あの日の戦友たちは今敵となる   作:ゼノアplus+

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状況終了

結果から言うと、瞬殺した。

 

目の前にいるのは手足がないゴーレム。さっきからいろんなパーツから火花が飛び散っている。機能を完全に停止するのも時間の問題だろう。

 

「あっけなかったな。いくら束さんといえど無人機はこの程度か」

 

もうちょっと耐えてくれてもいいと思うんだ。ユニコーンを展開した瞬間にゴーレムのハイパーセンサーで認識できない速度で背後に行ってビームサーベル2本で手足を切り落としただけなのに…。ちょっと脆くない?

 

『ユニコーン、他の子とは性能が違うから仕方ないよ』

 

ああ、ユニコーンお疲れ様。まあ、仕方ないんだけどさ。あんまり楽しくなかった。もうちょっと強いやつとやりたいぜ。おっと、本題に移らないと。

 

「篠ノ之束、聞いているだろう。我々亡国機業は、貴方との同盟を望んでいる。貴方にその気がある…とは思っていないがこの話を聞いてくれるならこのゴーレムに送る座標まで足を運んでいただきたい。相応のもてなしをさせていただこう」

 

こんなもんか。座標データも送ったし戦利品だけもらって帰るか。

 

「まずはコア。当たり前だよなぁ。…もう機能停止させて良いよな?」

 

胸部装甲を無理やり開けてコアを抜き出す。ゴーレムの目に光はもうない。

 

「そういやユニコーン。もう喋るの恥ずかしくないのか?」

 

パーツをモン○ンのごとく剥ぎ取りながら俺はユニコーンに尋ねる。

 

『まだとちょっと…恥ずかしいけど、慣れてきた』

 

「そうか、これからも頼むな」

 

『…うん!』

 

大抵の作業は終わった。あとは、俺だってばれないように隠蔽工作しないと…

 

『そこの所属不明機!武装を捨ててISを解除しなさい!』

 

 

……えぇ。なんでバレたの。ISの反応はゴーレムが出してたやつで阻害され…て…アッ。

 

 

『さっき…コア抜いたから、機能停止しちゃったよ?』

 

 

忘れてたぁ…。ヤバい、今織斑一夏が行方不明とか学園で絶対言われてるだろ。これ姉さん来るパターンじゃね?マジでどうしよう…

 

 

『所属不明機、早くISを解除しなさい。周りでは私の部隊が包囲しています。逃げ場はありません』

 

 

訓練用のラファール・リヴァイヴ10機程度だがあんまり力を見せつけるのもよくない。逃げるのは確定なんだけどさぁ… 織斑一夏の存在どうしよう。

 

 

『やられてたから…持ってくるって言ったら?』

 

 

それでも良いんだけどその後が…いや、それで行こう。

 

 

『私は織斑一夏のいる場所を知っている。貴様らが私を通さないと言うのであれば、私だけ離脱しても良いのだぞ?』

 

 

ボイスチェンジャーを使って聞いてみた。

 

 

『っ!?…そんな分かりやすい嘘が通じるとでも思っているのですか?』

 

 

そっちこそ分かりやすいくらい動揺してんじゃないか。まあ、構うだけ無駄か。

 

俺はスラスター全開で逃げる。

 

 

『な!?速すぎる!追いなさい!アレを逃してはいけないわ!』

 

 

さーて、ユニコーン。俺の遺伝子さえ認識できれば機体は起動できるか?

 

 

『多分できるよ』

 

 

操縦は?

 

 

『頑張る!』

 

 

わかった。じゃあ俺の細胞を含ませたナノマシンを内側に薄く張るからお前は俺があちらに渡ったらステルスで逃げる振り。その後は待機形態に戻ってくれ。

 

 

『じゃあ私から…行くね』

 

 

おう、頼んだぞ相棒。

 

 

『え?…うん!』

 

 

〜side out〜

 

 

〜side教員部隊〜

 

 

学園の訓練機であるラファール・リヴァイヴに乗った教員部隊はあり得ない速さで逃げた所属不明ISを探していた。

 

 

「速度特化型の機体か… 織斑君の姿は確かに見えないけどアレにさらわれたと考えるのが妥当かしら…」

 

「でも本当のことだったら織斑君の位置がわからないままななのでは…」

 

