あの日の戦友たちは今敵となる   作:ゼノアplus+

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クラスメイトのボーデヴィッヒ

「一緒に食べましょ?懇親会って事で」

 

「え?」

 

「あら、お嫌?」

 

「いえ、むしろ歓迎しますけど。いいんです?誰か来たら噂されますよ?」

 

 

俺は慣れてるけど流石に先輩がそうなるのは困る。

 

 

「いいわよ別に。噂ってだけなら慣れてるもの」

 

 

先輩は弁当を広げながらそう言う。

 

 

「いえいえ、仲間になるんですから。まあ、今日はシャルルに気をとられてここに来る人なんてそうそういないt…」

 

「あ、一夏さん!このようなところにいらっしゃったのですか。私達も誘ってくださればよかったのに。…って、ウェルキン先輩!?」

 

 

入ってきたのは、セシリアとシャルルと鈴と箒。珍しく俺が居なくても纏まりがある。鈴のおかげか?

 

 

「居たわね」

 

「…居ましたね」

 

 

先輩と息が合う。

 

 

「ウェ、ウェルキン先輩?なぜ一夏さんと一緒にお昼を食べいていますの?まさかもうそういう仲に…?」

 

「そんな訳ないでしょ。たまたま出会ってアンタがお世話になってる事を話してたのよ。セシリアはその…アレだったでしょ?迷惑かけてないかって」

 

「なっ!、わたくしはもう改心しましたわ!大丈夫ですわよ!」

 

 

2人が姉妹喧嘩?しているのを横目に、残りの3人が寄ってくる。

 

 

「一夏…僕の事見捨てた?食堂怖かったんだけど…?」

 

 

俺たちの名物、ハイライトが消えたシャル。いや、怖いだけなんですけどね?

 

 

「いやいやそんなことないって!今日はたまたま弁当作り忘れたから仕方なく購買で買ったんだよ」

 

「ふーん。そうなんだぁ?でもさ、こうなるの経験済みだろうし、分かってたよね?」

 

「へ!?い、いやぁ?流石に午前だけでこんなになると思ってなかったから…すまん!!」

 

 

その頃…鈴と箒は…

 

 

「なんだか、賑やかなのも良いものだな鈴」

 

「そうねぇ、ちょっと想定外だったけど(あの人もライバル?でもそんな雰囲気じゃないし…?)」

 

 

だいぶのほほんとしていた。幼馴染組は凄いなぁ。…助けろよ。

 

 

 

〜数分後〜

 

 

「で?みんな落ち着いた?」

 

「「「「はい」」」」

 

 

鈴の号令で一同静まる。

 

 

「みっともないとこ見せちゃったわね。改めて自己紹介するわ。私は二年のサラ・ウェルキン。イギリス代表候補生で一応

、セシリアの先輩になるわね。…私は先に行かせてもらうわ。お邪魔そうだし」

 

「ウェルキン先輩お気になさらずとも…」

 

「流石に、年上がいたら話しにくいこともあるでしょう?それじゃあね。あ、セシリア?」

 

 

先輩が笑顔でセシリアを見る。あ、これセシリア終わったな。

 

 

「なんですの?」

 

「アンタ4月にやらかしたそうじゃない。今度、鍛え直してあげるわ」

 

 

そう言って去っていった。いつのまにか昼飯食ったのか…気付かなかった。セシリアは、顔が真っ青だ。

 

 

「…先輩の……訓練?わたくし、生きて帰れるでしょうか?」

 

 

大丈夫だって、1回目で何も知らずにお前のサンドイッチ食った時の俺よりはマシな顔してるって。…うっ、頭が…

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

「「「「「「あっ…」」」」」」

 

 

昼からの授業の予鈴が鳴ったのだった。

 

 

「…お前ら、飯は?」

 

「食べてませんわ…一夏さんを探していましたので」

 

「私は食べたぞ。最近自分で作っているからな(なぜか味が全くしないのだが)」

 

「私も食べたわ。…といっても少しなんだけどね」

 

「僕は…食堂が人で溢れかえっていて食べてない」

 

 

セシリアとシャルルか。…仕方ないな。

 

 

「2人ともこれ食え。まだ開けてないし、食わないよりはマシだからな」

 

 

俺は購買で買った袋からおにぎりを取り出し渡す。

 

 

「よろしいのですか?」

 

「ああ、俺はそこそこ食ったしな」

 

「ありがとう一夏。助かるよ」

 

 

確か…午後の授業は…!?

