あの日の戦友たちは今敵となる   作:ゼノアplus+

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変わる現実に何を望む
転校生は強烈 山田先生もエグい


「ねえ、聞いた?今日転校生来るんだって!」

 

「え、そうなの?どんな人なんだろう〜」

 

 

今日登校中にこんな話を聞いた。しかも部屋の前には不自然なダンボールがあった。シャルが来るの今日だったのか…

 

 

今はから教室に入る、と言うところだ。このクラスにも噂が出回っているのだろうか?

 

 

「むっ、一夏か。おはよう、今日は珍しく遅いな」

 

「あら一夏さん、おはようございます。今日もいい天気ですね」

 

 

教室に入ると箒とセシリアが挨拶して来る。いつも通りだ。

 

 

「ああ、おはよう箒、セシリア。ん?時間ギリギリか、いつもよりゆっくり来るとこんな感じなのか」

 

「あまり生活リズムは崩すものではないぞ。体に悪い」

 

 

流石は箒、スポーツ女子は違うな。とその時、

 

 

「おはようございます皆さん。今日はお話があるので席に座ってください」

 

 

山田先生が入ってきた。話の内容大体わかるってつまらないもんだな。

 

 

「じゃあ一夏後でな」

 

「ではまた、一夏さん」

 

「ああ」

 

 

クラスの生徒たちは席に座る。

 

 

「先生〜!話ってなんですか〜?」

 

 

そう誰かが聞いた。

 

 

「はい、今日はこのクラスに転校生が来ます。どうぞデュノア君」

 

 

あーもう先生言っちゃったよ。…君て

 

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れなことも多いかと思いますが、皆さんよろしくお願いします」

 

 

扉から入って来た転校生、シャルルがにこやかな笑顔であいさつする。元から知ってた俺以外のクラスメイトが固まる。…あっ、やっべアレ忘れた… 鬱だ。死のっかな…いやどうせ死ぬか。

 

 

「お、男…?」

 

「はい、こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国から転入を…」

 

 

一応対策はするか。意味ないけど、は〜い、3、2、1

 

 

「きゃああああああーーーーっ!!!!!!!」

 

 

カウントダウン通りに発生するソニックウェーブ。手で耳を抑えただけでは貫通するのだ。つまり一夏は耳栓を忘れたのである。

 

 

「男!織斑君に続く男よ!」

 

「織斑君はかっこいい系でデュノア君は美男子!完璧だわ!」

 

「ふふふ…一×シャル!!いやシャル×一もいいわね!今日から困らないわ!!」

 

 

そうかここが地獄か… 俺は耳も強化されているため余計に音を拾う。…もちろん爆音も。めっちゃ耳がいたい…後、最後のやつ、一体何に困らないんだ…?

 

 

「静かに!!転校生はもう一人いる。ラウラ、入ってこい」

 

 

後から入って来た姉さんがそう言う。まあソニックウェーブ並みだからそりゃあうるさい。

 

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

 

無音。まあこの頃のラウラだからね。仕方ないね。

 

 

「あ、あの、それだけですか…?」

 

「………」

 

 

どうせ、ISをファッションと思ってる奴らに言うことはない、とか思ってるんだろうな。てことは次に取る行動は…

 

 

「…ッ!貴様が…!!」

 

 

ほら来た。ラウラが俺の席の前に立つ。

 

 

「貴様がいなければ!!」

 

 

ラウラが腕を振り上げる。軍人の本気の平手打ちを一般人が受けたらマズイだろ(俺は例外)

 

 

「え?…なに…ぐうッ!?」

 

 

そう声をあげたのは俺…ではなくもちろんボーデヴィッヒ。

 

俺が平手打ちをされる直前、立ち上がり腕を掴む。そんでそのまま背負い投げの要領で床に叩きつけた。今ここね。

 

 

「織斑、ソレを下ろせ。この状況は一般生徒に見せていいものではない」

 

 

あの状態から拳銃を突きつけていた俺を姉さんが諌める。確かに、一般の生徒にはキツイか。

 

 

「そうですね。すいません、配慮が足りませんでした。まあ、正当防衛ですよ」

 

「そんなわけあるか、過剰だ。第一、お前どこで銃を手に入れた?」

 

「そりゃあ、世界唯一の男性操縦者ですから自衛の得物くらい持ってますよ。倉持で貰いました」

 

 

全く…と言った感じに姉さんがため息をついている。山田先生は何が起こったのか分からずあわあわしている。小動物かって。

 

