あの日の戦友たちは今敵となる   作:ゼノアplus+

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今回は短め


完成品と不良品

時は放課後、ボーデヴィッヒとの模擬戦の約束があるためアリーナに向かっている。

 

 

「いや〜、ボーデヴィッヒも思ってたより話が通じるじゃないか。1回目で俺がちゃんと対応してたらちょいでもマシだっただろうな…」

 

 

やっぱ姉さん至上主義はあるらしいけど全然マシになった。…クラスメイトへの態度が変わってないのは良くないけど。

 

 

「どうしよっかな〜。さっさとボーデヴィッヒのVTシステム発動させて倒してもいいんだが…あ〜、他にも練習してる人がいるからダメだな。…ん?」

 

 

前から大急ぎで走ってくる女生徒が1人。

 

 

「あっ!!織斑君!大変なの!」

 

 

何組の生徒だっただろうか?一年生というのはわかるのだけどな。あと、走ってて揺れてる胸が眼福です、ありがとうございます。

 

 

「どうした?」

 

「今、アリーナで鳳さんとオルコットさんがボーデヴィッヒさんとISで勝負してて… 鳳さんとオルコットさんが一方的に…」

 

「ボーデヴィッヒを痛めつけてるのか?」

 

 

いや、なんか今の2人なら出来そうだけど…

 

 

「逆なの!2人がボーデヴィッヒさんにやられてて、もうISが強制解除されそうなの!」

 

 

アイツら…1回目よりは落ち着いてるから大丈夫だと思ってたけど…

 

 

「わかった、すぐ行く!君は先生に知らせに行くんだ。いいな?」

 

「う、うん」

 

 

クソッ、思ってたよりボーデヴィッヒの実力が高かったか。急がないと。

 

 

「出番だ!白式、行くぞ!」

 

『おっけ〜い!!最近あの金髪ちゃんがいて話せなかったからね、ちょっとお姉さん溜まってるんだよ!ぶっ飛ばしちゃうよ〜!!』

 

 

お前がお姉さんとか…フッ。

 

 

『あ〜!笑ったね一夏!【零落白夜】使わせてあげないよ?』

 

「いやいや!それはマジで困る!悪かった。悪かったから!」

 

 

俺は急いでるのに何をしてるんだろうか…

 

 

『ふふん!よろしい。…あっ、見えてきたよ!』

 

 

アリーナに出るとISを強制解除させられ、床に倒れているセシリアと、ボーデヴィッヒに片手で持ち上げれている鈴が…

 

 

「フンッ、イギリスと中国もこんなものか…むッ!!」

 

 

俺は衝動的に「雪羅」を展開、荷電粒子砲を撃つ。AICで止められたらしいがどうでもいい。

 

 

「ボーデヴィッヒ、何をしている?生徒間の戦闘は申請書を通してやるものだ。説明してもらおうか!!」

 

「何を怒っている?少し口が過ぎたのは認めるが先に手を出したのはコイツらだぞ?」

 

 

本当に理解していないのか当然といった表情で言ってくる。鈴はもう離したらしい。

 

 

「シャルル」

 

「へ?あ、はい!」

 

 

今来たのだろう、専用機のラファールを装備したシャルルに声をかける。

 

 

「2人を回収してすぐに保健室に連れて行け。俺はコイツに用がある」

 

「わ、分かった、気をつけてね一夏」

 

「させると思うのか?」

 

 

俺はさらに雪羅を撃って牽制する。

 

 

「ボーデヴィッヒ、模擬戦は今からでいいな?」

 

「……フンッ、良いだろう。頼んだのは私だからな」

 

 

その間にシャルルが2人を連れてアリーナを出た。…よし。

 

 

俺とボーデヴィッヒ以外はこのアリーナにはいない。だからこうして雪羅を展開している。ここでバラすのはどうかと思ったが、面倒だから仕方がない。

 

 

「行くぞ織斑!」

 

 

ボーデヴィッヒがワイヤーブレードとプラズマ手刀を展開させ迫って来る。俺は空へ逃げ雪羅を構える。

 

 

「そのような武装、開示されたデータには無かったが二次移行でもしたのか?」

 

「そんな事、どうでも良いだろう?今は戦闘中だ」

 

「そうだな!」

 

 

追いかけてきたボーデヴィッヒが手刀を振るい俺は雪片で受け止める。

 

 