 

「待て、急ぐぞ!!午後からは整備の実習だった!!」

 

「ちょっと!それ不味いじゃない!ヤバイわよ。早く行かないと…!!」

 

 

こんな感じでドタバタと俺たちは走った。

 

もちろん間に合わないので全員漏れなく姉さんからの一撃を食らった。

 

 

 

〜夜、一夏の自室にて〜

 

さて、授業も終わり部屋に戻ってきた俺だが、シャルルも戻ってきた。あんまりふつうに接すると情がうつるからな。多少は距離を置く。

 

 

「これからよろしくな、シャルル」

 

「うん、こちらこそ」

 

 

俺たちはもちろん同部屋なので、互いに挨拶。

 

 

「細かいルールでも決めるか。まずは…シャワーの順番はどうする?俺は先でも後でもどちらでも良いぞ?」

 

「後で良いよ。一夏が先に使って」

 

 

前もこんな会話だった気がする。

 

 

「遠慮しなくて良いんだぞ?2人しかいない男なんだ。そういうのは無しだ」

 

 

…酷いけど、そろそろ亡国として接していこう。まずは男同士という事を繰り返し使って、罪悪感を植え付ける。

 

 

「大丈夫だよ。僕ってあんまり汗かかないから、あんまり気にならないし」

 

「そうか?でも、なんかあったらすぐ言えよ。なんたってルームメイトで男同士なんだからな」

 

「……ッ…」

 

 

ちょっとだけ口元が動いた。反応してるな。

 

 

「あっ、そうだ。せっかくだしお茶でも飲んでみるか?日本に来てそんなに経ってないだろ。日本ぽいもの、どうだ?」

 

「お茶?あっ、なんか特別な技法を使って入れるものだよね?」

 

 

それは抹茶だな。確か購買にそれっぽいもにあった気がするけど…そこまで見てないな。今度確認しとくか。

 

 

「それは抹茶だな。俺が言ったのは麦茶とかほうじ茶とかそういった類だな」

 

「ふーん。じゃあもらっても良いかな。お茶は前から興味があったんだ」

 

 

ニコッと笑顔で言ってくるシャルル。こういう自然な事で男子だと勘違いしてる女子が落ちるんだよなぁ…。これが俗に言うニコポか。

 

 

「まぁ、今はパックの物しかないけどな。これも十分美味しんだ。ほら、出来たぞ」

 

 

お茶を渡す。自白剤持ってるから入れても良いんだがもうちょっと後にする。今入れて、今度同じことして飲んでもらえないとか嫌だしな。…何より、食事は楽しむものだ。

 

 

「わぁっ!これ美味しいね一夏。なんというか、落ち着く感じがする」

 

 

そう笑顔で言ってきたのはおそらく、()()()()()()()()()()()だろう。こう見ると、ちゃんと女の子なんだけどなぁ… なぜ他の生徒は気づかないんだろうか?

 

 

「そうか、それは何よりだ」

 

 

そうして、夜は更けていった。ちなみに、白式をあえて遠くに置いてどうするか反応を見ていたが今日は何もしなかった。流石に初日からする勇気はないようだ。

 

 

 

アレから何日か経ち俺は今、学園の射撃などの訓練場に来ていた。ここはいつも誰も来ていないのでほとんど俺が1人で使っている。

 

 

「…若干ズレてるな。後で修正しないと」

 

 

自前の拳銃を使ってひたすら射撃練習。あ、これは姉さんに取られたやつね。返してもらえたのだよ。ちなみにこの拳銃、無駄に高性能でな。マガジンにISの拡張領域が採用されていて装填しなくても弾が補給され続ける鬼畜仕様。無駄に高価である。

 

ちなみに撃った弾はもれなく人型の的の脳天と心臓を完璧に捉えている。…様に見えるが実は若干ズレており俺的には不満足。やっぱ俺銃苦手だわ。狙わなくても当たる極太ビームとかだったら使いやすいんだけど…そんなもの要らない。

 

 

「他の2丁も使っとくか。メンテナンスしてないからなぁ…」

 

 

そう言いながら2丁とも取り出す。これらは普通の拳銃、弾切れにはご注意を。

 

 

「サイレンサー付けとくか?…今更か。…ん?」

 

 

足音が聞こえる。こんな所に誰だ?

