なんでもできるうちの娘は、異世界ライフを落下からスタートさせる   作:オケラさん

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あけましておめでとうございます。
平成最後の正月ですね。

正月が忙しすぎて投稿を忘れてました。申し訳ありません…


リンとフリッツ

 

カツン、カツンと足音だけが響く洞窟の通路にて、優しげな顔立ちを歪めた男が歩いていた。

 

(何も見つからない…手がかりくらいは有ってもいいと思うが…適当に言ったのか?)

 

先程あった少女と一緒にいたはずの、半霊人と狐獣人を探していたが姿はおろか手掛かりすらなくてイライラしていた。

しばらく足音だけが響いていたが、男はやがて足を止めた。

 

(一度戻るべきか?もう既にさっきのガキは拘束も終わった後だろう。索敵能力もアイツの方が上だし…)

 

男が立ち止まり、そう思案していると…

背後からヒタリ、ヒタリという足音が聞こえてくる。この音を消すような足音には心当たりがあった。仲間の黒服の男だ。

 

戻って合流しようかとも考えていた時になんて都合のいい!そう思い振り向こうとした。

だが、妙な違和感がその動きを止めた。

確かに足音は仲間のものだ。

 

だがしかし、気配がおかしい。背後から近づいてくる気配、魔力は明らかに自分の知っている黒服の男とは別のものだった。

 

振り向くか?振り向いていいのか?そんな事を考えている間にも背後の何者かは迫ってくる。

だが、振り向いてはいけないというような、直感的な本能からの警告が鳴っている気がして恐ろしくて振り向けずにいた。

 

…確認しなくてはいけない。

仲間の黒服ならば避けられる程度の攻撃と同時に振り向き、正体を確認する。

 

フゥ─と一呼吸し、未だに近づいて来ているそれへ向けて影の狼たちを嗾ける。

そして振り向いた先に見たのは、やはり仲間の黒服ではなく連れて行かれたはずの半霊人の少女だった。

 

 

フリッツは全てを見ていた。

黒服の死に方、優男と少女の戦い。共通するのは、どちらも無残な最期であった事。

黒服は声も上げれず、身じろぎもできないままに全身を潰される様子。

 

優男の方はまた違った惨さだ。

だが、フリッツがその少女に危険を感じる事は無かった。

理由は分からないが、この人は自分の味方で害を加える事はないと感じたのだ。

 

だがまあ、勘違いの可能性もある。

あの様な光景を見たあとだ。慎重にもなる。

フリッツが誘拐団の事を話すかどうか迷っていると

 

「やぁ。そんな所で何をしてるんだい?少年?」

 

向こうから声をかけられた。

 

 

リンは、黒服を喰った後すぐに優男の方向へと向かった。

子供と思しき反応が後ろからついて来ていたが、取り敢えず放置しておいた。

次は優男を捕らえるのが目的であり、子供は何ら関係しない。それに子供は守るべき存在であり、手出しなど使用はずもない。

 

いくら魔力を食うためとは言え、子供は多量の魔力を持っているとは言え、食べることなどない。

二度と子供の悲しむ姿は見たくないのだ。

 

危なさそうだったら保護しよう、程度に考えて子供を認識しつつ、優男が向かった方向へと歩く。

ここはダンジョンの中であり、そこら辺に濃い魔力が漂う場所。魔力感知の精度も良く、まさしく独壇場であった。

故に追跡は容易にであり、迷うことなく優男へと向かっていく。

 

少しして優男を見つけた。

立ち止まって何やら考えている様子である。

…さて、どうするか。

真正面から襲ったとして逃げに徹されたら追うのは骨が折れるだろう。そこかしこが闇と言える洞窟内では、シャドウ・ウルフの独壇場である。数的不利もあるし、他に隠し球がないとも限らない。

 

黒服の男を食ったことで、魂に刻まれていたその男の情報がリンに吸収されていた。

具体的には記憶とかそこら辺の事であり、そこからコイツらが何をしていたか、優男はどんな力を使うかが分かった。

 

だが、黒服の男にも見せてない隠し球があるかもしれない。コイツらは間違いなく食べてもいい人間の大人だが、ナメてかかると手痛いしっぺ返しを食らう可能性もある。

 

リンは黒服の足音を真似ることにした。

イメージを投影する魔力体故か、記憶の模倣はあっさりとできた。

これで近づけば油断するかもしれない。そう思いリンは優男へ接近していく。

ある程度まで近づいた所で優男が振り返り、それと同時に魔法を放ってきた。

 

瞬時に跳びのき狼達の攻撃を回避する。

油断などされてなかったらしく、足音だけで判断せずに確認の一手を行なったのだろう。

 

結果、姿は見られてしまった。

そして優男の顔には驚愕と困惑が浮かんでいた。

 




次回はちゃんと投稿できてると思いますので何卒よろしくお願いします。

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