なんでもできるうちの娘は、異世界ライフを落下からスタートさせる 作:オケラさん
異世界に落っこちて竜に拾われた
―――目が覚めた。どこだここ?
俺は、木製の部屋?の様な場所で、ベッドに寝かされていた。
俺はどうなったんだ?
流石に死んだのか?
何度も死にそうな目に合ってるし、残念ながら死んでしまいました、とか言われてももはや驚かないぞ?
それとも、永遠に死に続ける地獄とか?だとしたら笑えないんだけど。
辺りを見回す。知らない天井、じゃなくて何処だここ?少なくともあの世には見えない。 普通の家に見える。勝手なイメージだけどね。
木製の割と広めの小屋の寝室って感じだ。
「お早う御座います。マスター」
「うわっ!」
ビックリした。直ぐとなりから声が聞こえてきた。そこに居たのはアリスだった、
不思議の国のアリスを銀髪でクールにした感じの美少女。アバターの姿とまんま同じだった。
「え?アリス?」
「はい。アリスです。」
「え?本当に?アリスなの?」
「ええ。マスターの名前は
それから、俺とアリスしか知らないようなことも言い出した。
確定だ。この子はアリス。しかし、何故ここに?
「いつもはマスターの持ち物に入り移動しています。今回も例外ではなく、眼鏡に入っていました。」
「じゃあ、その身体は?」
「すいません。解析途中のためわかりません。ただ、意識するとこの身体を作ることが出来るようで、マスターがお目覚めになるまでの間、いろいろと調べておりました。」
うん。何て自由なんだろう。まさか勝手に旅に付いてくるなんて。今までは、持ち運びのときは携帯電話に入れていた。だが、実はこっそり全ての外出についてきてたなんて。
ちなみに、家については、自分のコピーのようなものを作り、管理させていたらしい。
その後、いくらか状況説明をうけた。今は俺にブレスをぶっぱなしたドラゴンの家に居るらしい。実験のように、魔法を浴びせ続けるドラコンを従者らしき狐巫女が止め、家に連れてこられたようだ。その間、アリスがずっと結界を展開していたため、無傷だったのだと。
いつの間に結界なんて使えるようになったんだよ。うちの娘すげぇ…
「え?じゃあ落下は?空中からスタートしたんですが?」
「それはミスです。座標の指定を誤りました。」
何だと。うっかりさんかよ、可愛いな。心なしか、人間味が増してる気もするが…
で、だ。今は助けてもらって部屋を貸してもらってるわけたが、肝心の家主達がいない。
せっかくのファンタジー、少しくらいこの眼で確かめてみたい。少し、家の周りをまわってファンタジー探ししても大丈夫だよね?少しくらいなら歩き回ってもいいよね?
脳内全俺会議の満場一致により、ファンタジー探しが始まった。アリスも「少しぐらいならいいでしょう。」と言い付いてきた。この世界について少しでも知りたいようだ。
改めて部屋を見回す。そこにあった窓から外をのぞいてみた。
「さて、外の様子は...」
窓の外には平原が広がっていた。お話の中で子供たちが走り回ってそうな感じだ。
続いて、部屋の中だが、ベットと丸机、椅子以外に家具はない。
(よし。部屋から出るか)
部屋の扉にてをかけた。
さて、屋敷内の探索開始といこう。
廊下もイメージどうり木製の綺麗な廊下だ。
ただイメージと違うのは、想像よりもこの建物が大きい事だな。
(うーん。こうも広いと出口が分からんな)
「マスター、微かですがあちらの方から空気の流れを感じます」
「了解。」
気分は脱出ゲームの主人公。
そして、廊下を歩くこと少しして
「ふう。やっと出口か」
外には視界いっぱいの平原が広がっていた。
思わず息をするのも忘れてしまった。
家より外の方が異世界を見つけられそうなので、そのまま付近を散策することにした。
なんでも、結界が使えるなら魔法は使えないのかとアリスに尋ねた時、
「可能ですよ。マスターが気絶している間、ドラゴンが使っていた魔法を解析しておりました。情報不足のため、まだ一部しか解析できておりませんが、解析が完了したものなら扱えます。」
とのことでファンタジー探しのついでにこのだだっ広い平原で魔法を練習することにしたのだ。
色々試す中でわかったことがいくつかある。
まず、魔法とはイメージが大きく関係しているのではないかという事。
この世界には魔力があり、それがイメージの干渉により魔法を起こしているのではないかという事。
そしてしばらく歩いていると風景が変わった。
平原から森へと、一瞬のうちに変わった。
「どうやら、結界を抜けたみたいですね。」
アリスによると、周囲を何らかの結界が覆っていたようで、その範囲外へ出たことにより森へ抜けたのだそうだ。
ここからは派手な魔法は控えてください、と言われたのであまり目立たない魔法を使っていた。
(てか、今さらだが魔法ってだけでもかなりファンタジーだよな。あとは...)
