あの日の戦友たちは今敵となる   作:ゼノアplus+

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縛られし狼と解き放たれし一角獣

42話

 

 

来た。

 

 

「あああぁあぁぁあぁあ!!!」

 

 

突如としてボーデヴィッヒの機体から電流が迸る。

 

 

「何が……起こってるの?」

 

「簪さん、シャルルを連れて下がってろ」

 

「え?でも……」

 

「いいから、早く」

 

 

アリーナ観客席も防護壁が展開されていき、ボーデヴィッヒの機体も装甲がドロドロに溶けて全身を包み込んでいく。

 

 

「VTシステム……」

 

「え……嘘……あれが?」

 

「ああ、おそらく元となったデータは……」

 

 

そして形作られたソレは

 

 

「姉さん、織斑千冬だろうな」

 

 

暮桜を纏った姉さんを模した真っ黒なモノ。

 

 

「多分全盛期の頃のデータだな。アレが本当にヴァルキリーを冠するものなら」

 

 

やっぱ何回見ても気分のいいもんじゃない。ドイツの違法研究所を潰した時に一緒に破壊すればよかった。

 

 

「じゃ、じゃあ一夏も逃げないと。教員部隊がなんとかしてくれると思う……」

 

「ダメだ。本体がボーデヴィッヒだとしても、アレは俺の姉のデータだ。家族の不始末は俺が片付ける。お前は早くシャルルを連れて退避しろ」

 

「……勝てるの?」

 

 

本人にはまだ分からんけど、コピー程度なら勝てるだろ。

 

 

「多分勝てる。今アイツが攻撃してこないのもこちらが攻撃意思を示してないからだろうな。プログラム程度に負ける俺ではねぇよ」

 

「エネルギー残量は?」

 

「零落白夜を一瞬しか使ってないから余裕で残ってる」

 

 

なんなら一撃ももらってないからまだ90%以上は残ってるな。

 

 

『IS使いは荒いくせに』

 

(ソレは諦めろ)

 

「……勝ってね一夏」

 

「ああ、もちろん」

 

 

少し迷って簪さんはデュノアを連れて出て行く。同時に教員部隊も来たようだが、攻撃していないところを見る限り姉さんが何か言ったのだろう。

 

 

「さてと……来いよ模造品。お前の信じる織斑千冬になれたんだぜ?自分のものじゃない借り物の力で、その気持ちが晴れるんなら……胸を貸してやる」

 

 

俺は片手で雪片を構える。ソレを見てVTシステムは動き出す。一閃、ヤツの雪片が俺に向かうが、タイミングを合わせて俺の雪片を打ち付ける。

 

すると……

 

 

『ッ!?』

 

 

ヤツの黒い雪片は砕け散りその手には折れた雪片の柄しか残らない。

 

 

「本物は……俺の尊敬する姉の剣は、こんなもんじゃねえんだよ!!」

 

 

俺はヤツの腹を袈裟斬り。中からボーデヴィッヒが出て来る。俺はまだ完全に出てないボーデヴィッヒの腕をつかもうとする。

 

 

刹那、もう一度機体がボーデヴィッヒを取り込み再起動する。

 

 

「なに!?まだ動くのか……」

 

 

またもや機体が溶け、グニュグニュと蠢く。

 

 

「1回目の時こんなことはなかった……一体何が……ッ!?」

 

 

目?のような場所が一瞬金色に光ったと思うと、俺は力が抜け落ちたように感じた。

 

 

「今のは……?まあいい。それよりも……コイツを完成させるのはマズイ気がする……先にユニコーンで消滅……チッ」

 

 

中にまだボーデヴィッヒが居るんだった……それに周りにもまだ教員部隊がいる。

 

 

「まともにやり合うしかねぇってのか……!!」

 

 

すると少しずつ形作られていく。まず見えたのは尻尾。機械的なものではなく本当の動物のような物。続いて足、通常の人型のものではない、膝で折れ曲り瞬発力の高い構造なのが見て取れる。次に胴、少し角ばったデザインで胸のところにISコアが見える。……が、変色し見ているだけでも引き込まれそうな純黒の色をしている。腕は意外と細身で、特徴は指と爪の部分が人間のソレより長いことくらいか。頭部は狼のような耳と牙が見える。そして最も特徴的なのは各部位に巻きついている鎖だ。

