なんでもできるうちの娘は、異世界ライフを落下からスタートさせる   作:オケラさん

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話が進まない(自業自得)
表現に関して、アドバイスなどあればお願いします。


前夜祭の明ける頃(4)

 

「さて化物。俺が相手だ」

「ほぉ?じゃああの魔法使いを殺した後に相手してやるよ」

「行かせるわけがないだろ?」

 

バガスは、消えたと見紛うほどの速さで大男を蹴り飛ばした。

 

「おおっとぉ…」

 

しかし男は、いつの間に構えた山刀で防御し、少し動いただけであった。

 

「なかなか速いじゃねぇか。いいぜぇ!望み通り殺してやるよ!お前を支配できれば、面白いことが出来そうだ」

 

こうして、男とバガスの戦いが始まった。

他の人達はというと、レオグリンドは戦闘の観察、それ以外は周囲の片付けや町の詰所などに連絡をしに行っていた。

あまり緊張感が無いように見えるのは、キマイラを複数倒したレオグリンドと、一度は男を捕縛した玖苑がいるためであろう。

 

バガスは最初から竜人化を使用した高速戦闘により早期決着を狙っていた。

全方位からの強力な連撃は周囲の地形が変形するような威力を持って嵐のように吹き荒れた。

リンとの模擬戦の際、峰打ちの檻による弱体が無ければ冒険者ギルドどころか、町ごと崩れていたかもしれない。

しかし、それでも男は笑みを崩さずに全てに対応していた。

 

(チッ!そこの狂人盗賊を吸収しただけでここまで上がるのか…いや、一人分ではなく全員分だからか?)

 

バガスの予想通り、その場にいた全ての盗賊のステータスを吸収したことにより、その体はもはや人間としての限界を超えかけていた。

 

(それに、どんどん強くなってないか?)

 

バガスの予想を裏付けるように、だんだんと男のスピードやパワーが上がって来ていた。

 

(どういう事だ?吸収した分のステータスが馴染んでいなかっただけ?それとも別の…)

 

その後も戦闘は続いていた。

受け流すだけでは対処出来なくなってきたバガスは、攻撃が掠ったり受け止めるなどの動作も混ざってきた。

 

「なんだぁ?切れねえな。そりゃあ鱗かい?」

 

バガスの体表には、所々に鱗が出てきていた。

竜系統の種族スキルである、竜鱗であった。

竜鱗は、その名の通り竜の鱗が生えてくるスキルで、それは物理防御力だけ見ても相当なものだった。

さらに魔法への耐性や、竜ごとに異なる魔力増加などの効果を併せ持つ。

これは、加護などの繋がりを与えた竜の力に依存する。

 

竜人化を使ってステータスが互角。

そのまま互いに力の拮抗した状態が続いた。

 

「うん?どうやら他の奴らも全滅したらしいな」

 

男はここに連れてきた狂化盗賊以外に、裏切り者であるギル・ローラスを殺すために人を分けていた。

それらが死ぬことにより、ステータスを吸収して自身を強化していたわけだ。

 

(あの量ならギル・ローラスが先にくたばると思っていたんだがな…次の襲撃が楽しみだ)

 

二人は、強く打ち合った後に、男は距離を大きくとり唐突に喋りかけてきた。

 

「よお。楽しかったがそろそろ時間だ。そしてお前は負ける」

「何を言っている?」

「ははは。5、4、3…」

「─っ!」

 

カウントダウンを始めた男に不気味さを覚え、その隙だらけの体に拳を叩き込む、

 

「1、0」

 

 

 

パシィッ─

 

「惜しかったなぁ?あと少しだった」

「なっ…」

 

男のカウントダウンが終わると同時、「ドパァン」という音とともに周囲に血肉が降り注いだ。

それは、離れた場所で戦闘を行っていたバガスと大男の元にまで届き、一瞬で周囲を赤く染めた。

男がステータスを吸収した事により、キマイラの死体が爆散したのだ。

そして男は、もはや視認不可能の速度でもって、バガスの拳を受け止めた。

 

「やれやれ。流石に化け物はしぶとく生きてたなぁ。まあ、あと一匹はまだ生きてるんだがな」

「なっ─」

 

バガスはその事を聞いて理解した。そして同時に絶望した。

狂人達のステータスの合計で拮抗。キマイラ一匹を吸収して手に負えなくなった。このキマイラが二匹を合わせた個体かどうかはわからないが、おそらくあと一匹もすぐに吸収できるだろう。

そうなると、竜の鱗の防御力をもっめしても、防ぎきれるかは怪しかった。

…もはやバガスに勝ち目は無かった。

 

「ヒャハハハ!いくぜぇ?」

「くそッ」

 

直後、激しい轟音とともにバガスが吹き飛んだ。

バガスは数度地面にバウンドした後、地面に投げ出された。

 

「なんだよ…いったいどんな防御力してやがる?」

 

土煙が晴れたころ、いつのまにかバガスが元立っていた場所に立つ男は、不満そうにそう言った。

激しく吹き飛ばされたはずのバガスには、目立った外傷はなかった。

 

「うーん。まあいいか」

 

男がそう呟いた後、離れたところでもはや聞き慣れた、肉の破裂する音が聞こえた。

 

「さてと。これで鱗を貫通できるかな?」

 

そう言った後、男の姿が消えた。

もはや瞬間移動よりも早いのではないかという速度で目の前に現れた男が構えた山刀が、バガスに向かって振り下ろされた。




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