あの日の戦友たちは今敵となる   作:ゼノアplus+

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皆様どうも作者です。少し前より春休みに入りまして塾とか学校の勉強会とかで忙しく、家でもとろけるような生活をしているので更新ペースが大分伸びてしまいました。この文章を書いている今も塾の自習室でとろけております。

何話か前より新作のアンケートを実施しています。いつかは書こうとは思っていますが、今はコレに集中していこうと思います。書いたほうがいいのは分かっていますがプロットも作らず、ストックもしていないので小説の流れが落ち着いてきたら、新作も書いていこうと思いますのでお楽しみに〜


全然関係ないのですが、ちょっと前にツイッターで流行ったDX難波会長の杖(コラ)を真面目に欲しいと思いました。杖を折りながら忠誠を誓いたいですね!(誰にやねん)


では37話をお楽しみください!


それぞれの思いを胸に

 

ボーデヴィッヒとの模擬戦の後、部屋に戻った俺は今日のことを思い出していた。

 

「ククク…ここで瞳のお披露目は早かったけど、思ったより楽しかった………あ?」

 

 

()()()()()

 

 

「……ふざけてるのか俺。中身が違ってもアイツは()()()()()()()()()()()だぞ。あんな蹂躙が楽しいわけが…」

 

 

全く、口には気をつけないと… 災いの元だ。…天災の元?いや違うな。

 

とりあえず、学年別トーナメントまで時間がある。早々にペアを決めて連携を強化するべきなんだよなぁ… 普通に考えてシャルルだけど、まだ正体を知ってない事になってるしあまり深い接触はしたくない。というかできれば女子たちの犠牲になってほしい。俺はあの波に揉まれたくない。となると…鈴とセシリアはISの修復と合わせたらギリギリ間に合わないか。箒…はボーデヴィッヒとやるには実力が足りてない。悪くはないんだけどな。俺と合わせると両方前衛だから良くない。え、じゃあいなくね?……あっ、簪さん誘ってみるか。ISも完成してるし実力も十分だ。そうと決まれば早速連絡!…っと、その前に鈴とセシリアのお見舞いだな。

 

部屋を出て校舎まで歩いているが誰とも会わない。何故だ?いや…ドシンドシンと少しずつ足踏みの音が聞こえる。おいおい!こっちに来てるじゃねえか。隠れないと…ちょうど良いところに男子トイレが!!

 

隠れていると…

 

 

「織斑君は部屋に戻ったって誰かが言ってたわ!扉前でガン待ちしましょう!」

 

「「「おお〜!!」」」

 

 

……アレか。学年別トーナメントがペアで行われるって発表今日だったのか…ペアの申請書を持った女生徒たちがすごい気迫で通り過ぎていく。……隠れてよかった。

 

 

程なくして保健室についた俺だが…入って良いものか…

 

 

コンコン…

 

 

「1年1組の織斑です。入って良いでしょうか?」

 

「一夏?セシリア、入れて良いわよね?」

 

「え!?一夏さんですの?ちょ、ちょっと待ってくださいまし!!」

 

 

ドタドタと中から音が聞こえる。そんなに動いて大丈夫か?

 

「入ってきて良いわよ」

 

「鈴さん!?まだ心の準備が…」 「ハイハイ」

 

 

…本当に入って良いんだよな?

 

 

「じゃあ、失礼します」

 

 

扉を開け中に入ると、ベッドの上でおとなしくしてる鈴と、何かあったのだろう(決して俺は知らない)セシリアがいた。ちなみに2人とも包帯でグルグル巻きだ。

 

 

「大丈夫か2人とも?」

 

「アンタねぇ…これ見て大丈夫に見える」

 

「ははっ、すまん。セシリアは?」

 

「え、ええ。まだ痛みはありますが動くのに支障はありませんわ」

 

 

セシリアは涙目で答える。無理しなさんなって。

 

 

「そ、そうか。それで2人とも、療養中で悪いが、何があった?」

「何って?」

 

「ボーデヴィッヒと戦ったんだろ?その経緯だよ」

 

 

なんとなく察しはつくが、一応聞いておかないと、次に俺がどこまでやって良いか分からない。

 

 

「あ、それのことね。まず…」

 

 

鈴の話に寄れば、2人で訓練しようとしたところにボーデヴィッヒが現れ俺と模擬戦する前のウォーミングアップだと言ったらしい。で、自分のことが眼中にないと暗に言われて怒ったセシリアがボーデヴィッヒに突っ込んでいき、それを止めようと鈴も参戦。それでボーデヴィッヒに色々煽られ、鈴もキレて2人で襲いかかったがボッコボコにされ俺がきた時の状況らしい。