 

 

「狼の見た目で鎖とか、まるで神話のフェンリルだな……」

 

『ご明察』

 

「ッ!?誰だ!!」

 

 

周りには誰も見えない、ISの索敵から逃れられるほどの距離にいるのか、それともISにも作用するステルスか……

 

 

『探しても君には見つけられない。それよりも、敵に目を向けなくていいのか?』

 

 

声を聞き、機体の方に目を向けると、背中から二つの黒い球体が飛び出し本体と似たような形をとる。唯一違うのは、胸のISコアがないという点。

 

 

「あれは……」

 

『スコルとハティ。まあ、フェンリルの子機と思えばいい』

 

「大層、有名な名前をつけるんだな。それにしても……何者だ?」

 

『それは自分たちで見つけ出せ。まだ、我々を知るには早い』

 

 

第三勢力………俺を殺した奴らか?

 

 

『グルルル………』

 

 

フェンリル、声がそういった機体は低く唸り声をあげる。

 

 

「チッ……ヴォーダン・オージェも使わないとキツそうだな……」

 

 

俺は瞳を発動させようとする。……が、

 

 

「発動しない!?……さっきの力が抜けた感覚……まさかヤツが、機能を停止させたのか」

 

『神話ではフェンリルはオーディンを飲み込む。たかが瞳程度、造作もない』

 

「……ボーデヴィッヒのもか?」

 

『あの個体の物なら完全にフェンリルが奪った。もし個体が無事でも、その体ではもう力は行使出来ないだろう』

 

 

やってくれる……まったくもって面倒な……

 

 

『『グルッ!』』

 

「行かせねえよ……ッ!?」

 

 

 

スコルとハティ?の動きを止めようとした俺だが、本体であるフェンリルに止められてしまう。

 

なんだ今の……見えなかったぞ……早すぎる……あんな速度で、いや、あんな高出力だとボーデヴィッヒの体が持つかどうかッ!

 

 

「ぐっ……!!重い!!なんだコイツ……規格外すぎるだろ!?」

 

 

フェンリルの爪は俺の雪片を正確に捉えていて離さない。

 

 

『安心しろ、あくまでフェンリルが動くのは素体となるラウラ・ボーデヴィッヒとそのISコア。手荒なことにはなっていない』

 

「やけに良心的じゃないか……さしずめ、もうデータは取れたってところか!」

 

『流石だな。その通り、今回は起動実験に過ぎない。性能なんぞ、元から期待していなかったが……思ったよりフェンリルの性能も良く、君というこの世界の基準値から逸脱した存在も確認することができた。十分どころか、お釣りが来る成果だ』

 

 

コイツッ……俺の事気付いてやがる!?一体なぜ……

 

 

「やけに口調がフランクだな……そんなに嬉しかったか?」

 

『まあそんなところだ。さあ、どう対処する?白式では勝てない。ソレを使った方が良いのではないか?』

 

 

ユニコーンの事も知ってんのか……一応、切り札だったんだが……

 

 

「余計な……お世話だ!!」

 

「キャアアアアア!!!」

 

 

ッ、なんだ!?

 

 

『ガウッ!!』

 

 

悲鳴の主の方を向くと今まさに教員部隊がスコルとハティの両子機に襲われていた。

 

 

「ッ!?アイツら……クソッ!早く離しやがれ!!」

 

 

俺は力ずくで振りほどこうとしているが、ならばと言わんばかりにさらに強く押さえつけられる。

 

 

「力強すぎんだろ!!」

 

「ヒッ!?やめてぇぇぇ!!」

 

「ッ!?」

 

 

悲鳴が聞こえまたそちらを向くと、なんと子機2体が教員ごとISを捕食していた。

 

 

「なんのつもりだ!!」

 

『これもまた、目的の一つだ』

 

「…ッ!力が弱まった?これならッ!!」

 