 

「ゴホッ…!私は、認めないぞ!貴様が教官の弟などと!!」

 

「今ソイツに投げ飛ばされた奴が何言ってるんですかね…全く、コイツ織斑先生の昔の教え子でしょう?教官って言ってますし。ちゃんと手綱は握っててくださいよ」

 

 

「私だって苦労しているんだ…とりあえず双方今回の事は不問にする。後織斑の拳銃は没収する」

 

 

え〜、まあもう2丁あるからいいけどさ。

 

 

「織斑、デュノアの面倒を見ろ。同じ男だ。あー、これでホームルームは終わりにする。全員着替えて第2グラウンドに集合だ。今日は2組と合同で模擬戦闘を行う。遅れるなよ?」

 

 

姉さんがそういいクラスメイトが動き出す。さて俺たちも移動するか。

 

 

「デュノア…だったよな?すぐに更衣室に行くぞ。時間がないんだ」

 

「え?あ、織斑君だね。よろしく。すぐって?」

 

「とりあえず移動しながらだ」

 

 

俺はデュノアを率いて教室を出、移動を始める。

 

 

「男子はアリーナの更衣室で着替えることになっていてな、すぐ移動しないと授業に遅れる。そして授業に遅れると…死ぬ」

 

「死ぬの!?」

 

「ああ、だから早く行かないと行けないんだ。しかも俺たちは貴重な男子。女子は珍しい物が大好きでな。見つかると最後だ。絶対に授業には間に合わない」

 

 

そうこうしている内(俺が女子に見つからないように丁寧に且つ迅速)に移動し、更衣室についた。

 

 

「さてじゃあ着替えるか。俺は一応下にISスーツをきてるからすぐ終わるんだが…デュノアは?」

 

「僕はすぐに着替えれるから。ここをまっすぐ行けばいんだよね?先に行ってて」

 

「そうか?じゃあ行かせてもらうけど…」

 

 

確かに、デュノアの着替えるスピードは早い。女だとバレないための措置なんだろうが、残念ながらカメラがある。ぶっちゃけ盗撮だが、弱みを握るには丁度いい。

 

 

「一夏おはよう。いい朝ね」

 

 

俺がグラウンドに行くと鈴がいた。あんな告白されてちょっと気恥ずかしいが普通に返すしかない。

 

 

「ああ、おはよう鈴。一限目がこれじゃなかったらな」

 

「そんなこと言わないの。ISの授業こそ、この学園の特徴じゃない」

 

 

いや、まあそうなんだけど。朝一で自主練してたから若干怠いんだよ。

 

 

「あ、そうだ一夏」

 

「ん?」

 

 

鈴が寄ってくる。

 

 

「この前の事。本気だからね?」

 

 

小声ですっごい優しい笑みで言ってくる鈴。ヤベェ、可愛いすぎて死にそう。

 

 

「あ、ああ。分かってる」

 

「私待ってるからね。朴念仁だった一夏が治ったのは嬉しいけど、自覚してる分ちゃんと答えてあげないとダメよ?他の子も」

 

 

なんか、鈴がすごい大人に見える… 他の子も、か…

 

 

「…分かってるさ。俺の責任なんだから」

 

「うん。ならば良し!もう始まるから行くわよ!」

 

 

バシッと俺の背中を叩いて歩き出す鈴。ホント、いい女になったよ。

 

 

「あ、織斑君。授業始まっちゃうよ?早く行こう?」

 

 

そのタイミングでデュノアも来る。カメラは…健在か。動画もちゃんと撮れてるな。工作班に送信して…っと。

 

 

「ああ、それと一夏でいい。苗字はあまり好きじゃないんだ」

 

「そうなの?じゃあ僕もシャルルでいいよ。僕も…苗字で呼ばれるのは好きじゃないから」

 

 

デュノアという苗字。フランスにある会社でISの世界にいる者なら知らない者は無いな。

 

こういう点では共感できるポイントがあるんだけどなぁ…。方法がダメだ。スマートじゃ無い。

 

 

「了解、じゃあシャルル。行くか。織斑先生がこっちに気づいた」

 

「うん」

 

 

そして列に並び授業が始まる。何人かは俺とシャルルをガン見していて姉さんから制裁を食らっている。

 

 

「鳳、オルコット、前に出ろ。お前達には模擬戦をしてもらう」

 

 

姉さんが二人にそう言う。

 

 

「分かりましたわ。して、お相手はどちらに?鈴さんですか?」

 

「え、そうなの?地味にセシリアとは戦ったことなかったから丁度いいわね」

 

 

お互い姉さんに呼ばれてやる気になっている。が…

 

 

「違う、お前達には山田先生と戦ってもらう。アイツに良いところ見せるチャンスだぞ?」

 

「ッ!?お任せください。やはりここはこのセシリア・オルコットの出番ですわ!!」

 

「セシリア…分かり易いわね。まあそこが良いところなんでしょうけど」

 

 

…姉さん1回目の時そんなやり方で二人のやる気あげてたのか。鈴はなんかセシリア見て呆れてるし。

 

ん?鈴がこっちを見てる?

