことだ?」

 

ウロヴォリアス「簡単な話。こやつも私と同じという事だ。」

 

レミリア「……そういう事か。つまりお前もグラン・ロロで死に、ここに流れ着いた者の1人という訳ね。」

 

ザンド「その『ここ』っつーのが何処かってのを聞きにきたんだがな。」

 

レミリア「……いいだろう。話してやる───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~少女説明中~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア「───と、いう訳だ。」

 

ザンド「なるほどねぇ。それでそこの辰と同じって訳か。」

 

ウロヴォリアス「というか、用がそれだけならば何故美鈴と戦闘になった?」

 

レミリア「……確かにそうね。お前、美鈴の気に障るような事でも言ったのか?」

 

ザンド「いや、何も言ってねぇぞ?文字通り何も。」

 

レミリア「自業自得か!用件も何も言わずに通ろうとすればそうなるってことぐらい分かるでしょうが!」

 

ザンド「あー……確かにな……なんつーか……わりぃ……。(てか口調のオンオフどうなってんだこいつ…)」

 

ザンドはバツの悪そうな顔で目をそらし、謝る。

 

ウロヴォリアス「雑さ加減も相変わらずか。」

 

ザンド「ほっとけ。」

 

レミリア「……ひとつ聞く。」

 

ザンド「ん?」

 

レミリア「……お前、ここで何をするつもりだ?」

 

ウロヴォリアス「…それはそうだな……グラン・ロロでの神皇軍との全面戦争の事もある。貴様、目的はなんだ?」

 

ザンド「バカ言うな。そんなもんねぇよ。ほかの四魔卿も邪神皇も居ねぇし、よくわからん土地で暴れる程めでたい頭もしてねぇ。強いて言うなら拠点の確保ぐらいだろうよ。」

 

幻想郷への敵意は無いということを示すように両手を上げて言う。

レミリア(……信用できるか?)

 

ウロヴォリアス(奴は敵ではあるが、この状況で嘘をつくほど間抜けではなかろう。念の為多少の警戒は必要だが、嘘ではないとは思うが……)

 

ザンド「てなわけでさ、この館の部屋1つしばらく貸してくれねぇか?」

 

レミ・ウロ「「………は?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって紅魔館の廊下。そこには二人分の足音が響いている。

しばらく歩くと、ある部屋の前で足音が止んだ。

 

片方が部屋の扉を開け、二人は中に入る。

 

咲夜「ここがあなたの部屋よ。」

 

ザンド「思ったよか広いな。」

 

咲夜「狭いよりはいいでしょう。」

ザンド「まあな。サンキュー。」

 

咲夜「明日から早速仕事に入ってもらうわ。最低限の家事くらいはできるでしょう?」

 

ザンド「当然。」

 

事務的な会話をする2人。

あの後紅魔館の皆で協議した結果、『紅魔館で働く』という形で手を打ったのだ。

 

咲夜「紅魔館の内部はさっき教えたわね。分からなくなったらもう一度聞きなさい。あと、館の皆には1度挨拶をしに行くように。じゃあ私はこれで。」

 

ザンド「了解………っと、じゃあまずは。」

 

ザンド「これからよろしく頼むぜ。メイド長さん。」

 

そう言って手を差し出す。一瞬あっけにとられた咲夜だが、すぐに握手に応じた。

 

咲夜「えぇ、よろしく。じゃあ、私はお嬢様のところに戻るから。」

 

そう言うと、咲夜は部屋を出て戻っていった。

 

ザンド「……さて、早いとこ挨拶済ませちまうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──大図書館──

 

ザンド「……うっわ。」

 

見渡す限りの本、本、本。あまりの多さに感嘆の声が漏れる。

 

?「あ、ザンドさん。どうされました?」

 

ザンド「!」

 

声をかけてきたのは赤い髪に黒い翼の少女。名を『小悪魔』といい、この大図書館の司書をしている。

 

ザンド「メイド長がほかのメンバーにも挨拶して来いって。つーわけで、改めてよろしくな。」

 

小悪魔「はい、よろしくお願いします!」

 

小悪魔「ちなみに、パチュリー様や妹様にはお会いに?」

 

ザンド「いや、まだだが……。」

 

小悪魔「なら案内しますよ。丁度お二人とも大図書館にいらっしゃいますし。」

 

ザンド「じゃ、頼もうかね。」

 

小悪魔について行くザンド。その移動している途中でも周りは本で溢れている。しばらく行くと、紫の服を着た女性と、宝石のような翼を背中に持った少女が目に入る。

 

紫の彼女は『パチュリー・ノーレッジ』魔女であり、小悪魔の主でもある。

翼の彼女は『フランドール・スカーレット』名前と小悪魔の発言からお察しの通りレミリアの妹である。

 

パチュリー「本でも借りに来た?しっかり返すなら貸すけど。」

 

ザンド「オレは借りたモン返さねぇほどロクでなしじゃねぇぞ?いや、そういうのじゃなくてな。まあ単なる挨拶ってやつだ。これからここで世話になるからな。」

 

パチュリー「あら、そういう事ね。よろしく。」

 

ザンド「こっちこそ、な。フランドールもよろしくな。」

 

フラン「よろしくね!」

 

ザンド「おう。……さて、あとは美鈴とレミリアか。」

 

フラン「もう行っちゃうの?ちょっとぐらい遊んで行こーよ。」

 

ザンド「そうしたいのは山々なんだが………まあいいか。よし、付き合ってやるよ。」

 

やったー!とはしゃぐフラン。このあとなんだかんだで2、3時間程相手をして、レミリアのところに行った時にお叱りを喰らったのはまた別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──草木が生い茂る場所。傾斜もあることを考えると、山だろうか。

突如、十数の影が横切った。その集団は各々が同じ帽子と刀を身につけ、陣形のようなものを組んで走っていく。

また、大半の者は頭部に犬の耳のようなものが付いており、尻尾も確認できる。恐らく妖怪だろう。

 

そして、その集団の十メートル程先を駆け抜けている者の姿が。

体躯はほんの少し大きい子供程度のもので、フードを被り、右手には特殊な形状の鎌、背中には透明がかった緑の薄羽が二対。

 

子供が進行方向を変えると、集団もそれに合わせてその方向へ向かう。格好の違いから、集団が子供を追いかけているのだろう。

 

子供「………っと!」

 

子供が足を止めると、その前方には別の集団が。完全な挟み撃ちである。

 

子供「あらら……。」

 

困ったような言葉を呟くが、表情には余裕が見える。

子供は鎌で地面を斬った────すると、子供が地面に飲まれるようにして消えた。

 

 

「「「!!!???」」」

 

「どこだ!?」

 

「あの一瞬で穴を?」

 

「まだ近くにいるはずだ!探せ!」

追っていた者達が混乱する。すると、遠くの方から彼らを呼ぶ声が聞こえた。

 

「こっちこっちー!続きしようよ!」

 

先程の子供だった。フードが取れており、容姿だけみればただの幼い少年である。

 

「居たぞ!次こそ逃がすな!」

 

再び少年と集団の追いかけっこが始まる。

少年は笑顔のまま、集団と一定の距離を維持しながら走り続ける。

 

少年「フフフッ……ていうか、ホントにここどこなんだろう……?」

 

少年「……適当に遊んだらチャチャッと撒いて、人が集まってる場所を探すかなぁ……。」

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