 

雪片を力の限り振り、フェンリルから離れる。いや、離れると言うより、離してもらえた、と言う方が正しい。

 

 

「一体なぜ……?」

 

『貴様がソレを使わないのではなく、使えないのであれば、少し手伝ってやろう』

 

「なに……?」

 

 

すると、教員ごと捕食したスコルとハティの上半身部分が、少し変形した。

 

 

『『ペッ……』』

 

「なに!?」

 

 

2体はなんと教員とISコアのみを吐き出した。

 

てことは……装甲だけを捕食して、新たなパーツを作ったのか。

 

 

『『……▲※◆◯@!!!!!』』

 

「さっきから一体なんだ!?」

 

 

今度は咆哮。しかも人狼っぽい見た目のくせに音としては最悪な音を出している。……耳がいてぇ。

 

すると、管制室のシャッターが降り、カメラと思われる辺りの機械がことごとく破壊されていった。しかも周りには謎の電波まで出ている。

 

 

『これでアリーナの様子が分かる者は誰もいない。教員部隊も全て無力化している。存分に力を発揮してくれ』

 

「余計な気を回しやがって……チッ、仕方ないか。白式、お疲れ様。交代だ」

 

『疲れた〜……私が腕の制御アシストしてたの気づいてた?あれなかったら一夏の腕ポッキリ逝ってたんだからね!』

 

「もちろん分かってたよ、ありがとな。ゆっくり休んでろ」

 

 

……すいません白式さん。全然知りませんでした。マジで感謝。

 

 

「実際はお前が操ってんじゃねえかって疑うぞコイツ。なんで攻撃して来ねえんだよ……」

 

『正義のヒーローの変身シーンを邪魔する怪人はいないだろう?そう言うことだ』

 

「無駄に強い以外ただのアホじゃねえかよ……誰だこのシステム作ったやつ。絶対バカだろ……」

 

『本人に今度伝えておこう』

 

 

独り言だっつーの……

 

 

「……ッたく。ユニコーン、出番だ。流石に、今回は真面目にやるぞ」

 

『……分かった。ユニコーン、頑張る!』

 

 

ユニコーンの言葉とともに機体を纏う。マニュピレーター……めんどくさい、手を握ったり開いたりして調子を確認する。

 

 

「こんな生ぬるい状況の戦場なんてあって良いのだろうか……」

 

『仮に本当の戦場にいても貴様なら問題ないだろう?それくらいの覚悟は付いているはずだ』

 

 

コイツやけに俺のことに対して詳しいな……もしかしてストーカー!?

 

 

『……今すぐ新しいプログラムを送って貴様を殺してやろうか?貴様は顔で分かりやすい』

 

「なんで姿も見えない敵に説教されてるんですかね俺は……って、切り替えないと。……ふぅ……よし。やるか」

 

 

俺は盾とビームマグナムを取り出す。……展開速度は0,4秒か。まあ及第点かな。

 

 

『クククッ、力を見せてみろ、織斑一夏!!』

 

「言われなくてもな!」

 

 

声の言葉を皮切りに、フェンリルが突撃してくる。俺はビームマグナムで狙い撃つが最小限の動きで躱された。

 

腕を振り上げて迫ってきたフェンリルに対し盾でガード。思ったより、軽く感じる。やはりユニコーンの出力なら容易に受け止めれるようだ。

 

盾で弾き、右腕にも盾を展開し、ビームガトリングガンを両腕の盾から放つ。すると今度はフェンリルが右腕に巻かれた鎖で全ての球を辺り一面に弾き飛ばした。

 

 

「大人しく鎖で縛られてろよ……そんなのありか」

 

『殺し合いでありもなしも無い』

 

「分かってるよ、そんなことはな!」

 

 

盾とビームマグナムを収納し、背中のビームサーベル2本を手に取る。次は俺の番。瞬時加速を使い一気に斬りかかる。二刀流剣術なんてものはまともに知らないでので袈裟斬りや突きなど、フェイントを含めて攻撃する。

 

……が、

 

 

「コイツ……早いな!!」

 

 

先ほどと同じく、全て最小限の動きで避けられる。そこへ反撃の爪が来るがビームサーベルでガード。ついでに残った左腕で胴を断とうとビームサーベルを当てるが、固すぎるのか、熱に対する耐性が異常なのかビクともしない。

 

仕方ないので、爪を弾き距離を取る。

 

 

「固いな……まあ出力も落としてたし仕方ないって言えば終わりだが……これならどうだ」

 

 

俺はファンネルを4分の1の39機展開、同時に操作しフェンリルを囲う。

 

 

「ファンネル!

