なんでもできるうちの娘は、異世界ライフを落下からスタートさせる 作:オケラさん
眠さと焦りで内容に不備があるかもしれません。
デバルフの攻撃は失敗した。毒沼に住むこの怪魚の吐く毒は触れたものを溶かし傷口から相手を蝕む。
掠ったら最後、致命傷となる猛毒である。
蜘蛛糸で逃げ道を塞ぎ毒を当てると言う作戦も失敗か…
予想以上に相手が強い。これは逃げに移行する事も視野に入れねばなるまい。
─ヒュン
「…ちっ!」
炎の向こうから飛来した青い槍が頭目掛けて飛んでくるのを、ギリギリで回避した。
(一瞬、炎の壁に穴が空いたのが見えたからなんとか避けられたがさすがに向こうからの攻撃も飛んでくるか…)
優男がそんな事を考えているうちに、炎の壁の上両角が開き、そこから二振りの短剣が飛来する。
(狙いは…召喚獣か!)
優男がそう思ったのもつかの間、短剣は一本が蜘蛛の目に突き刺さり、もう片方が怪魚の背中に突き刺さる。
「KYSYAAAA!」
「GYOOOO!」
それぞれが仰け反って周囲に悲鳴を轟かせる。
二匹は暴れて衝突を繰り返す。
(たかだか短剣ごときであそこまで取り乱すか?あれにも何か仕掛けが…)
優男がそう分析していると、炎の壁が消えた。
しかし、そこにリンの姿は見当たらない。
(どこに行った⁉︎まさな逃げた?いや、そんな事はないな。だが一体どこに?)
「KYSYAAAA!」
優男が辺りを見回していると、いつのまにかタラトスの顔に取り付いたリンの姿があった。
「なっ!」
タラトスはリンを振り落とさんと暴れるが、なにやら水晶のようなものがリンとタラトスを繋ぎ離れる様子はない。
「ちっ!」
優男はリンに向けて魔法を発動させる。
召喚がメインだからといって、魔法が全く使えないわけではないのだ。
術者なら術への適性や才能があり、才能が無くとも下級の術なら使えるのが常識だ。
「アイスニードル!」
氷で出来た複数の針がリンめがけて飛んでいく。
しかし…
「なっ!」
被弾する直前、リンは消えた。
文字通り、跡形も無く、なんの前触れもなく消えた。
周囲に霧散するように、リンの体が分解して宙に散ったのだ。
それと同時に、あたりの壁や床から水晶のようなものが起き上がり、まるで生きているかのようにその切っ先を蜘蛛に向けていた。
蜘蛛は動かない。否、動けない。
足を魔晶で固定され、気づけばリンがつけた魔晶が顔から薄く体全体に広がり、関節を固めていた。
その事に優男は気づかない。気づけないし理解も出来ないだろう。
少なくとも、こんな魔法など聞いたこともなく、スキルにしても見たことない。
当然だろう。
「動け!避けろタラトス!」
優男の命令も虚しく、蜘蛛は全身を貫かれて絶命した。
しかし召喚獣故か血が流れることもなく、体を固定されているために倒れることもなく、ただ無防備に刺されたようにしか見えない。
少なくとも死んだとは思えない死体であった。
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