(白式、雪羅と零落白夜の出力を60%落として推進系に回せ)

 

『了解、無茶しないでね』

 

(ああ、余裕だ)

 

 

どうせ途中で姉さんに止められるんだからやり切った方がいい。

 

ボーデヴィッヒの手刀を弾き、今度はこちらから追撃する。雪片を振る直前『零落白夜』を発動、大幅に相手のシールドエネルギーを削る。そのまま雪羅の『零落白夜』の爪で追い打ちだったが近距離でボーデヴィッヒがレールキャノンを発射。俺は回避行動で距離を取る。

 

「どうしたボーデヴィッヒ。ドイツのISはこんなものか?」

 

「……何故だ?」

 

「あ?」

 

「何故そのような力を持ちながら、このような場所にいる!!」

 

 

…えーと、うん?

 

 

「こんなISをファッションとしか思っていない連中といては貴様の能力も生かせない。その戦闘力があれば、軍でだって十分戦果を期待できるはずだ!」

 

「その戦果が欲しいから、お前らを作ったんだろ?まあ、不良品しか出来なかったらしいけどな」

 

「不良品…だと…」

 

「完璧に作られたんだったら俺なんかには負けないだろ?」

 

「私は不良品じゃない!!貴様を倒して、教官に…教官にィィィ!!」

 

 

叫びながら突っ込んできたボーデヴィッヒ。ここまで負の感情があるんだったらVTシステムが目覚めると思っていたが、まだらしい。

 

 

「なんか、怒ってたのがアホらしくなってきたな」

 

 

アリーナの端に姉さんが待機してるのが見える。どうやらまだやって良いらしい。会話は聞こえてないみたいだな。よかったよかった。

 

じゃあ…狩るか。

 

 

「なッ……!?どこに行った!!」

 

 

刹那、ボーデヴィッヒの視界からは俺が消えたように見えたはずだ。

 

 

バァァン!!

 

 

「」

 

 

 

レールカノン、ワイヤーブレードを破壊した。レールカノンは爆発して装備していたボーデヴィッヒにもダメージが入り苦悶の表情。声にも出来ないようだ。

 

 

「な…ぜ…?何故貴様が…ソレを持っている?ソレは私だけの…」

 

 

ボーデヴィッヒの目線の先には両目が金色に変色、つまりヴォーダン・オージェが発動した俺の姿。

 

 

()()は完成されている。この意味がわかるな?」

 

 

「…あぁ……あぁ……」

 

 

俺はヴォーダン・オージェを解き目の色を戻す。ボーデヴィッヒにもう戦意はない。これ以上の戦闘はムダだ。…だが、

 

 

「ISはまだ動いているな。これで終わりだ」

 

 

俺が雪片を振り下ろす。

 

 

「そこまでだ織斑。全く、やりすぎだ」

 

 

打鉄のブレードで雪片を止める姉さん。

 

 

「2人とも暴れすぎだ。流石に止めさせてもらった」

 

「今回の罰則は?」

 

「2人とも…と言いたいところだが、申請書で許可は出ていたし、オルコットと鳳も合意で戦闘していたからな。今回は不問とする」

 

 

やれやれ…といったかんじの姉さん。毎度ご迷惑かけます。

 

 

「この決着は学年別トーナメントで決めろ。2人とも実力はあるからな。どうせすぐ当たる。それと織斑」

 

「はい?」

 

「その武装はなんだ?」

 

 

え?と思ったがもう時すでに遅し。俺の左腕には展開したままの雪羅が…

 

 

「…さっき衝動的に動いた時、気づいたら装備してました。詳細は分かりません」

 

 

目をそらしながら答える。多分ダメだろうなぁ…

 

 

「…良いだろう。そういう事にしておく」

 

 

お、マジで?

 

 

「ただし、武装のデータは出してもらうぞ。もしかしたら束がいつのまにか追加したのかもしれん」

 

 

…違うんです。これ出したのは白式です。

 

 

『ちょっと一夏!?売る気!!』

 

 

(いやいや、しませんって。後、事実ですから)

 

 

「では、解散だ」

今後の進行における重要事項『アンケート結果がそのまま反映されるわけではありません。あくまで参考にさせて戴きます』

  • 凍結し、リメイクのみを制作、順次更新
  • リメイク版無しでこのまま継続
  • リメイク版ありで両方継続
  • この作品のまま加筆修正

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