 

 

一斉にビームが放たれるが変わらず避け続ける。

 

 

「これでもダメなのか……ていうか絶対当たるはずなんだけど……あの図体じゃ避ける幅がない程度には詰めたはずなんだがなぁ……増やすか」

 

 

次は全体の半分、78機にしてさらに攻撃を指示する。今回はファンネルの動きもつけてだ。

 

 

「ふーむ、ちょこちょこ当たってるけど、有効打にならねぇな。効いてる風でもない……数じゃダメそうか?」

 

 

最後はファンネルを全て出し、俺自身もビームガトリングガン2つで加わる。

 

 

流石にキツくなってきたのか、PICで浮かび四肢の鎖を全て使って迎撃している。

 

 

「埒があかないな。仕方ない、あんまり爆発物は使いたくないんだけど……全兵装使用許可(オールウェポンアンロック)

 

……蹴散らせ」

 

 

実弾も爆発物もビームもファンネルも、全ての武装を発射。その時の音や光、煙は尋常じゃない量だ。フルアーマーパッケージの武装を全て打ち終えたので、パッケージを収納。そういや、全弾打ち切るだけで億は超えるとか言ってたけど、作ったやつが悪いので後で請求しよう。

 

煙でフェンリルの姿が見えない。こういう時にお約束の「やったか!?」って言わないのも俺クオリティだ。

 

そして煙が晴れる。

 

 

「……嘘だろ。今のでもダメなのか。一応火力だけなら最大限使ったぞ……」

 

 

鎖で全身を守っている風だが、それだけではあの火力を防ぎきることは不可能、両腕や両足は焦げ、腕の鎖は吹っ飛んでいる。どうやら実弾の方が効くらしいな。まあこの成果の割にアリーナの被害がヤベェんだけど……

 

あたりを見ると地面はえぐれ、観客席は見るも無残な姿だ。

 

 

「正直これで終わってくれたら楽なんだけどな……ていうか、今の火力で倒れないやつとか、今の表に出てるISではいないんだけど?ビームマグナムでも過剰だってのに……」

 

 

そう愚痴を垂れながら俺はファンネルを収納する。

 

 

『グルル……』

 

「まだやる気があんのか。変に高性能なAIまで乗っけやがって……マジで生きてるみたいだな。……本気で行くか」

 

 

流石に、これ以上はアリーナへの負担が多すぎる。……原因のほとんどが俺のフルファイアなんだけど。

 

 

「『NT-D』発動」

 

 

 

 

物の数秒でデストロイモードへ移行し、制御に集中する。

 

 

「……ッ」

 

 

ちょっと精神的にキツイ。学園生活でだいぶ鈍ってるらしい。近々本部で鍛え直さないとな……

 

 

「行くぞ……」

 

 

刹那、俺の姿が消える。正確には消えたように見えるほどのスピードで俺は動き、フェンリルがこちらを捉えた時にはもう遅い。俺は右腕でフェンリルの左腕を捉え、左腕のビームトンファーで切り裂く。今回は出力も限界まで上げているため、フェンリルの流石の硬さも意味をなさず、腕を切り落とされる。

 

 

『……ッ!!』

 

 

負けじとフェンリルも蹴りを叩き込んでくる。

 

 

「クッ……いてぇじゃねえか!!」

 

 

先ほどより重く、鋭い一撃だった。

 

 

『ガアアアァァアアァァアアア!!!!』

 

「ッ!?うるせえな……」

 

 

フェンリルが叫ぶと同時に、目が紅く光り、オーラのようなものが機体から溢れ出てきた。

 