「マスターあの方向に町があります。」
そう!町!食事情や衣服、生活などの風景!
「よし、じゃあ行こうか」
そして、森から道に抜けたころ、
「マスター、あれを見てください。」
道の脇にて、
「ひゃはははは!無駄な抵抗はよしなぁ。」
「お前ら、遊んでないで早く捕まえろ。」
「商品を傷付けないようにしてるんですよぉ」
「しかし、こんな所に獣人、しかも狐獣人が一人でうろついているとはついてたぜ」
5名程の男が狐耳の幼女を囲っていた。
下卑た笑いが何とも不快だ。
万人共通の宝たる、『かわいい』を汚そうとするとは...
そうだ。魔法の試し撃ちをあいつらにしてみよう。道中の練習で何となくコツは掴めた感じがするし、コントロールも上手くできている。
この世界の魔法事情はまだ分からないので、防がれたりもしそうだが、上手いこと気をそらしてケモっ娘が逃げるぐらいの時間はつくりたいところだな。
ま、俺たちが逃げ切れるかは分からんが、ケモっ娘に町の人とかを呼んできてもらえればなんとか...
(マスター。先ほどの山に座標を指定した転移が何時でも使えます。逃げる際はこれを使えばよろしいかと。それに、あの男達からは結界のようなものは感知出来ません。恐らく、魔法の類いは使ってないかと思われます。)
あ、はい。後のことも何とかなるんですか。さすがですね。有能すぎだろ。
というかサラッとテレパシーみたいなことしたよなコイツ。
同時にこの世界にきたはずなのに、ぶっちゃけ想像力豊かな俺よりアリスの方が上手く魔法を使えてたり、この世界について詳しかったりで有能すぎる。何故だ...
(マスターが異世界へ行きたいと仰った時に世界についても少しは調べましたので。)
あ、はい。そうですか。
…何か怒ってらっしゃる?
(いえ、そのようなことはありませんよ?)
怖いのでこれ以上の会話は止めて行動を開始するとしよう。
見えてる範囲で敵は五人(子供を苛める様なやつは全て敵である)、まだ魔法の練習中な俺はこれはいい機会だと対人での魔法練習とすることにした。危なくなったらアリスか助けてくれるとのことだったが、それはなんとも情けないので、できるだけそうはなりたくないな。
(まずは対話で事情把握が、先です。マスターには結界を張っておりますのでご安心を。いざとなったら転移で逃げます。)
だそうで、俺は嫌々クズどもに話しかけた。
(と言うか盗賊か奴隷商人あたりだろ、こいつら。)
「あの~、どうされました?こんなところで。」
「んん~?なんだお前は。幽霊が俺たちに何のようだ!?」
怒鳴ってきた。迫力はあるが、何故だか怖くないな。
「おう、理性ある
「へへっ。今日はいやについてるねぇ。狐獣人と
男達がニヤニヤしながら俺を見てくる。これ、もう確定だよね?こんなやつら、四肢を焼き払ってもいいよね?
