なんでもできるうちの娘は、異世界ライフを落下からスタートさせる   作:オケラさん

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また別視点です。
主人公達に絡んできた子供ですね。

誤字脱字報告、アドバイスや感想などあればおねがいします。


フリッツ少年(1)

僕の名前はフリッツ。とある国の端、山に近い田舎に住んでいた、何処にでもいる普通の一男児だった。

お父さんは小さな傭兵団の一人で、帰ってこない事が多く、お母さんは村の役所で働いていた。

 

いつも通り、平和な日々が続くと思っていた。あの日までは…

 

 

─カンカンカンカン!

 

見張り台からの警鐘が辺りに響き渡る。

 

「魔物だ!魔物の群れが現れた!逃げろぉ!」

「キャア!魔物よ!」

「逃げろ逃げろ!」

「種類はなんだ!サイズと規模は?」

「いや、そんな事より逃げて国に報告だ!」

 

村の近隣に魔物の群れが現れ、しかも進行方向がこの村だと言う事で、村中大パニックになった。

見張り役の人が大声で避難を呼びかけ、帰ってきていた傭兵団や団長が魔物について質問し、他のものはパニックで四方八方へと逃げ出すものがほとんど。

 

「わからねぇ。ただ、デカイ狼が1匹。おそらく統率個体だろう。群れは黒色の狼で構成されている」

 

「シャドウウルフか。厄介なのが出てきた。おい!影を避けてひらけた場所へ逃げろ!」

「もうすぐそこまで来てるぞ!」

「チィ!あと残ってるのは?」

「村のほぼ全員だ!パニクった連中が村の出入り口に固まって詰まっている!」

「出入り口じゃなくても村の外へ逃がせるだろう?」

「無理だ!村の外はすぐ森で危険すぎる上にパニックの連中や恐怖に駆られた連中は森の近くへ行こうとしない!」

「くそ!」

 

この村では、入り口とその周囲は整備がされており道があるが、それ以外で村の外へ出ればすぐに森があり時々魔物が出てくるため危険であった。

構造としては、村の周囲には軽く木製の壁や塹壕が掘られており、出入り口には木製の大きめな門がある程度。

 

ぶつちゃけ、魔物の襲撃に対する柵や門など気休め程度しか無いが、ここら辺に出るのは低級の魔物ばかりであり、出ても中級が数十年に一度出るかどうかと言ったレベルであった。

だが今回は、中級の魔物であるシャドウウルフの「群れ」であり、統率個体はおそらく中級の中でも上位の、下手をすると上級に分類されるかもしれない魔物である。

今までは、傭兵団が増援が来るまで持ちこたえたり、追い返したりしていたが今回はそうはいかない。

 

村の人々はパニックとなり、出来るだけ森から遠ざかろうと我先にと門に集結してしまったのだ。

結果としては大混雑であり、避難は遥かに遅れてしまっている。

 

「くそ!おい、門とその周囲の柵を破壊して一人でも多く逃せ。そしてお前は国へこの事を報告しろ」

「し、しかし団長は?」

「ここには俺しか対処を指示できるやつはいないだろう?それに足止めして逃げるくらいは出来るさ」

「…っ!了解しました!」

 

団長が構成員の一人に指示を出し、一人でも多くの村人を助けるため、残りのメンバーと一緒に、避難指示を出したりしていた。

 

 

 

「開かないわ!」

「どうなってるんだ⁉︎」

「もういい!門を壊せ!」

「今やってる!」

「おかしい。ビクともしない!」

「早くしてくれよぉ!」

「いやー!死にたくない!」

 

門の前までたどり着いた傭兵が目にしたのは、閉じた門な前に群がり喚く村人の姿だった。

 

「おい!これはどういう事だ?どうなっている?まさか一人も逃げてないのか?」

「あ、助けてくれ!今日に限って門は開かねえし壊そうにもビクともしない!いったい何が起こってるんだ⁉︎」

「脱出した人はいないのか?」

「いるわけねぇだろ⁉︎門が開かないんだぞ!」

「じゃあ隣の柵を壊せば」

「そ、そうだ!横からなら…」

「邪魔だ!柵を壊すから退いてくれ!」

 

大混雑の中、柵を壊せるポイントにたどり着いた傭兵の一人が大きく槌を打ち付ける。

2度、3度と打ち付けていく。

そして、柵にヒビが入った時いきなり柵が崩れてきた。

そう、崩れたのではなく、『崩れてきた』のである。

 

柵が外から破られ近くにいた人々が巻き込まれる。そして遠くから見ていた人達は皆その動きを止めた。

 

柵の外にいたのは黒い狼が一匹。

体長としては全長2メートル、高さ1.5メートルといった、野生動物ではあり得ない巨体でまず間違いなく魔物だと伺えた。

 

周囲を圧する魔力と理性の光すらなき狂気の瞳が辺りを睥睨し、村人たちは竦み上がり、

腰を抜かしてしまっていた。

 




投稿時間を間違えました。
申し訳ない。
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