 

「本気ってわけか……さっきまでとは違うな」

 

 

お互い、見合う。俺はビームトンファーを、フェンリルは爪を、構えて向かい合う。

 

 

「『………』」

 

 

何秒経っただろうか、もしかしたら何十分もこのままだったかもしれないと思えるほどの集中。

 

そして……

 

 

「いざ……!!」

 

『!!!』

 

 

お互い同時に突撃。ただにAIにもこういう精神があってよかった。

 

 

フェンリルより先に繰り出した俺の攻撃は見事奴の頭を捉え貫いた!!……分けがなく、避けられる。そこへ飛んでくる奴の爪は俺の右脇腹を絶対防御ごと貫通し直にダメージを与える。

 

 

「ガッ……!?………ゴフッ!!……捉えたぜぇ……」

 

 

久々の痛み、肉が抉り取られるような感覚。おそらくは装甲と肉ごと持っていかれたのだろう。

 

 

「これでもう避けられねぇよなぁ……消えろ!!」

 

 

ビームトンファーで首を跳ねる。フェンリルの頭部は地に落ち胴体は残ったままだが動く気配もない。

 

 

「……勝ったか」

 

『おめでとう。……いやこの程度は簡単に倒してもらわなければなぁ?』

 

「今更どういう用件だ?次はスコルとハティをぶっ壊せばいいのか?」

 

『いいや、本体がもうすでに機能停止しているのでな。あと少しでシャッターなどへのハッキングやジャミングが解除されるだけだ』

 

「十分問題じゃねえか!ユニコーン、お疲れ様。バレるとまずいから解除するな」

 

『……ユニコーン頑張った?』

 

「ああ……素晴らしい活躍だったぞ」

 

『……えへへ』

 

 

労いの言葉をかけると、本当に喜んでるのが伝わってくる。

 

 

「後で直さないとな。腹が持ってかれるとは思ってなかった」

 

 

結構痛い……内臓までは通ってないけど、ダメージを負ったのが久しぶりで忘れてたな……まあ、回復力には自信があるし亡国で強化した分で明日には治ってるだろ。

 

そしてユニコーンを解除する。

 

 

「……ッ!!頭がいてぇ!!あ……がっ……」

 

『先ほどのシステムの使いすぎだだろう。見たところ、かなり負担がかかるシステムだな。操縦者のイメージインターフェイスを用いてまで機体性能を上げているだろう?体へのフィードバックは大きい』

 

「……見ただけで……分かるのかよ……クッ……意識が……」

 

 

マズイ、今気絶するのは勘弁してほしい。まだフェンリルの中からボーデヴィッヒを引きずり出してないんだ。

 

 

『ふむ……そうだ。フェンリルを圧倒した君に褒美をやろう』

 

「褒美……だと?」

 

『ククッ、起きてからのお楽しみだ。なに、悪いようにはしない。今は休め、愚かな変革者よ』

 

「なに?……どう……い……う……」

 

 

い……しき……が……

 

 

 

 

 

 

〜???〜

 

 

「及第点か……」

 

「十分でしょう。元々はシステムの完成をテストしたものです。それを測るために耐久性を上げていたようのもの、成功と称して良いでしょう」

 

「いや、織斑一夏の方だ。思っていたよりは強かったが、あの程度では我らには到底及ばない」

 

「そこは……これからに期待しましょう」

 

「そうだな。……忘れていた。***に伝えておいてくれ。あのシステムは無駄に強い以外ただのアホだった、とな」

 

「……私に死ねと?」

 

「冗談だ、自分で伝えるさ。……帰るぞ、褒美はくれてやった」

 

「全く……お戯れが過ぎます」

 

「何か言ったか?」

 

「いえ、なんでもありません。帰りましょう」

今後の進行における重要事項『アンケート結果がそのまま反映されるわけではありません。あくまで参考にさせて戴きます』

  • 凍結し、リメイクのみを制作、順次更新
  • リメイク版無しでこのまま継続
  • リメイク版ありで両方継続
  • この作品のまま加筆修正

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