「そうだ。お前、俺たちの事を知れないみたいだな?人生が終わる前に誰にやられたか知らないとは可哀想だし、教えてやろう。俺たちは盗賊だ。人から金品を奪ったり、人を拐っては売り飛ばす悪~いやつらさ。」
「どうだ?勉強になったか?これからは気を付けるんだな!ま、ここで人生が終わりなんだがなぁ!?」
「「「「「ひゃはははははは」」」」」
「うぅぅ...姉さまぁ」
ダメだ。ケモっ娘は怯えてしまって、逃げるどころではないな。
「さて、自分の人生に別れは告げたかい?大丈夫、死にゃあしねえさ!」
「ひゃははっ。この獣人、売る前に少し味見したいな」
「さあ、大人しくするんだな。」
男達はてに持ったナイフ等を構えながら近寄ってくる。
あ、小太りのやつがケモっ娘に手をかけようとしてやがる。
俺は迷わず走り、小太りの男の顔面を思い切りぶんなぐった。
「な、なんだぁ!」
どうやら理解できなかったらしい。
俺は、森で練習していた、身体強化の魔法を使っていた。まだまだ練習中であるが、人間の相手ぐらいならできるようだ。
さて、次はと
続けて、向かってくる男たちの前に火の壁を出現させた。
「
「しかも無詠唱で、だと」
「ありえねぇだろ!劣等種は魔法を使えねぇんじゃないのかよ!」
「ええい!こうなれば転移だ。魔封じの檻に入れてしまえば関係ない。」
などと男達が騒いでいるなか、おれは小太りの男を痛めつけていた。
「さあ死ね!今すぐ死ね!生まれてきたことを後悔しながら死んで逝け!」
完全に頭に血が昇ってプッつんしていた。それほどまでにコイツが許せなかった。
(マスター...やり過ぎです。本当に殺す気ですか?)
腕輪に変形していたアリスに言われてやっと冷静になった。
そのとき、風景がフッと変わり気づくと檻のなかにいた。
かなりでかい。男たちも一緒に入っているが、落ち着きを取り戻したのか。再びニヤニヤとしている。そして檻のまわりには、盗賊の一味と思われるもの達が何名かいて、ニヤニヤとしながら周りをかこっていた。
「魔法を使える
「ひゃははっ。観念しな。これは魔封じの檻。この中では魔法は使えないのさ!」
さっきから冷静に状況を分析しているローブの男はいいが、他のやつらはとてつもなくバカな。自分から情報をばらすとは。
(問題ありません。この程度ならば解除可能です。)
(了解。ただ、練習にならないから、ピンチまでは解除しないで。)
確かに、ファイアウォール等は使えないが、身体強化の類いは問題なく使える。
これなら問題なさそうだな。できるなら全員蹴散らしたいが、まあ無理せずにいこう。
「いいのか?見たとこそっちのローブのおっさんは魔法要員だろ?魔法が使えないってことはそっちの男を含め二人、戦闘不能ってことになるだろ?」
「バカめ!これが見えないか?お前は素手だがこっちには生憎と武器がある。それに、まだ三人も動けるんだから充分なんだよぉ!」
そう言うなり、リーダーらしき男が斬りかかってきた。
ま、身体性能を上げているので、こんなの当たるわけない。
「なんだぁ!?こいつ、異常に早いぞ!」
「なるほど、身体強化だな。それならばこの中でも使える。」
そういうと、ローブの男が急に動きだし、俺に追い付き羽交い締めにしてきた。
なるほど、まだ魔法や身体の使い方がまだまだだったみたいだ。
(マスター、魔封じを解きました。範囲魔法を使用して下さい。)
そういうなりアリスはしゃがみこんでいたケモっ娘に結界を張った。
(了解ですっ!っと)
「我が願うは地獄。全てを溶かしつくす魔炎なり。それを持って、全てを焼きつくさん。
高位魔法:
「バカな!この中で魔法だと!」
辺り一面が炎に包まれた。男達が転げ回り、辺りがパニックになっている中、俺達はケモっ娘を抱え転移により脱出した。