 

 

「ほう、此処が教官の言っていた場所か。なかなか良い施設ではないか。…ッ!?織斑一夏!!」

 

 

やってきたのは銀髪、眼帯、現役軍人と設定モリモリの少女、ラウラ・ボーデヴィッヒ。あ〜、軍人ならそりゃ来るわ。

 

 

「ボーデヴィッヒか。ここは俺以外居ないから好きに使ってくれ。あっ、ISは使うなよ〜」

 

「黙れ!誰が貴様などの戯言を聞くか!」

 

「ここ壊して姉さんにどやされても知らないからな…?」

 

 

うぐッ、っと正論を言われて後ずさるボーデヴィッヒ。

 

 

「そ、そういう貴様こそこんな所で何をしている?貴様の様な一般人が来る場所ではないぞ、此処は」

 

「もう、世界的な有名人なんだがな…。いや、ISだって絶対じゃない。それは軍人のお前もわかるだろ?だから…」

 

「生身でも戦える様にする、か」

 

 

分かってるじゃないか。

 

 

「そうだ。この前お前を投げた時の技も、そういう理由で習ったものだ」

 

「……貴様を教官の弟だとは断じて認めん。だが…貴様はISが何か理解している様だな」

 

 

もちろん。ISとは…

 

 

「簡単に人を殺せる兵器だ」

 

 

苦楽を共にする相棒だ。

 

 

「なぜ人々がこんな簡単なことに気づかないのか、わからない」

 

 

なぜ人々がISの声に気づこうとしないのか、わからない。

 

 

『一夏…』

 

 

「…貴様の事は気に入らないが、話は通じる様だな」

 

「おっ?そう言ってもらえるとありがたいな。クラスメイトとは出来るだけ仲良くしておきたいからな」

 

 

後で利用しやすくするために…

 

 

「それにな?良く考えてみろ。俺はたしかに姉さんの栄光を邪魔した本人だ。でもそのおかげで姉さんはお前らの教官となった。俺が誘拐されてなかったら、お前は姉さんに会えなかったかもしれないんだ」

 

「………確かに、その通りだな。だが、しかし…」

 

 

ボーデヴィッヒにはまだ迷いが見える。

 

 

「お前は姉さんに鍛えられたんだろ?だったら自信を持って、姉さんに恥じない様にしろ。自分はあの世界最強の教え子で、ドイツ代表候補生の()()()()()()()()()()()だとな」

 

「……そうだな。その通りだ。感謝するぞ織斑」

 

 

おっ、呼び方が変わった。今までの修羅でも纏っているんじゃないかっていう雰囲気が消えたな。

 

 

「ああ、気にするなって。クラスメイトだろ?」

 

「クラスメイト…クラスメイトか。じゃあ、そのクラスメイト様に一つ頼みがある」

 

 

ん?

 

 

「今日の放課後、一戦交えてほしい」

 

「ISか?良いけど、どうしてだ?」

 

「お前の実力が知りたい、と言ったら?」

 

 

あらやだ、誘い方が情熱的。

 

 

「ふーん、良いぜ。第三アリーナでいいか?」

 

「ああ、申請は私が通しておく。待っているぞ」

 

 

そう言って去って行った。え、戻るの…?

 

少しして顔を赤くして戻ってきたので、俺が代わりに出てった。なんか既に小動物感出てるな。




この度のヒロインアンケート決勝の結果を参考に、ヒロインを決定することができました。
アンケートにお答えいただいた、

零乃 愛李様

ラビラビタンタンハザード様

あじら様

稼津斗様

キバット13世様

ムリエル・オルタ様

勝斗様

大和改三様

黒目玲愛様

松影様

サクラサク様

シルスキー様


ありがとうございました。ヒロインはまだ発表しませんが、これからの展開をお楽しみに!

今後の進行における重要事項『アンケート結果がそのまま反映されるわけではありません。あくまで参考にさせて戴きます』

  • 凍結し、リメイクのみを制作、順次更新
  • リメイク版無しでこのまま継続
  • リメイク版ありで両方継続
  • この作品のまま加筆修正

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