「最初に学園に来たISを倒したのもあのISっぽいですし、案外味方だったんじゃないですか?」

 

 

部隊の間で様々な憶測が飛び交う。

 

 

「ここで考えても仕方ないわ。とりあえず捜索範囲を広げましょう。あのISもあんな速度だと流石にもうエネルギーは残ってないでしょうし。遠くまでは行ってないはず…」

 

その時、

 

 

「ISの反応!近づいて来ます!」

 

「何ですって!?」

 

『約束を…果たしに来たぞ』

 

 

教員部隊の前に現れたのは、織斑一夏を抱えた先ほどのIS。

 

 

「何を考えているのかしら?」

 

『…今はまだ、貴様らの敵になるつもりはないという事だ』

 

()()なのね」

 

『……さらばだ』

 

 

そう言って織斑一夏を渡し姿を消した。

 

 

「戻りましょう。織斑君を届けないと…。織斑先生になんて言われるかしら…」

 

 

教員部隊は何もできず、帰路に着いた。

 

 

〜side out〜

 

 

〜side一夏〜

 

 

作戦は完璧だった。いや、やっぱ学園の教師弱すぎる。まともに戦えるの山田先生と姉さんくらいだろあれ。

逆にあの2人が強すぎるのか?つまり一般の操縦者はあの程度…ISの数が少ないのに一般ってなんだか変だな。

 

「織斑くん大丈夫?って寝てるわよね」

 

「ん…んん?先生…ですよね?」

 

「あら、起きたのね。体は大丈夫?」

 

「あ、はい大丈夫です。俺は…負けたんですね」

 

「仕方ないわよ。まだISに乗り始めて3ヶ月もたってないじゃない。あまり大きな声で言えないけど、今回は織斑先生が無謀だったと思うわ」

 

へえ…。この先生は思ったより使()()()な。てか、ISに乗っててそんな事言ってたら…

 

『部隊長…戻ってきて報告が終わったら話がある。私の部屋でゆっくりと飲もうではないか』

 

「え!?…わかりましたぁ…」

 

南無三。でもその飲み会の後の片付けはどうせ俺なんですね分かります。

 

「ありがとうございます。わざわざ助けてもらって…」

 

「え?いやいやいや!謝るのはこっちよ。出動が遅れたせいで織斑君が戦う羽目になったんだから!」

 

いえ、あの、ゴーレムが来たの理由俺なんで…すいません。とか言えるはずもなく、

 

「は、はあ」

 

下手な相槌しか出なかったよ。マジですいません。

 

『織斑、お前にも話があるからな?』

 

「……はい」

 

 

そんな話をしながら俺たちは学園に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……いっくんが亡国機業に入ってたなんてね。全く気づかなかったよ。いっくんの様子からすると箒ちゃんもちーちゃんも気づいてないかもね〜」

 

「あの方が、束様のおっしゃっていたいっくん様ですか。聞いていたよりは随分たくましい方なんですね」

 

「いや〜流石の束さんもびっくりだよ〜。一体いつからISに乗ってたのかな?ISに人が乗ってないのにユニコーンガンダム?が動いてたし。ゴーレムがやられた後も私が見てた事に気づいてたっぽいね〜。束さんがISでわからないことがあるなんてね」

 

「ガンダムって確か、アニメでしたよね?」

 

「そうだよ。アニメの機体って浪漫あるね〜。ISとMSは意外と相性いいかも!だったらナイトメアフレームっていうか武装もいろいろいけるんじゃ…フフフ、アレ作ったやつと会ってみたいね」

 

「束様が他人に興味を…。これは成長を喜ぶべき…?でしょうか。でも危ない方向に進んでる気もします」

 

また1人無駄に頭のいい馬鹿が生まれそうだった。

 

「そういえば束様、亡国機業からの招待。受けるのですか?」

 

「もちっちろ〜ん。ひさびさにいっくんに会いたいし、開発者にも会いたいし、そして何より…」

 

 

「悪い話じゃないしね」

今後の進行における重要事項『アンケート結果がそのまま反映されるわけではありません。あくまで参考にさせて戴きます』

  • 凍結し、リメイクのみを制作、順次更新
  • リメイク版無しでこのまま継続
  • リメイク版ありで両方継続
  • この作品のまま加筆修正

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