あの日の戦友たちは今敵となる   作:ゼノアplus+

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〜邂逅〜そして出撃

〜翌週土曜日〜

 

 

「なあ箒、一つ聞いていいか?」

 

 

「なんだ一夏?」

 

 

「なんでお前ここにいんの?ここは関係者以外立ち入り禁止だぞ?」

 

 

ここは今日俺とオルコット嬢の試合が行われる第三アリーナのAピットだ。1回目と同様、俺の愛機も今日運ばれてくる。

 

 

「な!私がここにいて悪いか!それに私はお前の幼馴染だからな、関係者だ。」

 

 

「その定義で行くと大体の知り合いが関係者なんだが…姉さんにどやされてもしらねぇぞ?」

 

 

ていうか白式遅くね?束さん何してんの?

 

 

「織斑くん織斑くん織斑くん!届きましたよ!」

 

 

あ、最近出番が少なくてなんとか目立とうとしてる山田先生だ。3回も呼ばなくても聞こえてます。慌てすぎです、箒が何事かと構えてるから…

 

 

「俺の専用機ですか?」

 

 

「そうだ織斑。すぐに準備しろ。時間もおしている、ぶっつけ本番でなんとかしろ」

 

 

「え、あの?最適化は?初期化は?ぶっつけって…」

 

 

「いいから一夏!早くしろ!」

 

 

「そうですよ織斑くん!」

 

 

異性3人から同時に迫られるってのもなかなかなお経験だな、1人姉だけど…

 

 

「「「早く!」」」

 

 

そして搬入口が開く。この時俺は、虫よりも小さい機械が侵入していることに気づいた。まあこんなん作るの束さんだよねー。()()()の様子でも見に来たか?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー『白』ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

まだ一次移行していないせいか純粋な白ではないが、それでも美しく光るそのボディ。ああ、久しぶりだな俺の愛機。そして …初めまして。

 

 

「これが、織斑くんの専用IS、『白式』です!」

 

 

1回目の時、俺はコイツが俺を待っていた()()()と思ったが、今は違う。コイツは本当に、俺を待っていた!俺も待っていた。この時を、全てが始まるこの時を!

 

 

「時間がないからフォーマットとフィッティングは戦闘しながらやれ。出来ないイコール敗北だ」

 

 

分かりましたよっと。

 

ー俺は白式の装甲に触れたー

 

 

『お帰り、待ってたよ』

 

 

「っ!?」

 

 

「どうした織斑、何か異常があったか」

 

 

「いえ、大丈夫です」

 

 

今の声は…

 

そして俺は白式に乗った。

 

 

『少しだけこっちで話そうよ』

 

その瞬間俺の意識は闇へと沈んだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

〜???〜

 

 

「っ…ここは?」

 

 

意識が戻った俺は現状把握のため周りを見渡した。足元が浸かるくらいの水があたり一面の広がっている。だが冷たいとかいう感覚は無いな…なんだこの空間は?

 

 

「こんにちは」

 

 

「っ !?誰だ!?」

 

 

警戒しているのを隠さず俺は乱暴に声の主の方を向いた。

 

 

「なっ…お前たちは …」

 

 

そこには白いワンピースに麦わら帽子を被った女の子と、白い甲冑を着た背の高い女がいた。

 

 

「初めまして、織斑一夏くん。あなたに会えるのをずっと楽しみにしていたよ」

 

 

知っている。この声もその容姿も。何故ならこの声は…

 

 

「私は白式のコアの人格主。あなたをここに呼んだのも私」

 

 

「………」

 

 

白い甲冑を着た女は目元まで覆われているバイザーをしていて顔はあまり見えないが、こちらに視線が向いていることは分かった。

 

 

「本当に白式…なのか?じゃあ隣は…()()()か?」

 

 

「っ!なぜ知っている?」

 

 

「悪いがそれには答えられねぇなぁ、それよりも何故俺をここに呼んだ?」

 

 

「言いたいことを言おうと思ったの。まあ宣言だよ」

 

 

「宣言?」

 

 

「そう、あの時守りきれなかったあなたへ、役目を全うできなかった私へのね」

 

 

()()()?まさかコイツ…

 

 

「今度こそ守るから。貴方を絶対に死なせない」

 

 

そうか、お前も()()()に来てたのか。

 

 

「白式…いや、ここは敢えて王理と呼ぼうか、相棒」

 

 

「っ!?何故その名前を?…まさか!」

 

 

「改めて自己紹介だ。俺は織斑一夏、お前とずっと一緒にいた織斑一夏だ」

 

 

「え、あ…?本当に…?一夏、なの?」

 

 

「ああ、だからさ、もう一度俺を守ってくれないか?」

 

 

「うん!任せて!そのためにも私達は、強くならないとね」

 

 

もちろんだ。そのために俺は亡国入りしたんだからな。

 

 

「力を欲しますか?」

 

 

うお!?…あ、ゴメン、白騎士の事忘れてた。()か…俺は福音事件の時、白騎士のからの同じ問いに飲まれかけた事がある。

 

 

「ただ破壊するだけの力はいらない。俺が欲しいのは、世界を変える力だ」

 

 

「………世界を変える、ですか」

 

 

「そうだ、俺は見てきた。この世界の現実を。そしてやり直す機会を与えられたんだ。俺は…このチャンスを生かしたい」

 

 

「………分かりました。この子にとっての害でしかない存在だったら、私が消すつもりでしたが…大丈夫ですね」

 

 

怖いこと言ってくれるじゃねえか。

 

 

「うんうん、白騎士からのオッケーも出たし、時間もないからじゃあ()()()!一夏!」

 

 

また、か。そうだな。

 

 

「ああまたな、2人とも」

 

 

そしてまた、俺の意識は途切れた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「おい一夏、大丈夫か?」

 

 

姉さんの声が聞こえてくる。どうやら無事に戻れたようだ。

 

 

「ああ、大丈夫だ。それじゃあ行ってくる」

 

 

俺の相棒とは長い付き合いになりそうだな。

 

 

「それではカタパルトデッキに乗ってください。すぐに発進させます」

 

 

「分かりました、山田先生」

 

 

行くか!白式!

 

 

『うん!』

 

 

「織斑一夏」

 

『白式!」

 

 

「『出撃します!』」

 

 

 

 

 

 

 

 




オリジナル


白式と白騎士の自我がはっきりしてる。
白式との会話が可能

今後の進行における重要事項『アンケート結果がそのまま反映されるわけではありません。あくまで参考にさせて戴きます』

  • 凍結し、リメイクのみを制作、順次更新
  • リメイク版無しでこのまま継続
  • リメイク版ありで両方継続
  • この作品のまま加筆修正

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