 

 

「2人とも…」

 

「分かってるわよ、私もまだ煽り耐性がちゃんとついてなかったらしいわ。普段ならあれくらい大丈夫なんだけど、セシリアを止めなくちゃって焦ってたから」

 

「わたくしは…祖国の侮辱に対して どうしても許せなくて…」

 

 

鈴は昔よりマシになったけどまだまだっぽいな。セシリアを止めようとしたのはナイスだけど。セシリアは…仕方ないといえばそれまでだ。彼女の愛国心とプライドがそうさせたのだろう。…もう少し落ち着いても良いと思うが。

 

 

「まあ、何はともあれ無事でよかった。…いや、無事じゃないけど後に残る傷はないんだろ?」

 

「ええ、2人ともないわ」

 

「そうか、嫁入り前の娘に傷がついたらいけないからな」

 

 

ウンウンと一人で頷く俺。何をオヤジ臭いこと言ってんだか。

 

 

「もし傷物になってたら一夏に責任取ってもらうから私は良いわよ〜」

 

「なッ!!…全く、不意打ちでもそう言うこと言うのやめなさい鈴。自分の体を大切にしろ」

 

 

鈴からのまさかの一言にビビるが、そういやコイツちょっと前から大胆だったなとか思いながら頭を撫でる。

 

 

「一夏さん!?ま、まさかお二人はすでにそういう仲なんですの…!?」

 

「違うわよ。言ってみただけよ、ねえ一夏?」

 

 

鈴、そう言い方良くないぞ。俺が主に被害を被るような言い方は…目をそらしながら俺は…

 

 

「あ、ああ…もちろん俺も分かってたさ…セシリアも良く頑張ったな」

 

「あっ、一夏さん…///」

 

 

「一夏アンタ…(あの反応…若干顔も赤いし、意外と一夏私に脈ある?)」

 

 

セシリアの頭も撫で、回避する。鈴よ、その視線はやめてくれ。こういう風な回避方法良くないって自覚あるから。

 

 

「あっ、鈴。アレは取ったか?」

 

「んっ、これでしょ。まさかアンタの教えがこんなところで役に立つとは思わなかったわ」

 

 

鈴が俺に渡してきたもの、小型のレコーダーである。

 

 

「一夏さん…鈴さんに何を教えたのですか?」

 

「明らかに態度が悪い子供みたいなやつがいたら、暴言とか侮辱とかを言ってくるかもしれないから持っとけ〜、って言って持たせてたんだよ。中学の時からな」

 

「あの頃でも女尊男卑の風潮は結構濃かったからね。それが嫌で色々言ってくる同年代の男子も多かったのよ。私は何もしてないのに。…だいたい拳で黙らせてたから使うこともなかったけど」

 

 

イヤホンを刺して片耳でレコーダーの中身を聞く。あ〜、1回目とほとんど同じようなこと言ってるな。これじゃ難しいか。

 

 

「鈴、サンキューな。あんま、有効打にはならないかも」

 

「そう?まあ、使いどころもないし仕方ないわよね〜」

 

「お2人とも会話がゲスいですわ…」

 

 

おやセシリア、ゲスいなんてフレーズどこで覚えたんだい?

 

 

「あ、そうだ。ISは大丈夫か?トーナメント間に合いそうか?」

 

「あ〜、私は無理そうね。怪我も治らないし、機体もボロボロ」

 

「わたくしは怪我は治りそうなのですが…ISといいますか、BT兵器の予備がこれ以上なくて…本体も直りませんし」

 

 

聞くところによると2人ともISの損傷レベルがCオーバーらしい。まあ、無理だわな。

 

 

「そうか。今回はタッグマッチらしいからな。大丈夫そうならどっちか誘おうと思ったんだけど、仕方ないか」

 

「え!!そういうことでしたら、全力でISを修復して一夏さんのペアをして差し上げますわ!!」

 

「落ち着きなさいよセシリア。アンタも私も体はボロボロ、ISもボロボロ。できることは療養だけよ。諦めなさい。私だって、出来るなら出場したいんだから」

 

 

なんか最近セシリアが子犬っぽいな。こう、餌を目の前にしたみたいに。

 

 

「ま、そういうことだ。他のペア候補も決めてるしな」

 

「えーと、デュノアか箒?」

 

「いや、シャルルには女子達の犠牲になってもらうし箒はボーデヴィッヒと当たった時の実力が足りないからな。4組の日本代表候補生を誘う予定だ。ISの開発元も同じだからいい宣伝になるしな」

