東方幻守録 〜Guardian of illusion〜   作:希望光

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どうも。希望光です。
久方ぶりに書いてみました。
短いですが、どうぞ。


第03話 甦りし宝刀

 紫は目の前の少年のことを全く知らない。しかし、目の前の少年は自分のことを知っている。

 彼女は、この事を不審に思った。同時に、目の前の少年に対して興味を抱いた。

「貴方、何者かしら? どうやって此処へ入ったの? そして、何故その刀を持っているの?」

 紫の問いかけに少年———昊空は、何一つとして応えなかった。

 すると昊空は、左手で右腕を釣っていた三角巾を解いた。さらに右腕を覆っていた包帯まで解いた。

「……?」

 昊空の行動に対して紫は首を傾げた。

 完全に腕が自由になると、昊空は祀られていた刀の柄を()()で掴んだ。

 そして、刀を鞘から抜こうとした。しかし、刀は抜ける様子がない。

「無駄よ」

 紫は昊空に言った。

「それは貴方のような者が抜ける刀ではないわ」

 しかし昊空は紫の言葉に構うことなくただ刀を抜こうとしていた。

「藍、橙」

 それを見ていた紫は自身の式である『八雲 藍』とその式『八雲 橙』を呼んだ。

 そして、それを合図に2人は昊空へと襲いかかる。

 昊空は抜けない刀で2人の猛攻を往なしながら後退していく。

「いつまでその状態が続くかしら?」

 紫は若干嘲笑していた。ここまで愚かしい人間がいるのかと。

 対する昊空は、何も答えず攻撃を避け続ける。

 そして、同時に襲いかかった藍と橙を吹き飛ばすと、その手に持った刀へ込める力を強めた。

 その次の瞬間、昊空は眩い光に包まれた。

「……まさか?!」

 その光景に、紫は息を呑んだ。

 そして、光が消えると、()()()()()()()を握った昊空が居た。

「……信じれないわ」

 紫は、唖然としていた。

「……参っちゃうね」

 ボヤいた昊空は、刀を一振りした。

 すると、目にも留まらぬ速さで、真空の刃が繰り出された。

「……藍、橙!」

 紫の言葉に反応した2人は、即座に後退した。

 それにより、なんとか真空刃をやり過ごす。

「紫様……アレは」

「私達の手には負えないわ。退くわよ」

 そう言って、3人はスキマの中へと消えていった。

 直後、霊夢と魔理沙がこの場所へと現れた。

「……何よここ。初めてきたわ」

「お前でも初めてくるのか? 神社の裏手なのに」

 そう言っている2人の側で、突然昊空が倒れた。

「……って、昊空?!」

 2人は慌てて昊空の下へと駆け寄った。

 昊空は、応答する事なく、気を失ってしまっていた。

「……不味いわね。此処は色々と危ない予感がするわ」

「どうしてそう思うんだ?」

「……カンよ」

 魔理沙は、その言葉で納得した。

「お前がそう言うってことは、危ないって事だな」

「とりあえず、コイツを神社まで運ぶわよ。手伝って」

「おう」

 そう言って、2人は神社に昊空を運んでいくのであった。




はい。
凍結作品ですので、次回の投稿は未定です。
では、これで

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