なんでもできるうちの娘は、異世界ライフを落下からスタートさせる 作:オケラさん
普通だったら。
俺とバガスさんの間に火の壁が出現する。
なけなしの魔力で作った魔法だ。
さっきの拠点作りで相当に魔力を消費した。
魔力を過剰に使って威力やら性能やらを高めていたのだ。
どれだけの魔力を使ったかは、さっきの拠点をみればわかるだろう。
そして、ファイアウォールなんて意味ないことぐらい知っているし、あっちもそうだろう。
故にそのまま突っ込み、炎をかき消そうとしてくる。
瞬間、炎が爆ぜあたりに爆風を撒き散らす。
早速炎の中に爆発系の魔法を潜ませる技術を真似させてもらったのだ。
モロに食らったバガスさんは吹き飛び、威力の大部分をバガスさんがくらった爆風では俺を吹き飛ばすことは出来ない。
これ防がれたらどうしようもないな。
そして、爆煙が晴れた─────
まあ、結果としては勝った。
モロに爆発を受け、さらに意識外だったため受け身も取れずに壁に叩きつけられてそのまま跳ね返り、地面に倒れたわけだ。
それでも傷一つないのは流石というべきだろう。不意打ちによる爆発だったため背をつけさせることが出来ただけであり、普通に爆発させても効果は薄かっただろう。
「はっはははは!やるなぁ!嬢ちゃん。」
「ありがとうございます。まあ、不意打ちによる勝ちで真っ向から勝ったわけではないですけどね」
「それでも勝ちは勝ちだ。戦場では咄嗟の判断が生死を分ける。冒険者に大事な事だ」
「じゃあ今のでバガスさんは死んでたんじゃないですか?」
「バカ言え。その時はもっと上手くやってるよ」
「そういえば何故、竜人化を使わなかったのですか?」
「使ってたよ。それでも負けただけだ。ただ、最初は受けてばかりで攻撃に転じられないでいたな?身体能力と勘に頼りすぎると、いずれ対応できなくなる。相手をコントロール出来るような立ち回りとかも意識するんだな。あと…」
そんな感じでアドバイスをもらつていたら、
「はっはっはっは。初心者に一撃貰ったのか?腕が鈍ったんじゃないか?バガス?」
そう言って近寄ってきたのは、ローブ姿の細身の男だ。見た目は美中年といった感じで、特徴的な尖った耳が生えている。
そう!エルフである。
「エルフだ!生エルフだ!」
「なんだい嬢ちゃん?エルフが珍しいのかい?そこに倒れているのは半竜人だぞ?」
竜なんてレオグリンドさんでお腹いっぱいです。
「なんだあ?人気ねえなぁバガス?」
「竜なんてこの娘にとっちゃ目新しくねえのさ」
「確かにそれならそうかもな。」
「ああ、リンお嬢ちゃん。俺のギルドカード渡すから報酬受け取ってきな」
「ところで…」
起き上がってカードを渡すと、二人とも床に座って話始めてしまった。
仕方ない。受付に行くか。
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