あの日の戦友たちは今敵となる   作:ゼノアplus+

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ユニコーン、展開

組織の一員として俺はゴーレムの前に立つ。

 

「行くぞ!」

 

まずは突撃。正面からゴーレムと相対する。

 

『……』

 

AIなのだろう、機械的な動きで俺を排除しようとゴーレムが動く。

 

「狙いがわかりやすすぎる!見え見えなんだよ!」

 

ゴーレムが行ったのは毎度お馴染みビームの砲撃。正直なところ真っ直ぐにしか飛んでこない攻撃など親の顔より見た。…親なんていないんすけどね〜。

 

そのまま雪片で切り上げ。ただし零落白夜は発動させない。終わってしまうからだ。

 

胴体を切り上げられたゴーレムから電撃が走る。

 

『……!!』

 

ゴーレムは苦痛そうな機械音をあげる。コア人格か?ゴーレムはその大きな腕で俺を掴み、おそらく全力で上に投げ飛ばす。

 

「うおっ!?…っと危ない!…って待てよ!」

 

態勢を立て直しゴーレムの方を向くと、すでに奴はすぐそこまで迫ってきていた。

 

「コイツこんなに機動力あったk…くっ!!」

『…!!……!!』

 

1回目よりもはるかにゴーレムの動きがいい気がする。まさかあのゴーレム、俺の実力に合わせてレベルでも存在してるのか!

 

『一夏!流石に今の私じゃあのゴーレムには着いていけないよ。雪羅の武装を使って!』

「駄目だ!今使うと全体にばれる!それだけは…それだけは絶対に駄目だ!…ぐっ!?」

 

ゴーレムは俺をさらに追撃。でかい腕を使った殴打。白式の性能では耐えきれない。その勢いで俺はIS学園のアリーナを出てしまい、会場まで飛ばされる。

 

『お……ら……くん!!聞こえ………すか!?』

 

山田先生からの通信か?なぜノイズがこんなにも酷い?

 

『あのゴーレムからIS用の通信妨害電波が出てる!多分だけど映像も駄目になってる!』

「何?前はそんなものなかった…。さっきの予想は当たってるみたいだな!」

 

篠ノ之束、そんなものがあるなんて聞いてないぞ。

 

「…いや待て。思ったより好都合か…?」

 

姉さんらは俺の状況が全くわからない。だったら…。

 

「白式!もっと向こうへ行く。耐えてくれるな?」

『任せて!一夏のこと、守ってみせるよ!』

 

流石は相棒、頼もしいな。じゃ、やるか!

 

 

 

 

〜side out〜

 

 

〜side IS学園〜

 

「織斑君との交信途絶!状況が一切分かりません!」

「なんだと?思っていたより事態は深刻か。しかも奴と織斑は外に行ってしまった…街の方に行っていなければ良いが…。教員部隊、まだ準備はできないのか!!」

 

IS学園の司令室では織斑先生や山田先生が中心となり、対応に追われていた。

 

「後10分程で出撃準備が完了します!それまでは織斑君に耐えてもらうしか!」

「織斑はまだISに乗り始めて2ヶ月も経っていない。まさかあの機体があれほどの性能だとはな…。一刻も早く出撃しろ!あのビームの威力、いくら専用機があるといっても長くは持たん!」

 

織斑先生が指揮を取っているが、IS学園のアリーナのバリアが破られるなど想定外のこと。この異常事態に教員のIS部隊といえど反応が遅れることは仕方のないことだろう。

 

「織斑先生!未確認のISがもう一機接近!…あ!?反応消失。恐らくは織斑君との通信が途絶したものと同じ現象だと思われます!」

「もう一機だと!?誰か偵察に行けるものはいないのか!!」

 

阿鼻叫喚。その言葉がこれほど似合う状況がないだろう。

 

「織斑先生!長距離ならばわたくしが行けますわ!どうか、出撃させてくださいませ!」

「オルコットか。行けるのか?」

 

出てきたのはセシリア・オルコット。ブルー・ティアーズならば遠距離機体という特性的に偵察にも向いているのだろう。

 

「凰さんは医務室に運びましたが、何も出来ないということはありません。やってみせますわ!」

「分かった。ただしブルー・ティアーズの限界距離での偵察に徹しろ」

「了解しましたわ。セシリア・オルコット、出撃しますわ!」

 

(頼んだぞ、オルコット。一夏…無事でいてくれ)

 

戦場に出ることのできない織斑千冬には弟の無事を祈ることしかできない…。

 

 

 

〜side out〜

 

〜side一夏〜

 

山田真耶からの未確認IS発見報告の数分前。IS学園より2キロほど離れた海上。

 

「白式。よく耐えてくれたな」

『いやー。めっちゃ疲れたよ〜。あの子の表舞台デビューしちゃう?』

「そうだな。俺が戦闘行動を取らない限り、あちらも手を出してこないしな。やるとするか」

 

『………出番?』

「ああ、そうだ。待たせて悪かったな。ユニコーン」

 

いやぁ、それにしても長かった。ようやくまともにお前を使える。

 

「それじゃあ、白式。お前はしっかり休んでな。後でメンテはしっかりしとくから」

『任せたよ〜。お休み〜』

 

軽い。いや、いつもこんなもんか。

 

白式を解除したことにより、体は自由落下を始めた。

 

「ユニコーン…展開」

 

俺の機体、ユニコーン。レイさんが乗りと趣味で作った機体だが性能は現在存在しているISでトップなんじゃないだろうかっていう機体。ぶっちゃけアニメでも性能凄かったしな。ただ、原作と違う点は、ボディーが黒であるこ…と…?ん?色が白に戻ってる。なんで!?

 

 

『私の自我が芽生えてから…正直…ダサかったから…名前も…色も戻したの』

 

「…………すいませんでした」

 

 

 

 

今後の進行における重要事項『アンケート結果がそのまま反映されるわけではありません。あくまで参考にさせて戴きます』

  • 凍結し、リメイクのみを制作、順次更新
  • リメイク版無しでこのまま継続
  • リメイク版ありで両方継続
  • この作品のまま加筆修正

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