 

 

「ちゃんと、見てあげなさいよ」

 

 

と口パクで言ってきた。分かってるって。

 

俺もそう言う意味を込めて頷く。

 

 

「む?へぇ…なるほどな。よし、2人ともISを展開しろ」

 

 

「「はい」」

 

 

2人がISを纏う。その時…キィィィンと甲高い音が。ああ、あったなそういえば…

 

 

「ああああああーっ!!どいてください〜っ!!」

 

 

訓練用のラファールに乗った山田先生が操縦をミスって俺の方に墜落してきた。…俺の方っていうか俺めがけて生徒がいる方、ね。

 

 

「全員離れてろ!白式!」

 

『はいよー!!』

 

 

俺は白式を纏い、ラファールを受け止める場所を作る。

 

 

ドゴォォォン!!と土煙が舞うほどの衝撃。

 

 

「ゲホッ!ゲホッ!大丈夫ですか山田先生?」

 

「え、え?あ、はい!大丈夫です!!」

 

 

なんとかラファールウイングスラスターを掴み、勢いを殺した。結構手が痺れるなこれ。耐衝撃の訓練には良いかも知れん。

 

ただ、ウイングスラスターを正面から受け止めたせいで山田先生と顔の距離がかなり近い。ん?熱源反応…?

 

シュン…と閃光。

 

 

「あら?外してしまいましたわね?次は…仕留めますわ…」

 

「セシリア…アンタ落ち着きなさいって…ハァ…」

 

 

激おこ状態のセシリアとそれを諌める鈴。それと別方向から箒の不機嫌そうな気配。あ、なんか箒丸くなった?

 

 

「…山田先生、ちょっと投げますね。命の危険を感じるので…」

 

 

スッっと山田先生を空に放る。今度はミスる事なく空中にしっかり止まる。 実はこれ結構高等技術だ。わざとめっちゃキツイ体制になるように投げたから、山田先生の練度の高さが分かる。セシリアと鈴、シャルルがそれを見てポカーンとしている。まあ、流石にビビるよなぁ?あ、ボーデヴィッヒも若干口が開いてる。

 

 

「…今分かったものは思っただろうが、山田先生が体勢を立て直した動きは並の者ができる動きでは無い。そうだろう、オルコット、鳳」」

 

 

姉さんが満足そうに2人に聞く。またいやらしい事を…

 

 

「え、ええ…今のをまともにやると、体が裂けてもおかしくありませんわ…そんな動きはウチの代表でもこんな綺麗には…」

 

「山田先生って結構凄かったのね…見習わないと…」

 

 

もはや、鈴は聞いていない。てか、イギリス代表より山田先生の方が練度高いの?良い情報が聞けたな。

 

それもそのはず、何故なら…

 

 

「山田先生は元日本代表候補生だからな。これくらいのこと造作もない」

 

「いえいえ、昔の事ですよ。候補止まりでしたし」

 

 

嘘つけ、知ってるぞ。姉さんが入るまでは飛び抜けて1位だった事。

 

 

「そう謙遜するな。とにかく!小娘ども、惚けてないで準備をしろ。模擬戦を始めるぞ」

 

「え、2対1ですの?それは不公平では…」

 

「バカッ、あんなの見せられてまだ1対1とか言ってるの?2人でやらないと速攻で落とされるわよ!」

 

 

俺は白式を解き、準備を完了した2人を見守る。

 

 

「では、始め!」




これから学校の試験期間に入るので投稿ペースが落ちると思います。落ちなかったら…勉強してないだけですのでご安心を〜

今後の進行における重要事項『アンケート結果がそのまま反映されるわけではありません。あくまで参考にさせて戴きます』

  • 凍結し、リメイクのみを制作、順次更新
  • リメイク版無しでこのまま継続
  • リメイク版ありで両方継続
  • この作品のまま加筆修正

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