 

「4組の日本代表候補生と言いますと…更識簪さんですの?まだISが完成してないと聞いていましたが…」

 

 

この前しっかり完成したからな。無駄に最高峰の奴らが作ってるから性能も良いだろうし。…マジで変な改造されてないといいけど…

 

 

「この前俺が白式のメンテで倉持に行った時はもう完成間近だったからな。出来たって連絡もあったし」

 

「…一夏さん、もう連絡先まで交換してますの?」

 

「え?ああ、お互いアニメとかで趣味があったからな。そう時間もかからなかったし、性格もいい人だぞ?ちょっと内気だけど、言うときははっきり言うし」

 

「へぇ、会ってみたいわね。(一夏、随分入れ込んでるわね。最近、そういうの多いけど相変わらずみたい)」

 

 

セシリアは訝しげな視線を向けてくるが無視。どっちかっていうと鈴の見定めるような視線の方がきつい。

 

 

「ま、そういうわけだ。すまんな、酷なこと聞きにきて」

 

「いえ、こちらこそですわ。せっかくお誘いにきてくれましたのにこのような状態で」

 

「命に別状はないし大丈夫よ。ほーら!セシリアとガールズトークするんだから、男は帰った帰った」

 

 

しっしと、鈴が手を振る。おいおい、分かってるけどもうちょっとやり方あるんじゃないか?」

 

「アンタ途中から声出てるわよ。分かってるんだったらいいじゃない。この前のアレ晒すわよ」

 

「早急に去らせていただきます!!」

 

 

俺は脱兎のごとく走った。…うさぎって言ってもどこかの天災殿ではないぞ?

 

 

 

 

 

 

〜保健室 鈴side〜

 

 

「ようやく行ったわね…」

 

「鈴さん…よかったのですの?あんな追い払いかたをして…」

 

「いいのよ。少しでも元気に振る舞わないとアイツいつまでも心配するから」

 

 

全く、私の惚れた相手にも困ったものね。隠し事も増えてるし…

 

 

「…お2人の関係が、少し羨ましいですわ」

 

「どうしたの?改まって。私とアイツはただの幼馴染よ。そこまで年数経ってないけどね」

 

「いえ、そういうことではなく。信頼し合ってると言いますでしょうか?あまり言葉を交わさなくても伝わるというのは、ロマンチックですわね。わたくしも一夏さんとそんな風になりたいですわ」

 

 

いつものセシリアなら自分の世界にトリップしているところなのに、今日はちゃんと言ってるわね。

 

 

「…そんな素晴らしいものじゃ無いわよ。少し波長があうだけ。たま〜に同族嫌悪的なものもあるわ」

 

「差し支えなければお聞きしても?」

 

「私と一夏はね、自分の問題は内に秘めるタイプなのよ。助けて欲しくても言わないから気づかないし勘違いで喧嘩になったこともあったわ。最近も…それに近いことがあったし」

 

 

まさか私があんな堂々と一夏に物申せるとは思ってなかったけど、やらかしたっていうのは間違いないわ。…思い出しても顔から火が出そう。

 

 

「確かに、最近の一夏さんは少し無理をなさっている風に思えます。ですが…「だからね」…?」

 

 

つい、食い気味に言ってしまったわ。

 

 

「私たちで一夏を守ってあげないとね」

 

 

そう、セシリアに言うと、

 

 

「…そうですわね。わたくし達で支えてあげませんと。一夏さんに、わたくし達の思いをぶつける良いチャンスでもありますし」

 

「セシリアも『達』でいいの?ライバルでしょ私たち」

 

「何を仰いますの鈴さん。ライバルである前に、『お友達』ではありませんか」

 

「セシリア…」

 

 

今のはすごい…こう、心に響くわね。たまにはいいこと言うじゃない。

 

 

コンコン。

 

 

「篠ノ之だが、入っていいだろうか?見舞いに来たのだが」

 

「いいわよ。ちょうどいいところに来たわね箒!あなたも混ざりなさい!」

 

「そうですわね、この話は箒さんもいなくては始まりませんわ!」

 

 

 

私達は結構長い時間話してそれぞれの思いを胸に寝たわ。うーん、この言い方なんか変ね… あ、声を大きくして話しすぎて織斑先生に怒られたのは内緒よ?

今後の進行における重要事項『アンケート結果がそのまま反映されるわけではありません。あくまで参考にさせて戴きます』

  • 凍結し、リメイクのみを制作、順次更新
  • リメイク版無しでこのまま継続
  • リメイク版ありで両方継続
  • この作品のまま加筆修正

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